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第1051回 今年で2回目のサウジアラビアロイヤルCを考える

2016/10/3(月)

今週は秋の東京・京都開催が開幕。その初日・土曜の東京競馬場では2歳馬によるG3競走・サウジアラビアロイヤルCが行われる。今年まだ2回目のこの重賞で、将来のG1奪取へ向けて前進するのはどの馬か、データから探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

まず、冒頭に「まだ2回目」とした今年の「第2回サウジアラビアロイヤルC」だが、一昨年には同条件で「第1回いちょうS」が行われており、昨年はレース名のみ変更した「第1回」だったため、事実上は今年で重賞昇格後3回目となる。また、12〜13年はオープン特別の芝1800m、11年以前は芝1600mで「いちょうS」が行われていた。

■表1 いちょうS(14年)、サウジアラビアRC(15年)の結果

馬名 通過 騎手 調教師 馬体重 増減 前走
14 1 5 6 クラリティスカイ 4 4-3 横山典弘 友道康夫 472 -8 未勝利芝18 2 1
2 7 10 ネオルミエール 2 8-8 柴山雄一 藤沢和雄 466 -6 新馬芝16 1 1
3 2 2 ミッキーユニバース 3 2-2 北村宏司 藤沢和雄 524 +2 札幌2歳S 1 7
単勝:810円 馬連:2100円 馬単:4670円 3連複:3280円 3連単:22600円
15 1 5 6 ブレイブスマッシュ 4 6-6 横山典弘 小笠倫弘 474 0 未勝利芝15 1 1
2 8 12 イモータル 1 7-6 戸崎圭太 須貝尚介 514 -4 新馬芝18 1 1
3 8 11 アストラエンブレム 2 8-8 浜中俊 小島茂之 452 -10 未勝利芝16 1 1
単勝:810円 馬連:930円 馬単:2460円 3連複:780円 3連単:7220円

2015/10/10 東京11R サウジアラビアロイヤルC 1着 6番 ブレイブスマッシュ

最初に、重賞昇格後2回の結果をざっと見ておきたい。一昨年はクラリティスカイ、昨年はブレイブスマッシュと、2年連続で5枠6番・4番人気・単勝8.1倍・横山典弘騎手の騎乗馬が優勝。今年もまったく同じ馬がいるとは考えづらいが、もし2つくらい合致する馬がいれば注目したい。また、上位3頭はすべて4番人気以内で、大きくは荒れていない。そして、好走6頭は前走2番人気以内、うち5頭は新馬・未勝利優勝馬で、特にオープン・重賞経験は気にならない。加えて、プラス体重で好走したのは1頭のみである。また、表には記していないが、好走馬6頭の前走はすべて8〜9月である。

■表2 秋の東京・京都2歳重賞、芝1600m以上人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 参考:芝14 同複勝率
1 9-9-2-8/28 32.1% 64.3% 71.4% 85% 93% 1-3-5-11 45.0%
2 4-5-5-14/28 14.3% 32.1% 50.0% 57% 84% 2-2-3-13 35.0%
3 3-5-2-18/28 10.7% 28.6% 35.7% 66% 80% 3-0-3-14 30.0%
4 5-3-2-18/28 17.9% 28.6% 35.7% 130% 88% 3-4-2-11 45.0%
5 1-3-5-19/28 3.6% 14.3% 32.1% 28% 93% 4-2-1-13 35.0%
6 2-2-2-22/28 7.1% 14.3% 21.4% 125% 90% 0-4-0-16 20.0%
7 0-0-5-23/28 0.0% 0.0% 17.9% 0% 57% 1-3-0-16 20.0%
8 0-0-1-27/28 0.0% 0.0% 3.6% 0% 13% 2-0-2-16 20.0%
9 3-0-2-22/27 11.1% 11.1% 18.5% 272% 105% 0-1-0-19 5.0%
10 0-1-0-25/26 0.0% 3.8% 3.8% 0% 34% 0-0-1-19 5.0%
11〜 1-0-2-97/100 1.0% 1.0% 3.0% 82% 46% 4-1-3-92 8.0%

続いて表2は、過去10年の秋の東京・京都開催における、芝1600m以上の2歳重賞の人気別成績である。1番人気が複勝率71.4%と抜群の安定感を示しており、まず1番人気馬は注目。また、表の右に記した同時期・芝1400m重賞の成績と比較すると、全体的に上位人気の好走確率が高い。

■表3 いちょうS、サウジアラビアRC人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 1-4-1-4/10 10.0% 50.0% 60.0% 16% 71%
2 2-2-2-4/10 20.0% 40.0% 60.0% 77% 106%
3 3-2-2-3/10 30.0% 50.0% 70.0% 140% 139%
4 4-1-1-4/10 40.0% 50.0% 60.0% 426% 150%
5 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 82%
6〜 0-0-2-60/62 0.0% 0.0% 3.2% 0% 23%

ここからは、昨年のサウジアラビアRCと、前身となる一昨年までのいちょうSを合わせた過去10年を分析する。その人気別成績では、連対馬20頭中19頭が4番人気以内。表1で記したここ2年の傾向は、過去10年で見ても同様のため、これは信頼できるデータと考えられる。また、その1〜4番人気は、1番人気1勝から4番人気4勝まで、人気が1つ下がるごとに勝ち馬が1頭ずつ増えている。さらに、連対率や複勝率はほぼ互角のため、単複の回収率は当然4番人気が高い。人気サイド中心、かつ、配当妙味も考慮すれば3〜4番人気が狙いどころ。表2の複勝回収率横並びの傾向とはやや違う印象で、過去2回の4番人気2連勝のほうが近い。

■表4 枠番別成績(1800mの12〜13年を除く)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 0-1-0-7/8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 13%
2枠 1-0-1-7/9 11.1% 11.1% 22.2% 17% 48%
3枠 1-0-0-8/9 11.1% 11.1% 11.1% 36% 16%
4枠 0-0-1-8/9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 17%
5枠 3-1-2-6/12 25.0% 33.3% 50.0% 228% 124%
6枠 1-0-1-10/12 8.3% 8.3% 16.7% 38% 23%
7枠 1-1-2-9/13 7.7% 15.4% 30.8% 38% 80%
8枠 1-5-1-5/12 8.3% 50.0% 58.3% 126% 103%

2008/10/25 東京9R いちょうステークス 1着 6番 ダノンカモン

表1で5枠6番が2連勝中としたが、過去10年のうち芝1600mで行われた8回の枠番別成績を見ると、優勝馬8頭中6頭は5〜8枠だった。その5〜8枠は計【6.7.6.30】連対率26.5%に対し、1〜4枠は【2.1.2.30】同8.6%止まり。ここ2年の好走馬6頭中5頭も5〜8枠だけに、内よりは中〜外枠の馬を重視したいレースだ。

■表5 馬体重増減別成績

馬体重増減 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
-19〜-10kg 1-0-1-3/5 20.0% 20.0% 40.0% 100% 66%
-9〜 -4kg 2-5-0-8/15 13.3% 46.7% 46.7% 64% 81%
-3〜 +3kg 3-4-6-36/49 6.1% 14.3% 26.5% 56% 62%
+4〜 +9kg 4-1-3-21/29 13.8% 17.2% 27.6% 81% 80%
+10〜+19kg 0-0-0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
+20kg〜 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
今回減 3-5-2-20/30 10.0% 26.7% 33.3% 49% 57%
同体重 1-2-2-14/19 5.3% 15.8% 26.3% 42% 52%
今回増 6-3-6-48/63 9.5% 14.3% 23.8% 68% 66%

もうひとつ、表1ではプラス体重の好走馬が1頭だけだった。そこで過去10年の馬体重増減別成績を調べると、特に2桁のプラス体重だった馬は、4番人気以内4頭がいながら【0.0.0.14】。08年には1番人気のブレイクランアウトが、前走428キロからプラス12キロと、小柄で増えたほうが良さそうな感もありながら4着敗退を喫している。逆にマイナス体重馬は複勝率33.3%。特に4キロ以上のマイナスなら複勝率40%を超え、09年には10キロ減のトーセンファントムが3番人気で勝利を飾っている。

■表6 前走クラス・レース別成績(レースは好走馬輩出レース)

前走クラス/レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 3-5-3-18/29 10.3% 27.6% 37.9% 67% 87%
未勝利 4-1-4-30/39 10.3% 12.8% 23.1% 84% 44%
500万下 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 180%
OPEN特別 2-2-1-18/23 8.7% 17.4% 21.7% 39% 28%
G3 1-2-1-8/12 8.3% 25.0% 33.3% 36% 76%
芙蓉S 1-1-1-8/11 9.1% 18.2% 27.3% 40% 38%
新潟2歳S 1-1-0-3/5 20.0% 40.0% 40.0% 88% 90%
コスモス賞 1-0-0-3/4 25.0% 25.0% 25.0% 115% 30%
札幌2歳S 0-1-1-3/5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 94%
ききょうS 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 110%
アスター賞 0-0-1-3/4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 270%

前走クラス別成績では、新馬勝ち直後の馬が【3.5.3.18】連対率27.6%、複勝率37.9%の好成績。未勝利勝ちからの好走馬も9頭を数え、複勝率23.1%はオープン特別と比較しても悪くはない。また、そのオープン特別組は4連対こそ記録するものの、単複の回収率は39%、28%とまったく妙味なし。G3組も含め好走馬は出ているため無視はできないが、新馬・未勝利組から狙ったほうがおもしろい。表1で挙げたように、ここ2年の結果を見ても、好走6頭中5頭がその新馬・未勝利組である。

■表7 キャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 前走未勝利 前走500万〜
1戦 3-5-3-18/29 10.3% 27.6% 37.9% 67% 87%
2戦 4-3-5-29/41 9.8% 17.1% 29.3% 62% 52% 2-1-4-17/24 2-2-1-12/17
3戦 1-1-2-22/26 3.8% 7.7% 15.4% 31% 70% 1-0-0-11/12 0-1-2-11/14
4戦 1-1-0-6/8 12.5% 25.0% 25.0% 101% 33% 1-0-0-1/2 0-1-0-5/6
5戦 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 76% 20% 0-0-0-1/1 1-0-0-4/5
6戦 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1/1
7戦 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1/1

最後に、キャリア別の成績も見ておきたい。前述のように1戦=前走新馬組が好成績だが、それ以外ではキャリア2戦馬が好走馬12頭、複勝率29.3%を記録する。特に未勝利組は好走9頭中7頭がキャリア2戦馬だ。

ただ、表6までのデータは重賞昇格後も、過去10年で見てもあまり変わらなかったが、このキャリア別成績に関しては、少々変化が出ているので要注意。一昨年の優勝馬・クラリティスカイは新馬4着、未勝利2着、未勝利1着のキャリア3戦。そして昨年の優勝馬・ブレイブスマッシュはデビューから3連続2着後の未勝利勝ちで、キャリア4戦馬だった。2〜3着の4頭は1〜2戦馬ばかりで傾向通りだが、勝ち馬に関しては重賞になってから経験がモノを言っている可能性もある。また、何度も負けているゆえに、1〜3番人気ではなく4番人気での勝利に繋がっているとも言えそうだ。

以上、今年の第2回サウジアラビアロイヤルCについて探ってみた。おおむね、いちょうSも含めた過去10年(または同コース過去8回)の傾向が使えそうな印象だが、最後に触れたように、勝ち馬のキャリアだけは重賞になって変化が出ているため要注意だ。今年の出走想定は本稿執筆段階では不明だが、10頭の登録馬の中では前走が9月の未勝利勝ち・ロジムーンが出走すればおもしろそうだ。ただ、枠や人気順、馬体重増減などもカギを握るレースのため、当日発表のデータもしっかり把握した上で最終決断を下したい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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