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第1066回 主力ローテに異変!? ジャパンCを読む

2016/11/24(木)

今週のG1はジャパンカップ。このレースに外国馬の出走予定が3頭というのは寂しいところだが、日本馬はキタサンブラック、ゴールドアクター、リアルスティール、ディーマジェスティなどの強豪たちが揃い、今年も予想をするのが楽しみなレースとなりそうだ。東京芝2400mのゴールを先頭で駆け抜ける馬はどの馬か、過去10年の結果から有力と思われる馬を探してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 3-  3-  2-  2/ 10 30.0% 60.0% 80.0% 70% 97%
2番人気 1-  1-  2-  6/ 10 10.0% 20.0% 40.0% 34% 58%
3番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 66% 68%
4番人気 3-  1-  0-  6/ 10 30.0% 40.0% 40.0% 269% 92%
5番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 109% 45%
6番人気 0-  1-  2-  7/ 10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 110%
7番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 89%
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 53%
9番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 410% 71%
10番人気〜 0-  0-  2- 76/ 78 0.0% 0.0% 2.6% 0% 36%

表1は人気別成績。過去10年、3着以内に入れなかった1番人気は2頭のみで、うち1頭は外国馬のデインドリーム。つまり、1番人気で3着以内に入れなかった日本馬は1頭のみということになる。その1頭、14年のジェンティルドンナも馬券圏内にあと一歩の4着には来ていることを思えば、1番人気が日本馬なら信頼性はかなり高いと考えていい。2〜5番人気からも勝ち馬が出ており、特に3頭が勝っている4番人気は要注意。7番人気までは連対例があり、複勝率20.0%以上となっていることからも、このあたりまでは好走の可能性が十分にありそうだ。ただし、08年に9番人気のスクリーンヒーローが勝った例こそあるものの、8番人気以下になると激走はあまり期待できないかもしれない。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 2- 3-13/19 5.3% 15.8% 31.6% 17% 155%
2枠 2- 0- 1-16/19 10.5% 10.5% 15.8% 104% 36%
3枠 2- 1- 3-13/19 10.5% 15.8% 31.6% 65% 125%
4枠 1- 0- 0-18/19 5.3% 5.3% 5.3% 11% 6%
5枠 0- 3- 1-15/19 0.0% 15.8% 21.1% 0% 47%
6枠 1- 1- 0-17/19 5.3% 10.5% 10.5% 6% 16%
7枠 1- 0- 2-23/26 3.8% 3.8% 11.5% 35% 29%
8枠 2- 3- 0-23/28 7.1% 17.9% 17.9% 170% 55%

表2は枠番別成績。2、3枠が各2勝、1、3枠の複勝率がいずれも31.6%でトップというところを見る限り、全体としては内枠が有利という印象がある。ただし、大外の8枠も2勝2着3回で、連対数でいえば最多となっている点には注意したい。8枠で1〜3番人気に支持された馬に限れば【1.2.0.1】と苦にしておらず、ほかにも08年9番人気1着のスクリーンヒーロー、11年6番人気2着のトーセンジョーダンと、ダークホースの好走例もある。スクリーンヒーローは4角5番手、トーセンジョーダンも4角3番手だったことを考慮すれば、先行力のある馬なら8枠の人気薄を狙ってみる手もありそうだ。

■表3 年齢別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 2-  3-  2- 24/ 31 6.5% 16.1% 22.6% 49% 64%
4歳 6-  3-  2- 36/ 47 12.8% 19.1% 23.4% 156% 50%
5歳 2-  3-  4- 36/ 45 4.4% 11.1% 20.0% 15% 50%
6歳 0-  1-  0- 22/ 23 0.0% 4.3% 4.3% 0% 7%
7歳以上 0-  0-  2- 20/ 22 0.0% 0.0% 9.1% 0% 130%

表3は年齢別成績。過去10年で6勝を挙げ、勝率、連対率、複勝率、単勝回収率の4項目でベストの数値を記録した4歳の成績が最も優秀となっている。また、複勝率ベースでは3歳と5歳の数値も大きな差はなく、3着以内に入る可能性は十分。しかし、6歳や7歳以上になると好走率が大幅に下がってしまう。4歳を中心に、3歳と5歳を絡めていくのが基本線といえる。

■表4 牡牝別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡馬・セン馬 5-  8-  7-123/143 3.5% 9.1% 14.0% 49% 53%
牝馬 5- 2- 3-15/25 20.0% 28.0% 40.0% 99% 80%

表4は牡牝別の成績で、セン馬は牡馬に含めている。過去10年で牡馬5勝、牝馬5勝と互角の星を挙げており、牡馬混合G1のなかでは際立って牝馬が健闘している点がジャパンCの大きな特徴となっている。好走率や回収率も牝馬のほうがハッキリと高く、牝馬というだけでプラス評価を与えていいぐらいかもしれない。

■表5 前走レース別成績(好走例のある前走のみ)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
天皇賞・秋 6- 6- 7-44/63 9.5% 19.0% 30.2% 60% 101%
凱旋門賞 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 9% 77%
菊花賞 1- 1- 0- 9/11 9.1% 18.2% 18.2% 80% 37%
秋華賞 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 220% 143%
アルゼンチン共和国杯 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 410% 71%
エリザベス女王杯 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 85%
BCF&MT※ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 190%
※ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ

表5は前走レース別成績。最有力の天皇賞・秋については表6〜8の項で触れるので、ここでは他のレースについて述べたい。2番目に好走例が多いのは凱旋門賞だが、今年は該当馬なし。他に複数の好走例があるのは3歳G1の菊花賞と秋華賞の2レースで、出走頭数が多いのは菊花賞だが、好走率が高いのは秋華賞で、該当馬には注目する価値がある。なお、菊花賞組の好走はいずれも前走2着、秋華賞組の好走はいずれも前走1着という共通点がある。あとは、前走アルゼンチン共和国杯、前走エリザベス女王杯、前走ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフから好走した馬が1頭ずつで、このなかで今年該当馬がいるのはアルゼンチン共和国杯のみ。そして、アルゼンチン共和国杯1着からジャパンCに出走した2頭は、08年9番人気1着のスクリーンヒーロー、11年11番人気4着のトレイルブレイザーと、いずれも人気を大きく上回る着順を収めているだけに侮れない存在となりそうだ。

なお、今年有力視される1頭であるキタサンブラックの前走京都大賞典組は【0.0.0.9】。ゴールドアクターの前走オールカマー組は、そもそも該当馬が1頭しかいないものの【0.0.0.1】。過去10年、いずれも好走例が見られないのは気になるところである。

■表6 前走天皇賞出走馬・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 0- 2- 4- 1/ 7 0.0% 28.6% 85.7% 0% 190%
前走2着 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 35% 20%
前走3着 1- 1- 1- 3/ 6 16.7% 33.3% 50.0% 60% 68%
前走4着 2- 2- 0- 3/ 7 28.6% 57.1% 57.1% 180% 100%
前走5着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 2- 0- 1-13/16 12.5% 12.5% 18.8% 123% 138%
前走10着〜 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0% 88%

表6は、前走天皇賞・秋出走馬に限った前走着順別成績。基本的には、天皇賞・秋で5着以内に入った馬の好走率が高く、なかでも3、4着馬がいれば注目してみたいところ。その一方で、天皇賞・秋6着以下から好走した馬も計5頭いる。1〜5着馬に比べると好走率は落ちるが、10着以下から巻き返した馬も2頭おり、天皇賞・秋の着順だけで見限ることはしないほうがいいだろう。

■表7 前走天皇賞1〜5着馬の各種データ

  項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走人気 前走1〜5番人気 4- 4- 5- 8/21 19.0% 38.1% 61.9% 87% 101%
前走6番人気以下 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 53%
前走上がり順位 上がり1〜3位 4- 3- 3- 6/16 25.0% 43.8% 62.5% 114% 125%
上がり4位以下 0- 2- 2- 9/13 0.0% 15.4% 30.8% 0% 43%

表7は、「天皇賞・秋1〜5着馬」に関して「前走人気別成績」と「前走上がり3F順位別成績」を示したものである。前走人気のほうから確認すると、天皇賞・秋で1〜5着に入っても、1〜5番人気だった馬と6番人気以下だった馬では成績に雲泥の差が見られることがわかる。また、上がり順位についても、1〜3位の馬と4位以下だった馬では好走率に大きな差が出ている。ちなみに「天皇賞・秋で1〜5番人気に推され、上がり1〜3位の脚を使って1〜5着」に入っていた場合は【4.2.3.3】と、非常に優秀な成績が残っている。

■表8 前走天皇賞6着以下馬の各種データ

  項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走人気 前走1〜5番人気 2- 0- 0- 6/ 8 25.0% 25.0% 25.0% 247% 70%
前走6番人気以下 0- 1- 2-23/26 0.0% 3.8% 11.5% 0% 125%
前走4角通過順 1〜6番手 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番手以降 2- 1- 2-18/23 8.7% 13.0% 21.7% 86% 166%

表8は、「天皇賞・秋6着以下馬」に関して「前走人気別成績」と「前走4角通過順別成績」を示したものである。まず重要なのが、天皇賞・秋6着以下からの巻き返しがあるとすれば、4角を7番手以降で通過していた馬のみということ。つまり、天皇賞・秋で差しが不発に終わった馬にはチャンスがあるが、ある程度前につけて失速してしまった馬はノーチャンスということになる。そして、そのなかでも勝ち切ることができるのは、天皇賞・秋で1〜5番人気に評価されていた馬だけとなっている。

■表9 種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
ディープインパクト 3- 2- 1- 6/12 25.0% 41.7% 50.0% 149% 150%
スペシャルウィーク 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 68% 50%
キングカメハメハ 1- 0- 2- 6/ 9 11.1% 11.1% 33.3% 97% 52%
タニノギムレット 1- 0- 1- 2/ 4 25.0% 25.0% 50.0% 90% 70%
サンデーサイレンス 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 13% 11%
グラスワンダー 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 1025% 177%
シンボリクリスエス 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 890% 320%
エンドスウィープ 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1090% 240%
ジャングルポケット 0- 2- 2-11/15 0.0% 13.3% 26.7% 0% 231%
※1着馬および好走例が複数ある種牡馬のみ

表9は種牡馬別成績で、1着馬を出すか複数の好走例がある種牡馬のみ抜粋している。とにかく目立つのがディープインパクトの強さで、好走率、回収率ともに文句なしの数値といえる。なお、スペシャルウィークの好走2回はいずれもブエナビスタ、タニノギムレットの好走2回もいずれもウオッカによるもの。つまり、過去10年で異なる産駒が好走しているのは、前述したディープインパクトにキングカメハメハとジャングルポケットを加えた3種牡馬だけということになる。

【結論】

今年のジャパンCは、これまでの最大勢力となっていた前走天皇賞・秋組が登録21頭のうち2頭しかいない。とはいえ、まずはこの組の取捨を考えるのが正攻法だろう。

2016/10/9 東京11R 毎日王冠(G2) 1着 10番 ルージュバック

その2頭とは、天皇賞・秋2着のリアルスティールと同7着のルージュバック。一般的な評価が高いのはリアルスティールと思われるが、気になるのは天皇賞・秋で7番人気だった点だ。表7の項で確認した通り、秋天1〜5着馬の場合、そこで6番人気以下だとジャパンCでの好走率が大きく下がってしまう。上がり1位を記録した点はプラスで、ディープインパクト産駒ということも考えれば無印にはできないが、過信はしないほうがいいのではないか。

一方、天皇賞・秋で7着に敗れたルージュバックだが、3番人気かつ4角通過10番手と、表8の項で確認した6着以下から巻き返して勝ち切る条件を満たしている。ジャパンCで強い牝馬ということも加味すると、今年の天皇賞・秋組2頭ではこちらを上位にとる手もある。

2016/11/6 東京11R アルゼンチン共和国杯(G2) 1着 11番 シュヴァルグラン

3歳馬では、菊花賞組のディーマジェスティとレインボーライン、秋華賞組のビッシュと計3頭がエントリー。菊花賞組の好走はいずれも2着馬から生まれており、実績では見劣るものの今年2着のレインボーラインを今回は重視してみたい。ビッシュは秋華賞10着という点で過去の好走例からは大きく外れてしまうものの、近年の好走が多いディープインパクト産駒の牝馬であることから無視はできない。

そして、上位人気が予想されるキタサンブラックとゴールドアクターは、表5の項で述べた通りローテーションの裏付けがない。実力は折り紙付きながら、データ面からは推しづらいところだ。むしろ今回のデータ分析では、アルゼンチン共和国杯1着のシュヴァルグランを重視してみたい。なお、過去10年で外国馬の好走は06年3着のウィジャボードのみ。世界各地でG1を合計7勝したこの名牝でも3着だったことを思えば、そこまでの実績がない今年の外国馬3頭が好走するのは簡単ではないだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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