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第1043回 今年から重賞に昇格! 紫苑Sの傾向は?

2016/9/5(月)

今週土曜の中山競馬場では、秋華賞トライアル・紫苑Sが行われる。従来のオープン特別から、今年はG3の重賞に昇格。月曜掲載分の今回は、この注目度が格段に上がった一戦を分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

オープン特別の紫苑Sは、2000年に中山競馬場・芝1800mの条件で創設。99年まではクイーンSが、4歳(旧表記)牝馬限定のG3として秋の中山で行われていたが、同レースが古馬混合戦となったことで、その位置づけを受け継ぐ形で紫苑Sが誕生した。その後、07年には現在の2000mへ延長。そして今年、もともとのクイーンSと同じG3に昇格した形だ。なお、過去10年では一昨年が新潟芝2000m、そして06年は中山芝1800mで、その他は中山芝2000mで行われている。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0% 47% 61%
2 2-3-0-5 20.0% 50.0% 50.0% 106% 92%
3 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0% 0% 20%
4 2-2-1-5 20.0% 40.0% 50.0% 162% 130%
5 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0% 265% 125%
6 1-2-2-5 10.0% 30.0% 50.0% 84% 156%
7 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0% 0% 32%
8 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0% 127% 88%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11〜 1-1-1-51 1.9% 3.7% 5.6% 74% 67%

2014/9/13 新潟11R 紫苑ステークス 1着 4番 レーヴデトワール

過去10年、1番人気は12年のパララサルー1勝止まり。紫苑S16回でも1番人気の勝利は2回のみと、あまり勝ち切れていない。ただ、人気薄の好走はさほど多くはなく、好走馬の中心はおおむね6番人気まで。下位人気もまったく無視はできないものの、高連対率・複勝率を記録する4〜6番人気あたりに妙味がある。

■表2 脚質別成績(中山芝2000m施行時)

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜3番人気
逃げ 1-1-0-7/9 11.1% 22.2% 22.2% 93% 44% 0-1-0-1
先行 2-1-2-25/30 6.7% 10.0% 16.7% 54% 86% 0-0-0-8
中団 5-6-4-36/51 9.8% 21.6% 29.4% 148% 87% 2-2-2-7
後方 0-0-2-29/31 0.0% 0.0% 6.5% 0% 22% 0-0-0-1
※TARGET frontier JVによる分類

冒頭にも触れた通り、過去10年のうち06年は芝1800m、一昨年は新潟代替だったため、中山芝2000mでの施行は8回。そのすべてが秋の中山開幕週に行われているため、先行有利かと考えがちだ。しかし実際は、「中団」から運んだ馬が連対馬16頭中11頭と大半を占めている。特に3番人気以内に推された馬は、3着以内の好走馬7頭中6頭が「中団」。対して「先行」は8頭すべて馬券圏外に敗れ去っている。開幕週とはいえ、差しが決まる傾向にあることには注意したい。

■表3 枠番別成績(中山芝2000m施行時)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 6番人気以下
1枠 0-2-1-9/12 0.0% 16.7% 25.0% 0% 58% 0-0-0-6
2枠 1-1-0-12/14 7.1% 14.3% 14.3% 92% 35% 0-0-0-11
3枠 1-1-2-11/15 6.7% 13.3% 26.7% 31% 54% 0-0-1-8
4枠 1-0-0-14/15 6.7% 6.7% 6.7% 50% 18% 0-0-0-11
5枠 3-1-1-9/14 21.4% 28.6% 35.7% 187% 102% 1-1-1-5
6枠 1-0-3-12/16 6.3% 6.3% 25.0% 250% 201% 1-0-3-8
7枠 1-2-1-13/17 5.9% 17.6% 23.5% 49% 62% 1-1-0-10
8枠 0-1-0-17/18 0.0% 5.6% 5.6% 0% 8% 0-0-0-12

同じく中山芝2000m施行時の枠番別では、4枠と7枠がともに1連対のみと不振。別途馬番別で見ると、14番枠から外を引いた馬は【0.0.0.20】で、12年にはオークス3着以来のアイスフォーリスが17番枠から2番人気で5着に敗退するなどしている。また、表にあるように、6番人気以下の好走馬は10頭中9頭が5〜7枠だ。

■表4 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
未勝利 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 4-3-6-62/75 5.3% 9.3% 17.3% 41% 65%
(500万・牡牝混合) 3-3-1-33/40 7.5% 15.0% 17.5% 63% 44%
(500万・牝馬限定) 1-0-5-29/35 2.9% 2.9% 17.1% 16% 90%
1000万下 4-3-1-17/25 16.0% 28.0% 32.0% 174% 79%
1600万下 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
OPEN特別 0-1-0-5/6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 40%
G3 0-2-0-6/8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 63%
G2 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 1-1-3-19/24 4.2% 8.3% 20.8% 19% 84%
地方 1-0-0-7/8 12.5% 12.5% 12.5% 501% 126%

表4は、過去10年の前走クラス別成績。今年から重賞に昇格したため、どこまで参考になるか微妙ではあるが、前走500万組、1000万組がともに7連対ずつ。500万でも牝馬限定戦組は3着止まりが多いこと、1000万組は好走確率が高いことが注目点になる。一方、前走G1出走馬も1000万組とほぼ同じ24頭が出走したものの、こちらは2連対のみで連対率はわずか8.3%。オープン特別時代は、G1組はまったくアテにならなかった

■表5 【参考】クイーンSが秋に行われていた際の前走クラス別成績(90〜99年)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
未勝利 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 3-1-3-27/34 8.8% 11.8% 20.6% 85% 77%
1000万下 2-5-5-43/55 3.6% 12.7% 21.8% 38% 62%
1600万下 0-1-0-4/5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 52%
OPEN特別 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G3 1-1-1-6/9 11.1% 22.2% 33.3% 15% 103%
G2 1-0-0-2/3 33.3% 33.3% 33.3% 40% 33%
G1 3-2-1-10/16 18.8% 31.3% 37.5% 85% 80%
地方 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて、クイーンSが4歳(旧表記)限定で秋に行われていた際の前走クラス別成績10年分(90〜99年)も参考にみておきたい。こちらは表4と比較して重賞組の好走確率が全体的に高い傾向にある。ただ、前走が重賞だった馬の総数は過去10年の紫苑Sより少ない上、500万組の好走確率は紫苑S過去10年より高かった。重賞組の扱いが少々難しくはなるものの、いずれにしても前走条件戦組は侮れないと考えるのが妥当だろう。

■表6 前走オープン・重賞からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 OP・重賞好走実績
06 キープユアスマイル 12 2 オークス 14 12  
08 デヴェロッペ 2 2 クイーンS 7 11 菜の花賞1着
レッドアゲート 1 3 オークス 2 6 フローラS1着
09 ダイアナバローズ 11 1 関東オークス 2 9  
10 クラックシード 6 2 スイートピーS 2 6  
コスモネモシン 1 3 オークス 10 15 フェアリーS1着
11 デルマドゥルガー 6 2 クイーンS 13 10 クイーンC3着
12 パララサルー 1 1 桜花賞 7 9 アネモネS1着
14 マイネグレヴィル 4 3 オークス 16 9 フラワーC2着

■表7 前走オープン・重賞組の前走着順別成績(中央馬)

前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走2〜5着 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 2-1-2-13/18 11.1% 16.7% 27.8% 248% 105%
前走10着〜 0-3-1-18/22 0.0% 13.6% 18.2% 0% 85%

表6は、過去10年の紫苑Sで前走重賞、またはオープン特別から好走した9頭である。表にあるように、9頭はすべて前走掲示板外となる6着以下。また、オープン・重賞で好走実績を持たない馬でも馬券に絡んできている。 また、表7はその前走重賞・オープン特別組の前走着順別の成績で、前走で掲示板に載っていた馬も5頭が出走していたことがわかる。たとえば、11年にはオークス2着のピュアブリーゼが1番人気で12着、12年には同3着のアイスフォーリスが2番人気で5着、そして07年には同4着のミンティエアーが1番人気9着などである。G3昇格で傾向が変わる可能性もあるが、前走オープン・重賞好走馬を過信するのは避けたい印象だ。ただ、掲示板外の馬でも、さすがに2桁着順よりは、6〜9着あたりに収めていた馬のほうが好走確率は高い

■表8 前走500万、1000万組の前走着順別成績

前走クラス 前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500万 前走1着 4-3-3-21/31 12.9% 22.6% 32.3% 99% 125%
前走2〜5着 0-0-3-22/25 0.0% 0.0% 12.0% 0% 41%
前走6着〜 0-0-0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1000万 前走1〜5着 3-3-1-7/14 21.4% 42.9% 50.0% 250% 123%
前走6〜9着 1-0-0-4/5 20.0% 20.0% 20.0% 168% 50%
前走10着〜 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

一方、表8は前走500万、1000万条件出走馬の前走着順別成績である。500万なら、連対できるのは前走1着馬のみ。2〜5着馬は好走しても3着まで、そしてさすがに6着以下では苦しい。そして1000万組は5着以内が好走の目安で、6着以下から巻き返したのは13年の優勝馬・セキショウのみだ。

■表9 前走1000万条件からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 重賞経験
06 アイスドール 3 3 月岡温泉特別 1 2 フラワーC5着
07 アルコセニョーラ 5 1 信濃川特別 3 2 フラワーC4着
ラブカーナ 2 2 三面川特別 1 5 オークス3着
08 モエレカトリーナ 4 1 信濃川特別 6 3 未経験(地方出身馬)
12 ブリッジクライム 4 2 三面川特別 6 2 フラワーC6着
13 セキショウ 6 1 大倉山特別 4 9 フローラS9着
14 レーヴデトワール 5 1 小豆島特別 3 4 桜花賞5着
15 ホワイトエレガンス 5 2 藻岩山特別 3 1 フラワーC9着

表9は、好走確率の高かった前走1000万組の好走馬一覧である。好走馬はすべて今回6番人気以内で、そのセキショウ以外は5番人気以内だった。1000万組は6番人気以内に推されると【4.3.1.4】で連対率は58.3%まで跳ね上がり、7番人気以下は【0.0.0.13】である。また、地方出身のモエレカトリーナ以外は、春の段階で重賞を経験し、少なくともひと桁着順には入っていることも共通点だ。500万組では昨年の優勝馬・クインズミラーグロなど重賞未経験馬の好走も少なからず見られるが、前走1000万組は、夏場に力をつけてきただけでは馬券圏内に届いていない。

以上、今年から重賞に昇格した紫苑Sの傾向をざっと洗ってみた。その重賞に昇格したことによる影響がカギになるものの、表5で挙げたように、秋にクイーンSが行われていた時代にも、500万組、1000万組の好走は多く見られた。重賞組は人気になりがちなだけに、配当妙味からも、条件戦組を上記データから選別し、うまく馬券に組み込んでいきたい。 本稿執筆時点(日曜)では正確な出走予定馬はわからないが、発表された特別登録馬の中では、前走1000万出走馬・クィーンズベストにまず注目。チューリップ賞4着と、表9の好走傾向通りに重賞でひと桁着順の実績を持つのは好材料だ。500万組なら、牡牝混合戦(表4など)を勝ってきたギモーヴ。オープン・重賞なら6〜9着馬(表7)、フロンテアクイーン、ルフォールあたりが挙げられる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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