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第1070回 好走馬の条件とは? 阪神JFを分析する

2016/12/8(木)

今週は2歳女王決定戦の阪神JFが行われる。優勝馬からはウオッカやブエナビスタ、アパパネといった名牝を輩出している。昨年はメジャーエンブレムが1番人気に応えて優勝。昨年以上の実力馬が揃った感がある今年はどういった決着となるだろうか。現在の外回りコースで行われるようになった06年以降の過去10年のデータから勝ち馬ならびに3着以内馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神JFの人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 3-  2-  1-  4/ 10 30.0% 50.0% 60.0% 63% 79%
2番人気 1-  1-  2-  6/ 10 10.0% 20.0% 40.0% 46% 78%
3番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 66% 72%
4番人気 2-  1-  2-  5/ 10 20.0% 30.0% 50.0% 179% 136%
5番人気 3-  1-  0-  6/ 10 30.0% 40.0% 40.0% 325% 116%
6番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
7番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0-  2-  2-  6/ 10 0.0% 20.0% 40.0% 0% 202%
9番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気以下 0-  2-  1- 87/ 90 0.0% 2.2% 3.3% 0% 48%

まずは人気別成績。1番人気馬は昨年のメジャーエンブレムら3勝で、連対率50%・複勝率60%はトップだ。2番人気馬は09年アパパネ、3番人気馬は07年トールポピーがそれぞれ1勝ずつ。対して、4番人気馬は2勝、5番人気馬は一昨年のショウナンアデラら3勝をあげている。勝ち馬はすべて5番人気以内で、上位人気馬が勝ち切っている

8番人気以下の伏兵は2着4回、3着3回で、昨年は10番人気ウインファビラスが2着に激走している。12年には5番人気ローブティサージュが勝利し、2着に15番人気クロフネサプライズ、3着に10番人気レッドセシリアが激走。3連単300万円を超える大波乱となった。ただし、馬連での万馬券は12年の1回のみで、伏兵が2・3着に絡むヒモ荒れが多いのが特徴だろう。

■表2 阪神JFの前走枠番別成績(過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 3- 1- 0-16/20 15.0% 20.0% 20.0% 108% 42%
2枠 0- 1- 2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 38%
3枠 0- 1- 1-18/20 0.0% 5.0% 10.0% 0% 36%
4枠 1- 1- 0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 73% 138%
5枠 0- 3- 3-14/20 0.0% 15.0% 30.0% 0% 135%
6枠 1- 2- 1-16/20 5.0% 15.0% 20.0% 8% 42%
7枠 3- 1- 1-25/30 10.0% 13.3% 16.7% 52% 47%
8枠 2- 0- 2-26/30 6.7% 6.7% 13.3% 48% 46%

表2は枠番別成績。過去10年すべてフルゲート18頭で行われており、最内の1枠と外目の7枠に入った馬がそれぞれ3勝をあげている。外目の6〜8枠で過半数の6勝で、5〜8枠に入った馬の3着以内馬が多い。逆に内目の2〜4枠に入った馬の連対率・複勝率が低い傾向にある。

■表3 阪神JFの所属別成績(過去10年)

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 3-  5-  5- 45/ 58 5.2% 13.8% 22.4% 29% 90%
栗東 7-  5-  5-105/122 5.7% 9.8% 13.9% 41% 50%

表3は出走馬の所属別成績。出走数が2倍以上と多い栗東所属の関西馬が13年レッドリヴェールら過半数の7勝をあげているものの、2着・3着の数では美浦所属の関東馬と5回ずつで並んでいる。

関東馬は一昨年のショウナンアデラ、昨年のメジャーエンブレムと2年連続で勝ち馬を輩出。一昨年は1・3着馬、昨年は1・2着馬が該当しており、複勝率では関西馬を大きく上回っている。08年以降の近8年で関東馬が毎年1頭は3着以内に好走している。

■表4 阪神JFのキャリア別成績(過去10年)

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1戦 1-  1-  2- 12/ 16 6.3% 12.5% 25.0% 42% 158%
2戦 5-  1-  2- 19/ 27 18.5% 22.2% 29.6% 139% 69%
3戦 4-  2-  3- 59/ 68 5.9% 8.8% 13.2% 34% 27%
4戦 0-  5-  2- 32/ 39 0.0% 12.8% 17.9% 0% 120%
5戦 0-  1-  1- 13/ 15 0.0% 6.7% 13.3% 0% 31%
6戦以上 0-  0-  0- 15/ 15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4はキャリア別成績。2戦の馬が13年レッドリヴェールら最多の5勝をあげ、勝ち切る傾向が強い。勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。複勝率で2戦の馬に次ぐ高さなのが1戦の馬。11年にジョワドヴィーヴルが勝利している。

出走数最多の3戦の馬は昨年のメジャーエンブレムら4勝も、連対率・複勝率で1・2戦の馬に水を開けられている。ただし、一昨年は上位3着までを独占、昨年は1・3着馬が該当しており、回復傾向にある。勝ち馬はすべて1〜3戦の馬だった。

なお、4戦の馬は2着が5回と多く、連対率では2戦の馬に次ぐ高さだ。5戦の馬も2・3着止まりで、6戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。

■表5 阪神JFの前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
500万下のレース 4- 2- 2-45/53 7.5% 11.3% 15.1% 60% 80%
ファンタジーS 1- 3- 3-40/47 2.1% 8.5% 14.9% 17% 38%
アルテミスS 1- 2- 1- 3/ 7 14.3% 42.9% 57.1% 35% 140%
新馬戦 1- 1- 2-12/16 6.3% 12.5% 25.0% 42% 158%
札幌2歳S 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 486% 113%
デイリー杯2歳S 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 53% 36%
未勝利戦 1- 0- 0-11/12 8.3% 8.3% 8.3% 18% 10%
京王杯2歳S 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0% 166%
芙蓉S 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 105%
その他のレース 0- 0- 0-31/31 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
※アルテミスSはG3に格付けされた近2年を掲載。

表5は前走レース別成績。前走500万下のレースだった馬が一昨年のショウナンアデラら最多の4勝をあげている。この組は表6で後述する。個別レースで出走数が最も多いファンタジーS組は12年ローブティサージュの1勝のみで、連対率・複勝率ともに低い。この組の3着以内馬7頭はすべて前走で3着以内だった。

G3に格付けされた14年以降のアルテミスS組からは昨年のメジャーエンブレムが勝利。一昨年は2・3着馬、昨年は1・2着馬が該当しており、連対率・複勝率ともに非常に高い。好走した4頭のうち、一昨年2着レッツゴードンキ・3着ココロノアイ、昨年1着メジャーエンブレムは前走アルテミスSで連対していた。また、昨年2着のウインファビラスは前走5着に敗れていたものの、2走前の新潟2歳Sで2着と好走していた。

その他は札幌2歳S組から13年レッドリヴェール、デイリー杯2歳S組から10年レーヴディソールがそれぞれ勝利。また、京王杯2歳Sからは勝ち星こそないものの、2・3着1回ずつ。これら前走で牡馬混合重賞を使われた牝馬の好走が目立つ

なお、未勝利戦組は08年ブエナビスタの1勝のみ。前走オープン特別組も11年3着サウンドオブハート(前走芙蓉S1着)のみで、ともに苦戦傾向にある。

■表6 前走500万下組の前走コース別成績(過去10年)

前走コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
京都芝1800m 2- 0- 0- 4/ 6 33.3% 33.3% 33.3% 295% 78%
東京芝1600m 1- 1- 0- 6/ 8 12.5% 25.0% 25.0% 57% 51%
東京芝1400m 1- 0- 1- 6/ 8 12.5% 12.5% 25.0% 122% 90%
京都芝1400m 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 11.1% 22.2% 0% 293%
その他のコース 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は前走500万下のレースだった馬の前走コース別成績。前走京都芝1800mの黄菊賞だった組は06年ウオッカ、07年トールポピーの2勝。その他は東京芝1600m組からは09年アパパネ、東京芝1400m組からは一昨年のショウナンアデラが勝利している。京都芝1400mも含めて、前走500万下組3着以内馬の前走コースはこの4つに絞られていた。

■表7 阪神JFの前走距離別成績(過去10年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1200m 0-  0-  0- 19/ 19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1400m 2-  5-  6- 70/ 83 2.4% 8.4% 15.7% 21% 74%
1600m 5-  5-  4- 49/ 63 7.9% 15.9% 22.2% 28% 71%
1800m 3-  0-  0- 11/ 14 21.4% 21.4% 21.4% 230% 57%
2000m 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は前走距離別成績。前走1600m組が昨年のメジャーエンブレムら最多の5勝をあげており、3着以内数14頭は最も多い。また、前走1800m組は13年レッドリヴェールら3勝をあげている。出走数最多の前走1400m組は一昨年のショウナンアデラら2勝。ただし、これら2頭を含む勝ち馬10頭はデビュー2戦目までに芝1600m以上のレースを経験していた。

また、前走1400m組の3着以内馬13頭中7頭は芝1600m以上のレースに出走したことがあった。1600m以上のレース経験は大きなアドバンテージといえそうだ。なお、前走1200m組は3着以内馬がおらずに、苦戦傾向にある。

■表8 阪神JFの前走着順別成績(過去10年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 6-  6-  6- 76/ 94 6.4% 12.8% 19.1% 42% 83%
前走1人気 4-  3-  4- 22/ 33 12.1% 21.2% 33.3% 61% 114%
前走2着 4-  2-  2- 14/ 22 18.2% 27.3% 36.4% 128% 83%
前走3着 0-  1-  1-  6/  8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 71%
前走4着 0-  0-  1- 11/ 12 0.0% 0.0% 8.3% 0% 61%
前走5着 0-  1-  0-  8/  9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 51%
前走6〜9着 0-  0-  0- 18/ 18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着以下 0-  0-  0- 17/ 17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表8は前走着順別成績。前走1着馬が過半数の6勝をあげているが、そのうち4勝は前走1番人気で勝利した馬だった。3着以内数でも18頭中11頭を占めており、前走1番人気1着の馬には注目だ。

また、前走2着馬も連対率・複勝率ともに高く、好成績を示している。勝ち馬10頭はすべて前走で連対していた。前走3着馬の2・3着1回ずつはともにファンタジーS組。前走4着以下は苦戦傾向にある。

過去10年の3着以内馬30頭の阪神JFまでの戦歴で、6着以下に敗れたことがあるのは12年2着のクロフネサプライズのみ。他の29頭はいずれも5着以内に入っており、着順が崩れていないことが重要だ。

<結論>

■表9 今年の阪神JFの出走予定馬(12/7現在)

馬名 所属 キャリア 前走レース成績
ジューヌエコール 栗東 3戦 デイリー杯2歳S 1着
レーヌミノル 栗東 3戦 京王杯2歳S 2着
ウゼットジョリー 栗東 2戦 新潟2歳S 1着
リスグラシュー 栗東 3戦 アルテミスS 1着
ブラックオニキス 美浦 7戦 ファンタジーS 8着
クインズサリナ 栗東 5戦 ファンタジーS 4着
サトノアリシア 栗東 4戦 アルテミスS 5着
ソウルスターリング 美浦 2戦 アイビーS 1着
ディーパワンサ 栗東 3戦 デイリー杯2歳S 4着
ショーウェイ 栗東 4戦 ファンタジーS 2着
アリンナ 栗東 3戦 秋明菊賞 1着
ゴールドケープ 栗東 6戦 白菊賞 1着
アロンザモア 栗東 1戦 新馬戦 1着
エムオービーナス 美浦 2戦 未勝利戦 1着
シグルーン 栗東 2戦 アルテミスS 3着
ジャストザマリン 栗東 1戦 新馬戦 1着
スズカゼ 美浦 4戦 赤松賞 5着
フェルトベルク 栗東 2戦 秋明菊賞 8着
ポンポン 美浦 7戦 赤松賞 8着
※フルゲート18頭。アロンザモナ以下の賞金400万円組は抽選対象。

今年の出走予定馬は表9のとおり。

2016/10/29 東京11R アルテミスステークス(G3) 1着 16番 リスグラシュー

今回人気になりそうなのが前走アイビーSを勝利して2戦2勝のソウルスターリングと前走アルテミスSを勝利したリスグラシュー。ともに1600m以上を使われて、過去の勝ち馬のデータに該当している。ただし、ソウルスターリングは苦戦傾向にある前走オープン特別組でマイルの経験がなく、過去2走ともに10頭以下の少頭数だった。近年好走が目立つ関東馬ではあるが、あくまで抑えに止めておきたい。

リスグラシューは2走前に阪神芝1800mの未勝利戦でレコード勝ち。前走のアルテミスSでもフローレスマジックとの競り合いを制し、3着以下を3馬身半離している。勝ちタイムや前走の着差に数字的な根拠があり、勝利に最も近い存在だろう。馬券的にリスグラシューの頭から勝負したい。

2016/11/12 京都11R デイリー杯2歳ステークス(G2) 1着 6番 ジューヌエコール

相手候補でジューヌエコールウゼットジョリーディーパワンサの3頭を挙げておきたい。ジューヌエコールは前走デイリー杯2歳Sを勝利しており、3戦3勝。完成度が高く、速い脚も使える。ウゼットジョリーも2戦目に新潟2歳Sを勝利した実力馬。今回は休み明けで仕上がりがポイントになりそうだ。ディーパワンサは前走デイリー杯2歳Sで4着。前走は休み明けながら、勝ったジューヌエコールとは0秒1差。叩いた上積みが大きいだろう。

レーヌミノルはマイルの経験がなく、スピードタイプで先行してどこまで粘れるか。ならば、連下候補として前走京都芝1400mの500万下・秋明菊賞を逃げ切ったアリンナ、新馬戦で先日の京都2歳Sの勝ち馬カデナに勝利してアルテミスSでも3着に入ったシグルーンの2頭が面白い存在かもしれない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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