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第1055回 マイル重賞実績がカギ? 富士Sを占う

2016/10/17(月)

今週土曜日に東京競馬場で富士Sが行われる。マイルCSへ向けての前哨戦となるマイル重賞。毎年激戦となり、予想も難解なレースだ。過去10年の結果を分析し、同レースの攻略のヒントを探っていきたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 富士S出走馬の年齢別成績(過去10年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
3歳 4-  1-  3- 34/ 42 9.5% 11.9% 19.0% 84 113
4歳 2-  3-  3- 11/ 19 10.5% 26.3% 42.1% 48 133
5歳 3-  3-  3- 34/ 43 7.0% 14.0% 20.9% 57 98
6歳 0-  3-  0- 34/ 37 0.0% 8.1% 8.1% 0 87
7歳以上 1-  0-  1- 28/ 30 3.3% 3.3% 6.7% 250 116

2015/10/24 東京11R 富士ステークス(G3) 1着 3番 ダノンプラチナ

まず表1に示したのは過去10年の富士S出走馬の年齢別成績。近年はステファノス、ダノンプラチナが勝利しているため3歳馬が優勢かと思いきや、実はそうでもない。確かに勝ち鞍は4勝と最も多いが連対率や複勝率ベースでは水準並み。その点では5歳馬の方が勝るし、4歳馬の方がかなり優秀。複勝率は42.1%とかなり高い。4歳馬は出走頭数が意外にも少ない点も特徴か。回収率の面では3〜4歳が100%を超えている。伏兵馬の台頭が多いことの表れでもある。6歳馬になると好走率は下がり、7歳以上も厳しくなる。

■表2 富士S出走馬の前走レース別成績(過去10年)

順位 前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 オータムHG3 2- 4- 0-23/29 6.9% 20.7% 20.7% 36 78
2 ポートア 2- 0- 2-25/29 6.9% 6.9% 13.8% 55 54
3 安田記念G1 1- 1- 0- 9/11 9.1% 18.2% 18.2% 101 217
4 ダービーHG3 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 282 295
5 毎日王冠G2 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 51 22
6 セントラG2 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 203 83
7 皐月賞G1 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 990 290
8 シリウスHG3 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 7520 1200
9 オールカG2 0- 1- 2- 1/ 4 0.0% 25.0% 75.0% 0 195
10 ラジオNIHG3 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0 384
11 エプソムG3 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0 21
12 朝日チャG3 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 940
13 西宮S1600 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 175
14 信越SH 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 630
15 朱鷺S 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 1145
16 六甲S 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 1050
17 大原SH1600 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 170
18 関屋記念G3 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

続いて出走馬の前走レース別成績を見ていく(表2参照)。大きなステップとしては二つ。京成杯AHとポートアイランドSだ。この両レース出走馬が互角で最も多い。その中でも連対率などで上回る京成杯AHが、最も好ステップと言える。その他では、安田記念や毎日王冠、皐月賞といったレースから勝ち馬が出ている。休み明けでも前走G2以上のレースに出走していた馬がよさそうだ。セントライト記念やシリウスSといった異色のローテーションからも勝ち馬が出ている。あとは、休み明けでもダービー卿CTに注目。連対馬はすべて重賞組で、前走OP特別や1600万クラス組は不振。3着までとなっている。別定戦ではあるがG3としてはレベルが高い一戦という傾向が読み取れる。

■表3 前走京成杯AHの富士S好走馬

馬名 人気 着順 前着 備考
14年 シャイニープリンス 12 2 6 13年富士S3着
13年 ダノンシャーク 1 1 2 13年安田記念3着
11年 アプリコットフィズ 6 2 2 10年クイーンS1着
08年 リザーブカード 5 2 6 08年関屋記念2着
07年 マイネルシーガル 4 1 3 3歳馬
07年 マイケルバローズ 7 2 4 07年関屋記念3着

ここからは前走レースを個別に見ていく。まずは京成杯AH組(表3参照)。過去10年では6頭が該当。表2でも示したように好走馬は1〜2着馬となっている。1番人気のダノンシャークから12番人気のシャイニープリンスまで、人気は幅広い。そして6頭中マイネルシーガルを除く5頭には、過去に東京芝1600mもしくは新潟芝1600mの重賞で好走経験があった。

■表4 前走ポートアイランドSの富士S好走馬

馬名 人気 着順 前着 備考
12年 クラレント 5 1 8 12年NHKマイルC3着
10年 ダノンヨーヨー 2 1 1  
08年 バトルバニヤン 7 3 2  
07年 トウショウカレッジ 8 3 9  

表4は前走ポートアイランドS組。好走馬は4頭。前走成績はダノンヨーヨーやバトルバニヤンは連対していたが、クラレントやトウショウカレッジは着外からの巻き返し。OP特別着外だとやや狙いにくい感もあるが、軽視はできないと言える。そしてクラレントは同年のNHKマイルC3着馬。ここでも左回りの重賞実績は強調材料となりそうだ。

■表5 その他組の主な富士S好走馬

馬名 人気 着順 前走成績 備考
15年 ダノンプラチナ 4 1 皐月賞11着 3歳馬
15年 サトノアラジン 1 2 エプソムC2着  
15年 ロゴタイプ 3 3 オールカマー4着  
14年 ステファノス 2 1 セントライト記念4着 3歳馬
13年 リアルインパクト 9 2 ダービー卿CT12着  
12年 ファイナルフォーム 3 2 ラジオNIKKEI賞1着 3歳馬
11年 エイシンアポロン 1 1 毎日王冠4着  
11年 マイネルラクリマ 5 3 オールカマー6着  
10年 ライブコンサート 14 2 安田記念15着 京都金杯1着
10年 ガルボ 13 3 ラジオNIKKEI賞8着 シンザン記念1着
09年 アブソリュート 6 1 安田記念13着 東京新聞杯1着
09年 マルカシェンク 11 2 朝日CC14着 京都金杯2着
08年 サイレントプライド 4 1 ダービー卿CT1着  
06年 キネティクス 16 1 シリウスS3着 ダービー卿CT3着
06年 エアシェイディ 2 2 オールカマー5着  

ここからは残りの好走馬について見ていく。主に富士Sで連対を果たした馬たちに注目してみた(表5参照)。表2でも述べたように前走レースは多彩だが、G2以上のレースを中心に重賞組が占めている。そして前走の着順はあまり参考にはならない。前走好走していた馬の方がむしろ少なく、大敗からの巻き返しもめずらしくない。

2006/10/21 東京11R 富士ステークス(G3) 1着 12番 キネティクス

そしてマイル重賞実績、それも今年の実績に絞って注目するとなかなかの数が該当する。10年ライブコンサートやガルボ、09年アブソリュートといった面々があてはまる。06年などは16番人気のキネティクスが優勝。前走ダートのシリウスSという異色のローテーションだったが、同年のダービー卿CTでは3着に入線していた。また、ライブコンサートは14番人気、マルカシェンクは11番人気での激走。このように超人気薄の好走馬が目立つ。今年マイル重賞で3着以内に入っている馬は、前走着順が悪くても大穴候補として注目しておきたい。

対照的に当日上位人気で好走した馬は3歳馬が多い。昨年優勝のダノンプラチナは、前走皐月賞11着で休み明けながら4番人気。ステファノス、ファイナルフォームは3番人気。表3で示したマイネルシーガルも3歳馬で、当日は4番人気だった。当日5番人気以内に支持されている3歳馬は狙い目と言えるだろう。それ以外の馬も比較的上位人気。ロゴタイプやエイシンアポロンといったところは実績上位馬であり、こうしたタイプも上位人気に支持されている場合は無視できないと言えるだろう。

予想の組み立てとしては、前走京成杯AH・ポートアイランドSに出走し、過去に東京・新潟芝1600mの重賞で好走経験がある馬。もしくは素質・潜在能力が評価され、当日上位人気に支持された3歳馬。あるいは、同年にマイル重賞で好走していながら当日全く人気がない馬。この3つのタイプに分類して、考えてみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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