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第1038回 前走からの斤量増減に注意! 札幌記念を分析する

2016/8/18(木)

今週は日曜に北九州記念、札幌記念と2鞍の重賞が行われる。前回は北九州記念を分析したが、今回は夏競馬で唯一のG2競走である札幌記念を分析していきたい。例年秋の大舞台を目指す実力馬が出走し、注目度が高いレースとなっている。今年は国内外のマイルG1で大活躍しているモーリスが出走予定。初の芝2000m戦でどんなレースぶりを見せるのか、競馬ファン必見の一戦だ。それでは、2010年以降に札幌競馬場で行われた(函館開催の13年を除く)過去5回から好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 札幌記念過去5回の上位3着以内馬一覧(2010年以降)

年/馬場 着順 馬名 性齢 斤量 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半1000m通過 レース上がり
2015(良) 1 ディサイファ 牡6 57 1分59秒0 5 2 36秒0 58秒9 36秒2
2 ヒットザターゲット 牡7 57 アタマ 8 12 34秒9
3 ダービーフィズ 牡5 57 アタマ 4 8 35秒1
2014(良) 1 ハープスター 牝3 52 1分59秒1 2 4 35秒5 58秒4 36秒3
2 ゴールドシップ 牡5 57 3/4馬身 1 4 35秒3
3 ホエールキャプチャ 牝6 55 5馬身 7 9 36秒4
2012(良) 1 フミノイマージン 牝6 55 1分58秒7 4 7 34秒4 59秒5 35秒2
2 ダークシャドウ 牡5 57 1/2馬身 1 1 35秒3
3 ヒルノダムール 牡5 57 3/4馬身 2 4 35秒1
2011(良) 1 トーセンジョーダン 牡5 57 2分00秒4 1 2 34秒5 60秒4 34秒7
2 アクシオン 牡8 57 ハナ 5 4 34秒5
3 レッドディザイア 牝5 55 1/2馬身 2 6 34秒0
2011(良) 1 アーネストリー 牡5 57 1分59秒4 1 2 35秒4 59秒3 35秒6
2 ロジユニヴァース 牡4 57 1馬身3/4 5 2 35秒8
3 アクシオン 牡7 57 1馬身1/4 7 4 35秒7

まず表1は過去5回の上位3着以内馬一覧。勝ち時計を見ると、スローペースで流れた11年を除いてすべて1分59秒5以内と洋芝にしては速い決着で決まっている。前半から緩みのないペースで流れ、レース上がりが35〜36秒と比較的掛かる流れが札幌記念の大まかな流れといえるだろう。4角通過順では昨年2着に追い込んだヒットザターゲット以外はすべて9番手以内で直線へと向いていた。

好走馬の人気順では、1番人気馬が昨年のトーホウジャッカル(8着)を除いてすべて連対を果たしている。2ケタ人気馬の激走はないものの、2・3着に5番人気以下の伏兵が絡むことが多い。また、年齢順では3歳で勝利したハープスターから8歳で2着に入ったアクシオンまで幅広い年齢層の馬が好走している。

なお、これら3着以内馬15頭はこのレース以前に芝2000m以上の重賞を勝利するか、もしくは芝2000m以上のG1で3着以内に好走した経験があった

■表2 札幌記念の枠番別成績(2010年以降の過去5回)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2枠 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 28%
3枠 1- 2- 3- 3/ 9 11.1% 33.3% 66.7% 26% 217%
4枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 124% 33%
5枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 37% 52%
6枠 1- 0- 2- 7/10 10.0% 10.0% 30.0% 111% 120%
7枠 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8枠 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 30% 15%

表2は枠番別成績。表の黄色で強調したように中枠の3〜6枠の馬の好走馬が目立っている。これらの枠で5勝中4勝、特に3枠に入った馬は昨年の2・3着馬が該当し、連対率33.3%・複勝率66.7%と非常に高い。

また、8枠で勝利したのはスローの展開となった11年に先行して勝利したトーセンジョーダン。内目の1〜2枠、外目の7〜8枠は苦戦傾向にある。特に最内の1枠は6頭中3頭が4番人気以内と上位人気に推されていたものの、すべて5着以内に敗れていた。

■表3 札幌記念の前走レース別成績(2010年以降の過去5回)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
宝塚記念 2- 2- 1- 3/ 8 25.0% 50.0% 62.5% 67% 150%
クイーンS 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 413% 73%
優駿牝馬 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 185% 70%
エプソムC 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 555% 145%
函館記念 0- 1- 1-21/23 0.0% 4.3% 8.7% 0% 23%
ドバイDF 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 55%
目黒記念 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 810%
天皇賞・春 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 50%
有馬記念 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 110%
安田記念 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 690%
その他のレース 0- 0- 0-25/25 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は前走レース別成績。黄色で強調した宝塚記念組が10年アーネストリー、11年トーセンジョーダンと2勝をあげ、連対率50%・複勝率62.5%と非常に高い

他ではクイーンS組が12年フミノイマージン、オークス組が一昨年のハープスター、エプソムC組が昨年のディサイファがそれぞれ勝利している。なお、出走数が最も多い函館記念組は勝ち星がなく、2・3着が1回ずつで連対率・複勝率ともに低い。この組の好走馬2頭(11年2着アクシオン、昨年3着ダービーフィズ)はいずれも前走函館記念で3着以内に入っていた。

ちなみに目黒記念組は昨年2着のヒットザターゲット、安田記念組は一昨年のホエールキャプチャが3着に好走している。

■表4 前走からの斤量増減別成績(2010年以降の過去5回)

増減別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
斤量増 0- 0- 1-27/28 0.0% 0.0% 3.6% 0% 11%
斤量減 4- 2- 3-12/21 19.0% 28.6% 42.9% 102% 114%
増減なし 1- 3- 1-18/23 4.3% 17.4% 21.7% 48% 70%

表4は前走からの斤量増減別成績。ハッキリと傾向がわかれており、前走から斤量減の馬が一昨年のハープスターらダントツの4勝をあげている。連対率28.6%・複勝率42.9%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

対して、前走から斤量増の馬は連対馬が出ておらず、3着が昨年のダービーフィズのみと苦戦傾向にある。ちなみに前走から増減なしの馬は昨年のディサイファが勝利し、連対率17.4%・複勝率21.7%と斤量減の馬に次いで高い。

■表5 札幌記念の種牡馬別成績(2010年以降の過去5回)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 2- 0- 0- 4/ 6 33.3% 33.3% 33.3% 246% 71%
マンハッタンカフェ 1- 0- 2- 4/ 7 14.3% 14.3% 42.9% 177% 84%
ジャングルポケット 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 100% 160%
グラスワンダー 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 240% 130%
サンデーサイレンス 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0% 210%
キングカメハメハ 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 270%
ネオユニヴァース 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 95%
ステイゴールド 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 27%
ダンスインザダーク 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 36%
クロフネ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 690%
その他の種牡馬 0- 0- 0-37/37 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が一昨年のハープスター、昨年のディサイファと連勝している。サンデーサイレンス産駒含めサンデー後継種牡馬の産駒が上位を占める中、複勝率が高いジャングルポケット産駒、10年勝利のアーネストリーを輩出したグラスワンダー産駒、一昨年3着のホエールキャプチャを出したクロフネ産駒が健闘している。好走馬を出している種牡馬はクロフネとサンデーサイレンス以外、芝2400m以上のG1で勝利実績がある馬ばかりだ。

なお、今回出走予定のモーリスの祖父はグラスワンダー。種牡馬成績の観点で見れば、データ的に追い風といえるだろう。

<結論>

■表6 今年の札幌記念の出走予定馬(8/17現在)

出走馬 性齢 斤量(増減) 種牡馬 前走成績
モーリス 牡5 57(-1) スクリーンヒーロー 安田記念 2着
ヌーヴォレコルト 牝5 55(-0.5) ハーツクライ クイーンE2世C 6着
ヒットザターゲット 牡8 57(-1) キングカメハメハ 宝塚記念 10着
トーセンレーヴ 牡8 57(-0.5) ディープインパクト 函館記念 10着
ヤマカツエース 牡4 57(-1) キングカメハメハ 宝塚記念 13着
レインボーライン 牡3 54(-3) ステイゴールド 日本ダービー 8着
スーパームーン 牡7 57(+1) ブライアンズタイム 目黒記念 7着
ロジチャリス 牡4 57(+1) ダイワメジャー エプソムC 4着
ダービーフィズ 牡6 57(0) ジャングルポケット 函館記念 11着
レッドリヴェール 牝5 55(0) ステイゴールド クイーンS 4着
メイショウスザンナ 牝7 55(0) アグネスデジタル クイーンS 7着
ネオリアリズム 牡5 57(+2) ネオユニヴァース 函館記念 6着
レッドソロモン 牡4 57(0) メイショウサムソン 五稜郭S 1着
マイネルフロスト 牡5 57(0) ブラックタイド 函館記念 12着
ダンツキャンサー 牝5 55(0) アドマイヤジャパン クイーンS 3着
ハギノハイブリッド 牡5 57(+1) タニノギムレット 大阪-ハンブルクC 3着
ワールドレーヴ 牡6 57(0) ファンタスティックライト 五稜郭S 2着
※フルゲート16頭。ワールドレーヴは除外対象。

今年の出走予定馬は表6のとおり。

2015/5/31 東京12R 目黒記念(G2) 1着 1番 ヒットザターゲット

モーリスが断然の人気になるのは間違いないだろう。ただし、気になるのは表1の記事で示した芝2000m以上の重賞勝利経験かG1好走経験がない点。これまでの実績からあっさり勝ってもおかしくはないが、マイルの適性がぴったりで距離を伸ばして対応できない可能性も否定できない。断然人気だけにアタマから買うのは押さえ程度に回すのも馬券的にはアリかもしれない。

代わってこれまでのデータから推奨したいのが、前走宝塚記念組で斤量減となるヒットザターゲットヤマカツエース。両馬ともに昨年の札幌記念に出走しており、ヒットザターゲットは後方から追い込んで2着、ヤマカツエースも見せ場十分の4着に入っている。 例年どおり緩みのないペースになれば、ヒットザターゲットの差しが決まってもおかしくない。高齢馬だけに人気がないようなら、狙って面白いだろう。ヤマカツエースも京都記念行こうは結果が出ていないが、平坦の芝2000m戦はベストの舞台。宝塚記念から一変があってもおかしくない。

2014/5/25 東京11R 優駿牝馬(G1) 1着 9番 ヌーヴォレコルト

最後に牝馬のヌーヴォレコルト。牝馬は12年フミノイマージン、一昨年ハープスターと2勝をあげており、複勝率40%と札幌記念と好相性だ。前走から斤量減も強調材料で、牡馬相手に一発あってもおかしくない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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