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第1063回 牡馬クラシックへの登竜門、東スポ杯2歳Sの傾向を探る

2016/11/14(月)

今週は土曜日に東京競馬場で東京スポーツ杯2歳Sが行われる。基本的には年末の朝日杯FSへ向けての前哨戦という位置づけのレースだが、翌年のクラシックにも大きくつながる一戦。そんな注目レースをデータ面から傾向を探っていきたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年の東スポ杯2歳Sの上位馬

着順 馬名 人気 所属 調教師
15年 1 スマートオーディン 4 (栗) 松田国英
2 プロディガルサン 2 (美) 国枝栄
3 マイネルラフレシア 6 (美) 高橋裕
14年 1 サトノクラウン 4 (美) 堀宣行
2 アヴニールマルシェ 1 (美) 藤沢和雄
3 ソールインパクト 9 (美) 戸田博文
13年 1 イスラボニータ 2 (美) 栗田博憲
2 プレイアンドリアル 4 [地] 田部和則
3 クラリティシチー 5 (美) 上原博之
12年 1 コディーノ 1 (美) 藤沢和雄
2 レッドレイヴン 3 (美) 藤沢和雄
3 インプロヴァイズ 7 (美) 堀宣行
11年 1 ディープブリランテ 1 (栗) 矢作芳人
2 フジマサエンペラー 10 (美) 菊川正達
3 マイネルディーン 12 (美) 鹿戸雄一
10年 1 サダムパテック 1 (栗) 西園正都
2 リフトザウイングス 3 (栗) 橋口弘次郎
3 フェイトフルウォー 7 (美) 伊藤伸一
09年 1 ローズキングダム 1 (栗) 橋口弘次郎
2 トーセンファントム 3 (栗) 松田国英
3 レッドスパークル 9 (栗) 藤岡健一
08年 1 ナカヤマフェスタ 9 (美) 二ノ宮敬宇
2 ブレイクランアウト 1 (美) 戸田博文
3 サンカルロ 4 (美) 大久保洋吉
07年 1 フサイチアソート 9 (美) 岩戸孝樹
2 スズジュピター 3 (美) 高橋裕
3 スマイルジャック 5 (美) 小桧山悟
06年 1 フサイチホウオー 1 (栗) 松田国英
2 フライングアップル 4 (美) 藤沢和雄
3 ドリームジャーニー 2 (栗) 池江泰寿

2011/11/19 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G3) 1着 13番 ディープブリランテ

表1は過去10年の東スポ杯2歳Sの上位馬一覧。サトノクラウンやイスラボニータ、ディープブリランテ、ローズキングダムなど、翌年の牡馬クラシックで好走を果たした馬が並ぶ。それ以外にはナカヤマフェスタやドリームジャーニーといった後のグランプリホースを輩出。過去10年ではほぼ毎年のように好走馬のいずれかがその後に活躍を果たしている。特に勝ち馬が該当しており、このレースでは勝つことの重要性が大きいと言えるだろう。昨年のレースの好走馬からはまだG1での好走馬が出てない。すでにクラシックは終了してしまったが、スマートオーディンなどは古馬になっての本格化に期待したいところである。

■表2 過去10年の東スポ杯2歳Sの所属別成績

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
美浦 5-  7-  8- 65/ 85 5.9% 14.1% 23.5% 85 99
栗東 5-  2-  2- 47/ 56 8.9% 12.5% 16.1% 35 37
地方 0-  1-  0-  1/  2 0.0% 50.0% 50.0% 0 220

表2は過去10年の東スポ杯2歳S出走馬の所属別成績。勝利数は美浦と栗東が互角で5勝ずつをあげている。2〜3着馬は美浦の馬が圧倒的に多く、連対率や複勝率も高い。クラシック戦線は関西馬が優勢というイメージが強いが、このレースでは関東馬に分がある傾向がある。

■表3 過去10年の東スポ杯2歳S出走馬の前走コース別成績

順位 前走コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 東京・芝1800 3- 1- 4-21/29 10.3% 13.8% 27.6% 53 67
2 東京・芝1600 2- 2- 4-14/22 9.1% 18.2% 36.4% 262 233
3 京都・芝1800外 2- 0- 0-10/12 16.7% 16.7% 16.7% 88 30
4 札幌・芝1800 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 19 11
5 京都・芝1600 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 92 38
6 阪神・芝1800外 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 48 30
7 京都・芝2000 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0 313
8 新潟・芝1600外 0- 1- 0-13/14 0.0% 7.1% 7.1% 0 8
9 東京・芝2000 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0 128
10 福島・芝1700 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0 55
11 中山・芝2000 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 150
12 盛岡・芝1600 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 440
13 新潟・芝1400 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 200
14 中山・芝1600 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 30

2013/11/16 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G3) 1着 1番 イスラボニータ

続いて過去10年の東スポ杯2歳S出走馬の前走コース別成績を調べてみた(表3参照)。今回と同じ東京芝1800m組が勝ち馬を最も多く出しており、【3.1.4.21】という成績。好走馬には前走新馬を勝ったばかりのサトノクラウンや、前走いちょうSを勝っていたイスラボニータがいる。一般的にはすでにオープンクラスや重賞を経験していることはプラス材料になるが、現時点において過去の実績・格はあまり気にしないほうがいい。キャリア1戦の馬でも通用はするし、その馬の資質によるところが大きい。その見極めは容易でないものの、将来性がありそうな馬に期待してみたいところだ。

前走東京芝1600m組は【2.2.4.14】という成績。勝ち鞍数は東京芝1800mに及ばないが、複勝率の高さなどはこちらの方がはるかに高い。そして、単・複の回収率がともに200%を超えているというのが大きな特徴だ。具体的な好走馬には、ナカヤマフェスタやフサイチアソートがおり、ともにここでは9番人気の低評価ながら勝利を果たしている。また、14年はソールインパクトが9番人気で3着、11年はマイネルディーンが12番人気で3着と激走した。いずれも前走新馬や未勝利を勝ったばかりだったわけだが、なぜここまで人気がなかったというと、おそらく前走の勝ちっぷりが地味だったり、勝ち時計が平凡だったりしたからであろう。キャリアが浅い2歳戦においては、一戦ごとの伸びシロも重要になってくるが、特に前走東京芝1600mを使っていた馬については注目すべきと考えられる。

前走京都芝1800m組は、【2.0.0.10】という成績。好走馬はスマートオーディンとローズキングダム。前者は前走オープン特別の萩Sで2着、後者は新馬を勝ったばかりだった。感覚としては東京芝1800m組と似ている印象だ。

札幌芝1800m組は【1.0.0.9】。かなり不振の印象だが、ここで1番人気に支持されたコディーノはしっかりと勝利している。札幌2歳Sの好走馬であれば、無理に評価を下げる必要はなさそうだ。

その他は、基本秋の中央場所を使われていた馬が優勢。出走数が多い新潟芝1600m組が【0.1.0.13】となっており、前走ローカル組は不振傾向。ここで1番人気に支持された14年のアヴニールマルシェだけが2着と好走している。

■表4 過去10年の東スポ杯2歳S出走馬のキャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1戦 6-  0-  2- 24/ 32 18.8% 18.8% 25.0% 230 80
2戦 3-  9-  4- 30/ 46 6.5% 26.1% 34.8% 29 88
3戦 1-  1-  2- 31/ 35 2.9% 5.7% 11.4% 15 34
4戦 0-  0-  1- 14/ 15 0.0% 0.0% 6.7% 0 165
5戦 0-  0-  1-  7/  8 0.0% 0.0% 12.5% 0 87
6戦 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
7戦 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
8戦 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
9戦 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

最後にキャリア別の成績を見てみることにする(表4参照)。キャリア1戦馬が【6.0.2.24】という成績。勝ち馬の過半数以上を占め、単勝回収率は230%のハイアベレージ。前述したようにオープン特別などのキャリアよりも、素質の高さがモノを言う傾向だ。キャリア2戦馬は【3.9.4.30】という成績。2着馬は9回という特徴的な傾向が出ている。そのため、連対率や複勝率がかなり高い。キャリア3戦以上となると、ガクンと好走馬の数が減る。ここではキャリア1〜2戦馬を狙うことが望ましいと言える。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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