第1071回 波乱必至!? ターコイズSを分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1071回 波乱必至!? ターコイズSを分析

2016/12/12(月)

今週土曜日は中山競馬場でターコイズSが行われる。牝馬限定のハンデ重賞で、昨年から重賞に昇格した。その前はオープン特別で行われており、条件自体は重賞となっても変わっていない。そこで過去10年の同レースを分析し、傾向を探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年のターコイズSの結果

着順 馬名 人気 年齢 斤量
15年 1 シングウィズジョイ 11 3 53
2 ダンスアミーガ 16 4 53
3 オツウ 15 5 52
14年 1 ミナレット 9 4 50
2 マーブルカテドラル 3 3 53
3 メイショウスザンナ 6 5 53
13年 1 レイカーラ 2 4 53
2 ノボリディアーナ 3 3 53
3 ミッドサマーフェア 6 4 55
12年 1 サウンドオブハート 1 3 55
2 オメガハートランド 16 3 54
3 アミカブルナンバー 2 3 51
11年 1 マイネプリンセス 14 5 51
2 ギンザボナンザ 4 4 53
3 エオリアンハープ 8 5 54
10年 1 カウアイレーン 3 4 54
2 アグネスワルツ 2 3 55
3 アンシェルブルー 4 3 53
09年 1 ウェディングフジコ 3 5 52
2 ホクトグレイン 1 3 50
3 ヘヴンリークルーズ 13 4 50
08年 1 ザレマ 6 4 54
2 カレイジャスミン 10 3 52
3 ソーマジック 1 3 55
07年 1 コスモマーベラス 6 5 56
2 ザレマ 5 3 52
3 カタマチボタン 4 3 53
06年 1 コスモマーベラス 1 4 55
2 ウイングレット 3 5 56
3 ピサノグラフ 2 4 53

まずは過去10年のターコイズSの好走馬を見ていく(表1参照)。重賞に昇格となった昨年は11番人気のシングウィズジョイが勝利。2着には16番人気のダンスアミーガ、3着には15番人気のオツウが激走。二けた人気馬が上位を独占するという稀に見る大波乱となり、3連単は295万円台の特大万馬券となった。昨年以外にも二けた人気馬が何度か激走を果たしており、以前から波乱傾向は強いレースだった。今年も一筋縄ではいかない予感がする。

2015/12/19 中山11R ターコイズステークス 1着 16番 シングウィズジョイ

また、昨年優勝のシングウィズジョイは、今年のエリザベス女王杯でも12番人気ながら2着と好走。一昨年の優勝馬ミナレットは、翌年のヴィクトリアマイルで18番人気ながら3着と激走。つまり、近2年の優勝馬は後のG1で好走している。その他にもメイショウスザンナやノボリディアーナが、後の牝馬限定重賞を伏兵の立場で優勝している。今後の牝馬重賞戦線にもつながるという意味でも、注目の一戦となりそうだ。

■表2 過去10年のターコイズSの枠順別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 1- 0- 1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 37 46
2枠 1- 1- 1-12/15 6.7% 13.3% 20.0% 45 49
3枠 0- 2- 2-13/17 0.0% 11.8% 23.5% 0 94
4枠 3- 1- 2-13/19 15.8% 21.1% 31.6% 181 108
5枠 2- 4- 0-14/20 10.0% 30.0% 30.0% 76 123
6枠 0- 0- 2-18/20 0.0% 0.0% 10.0% 0 27
7枠 1- 1- 2-16/20 5.0% 10.0% 20.0% 49 90
8枠 2- 1- 0-17/20 10.0% 15.0% 15.0% 684 211

中山芝1600mといえば、「内枠が有利で外枠が不利」というのが定説。そうした点も波乱の要因になっているかどうかを調べてみた。表2は過去10年のターコイズSの枠順別成績。結論から言うと、枠順による影響はあまり感じない。不利と思われている8枠でも2勝を挙げており、回収率も高い。7枠からも連対馬が出ている。有利とされる1枠はそれほど目立つ成績ではない。「外枠=不利」というイメージにより配当に影響が出るのであれば、むしろ軽視されやすい外枠は狙い目になると言えるかもしれない。

■表3 過去10年のターコイズSの脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
逃げ 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 380 226
先行 7-  3-  5- 21/ 36 19.4% 27.8% 41.7% 462 182
差し 1-  5-  3- 46/ 55 1.8% 10.9% 16.4% 6 62
追い込み 0-  1-  1- 41/ 43 0.0% 2.3% 4.7% 0 41

続いてターコイズSの脚質別成績を調べた(表3参照)。傾向を見ると、枠順よりもこちらの方が重要なポイントと言えるかもしれない。とにかく逃げ〜先行馬が強い。複勝率はともに40%台で、勝ち馬の9割を占める。近年は差しも十分に決まるイメージがあるコースだが、このレースでは好走率・回収率ともに逃げ〜先行馬が圧倒。前々で競馬ができる馬でないと勝機はかなり薄くなると言えるだろう。

■表4 ターコイズS出走馬の前走レース別成績(過去10年)

順位 前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 ユートピ1600 4- 2- 2-24/32 12.5% 18.8% 25.0% 393 124
2 エリザベG1 2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 184 110
3 秋華賞G1 1- 5- 1- 9/16 6.3% 37.5% 43.8% 142 229
4 奥多摩S1600 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 856 223
5 桜花賞G1 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 245 95
6 ドンカH1600 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1230 300
7 キャピタ 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0 850
8 清水SH1600 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0 140
9 1000万下・牝 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 50
10 府中牝馬G2 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0 60
11 京洛SH 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0 120
12 富士SG3 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 115
13 奥多摩H1600 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 110
14 オーロカH 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
15 磐梯山特1000 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
16 1000万下 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
17 福島記念HG3 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
18 北大路H1000 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
19 信越SH 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
20 エプソムG3 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
21 アンドロH 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
22 府中牝馬G3 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
23 パラダイH 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

さらに表4ではターコイズS出走馬の前走レース別成績を調べた。主要ステップレースはユートピアS。東京芝1600m(07年は東京芝1800m)で行われる1600万クラスの牝馬限定戦からの出走馬が最も多い。格下のレースなのにこれだけ出走馬が多いということは、勝ち馬以外の出走馬が多いことを意味している。今回がハンデ戦ということもあり、軽ハンデの格下馬の出走がめずらしくなく、なおかつ実際に好走を果たしていることになる。

あとはエリザベス女王杯や秋華賞といった前走G1組。連対馬に関して言えば、上記の3レース出身馬で7〜8割を占めている。同じオープンクラスのレースでも府中牝馬Sやオーロカップ、福島記念といった組はそこそこの出走例がありながら好走馬が少ない。ユートピアSと同じように1600万クラスからの格上挑戦馬が少なくないので、予想を難しくしているようだ。

■表5 前走ユートピアS組の前走脚質別成績(過去10年)

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
逃げ 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 100 103
先行 2- 1- 0- 3/ 6 33.3% 50.0% 50.0% 146 100
差し 0- 0- 2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0 78
追い込み 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 1141 206

ステップレースごとの特徴もいくつかある。まずはユートピアS組。表5は同レースでの前走脚質別成績だ。ユートピアSでどんなレースをしていたかに注目すると傾向が見えてくる。同レースで逃げ〜先行だった馬の成績が非常にいい。ユートピアSで差し〜追い込みだった馬に比べると、成績は一目瞭然だ。先ほどのターコイズSにおける脚質傾向でも逃げ〜先行馬が強いという傾向が出ており、普段から前々で競馬をしている馬が狙い目となる。ユートピアSでの着順や着差は度外視し、脚質に注目することでとんでもない伏兵馬にも注目できるようになりそうだ

前走エリザベス女王杯や秋華賞組の取捨は案外難しい。G1出走馬だけにいずれの馬もそれなりの実績があり、実力的には通用して当然だからだ。それでもあえて注意するとすれば、秋華賞組の3歳馬。昨年優勝したシングウィズジョイは、春にフローラSを優勝していた。12年に16番人気で2着のオメガハートランド、08年に10番人気で2着のカレイジャスミンも同様のパターン。つまり、春に重賞で連対を果たしていた馬だった。秋華賞で見どころが薄い大敗をしていても、気にせずに狙ってみることが大事と言えるだろう。

2014/12/7 中山11R ターコイズステークス 1着 6番 ミナレット

あとは、ユートピアSと同じ前走東京芝1600m組に要注意。キャピタルS組から、昨年のダンスアミーガ、オツウが激走。東京芝1400m組だが、前走奥多摩Sで14着に大敗していたミナレットが一変。勝利をもぎ取っている。前開催の東京→今開催の中山に変わることで、思わぬ高配当が生まれる下地ができている。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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