第1058回 秋の東京中距離決戦! 天皇賞・秋を展望する|競馬情報ならJRA-VAN

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第1058回 秋の東京中距離決戦! 天皇賞・秋を展望する

2016/10/27(木)

昨年の年度代表馬モーリス、牡馬相手に東京重賞連勝中のルージュバック、海外G1勝ち馬のエイシンヒカリとリアルスティール、昨年の覇者ラブリーデイなど、他にも書ききれないほどの好メンバーが揃った天皇賞・秋。今年も見どころ満載の大一番を、過去10年の結果から占ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4-  2-  2-  2/ 10 40.0% 60.0% 80.0% 112% 104%
2番人気 0-  3-  3-  4/ 10 0.0% 30.0% 60.0% 0% 115%
3番人気 0-  0-  2-  8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 30%
4番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 70% 48%
5番人気 4-  0-  0-  6/ 10 40.0% 40.0% 40.0% 546% 112%
6番人気 0-  0-  3-  7/ 10 0.0% 0.0% 30.0% 0% 134%
7番人気 1-  3-  0-  6/ 10 10.0% 40.0% 40.0% 333% 276%
8番人気〜 0-  1-  0-103/104 0.0% 1.0% 1.0% 0% 5%

表1は人気別成績。過去10年の1〜3着馬延べ30頭のうち、8番人気以下だったのは昨年のステファノス(10番人気2着)のみで、残りの29頭は7番人気以内だった。極端な人気薄の激走は期待しづらく、基本的には印が回っている馬を狙うべきレースとなっている。

具体的に見ていくと、1番人気の成績は【4.2.2.2】と良好。敗れた2頭にしても、06年5着のスイープトウショウと11年4着のブエナビスタで、大きく崩れたわけではない。なお、この2頭には5歳牝馬という共通項があることもチェックしておきたい。2番人気からは勝ち馬こそ出ていないものの、複勝率60.0%と馬券に絡む確率は高い。以下、7番人気まで満遍なく好走しているが、3、4番人気より5〜7番人気のほうが高い複勝率を記録している点は見逃せないところ。なかでもの4頭もの1着馬を送り出している5番人気は要注意の存在だ。

■表2 馬番別成績

馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 29% 33%
2番 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 22% 96%
3番 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 115% 25%
4番 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 110% 40%
5番 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番 0- 0- 3- 6/ 9 0.0% 0.0% 33.3% 0% 114%
7番 1- 3- 1- 5/10 10.0% 40.0% 50.0% 155% 99%
8番 1- 0- 1- 8/10 10.0% 10.0% 20.0% 34% 51%
9番 0- 2- 0- 8/10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 89%
10番 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 43%
11番 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
12番 2- 0- 1- 7/10 20.0% 20.0% 30.0% 499% 137%
13番 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番 2- 1- 0- 7/10 20.0% 30.0% 30.0% 97% 95%
15番 0- 0- 2- 8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 37%
16番 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
17番 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は馬番別成績。外枠不利が定説の東京芝2000mで行なわれる天皇賞・秋では無視できないところで、実際、過去10年で17番枠と18番枠から3着以内に入った馬はおらず、16番枠も昨年のイスラボニータが3着に入ったのみと、外枠には厳しい傾向が出ている。ただし、今年は出走登録馬が15頭で、そもそも16〜18番枠に入る馬が存在しない。仮に15頭立てとなったとして、14番枠から1着馬2頭と3着馬1頭が出ていることを考慮すれば、今年に限っては枠を過剰に意識する必要はないのかもしれない。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 0-  2-  3- 10/ 15 0.0% 13.3% 33.3% 0% 60%
4歳 4-  5-  2- 29/ 40 10.0% 22.5% 27.5% 58% 78%
5歳 5-  3-  3- 39/ 50 10.0% 16.0% 22.0% 142% 73%
6歳 0-  0-  2- 26/ 28 0.0% 0.0% 7.1% 0% 30%
7歳以上 1-  0-  0- 40/ 41 2.4% 2.4% 2.4% 28% 6%

表3は年齢別成績で、好走の多くを4歳馬と5歳馬が占めている。好走率が高いのは4歳馬、好走数が多く回収率も高いのは5歳馬だから決定的な差はなく、ほぼ互角といっていいだろう。3歳馬は、出走してくれば4歳馬や5歳馬以上の好走率を残しているものの、今年は登録がなかった。一方、6歳以上は苦戦が目立っている。しかも、この3回の好走例というのが、カンパニー(07年3着・6歳時、09年1着・8歳時)とエイシンフラッシュ(13年3着・6歳時)によるもの。カンパニーは8歳でG1を連勝した異例の晩成馬で、エイシンフラッシュは前年の天皇賞・秋を勝っていた馬だから、並の高齢馬と同一視はできない。3歳馬の出走がない今年は、4歳馬と5歳馬を重視するのがセオリーとなるはずだ。

■表4 前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
毎日王冠・G2 6- 4- 3-49/62 9.7% 16.1% 21.0% 103% 63%
宝塚記念・G1 2- 3- 1-13/19 10.5% 26.3% 31.6% 26% 75%
札幌記念・G2 1- 0- 2-10/13 7.7% 7.7% 23.1% 256% 95%
京都大賞典・G2 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 18% 8%
セントライト記念・G2 0- 1- 1- 0/ 2 0.0% 50.0% 100.0% 0% 135%
オールカマー・G2 0- 1- 0-27/28 0.0% 3.6% 3.6% 0% 15%
産経大阪杯・G2 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 130%
天皇賞(春)・G1 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 58%
神戸新聞杯・G2 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 150%
関屋記念・G3 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 690%
※好走例のある前走のみ。今年該当馬がいない前走にはグレーの色を付けた

表4は前走レース別成績。今年の出走登録馬15頭に該当馬がいないレースにはグレーの色を付けている。すると、好走例がある前走は5つのみ。しかも、京都大賞典とオールカマーは出走例こそ多いものの好走馬は各1頭のみで、天皇賞・秋との相性はイマイチ。どうやら今年は、前走で毎日王冠、宝塚記念、札幌記念のいずれかを走っていた馬が中心となりそうだ。

なお、前走が宝塚記念(中17週)より前に行なわれたレース、つまり中18週以上の間隔で出走した馬の成績は【0.1.1.11】となっている。好走した2頭の内訳は、08年2着のダイワスカーレットと11年3着のペルーサ。前者は出走時点でG1を3勝していた名牝で、後者は前年の天皇賞・秋で2着とレース適性をすでに証明していた。この事実から、中18週以上のローテーションを克服するためのハードルはかなり高いと考えなければならないだろう。

■表5 前走・毎日王冠出走馬の各種データ

  項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 2- 1- 1- 4/ 8 25.0% 37.5% 50.0% 231% 112%
前走2着 2- 1- 1- 4/ 8 25.0% 37.5% 50.0% 227% 157%
前走3着 1- 0- 1- 5/ 7 14.3% 14.3% 28.6% 157% 80%
前走4着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 60%
前走6〜9着 1- 1- 0-20/22 4.5% 9.1% 9.1% 75% 43%
前走10着〜 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走人気 前走1番人気 1- 2- 1- 4/ 8 12.5% 37.5% 50.0% 33% 92%
前走2番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 276% 61%
前走3番人気 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 140% 48%
前走4番人気 1- 0- 1- 8/10 10.0% 10.0% 20.0% 115% 40%
前走5番人気 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 220% 208%
前走6〜9番人気 1- 1- 1-16/19 5.3% 10.5% 15.8% 81% 59%
前走10番人気〜 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走上がり3F 1位 2- 2- 0- 6/10 20.0% 40.0% 40.0% 270% 99%
2位 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 157% 121%
3位 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 186%
4位〜 3- 0- 2-35/40 7.5% 7.5% 12.5% 65% 28%

表5は、前走・毎日王冠出走馬について「前走着順別成績」「前走人気別成績」「前走上がり3F順位別成績」をまとめたものである。前走着順に関しては、やはり1、2着に入っていた馬の成績がよく、最低でも5着以内には入っておきたいところ。前走人気に関しても、できれば5番人気以内というのが目安といえる。加えて、前走上がり3F順位が3位以内ならなおよし。実際に「前走毎日王冠で5番人気以内、5着以内、上がり3位以内」という馬の成績は【2.3.1.2】、勝率25.0%、複勝率75.0%、単勝回収率281%、複勝回収率242%と非常に優秀だ。なお、前走10着以下や前走10番人気以下だった馬の好走例は皆無となっている。

■表6 前走・宝塚記念出走馬の各種データ

  項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走2着 2- 0- 1- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 102% 90%
前走3着 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 55%
前走4着 0- 0- 0- 0/ 0          
前走5着 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 233%
前走6〜9着 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 45%
前走10着〜 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走人気 前走1番人気 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 73% 73%
前走2番人気 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 96% 113%
前走3番人気 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 45%
前走4番人気 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5番人気 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 140%
前走10番人気〜 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走上がり3F 1位 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2位 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3位 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 190%
4位〜 2- 3- 0-10/15 13.3% 33.3% 33.3% 34% 83%

表6は、前走・宝塚記念出走馬について「前走着順別成績」「前走人気別成績」「前走上がり3F順位別成績」をまとめたものである。まず前走着順に関しては、さすがにG1だけあってある程度の負けは許容範囲で、前走10着以下でなければ大丈夫。ただし、前走人気を見ると、前走宝塚記念で好走した6頭のうち5頭は前走3番人気以内に推されていたことには注意したい。また、該当するのは3頭のみではあるが、前走宝塚記念で上がり1、2位を記録した馬は1頭も好走できず、好走例は上がり3位以下だった馬に集中している点も興味深い。

■表7 前走・札幌記念出走馬の各種データ

  項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 1- 0- 2- 2/ 5 20.0% 20.0% 60.0% 666% 248%
前走2着〜 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走人気 前走1番人気 1- 0- 2- 1/ 4 25.0% 25.0% 75.0% 832% 310%
前走2番人気〜 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は、前走・札幌記念出走馬について「前走着順別成績」「前走人気別成績」をまとめたものだが、非常にわかりやすい傾向が出ている。すなわち、前走札幌記念の場合、1番人気1着だった馬しか天皇賞・秋では好走例がない。そして、それを満たしていれば好走の確率は極めて高い。この組に関しては、シンプルに考えるのがベターだろう。

【結論】

2016/10/9 東京11R 毎日王冠(G2) 1着 10番 ルージュバック

まず、今年も最大勢力となっている前走・毎日王冠組から考えたい。表5の項で確認した通り、この組は「毎日王冠で5番人気以内、5着以内、上がり3位以内」を満たしていると非常に優秀な成績を収めている。今年の出走登録馬でこの条件を満たすのがルージュバックアンビシャスの2頭で、特にルージュバックは1番人気1着かつ上がり1位を記録と、毎日王冠組の前走として非の打ち所がない。唯一気になるのは、当欄の前回「データde出〜た・第1057回」で指摘した通り、2010年以降の牡馬混合G1で紅一点状態の牝馬が勝利した例がないこと。それだけに、ここを勝つようなら相当な快挙といっていいだろう。

次いで好走例が多いのは前走・宝塚記念組だが、今年のエントリーはサトノクラウンのみ。前走6着や上がり4位という点は許容範囲だが、9番人気の支持にとどまり、この組で好走率が高い3番人気以内の条件を満たすことはできなかった。

2016/4/3 阪神11R 産経大阪杯(G2) 1着 9番 アンビシャス

表7の項で確認した通り、前走・札幌記念組の好走条件は1番人気1着のみ。今年注目されるモーリスは、札幌記念で同厩舎のネオリアリズムの逃げ切り勝ちを許して2着に終わっており、この条件を満たすことはできなかった。年度代表馬の実力を見くびるわけにはいかないが、データからは推奨しづらくなったというのが正直なところである。

このレース連覇を目指すラブリーデイは、昨年と同じく京都大賞典からの臨戦となる。ただし、前走京都大賞典組の相性は悪いのは表4の項で述べた通り。過去10年、この組で唯一の好走馬というのが昨年のラブリーデイなのだが、ひとつ年齢を重ねて好走率が大きく下がる6歳になったうえに、昨年1着だった京都大賞典で今年は3着どまりということを考慮しても、昨年以上の評価はできない。同様に相性の悪い前走オールカマー組のサトノノブレスも6歳馬で、こちらもプッシュはしづらい。

以上、今年の天皇賞・秋の出走登録馬15頭に、データからの自信を持って狙える馬は意外なほど少ない。この状況なら、中18週以上の馬を思い切って狙う手もあるかもしれない。プリンスオブウェールズS以来(中18週)となるエイシンヒカリと、安田記念以来(中20週)となるリアルスティールは、いずれも海外G1の勝ち馬で実力は折り紙付き。本来は推奨しづらい2頭ではあるが、毎日王冠組の2頭を除くとデータ的に万全という馬が見当たらない今年なら、チャンスが回ってくる可能性もありそうだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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