第1046回 ディープインパクト産駒の取捨は!? セントライト記念を分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1046回 ディープインパクト産駒の取捨は!? セントライト記念を分析

2016/9/15(木)

秋の中山2週目となる今週は日曜に菊花賞トライアルのセントライト記念が行われる。昨年はキタサンブラックが勝利し、続く菊花賞でG1初制覇を飾ってみせた。今年は日本ダービー3着のディーマジェスティらディープインパクト産駒が多く出走を予定している。同産駒の上位独占なるか、はたまた他産駒の食い込みがあるのかが大きな見どころだ。今回のデータde出〜たでは、2010年以降に中山で行われたセントライト記念過去5回のデータから好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 セントライト記念過去5回の3着以内馬一覧(10年以降の中山開催)

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半1000m通過 レース上がり
2015(良) 1 キタサンブラック 2分13秒8 6 1 34秒9 61秒1 35秒0
2 ミュゼエイリアン 3/4馬身 9 2 35秒1
3 ジュンツバサ アタマ 10 8 34秒6
2013(良) 1 ユールシンギング 2分13秒5 3 9 35秒0 61秒7 35秒9
2 ダービーフィズ ハナ 5 9 34秒9
3 アドマイヤスピカ 3/4馬身 6 12 34秒7
2012(良) 1 フェノーメノ 2分10秒8 1 1 34秒4 60秒2 34秒7
2 スカイディグニティ 1馬身 14 7 34秒2
3 ダノンジェラート 1馬身3/4 4 5 34秒7
2011(良) 1 フェイトフルウォー 2分10秒3 6 5 34秒0 57秒5 36秒8
2 トーセンラー 1馬身1/4 3 7 34秒1
3 サダムパテック 1馬身1/4 1 8 34秒1
2010(良) 1 クォークスター 2分10秒9 4 10 34秒0 58秒7 37秒0
2 ヤマニンエルブ クビ 3 1 37秒0
3 アロマカフェ 3/4馬身 2 4 35秒1

まず表1は過去5回の上位3着以内馬一覧。過去5回すべて良馬場で行われているが、10〜12年と13年以降では勝ちタイムが大きく違うことに注目。近2回はペースが遅くなっているものの、3着以内馬は34秒6〜35秒1に留まっている。以前とは異なり、あまり速い時計を出さない馬場の作り方をしていることが最大の要因だろう。

開幕週だった先週は日曜メインの京成杯AHが1分33秒0。以前は逃げ・先行勢が止まらない超高速馬場だったことを考えると、時計は落ち着いている。今年もペース次第になるだろうが、良馬場なら2分12〜13秒台の決着になるのではないか。

3着以内馬の人気順を見ると、1番人気馬はフェノーメノの1勝のみ。同馬は日本ダービー2着からの直行だった。近2年は着外に敗れており、波乱の雰囲気もある一戦となっている。4角通過順では力のある馬は4コーナー先頭から好走しているものの、中団や後方から差してくるケースもある。

■表2 セントライト記念の前走レース別成績(10年以降の中山開催の過去5回)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
日本ダービー 3- 2- 1- 7/13 23.1% 38.5% 46.2% 279% 162%
500万下 1- 0- 2- 4/ 7 14.3% 14.3% 42.9% 88% 202%
ラジオNIKKEI賞 1- 0- 1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 49% 27%
阿賀野川特別(1000万下) 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 342%
信濃川特別(1000万下) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 260%
青葉賞 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 280%
その他のレース 0- 0- 0-42/42 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は前走レース別成績。日本ダービー組が昨年のキタサンブラックら3勝をあげており、連対率38.5%・複勝率46.2%と非常に高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。

他では500万下組が13年ユールシンギング、ラジオNIKKEI賞組からは10年クォークスターがそれぞれ勝利している。ラジオNIKKEI賞組は連対率・複勝率こそ低いものの、同レースで1着【0.0.1.1】、2着【1.0.0.1】で前走連対馬は好成績の点は注意しておきたい。

また、勝ち星こそないが、新潟の阿賀野川特別組、信濃川特別組の条件戦2レースからそれぞれ連対馬が出ている。

■表3 前走日本ダービー組の成績と過去の重賞勝利実績(10年以降の中山開催の過去5回)

年度 馬名 人気 着順 過去の重賞勝利実績
2015 キタサンブラック 6 1 スプリングS
ミュゼエイリアン 9 2 毎日杯
タンタアレグリア 5 6 なし
サトノラーゼン 1 7 京都新聞杯
2013 ヒラボクディープ 1 13 青葉賞
2012 フェノーメノ 1 1 青葉賞
エタンダール 5 4 なし
2011 フェイトフルウォー 6 1 京成杯
トーセンラー 3 2 きさらぎ賞
サダムパテック 1 3 弥生賞・東スポ杯2歳S
ベルシャザール 2 4 なし
ユニバーサルバンク 4 11 なし
2010 ゲシュタルト 1 14 京都新聞杯

表3は日本ダービー組の成績一覧。11年フェイトフルウォー、12年フェノーメノ、昨年のキタサンブラックが勝利し、11年に関しては上位4着までをダービー組が独占している。

これら3着以内馬6頭はいずれも過去に重賞での勝利実績があった。なお、京都新聞杯勝ちがあった10年ゲシュタルト、昨年のサトノラーゼンは着外に敗れている。平坦の重賞勝利よりも中山・阪神といった坂のあるコースの重賞実績が重要だといえそうだ。

■表4 日本ダービー組以外の出走馬の前走距離別成績(10年以降の中山開催の過去5回)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1400m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1500m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1700m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1800m 2- 0- 3-15/20 10.0% 10.0% 25.0% 63% 89%
2000m 0- 1- 0-22/23 0.0% 4.3% 4.3% 0% 11%
2200m 0- 2- 0-10/12 0.0% 16.7% 16.7% 0% 114%
2400m 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 140%
2600m 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は日本ダービー組以外の出走馬の前走距離別成績。3着以内馬は1800〜2400m組におさまっており、なかでも1800m組が前述のクォークスター、ユールシンギングの2勝。昨年10番人気で3着と好走したジュンツバサも該当している。3着以内馬5頭中4頭は前走の1800m戦で勝利していた。

一方、出走数が最も多い前走2000m組は勝ち星がなく、好走したのは13年2着ダービーフィズのみと苦戦傾向にある。また、阿賀野川特別の2200m組、青葉賞の2400m組から3着以内馬が出ている。

■表5 セントライト記念の種牡馬別成績(10年以降の中山開催の過去5回)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ステイゴールド 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 396% 241%
シンボリクリスエス 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 103% 38%
ブラックタイド 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 625% 225%
アグネスタキオン 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 320% 95%
ディープインパクト 0- 1- 1-14/16 0.0% 6.3% 12.5% 0% 27%
ブライアンズタイム 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 570%
スクリーンヒーロー 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 820%
ジャングルポケット 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 260%
サツカーボーイ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 230%
キングカメハメハ 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 40%
マンハッタンカフェ 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 42%
フジキセキ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 140%
その他の種牡馬 0- 0- 0-32/32 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は種牡馬別成績。ステイゴールド産駒がフェイトフルウォー、フェノーメノの2勝をあげており、複勝率50%と好成績をあげている。他ではシンボリクリスエス、ブラックタイド、アグネスタキオンの各産駒が1勝ずつ。注目は出走数最多のディープインパクト産駒の率の悪さだろう。勝ち馬が出ておらず、3着以内馬は11年2着トーセンラー、12年3着ダノンジェラートのみに留まっている。近2回は1番人気のヒラボクディープ、サトノラーゼンがともに着外に敗れており、苦戦傾向が目立っている。ただし、出走馬16頭中で重賞勝ち馬は4頭のみ。実績がない同産駒が期待料込みで人気になっていたケースが多い。京都や阪神の外回りだけでなく、中山やローカルの小回りでも活躍するようになった現状を見れば、同産駒ゆえに軽視するスタンスは非常に危ないだろう。

<結論>

■表6 今年のセントライト記念の出走予定馬(9/14現在)

馬名 種牡馬 前走成績 重賞実績/前走距離
アルカサル ドリームジャーニー 北海H 3着 芝2600m
カルヴァリオ マツリダゴッホ 松前特別 1着 芝2000m
キークラッカー ジャングルポケット 500万下 1着 芝2200m
ケンホファヴァルト マーベラスサンデー 日高特別 6着 芝2000m
ステイパーシスト ステイゴールド 出雲崎特別 1着 芝2400m
ゼーヴィント ディープインパクト ラジオNIKKEI賞 1着 芝1800m
ディーマジェスティ ディープインパクト 日本ダービー 3着 皐月賞・共同通信杯
ネイチャーレット タニノギムレット 500万下 1着 芝2000m
ノーブルマーズ ジャングルポケット 白百合S 3着 芝1800m
ピースマインド ディープインパクト 500万下 2着 芝2000m
プロディガルサン ディープインパクト 日本ダービー 10着 なし
プロフェット ハービンジャー 日本ダービー 17着 京成杯
マウントロブソン ディープインパクト 日本ダービー 7着 スプリングS
メートルダール ゼンノロブロイ 白百合S 2着 芝1800m
※フルゲート18頭。除外予定馬なし

2016/7/3 福島11R ラジオNIKKEI賞(G3) 1着 1番 ゼーヴィント

今年の出走予定馬は表6のとおり。

冒頭にも述べたようにディープインパクト産駒は5頭が出走を予定している。その中でも筆頭格なのが前走日本ダービー3着のディーマジェスティ。皐月賞勝ち馬で、これまでのディープインパクト産駒の中でも実績が段違いといえる一頭だ。日本ダービーでは上位2頭にわずかに及ばなかったが、上がり3Fは勝ったマカヒキと同じ33秒3。同世代の中でトップの1頭であることは間違いなく、状態さえ悪くなければ勝ち負けできるだろう。

同じくディープインパクト産駒ではゼーヴィント、マウントロブソンの2頭もデータから推奨したい。ゼーヴィントは表2の文中で述べたように好成績のラジオNIKKEI賞勝ち馬。中山・福島で全3勝をあげているように、小回りコースが合っている一頭だ。前走のように内で脚を溜められる展開になれば勝つ場面までありそうだ。絶好調の戸崎騎手で鞍上人気もあるだろうが、狙ってみたい。また、マウントロブソンは表3の日本ダービー組で中山のスプリングSを勝利している。仕上げに定評がある堀厩舎も強調材料でダービーの時のような出遅れがなければ、好勝負できるだろう。実力通りに運べば、ディープインパクト産駒の上位独占があってもおかしくない。

2016/8/20 新潟9R 出雲崎特別 1着 3番 ステイパーシスト

プロディガルサンは重賞勝利がなく、ピースマインドは実力不足の感がある。京成杯勝ちのあるプロフェットだが、その勝ちタイムは1週前に行われた寒竹賞4着のステイパーシストの走破タイムよりも遅い。ステイパーシストはセントライト記念と相性が良いステイゴールド産駒。前走新潟の出雲崎特別を上がり最速で差し切って勝利している。一角崩しがある穴馬としてこの馬を挙げておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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