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第1052回 過去1年の出走レースとの関係は? 京都大賞典分析

2016/10/6(木)

今週は秋の古馬G1へ向けたステップレース2競走、毎日王冠と京都大賞典が行われる。昨年は毎日王冠を取り上げたため、今年は月曜(体育の日)に行われる京都大賞典を分析したい。昨年の優勝馬・ラブリーデイは見事、秋の天皇賞も制したが、今年はどんな結果が待っているだろうか。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 京都大賞典出走馬の秋のG1成績

レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
エリザベス女王杯 1-3-0-8/12 8.3% 33.3% 33.3% 642% 319%
天皇賞(秋) 1-0-0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 18% 8%
マイルCS 1-0-0-1/2 50.0% 50.0% 50.0% 235% 90%
ジャパンC 0-2-2-22/26 0.0% 7.7% 15.4% 0% 81%
有馬記念 0-2-1-24/27 0.0% 7.4% 11.1% 0% 101%
菊花賞 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 290%
JCダート 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3-8-3-74/88 3.4% 12.5% 15.9% 96% 106%

2015/10/12 京都11R 京都大賞典(G2) 1着 1番 ラブリーデイ

分析に入る前に、このレースの位置づけを改めて確認しておきたい。京都大賞典の優勝馬には、秋の天皇賞への優先出走権が与えられるほか、ジャパンC(同距離)や有馬記念(2500m)を最大目標とする馬の参戦も多い。そこで、過去10年の出走馬が、同年秋のG1でどんな結果を残しているかを調べたのが表1である。

計3勝を挙げているものの、うち2勝は、クィーンスプマンテのエリザベス女王杯、トーセンラーのマイルCSと、いわゆる「秋の古馬三冠」以外で挙げられたもの。また、2000m超のジャパンC、有馬記念の優勝馬は出ていない。ただ、昨年は優勝馬のラブリーデイが天皇賞を制し、続くジャパンCでも3着。さらに、このレース2着だったサウンズオブアースが、ジャパンC5着を挟んで有馬記念では2着好走と、過去10年では初めて「秋の古馬三冠」全レースで馬券に絡む馬を輩出した。今年はその2頭に加え、キタサンブラックやラストインパクトも参戦予定で、どんな結果が出るか楽しみだ。

■表2 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 2-2-1-5/10 20.0% 40.0% 50.0% 49% 62%
2 3-1-2-4/10 30.0% 40.0% 60.0% 110% 101%
3 2-0-1-7/10 20.0% 20.0% 30.0% 101% 55%
4 1-2-1-6/10 10.0% 30.0% 40.0% 91% 85%
5 1-0-2-7/10 10.0% 10.0% 30.0% 184% 79%
6 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 95%
7 0-3-2-5/10 0.0% 30.0% 50.0% 0% 313%
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11〜 1-0-0-12/13 7.7% 7.7% 7.7% 1278% 289%

まず人気別成績だが、1〜2番人気は計【5.3.3.9】で連対率40.0%、複勝率55.0%と悪くない。ただ、過去10年で出走11頭を越えたのは半数の5回しかない中で、6〜7番人気が計【0.5.3.12】複勝率40.0%を記録し、出走頭数を考慮すると少し狙いづらい人気の馬でも馬券に多く絡んでいる。昨年は3連単6540円に収まったが、3年前には361万馬券が飛び出すなど、配当も年によってかなりムラがある。ある程度は穴馬も組み入れて、堅く収まったら仕方ないと、割り切った狙いも一考したい。

■表3 年齢別成績(牡・セン馬)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 6番人気以下
3歳 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 290% 0-0-1-0/1
4歳 3-5-1-14/23 13.0% 34.8% 39.1% 51% 119% 0-2-0-5/7
5歳 5-1-3-17/26 19.2% 23.1% 34.6% 766% 224% 1-0-1-12/14
6歳 0-1-2-21/24 0.0% 4.2% 12.5% 0% 17% 0-0-0-14/14
7歳以上 0-3-2-16/21 0.0% 14.3% 23.8% 0% 89% 0-3-1-12/16

今年は牝馬の登録がなく、表3は牡・セン馬限定の年齢別成績とした。勝ち馬はすべて4〜5歳で、特に連対率が高いのは4歳馬だ。また、5歳の回収率はヒットザターゲットの単勝万馬券が効いているが、同馬を除いても単勝回収率は132%(複83%)になる。そして7歳以上は好走馬5頭中4頭が6番人気以下で、残る1頭も昨年5番人気3着のカレンミロティック。穴候補としてはベテランも見逃せない。6歳馬は連対率4.2%など苦戦している。

■表4 前走レース別成績(本年登録馬の前走)

前走レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
宝塚記念 3-2-2-10/17 17.6% 29.4% 41.2% 1006% 280%
オールカマー 1-0-1-4/6 16.7% 16.7% 33.3% 306% 146%
天皇賞(春) 0-2-2-8/12 0.0% 16.7% 33.3% 0% 70%
札幌記念 0-2-0-6/8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 218%
丹頂S(※) 0-1-1-2/4 0.0% 25.0% 50.0% 0% 132%
※丹頂Sには、11年以前同時期の札幌日経OPを含む

今年の登録馬の前走は、宝塚記念、天皇賞(春)、オールカマー、札幌記念、そして丹頂Sの5レースに絞られる。このうち、11年以前は丹頂Sと同時期・同距離に札幌日経オープンが行われていたため、表4では同レースも合算した成績を掲載した。

やはり好成績を残すのは宝塚記念組で、この5レースの中では群を抜く優勝馬3頭、馬券圏内7頭。単複回収率こそ前述のヒットザターゲットの影響が大きいものの、勝率から複勝率まで安定した数字を残している。

ただ、その他のレースはあまり目立たず、春の天皇賞からの直行馬も特段良いとは言い難い。そんな中、丹頂S(11年以前の札幌日経オープン含む)組は複勝率50.0%で、同レースの優勝馬は、出走した2頭ともに馬券に絡んでいる(06年トウショウナイト5番人気3着、14年タマモベストプレイ6番人気2着)。

■表5 過去1年出走レース別成績

レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
宝塚記念 5-4-2-14/25 20.0% 36.0% 44.0% 708% 227%
天皇賞(春) 4-4-5-23/36 11.1% 22.2% 36.1% 37% 79%
有馬記念 0-2-1-14/17 0.0% 11.8% 17.6% 0% 33%
ジャパンC 2-2-2-7/13 15.4% 30.8% 46.2% 51% 126%
菊花賞 3-4-0-8/15 20.0% 46.7% 46.7% 79% 87%

今年の登録馬は、春の天皇賞や宝塚記念出走馬が4頭ずつなのに対し、昨年の有馬記念出走馬が6頭、ジャパンCが5頭と、昨秋のG1で対戦経験のある馬が多いのが特徴だ。そこで、過去1年の各G1(芝2200m以上)に出走した馬が、このレースでどんな成績を残しているかを調べたのが表5である。宝塚記念出走馬は【5.4.2.14】で、表4で挙げた前走宝塚記念組は【3.2.2.10】だったが、ほかに07年のインティライミ(前走朝日チャレンジC)、10年のメイショウベルーガ(前走新潟記念)が、宝塚記念後にレースを挟んでここで優勝を飾っている。その他のレースの見方も同様だ。

その宝塚記念出走馬の成績が良いのは予想通りだが、これを上回るのは同コースの長距離戦・菊花賞出走馬である。「3歳限定のG1に出走した」くらいでは軽くみてしまいがちだが、実は出走していただけでも重視するに値する成績を残している。また、小回り中山2500mの有馬記念に比べ、同距離で広いコースのジャパンC出走馬のほうが良いが、今年の登録馬のうち昨年のジャパンC出走馬は、全馬有馬記念にも駒を進めている。

■表6 宝塚記念最先着馬の成績

馬名 京都大賞典 宝塚記念
人気 着順 人気 着順
06 ファストタテヤマ 7 2 12 11
07 ポップロック 1 2 4 3
08 アルナスライン※ 1 5 3 10
09 マイネルキッツ 5 7 5 7
10 メイショウベルーガ 2 1 13 6
11 ローズキングダム 1 1 5 4
13 ゴールドシップ 1 5 2 1
14 ヒットザターゲット 4 4 12 4
15 ラブリーデイ 1 1 6 1
※背景灰は京都大賞典出走馬1頭のみ

表6はこのうち、同年の宝塚記念で最先着を果たした馬の成績を調べたものである。08年はアルナスライン1頭だけ、12年はビートブラックが出走を取り消しており、複数の出走馬が見られたのは過去10年で8回。そのうち最先着馬は【3.2.0.3】連対率62.5%と好成績。逆に表5から最先着馬を除くと【2.2.2.11】連対率23.5%にとどまる、という見方もできる。

なお、本年の春の天皇賞は、宝塚記念最先着のキタサンブラックと重複するため表は掲載しなかったが、同レース最先着馬は【1.0.3.6】。やや物足りない感もあるが、一昨年のラストインパクトが天皇賞9着→本競走1着、昨年はカレンミロティックが同3着→3着など、好走した4頭はすべて近4年から出現し、相性が一気に良化してきた。

■表7 前年の有馬記念最先着馬の成績

馬名 京都大賞典 前年有馬
人気 着順 人気 着順
06 マイソールサウンド※ 8 8 15 16
07 ポップロック 1 2 6 2
08 ポップロック※ 3 7 2 5
10 フォゲッタブル※ 3 6 4 4
11 フォゲッタブル 7 5 13 10
12 ローズキングダム※ 3 6 10 12
13 ゴールドシップ 1 5 1 1
14 タマモベストプレイ 6 2 16 5
15 ラキシス 3 4 11 6
※背景灰は京都大賞典出走馬1頭のみ

同様に、前年の有馬記念最先着馬の成績が表7である。こちらは複数の出走があった年にかぎると、過去10年【0.2.0.3】。距離こそ宝塚記念よりも近いとはいえ、10カ月ほど前の中山での結果では、さすがに宝塚記念に比べるとアテにはしづらい。もっとも、前年有馬記念出走馬の好走はそもそも3頭と少なく、そのうち2頭が最先着馬だった、とも言える。

■表8 前年のジャパンC最先着馬の成績

馬名 京都大賞典 前年JC
人気 着順 人気 着順
06 マイソールサウンド※ 8 8 18 15
08 ポップロック※ 3 7 4 2
09 オウケンブルースリ 3 1 4 5
10 オウケンブルースリ※ 1 2 2 2
11 ローズキングダム 1 1 4 1
12 ローズキングダム 3 6 9 9
14 ヒットザターゲット※ 4 4 8 11
15 ワンアンドオンリー※ 4 6 8 7
※背景灰は京都大賞典出走馬1頭のみ

同じ前年の結果でも同距離・ジャパンC最先着馬となると、複数頭出走した年で【2.0.0.1】。12年にはローズキングダムが6着敗退を喫したが、この年もう1頭の前年ジャパンC出走馬・オウケンブルースリが2着に食い込んだ。数は少ないが、上位2頭くらいはプラス材料と考えてもいいだろう。

【結論】

1〜2番人気はまずまず安定している京都大賞典だが、多頭数になりづらい中で中位人気馬の好走も多く、波乱の余地も十分にある。年齢別では4〜5歳が優勢で、穴なら7歳以上のベテランにも要注意。前走は宝塚記念組が良く、宝塚記念最先着馬(前走以外も含む)は特に注目したい。また、前年のG1では、まず菊花賞出走馬。古馬G1なら有馬記念よりもジャパンC最先着馬のほうが良い。

2016/5/1 京都11R 天皇賞(春)(G1) 1着 1番 キタサンブラック

今年の登録馬では、昨年の菊花賞、そして今春の天皇賞と、今回と同じ京都で2つのG1を制したキタサンブラックにまず注目したい。好成績を残す4歳馬(表3)、そして前走宝塚記念組(表4)。その宝塚記念で3着と、今年の登録馬4頭の中では最先着を記録しているのも好材料だ(表6)。加えて前年の菊花賞出走馬の成績も良く、筆頭候補に挙げられる。

その他の馬は一長一短で、選択はかなり難しい。人気どころでは昨年のジャパンC2、3着馬・ラストインパクトとラブリーデイは、そのジャパンC好走こそ良いものの(表8)、表6本文で触れたように、宝塚記念で最先着を果たせなかった馬は今ひとつに終わっている。また、6歳馬の成績が芳しくない(表3)ことも、両馬にとっては減点材料だ。 逆に、好成績の5歳馬(表3)・サウンズオブアースとアドマイヤデウスは、まず天皇賞以来の休養明けという点が、宝塚記念組に比べるとマイナスになる(表4)。また、サウンズオブアースに関しては、昨年の有馬記念最先着も大きく加点するには及ばない(表7)。 この4頭から1頭挙げればサウンズオブアースだろうか。どの馬を選ぶにせよ、消すほどではないが決め手にも欠けるだけに、やはり人気サイドで固めてしまうのは避けたい印象だ。

それならば少し穴っぽいところから、まず丹頂S(11年以前の札幌日経オープン含む)優勝馬が2戦2勝(表4本文)というデータから、その丹頂S優勝馬で4歳(表3)のヤマカツライデン。そして穴馬の好走が多い7歳以上(同)の中で、13年に大波乱を演出したヒットザターゲット。宝塚記念最先着ではない点はキタサンブラック以外と同じく減点ながら、前走札幌記念組で好走した2頭はともに7番人気の穴馬だった。表2で挙げたように、少頭数では買いづらい人気の馬でも2〜3着には絡むレースだけに、このあたりを絡めてちょっとした好配当を狙う手もありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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