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第1062回 当該年の芝2000m以上実績に注目! エリザベス女王杯分析

2016/11/10(木)

今週は日曜京都でエリザベス女王杯が行われる。3歳牝馬と古馬牝馬の精鋭が集結する一戦で、昨年はマリアライトが優勝。同馬は今夏の宝塚記念を制する活躍を見せており、今回は連覇を狙って出走を予定している。他にも頂点を狙う強豪が多士済々で、熱戦が期待できそうだ。当コラムでは2006年以降の過去10年のデータから分析し、好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 エリザベス女王杯の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 2-  4-  2-  2/ 10 20.0% 60.0% 80.0% 46% 98%
2番人気 1-  3-  2-  4/ 10 10.0% 40.0% 60.0% 39% 100%
3番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 68% 40%
4番人気 2-  0-  3-  5/ 10 20.0% 20.0% 50.0% 217% 118%
5番人気 0-  0-  2-  8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 83%
6番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 152% 117%
7番人気 2-  0-  0-  8/ 10 20.0% 20.0% 20.0% 492% 89%
8番人気以下 1-  1-  0- 97/ 99 1.0% 2.0% 0.0% 78% 36%

まず表1は人気別成績。1番人気馬は11年スノーフェアリーら2勝で、連対率60%・複勝率80%。06年に1番人気に支持されたカワカミプリンセスは1着入線も12着に降着になっているだけに、1番人気が3着以内に入る信頼度は高い。2番人気馬は13年メイショウマンボの1勝のみだが、複勝率は1番人気馬に次ぐ60%。

以下、4・7番人気馬が2勝、3・6・11番人気馬が1勝ずつ。11番人気馬の勝利は09年クィーンスプマンテ。同年は2着にも12番人気テイエムプリキュアが激走し、3連単150万を超える大波乱となった。ただし、8番人気以下で3着以内に好走したのは09年の2頭のみで、他は7番人気以内におさまっている。昨年は6番人気マリアライトが優勝するなど中位人気馬の勝利はあるものの、2・3着馬も上位人気馬が占めることが多い。

配当面では、09年を除くと馬連5000円以下、3連単10万円以下となっている。大波乱はあまり見込めず、上位〜中位人気馬で堅めの決着となることが多い

■表2 エリザベス女王杯の年齢別成績(過去10年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
3歳 5-  4-  3- 41/ 53 9.4% 17.0% 22.6% 101% 50%
4歳 3-  2-  6- 39/ 50 6.0% 10.0% 22.0% 49% 56%
5歳 2-  3-  0- 42/ 47 4.3% 10.6% 10.6% 212% 46%
6歳 0-  1-  1- 11/ 13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 181%
7歳以上 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて表2は年齢別成績。出走数が最も多い3歳馬が13年メイショウマンボら最多の5勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年はタッチングスピーチが3着に好走しており、毎年1頭は3着以内に入っている。4歳馬は昨年のマリアライトら3勝で、複勝率は22.0%と3歳馬に迫っている。また、5歳馬は12年レインボーダリアら2勝も、複勝率では3歳馬・4歳馬に離されている。勝ち馬は3〜5歳馬に集中していた。

なお、6歳以上の馬は09年2着テイエムプリキュア以降で3着以内馬が出ておらず、苦戦傾向にある。

■表3 エリザベス女王杯の前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
秋華賞 4- 3- 3-30/40 10.0% 17.5% 25.0% 113% 48%
オールカマー 2- 1- 0- 1/ 4 50.0% 75.0% 75.0% 550% 160%
京都大賞典 1- 2- 0- 8/11 9.1% 27.3% 27.3% 700% 334%
府中牝馬S(G2) 1- 0- 3-28/32 3.1% 3.1% 12.5% 71% 45%
府中牝馬S(G3) 0- 1- 2-30/33 0.0% 3.0% 9.1% 0% 15%
鳴滝特別(1000万下) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 530%
天皇賞・秋 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 150%
エルムS 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 210%
スワンS 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 210%
1000万下 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 360%
その他のレース 2- 0- 0-42/44 4.5% 4.5% 4.5% 25% 8%
※府中牝馬Sは11年にG3からG2へと昇格。

表3は前走レース別成績。秋華賞組が13年メイショウマンボら4勝をあげており、昨年3着のタッチングスピーチら毎年1頭ずつ3着以内に入っている。これら3着以内馬10頭のうち、06年1着フサイチパンドラを除く9頭はエリザベス女王杯で上位4番人気以内に支持されていた。

オールカマー組は一昨年1着ラキシス、昨年1着マリアライト・2着ヌーヴォレコルトと近2年で好走が目立っている。京都大賞典組は09年クィーンスプマンテが勝利。出走数が多い府中牝馬S組は12年レインボーダリアの1勝のみで、連対率・複勝率ともに低い。G2に昇格してからも連対率・複勝率ともにあまり上昇していないことがわかる。

10年・11年と連覇したスノーフェアリーを除くと、前走で牝馬限定重賞だった組よりも牡馬混合戦を使われた馬の好走が目立っている。天皇賞・秋組・エルムS組・スワンS組に加えて、1000万下組で好走した2頭も前走で牡馬相手に勝利していた。

■表4 秋華賞組の前走着順別成績(過去10年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 2- 1- 1- 2/ 6 33.3% 50.0% 66.7% 96% 96%
前走2着 0- 2- 0- 5/ 7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 37%
前走3着 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 873% 206%
前走4着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 1- 0- 1- 6/ 8 12.5% 12.5% 25.0% 165% 57%
前走10着以下 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は秋華賞組の前走着順別成績。この組の3着以内馬10頭のうち、前走秋華賞で3着以内に入っていたのは8頭と多い。なかでも活躍が目立つのが1着馬と3着馬だが、今年はヴィブロスもカイザーバルも出走してこない。前走2着馬は12年ヴィルシーナ、一昨年ヌーヴォレコルトと今回1番人気に推された馬が2着に入っていた。

なお、6着以下から巻き返したのは08年1着リトルアマポーラと昨年3着のタッチングスピーチの2頭のみ。ともに前走6着に敗れたものの、上がり2位以内をマークしており、エリザベス女王杯では4番人気と上位人気に支持されていた。

■表5 古馬3着以内馬の芝2000m以上実績(当該年のみ/日本馬)

年度 着順 馬名 人気 当該年の芝2000m以上実績
2015 1 マリアライト 6 マーメイドS 2着
2 ヌーヴォレコルト 1 オールカマー 2着
2014 1 ラキシス 3 オールカマー 2着
3 ディアデラマドレ 6 マーメイドS 1着
2013 3 アロマティコ 5 マーメイドS 3着
2012 1 レインボーダリア 7 五稜郭S(1600万下) 1着
3 ピクシープリンセス 5 1000万下(芝2400m) 1着
2011 3 アパパネ 4 なし
2010 2 メイショウベルーガ 2 京都大賞典 1着
2009 1 クィーンスプマンテ 11 みなみ北海道S 1着
2 テイエムプリキュア 12 日経新春杯 1着
2008 2 カワカミプリンセス 1 金鯱賞 3着
3 ベッラレイア 2 なし
2007 2 フサイチパンドラ 3 札幌記念 1着
3 スイープトウショウ 2 なし
2006 2 スイープトウショウ 2 京都大賞典 1着
3 ディアデラノビア 4 オールカマー 3着

表5は3着以内に入った古馬の当該年での芝2000m以上実績をまとめたもの。好走した年に芝2000m以上の重賞で3着以内に入るか、オープン・条件戦で1着だった馬が17頭中14頭と大多数を占めている。牝馬限定戦としてはオークスに次いで長い芝2200m戦だけに、距離実績が重要になってくるのだろう。

なお、当該年の芝2000m以上実績がなかった07年スイープトウショウ、08年ベッラレイア、11年アパパネはいずれも3着に敗れている。ただし、この3頭はいずれもオークスで連対しており、距離実績は3歳時から示していた。

■表6 エリザベス女王杯の種牡馬別成績(過去10年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 2- 2- 2-10/16 12.5% 25.0% 37.5% 137% 108%
アグネスタキオン 2- 0- 0- 9/11 18.2% 18.2% 18.2% 137% 32%
Intikhab 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 560% 180%
サンデーサイレンス 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 327% 117%
ジャングルポケット 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 2570% 520%
ブライアンズタイム 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 575% 95%
スズカマンボ 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 97% 50%
ハーツクライ 0- 2- 0- 3/ 5 0.0% 40.0% 40.0% 0% 54%
エンドスウィープ 0- 1- 1- 0/ 2 0.0% 50.0% 100.0% 0% 180%
フレンチデピュティ 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 17%
キングヘイロー 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 27%
パラダイスクリーク 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 1075%
キングカメハメハ 0- 0- 4- 5/ 9 0.0% 0.0% 44.4% 0% 132%
スペシャルウィーク 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 55%
ナリタトップロード 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 170%
ステイゴールド 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
マンハッタンカフェ 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
その他の種牡馬 0- 0- 0-72/72 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が昨年のマリアライトら近2年続けて勝ち馬を出しており、複勝率37.5%と高い。近4年でも毎年連対馬が出ており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

Intikhab産駒の2勝はスノーフェアリーによるもの。他ではジャングルポケット産駒は09年クィーンスプマンテが勝利していて好成績。ハーツクライ産駒の2着2回はヌーヴォレコルト、エンドスウィープ産駒はスイープトウショウが好走したものだった。また、キングカメハメハ産駒は連対馬こそ出ていないが、3着が4回と多い。

なお、出走数が多いステイゴールド・マンハッタンカフェ両産駒からは3着以内馬が出ておらず、苦戦傾向にある。特にマンハッタンカフェ産駒は5番人気以内に支持された馬が3頭いたものの、いずれも4着以下に敗れている。

<結論>

■表7 今年のエリザベス女王杯の出走予定馬(11/9現在)

馬名 性齢 種牡馬 秋華賞成績/芝2000m以上実績
アスカビレン 牝4 ブラックタイド 博多S(1600万下) 1着
ウインプリメーラ 牝6 ステイゴールド なし
クイーンズリング 牝4 マンハッタンカフェ なし
シャルール 牝4 ゼンノロブロイ なし
シュンドルボン 牝5 ハーツクライ なし
シングウィズジョイ 牝4 マンハッタンカフェ なし
タッチングスピーチ 牝4 ディープインパクト 京都記念 2着
デンコウアンジュ 牝3 メイショウサムソン 秋華賞 9着
パールコード 牝3 ヴィクトワールピサ 秋華賞 2着
ヒルノマテーラ 牝5 マンハッタンカフェ マーメイドS 2着
プリメラアスール 牝4 スペシャルウィーク 能勢特別(1000万下) 1着
プロレタリアト 牝5 ハーツクライ 古都S(1600万下) 1着
マキシマムドパリ 牝4 キングカメハメハ なし
マリアライト 牝5 ディープインパクト 宝塚記念 1着
ミッキークイーン 牝4 ディープインパクト (オークス 1着)
メイショウマンボ 牝6 スズカマンボ なし
※フルゲート18頭。全馬出走可能となっている。

2015/9/20 阪神11R 関西TVローズステークス(G2) 1着 15番 タッチングスピーチ

今年の出走予定馬は表7のとおり。

人気を集めるのは昨年の覇者で、2走前に宝塚記念を制したマリアライト。今年も昨年と同じく前走オールカマーからの臨戦となる。叩き良化型で前走5着に敗れたことは織り込み済。宝塚記念で下したメンバーのレベルを見ても、今年も好勝負必至だろう。

同じディープインパクト産駒の2頭、ミッキークイーンとタッチングスピーチも当然有力だ。ただし、今回はタッチングスピーチを上位に取りたい。昨年のエリザベス女王杯はマリアライトとタイム差なしの3着。今年も同コースで行われた京都記念で2着と好走しており、表5の芝2000m以上実績もクリアしている。京都芝2200mは条件的にはベストで、マリアライト逆転の最右翼として挙げておきたい。

2015/11/15 京都11R エリザベス女王杯(G1) 1着 12番 マリアライト

ミッキークイーンはヴィクトリアマイル2着以来の一戦で、表5の芝2000m以上実績もクリアしていない。ただし、同馬は昨年のオークス優勝馬で、表5のデータ通りだと3着が一杯ということになる。近2戦でマイル戦を使われて、一気の距離延長に対応できるかどうかがポイントだろう。

ディープインパクト産駒以外では前走府中牝馬Sを勝利したクイーンズリング。ただし、この馬は今年の芝2000m以上実績がなく、表6で不振傾向にあったマンハッタンカフェ産駒。ここは思い切って軽視したい。ヒルノマテーラもマンハッタンカフェ産駒で厳しいと見る。パールコードは前走秋華賞2着で、表4で示したように1番人気馬の2着2回のみ。上昇度は評価しても、初の古馬相手で通用するかは懐疑的だ。

穴として面白いのは条件戦ながら芝2000m以上を勝利しているアスカビレンプリメラアスール、プロレタリアトの3頭。いずれも勝つまでは厳しいかもしれないが、3連系のヒモとしては押さえておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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