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第1022回 穴の資格は中距離重賞での勝利実績!? 宝塚記念を分析する

2016/6/23(木)

阪神競馬場で上半期の総決算、宝塚記念が行われる。昨年の覇者ラブリーデイに加え、春の天皇賞を勝利したキタサンブラック、昨年の皐月賞・日本ダービーを制した二冠馬ドゥラメンテ、大阪杯でキタサンブラックを破ったアンビシャスら豪華なラインナップとなりそうだ。今回のデータde出〜たでは、良馬場で行われた2011年以降の宝塚記念過去5年のデータから好走馬の傾向や馬券的に妙味がありそうな穴馬をピックアップしていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 宝塚記念過去5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半1000m通過 レース上がり
2015(良) 1 ラブリーデイ 2分14秒4 6 2 34秒8 62秒5 35秒0
2 デニムアンドルビー クビ 10 14 34秒0
3 ショウナンパンドラ 1馬身1/4 11 7 34秒7
2014(良) 1 ゴールドシップ 2分13秒9 1 4 35秒2 62秒4 35秒6
2 カレンミロティック 3馬身 9 3 35秒8
3 ヴィルシーナ 1馬身1/4 8 1 36秒3
2013(良) 1 ゴールドシップ 2分13秒2 2 4 35秒2 58秒5 38秒0
2 ダノンバラード 3馬身1/2 5 2 36秒2
3 ジェンティルドンナ クビ 1 3 35秒9
2012(良) 1 オルフェーヴル 2分10秒9 1 12 34秒7 58秒4 35秒3
2 ルーラーシップ 2馬身 2 3 35秒4
3 ショウナンマイティ 1馬身1/4 6 14 35秒0
2011(良) 1 アーネストリー 2分10秒1 6 2 35秒1 58秒7 35秒2
2 ブエナビスタ 1馬身1/2 1 11 34秒5
3 エイシンフラッシュ ハナ 3 8 34秒7

まず表1は過去5年の上位3着以内馬一覧。年によって前半1000mのペースがかなり違い、11〜13年は58秒台のハイペース、14年・15年の近2年はスローペースで推移している。それに伴って、勝ち時計も12年以前と13年以降では大きく異なっている。13年は前半のペースが速いものの、勝ち時計は2分13秒台。つまり、12年までの馬場と13年以降の馬場ではタイプが違うといえそうだ。

また、スローペースとなった近2年は人気薄の伏兵の好走が目立つ。逃げ・先行馬だけでなく、昨年2着のデニムアンドルビーのような追い込み馬も好走。単純な前有利の構図ではなく、スローペースに強い馬が激走しているということだろう。逃げ馬不在で流れが落ち着けば、過去にスローペースで好走したタイプの馬を積極的に狙っていくべきだ。

■表2 宝塚記念における牝馬の3着以内馬一覧(過去5年)

年度 馬名 人気 着順 前走成績
2015 デニムアンドルビー 10 2 天皇賞・春 10着
ショウナンパンドラ 11 3 ヴィクトリアM 8着
2014 ヴィルシーナ 8 3 ヴィクトリアM 1着
2013 ジェンティルドンナ 1 3 ドバイシーマクラシック 2着
2011 ブエナビスタ 1 2 ヴィクトリアM 2着

表2は過去5年の牝馬の3着以内馬一覧。13年まではブエナビスタ、ジェンティルドンナといった1番人気馬が3着以内に入っていたものの、近2年は8番人気以下の穴馬が立て続けに好走している。昨年激走した2頭は前走で大敗しており、ヴィルシーナを含めていずれも牡馬相手のG1ではやや厳しいかなといった印象の牝馬ばかりだ。実績的には劣っても、近2年の傾向からすると牝馬はチェックしておきたい

■表3 宝塚記念の所属別成績(過去5年)

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 0- 0- 0-13/13 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
栗東 5- 5- 5-43/58 8.6% 17.2% 25.9% 63% 108%

続いて表3は所属別成績。出走数に差はあるとしても、栗東所属の関西馬が3着以内を独占している。複勝回収率で見ても100%を超えていた。

一方、関東馬は13年フェノーメノ、昨年のヌーヴォレコルトがともに3番人気に推されていたが、それぞれ4着、5着に敗れていた。13頭と数が少なく、データ上の偏りとも考えられるが、穴馬を含めて好走していることを考えると関西馬の方が狙いが立つといえるだろう。

■表4 宝塚記念の前走レース別成績(過去5年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
天皇賞・春 3- 1- 1-15/20 15.0% 20.0% 25.0% 44% 64%
鳴尾記念 1- 2- 1- 6/10 10.0% 30.0% 40.0% 142% 188%
金鯱賞 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 680% 120%
ヴィクトリアM 0- 1- 2- 5/ 8 0.0% 12.5% 37.5% 0% 321%
クイーンエリザベス2世C 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 170%
ドバイシーマクラシック 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 40%
その他のレース 0- 0- 0-27/27 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。出走数が多い春の天皇賞組が12年オルフェーヴル、13・14年連覇のゴールドシップと最多の3勝をあげている。連対率20%・複勝率25%とまずまずだが、勝った2頭はともに人気馬で単勝回収率・複勝回収率ともに高くない。

注目は表の黄色で強調した鳴尾記念組。連対率30%・複勝率40%と高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。穴馬探しの妙味は鳴尾記念組にありそうだ。なお、金鯱賞組は12年に12月へと移行、ヴィクトリアM組も今年は出走予定馬がいない。

なお、少数ながら前走海外組は勝ち星がなく、香港・クイーンエリザベス2世C組から12年2番人気2着のルーラーシップ、ドバイシーマクラシック組から13年1番人気3着ジェンティルドンナがそれぞれ3着以内に入っている。

■表5 天皇賞・春組の3着以内馬と過去の芝2000〜2400mG1実績(過去5年)

年度 馬名 人気 着順 過去のG1実績
2015 デニムアンドルビー 10 2 ジャパンC2着
2014 ゴールドシップ 1 1 宝塚記念1着
2013 ゴールドシップ 2 1 皐月賞1着
2012 オルフェーヴル 1 1 皐月賞・日本ダービー1着
2011 エイシンフラッシュ 3 3 日本ダービー1着

表5は春の天皇賞組の3着以内馬と過去の芝中距離におけるG1実績。近5年は天皇賞組から毎年1頭ずつ3着以内に入っており、昨年は10番人気デニムアンドルビーが2着に好走している。なお、近4年の連対馬4頭はともに春の天皇賞で5着以下に敗れていた

天皇賞を取り上げた第1006回データde出〜たで、春の天皇賞の特殊性について書かせていただいた。天皇賞では中距離実績を買われた1番人気馬がことごとく敗れているというものだ。逆に特殊性の高い春の天皇賞で敗れた馬が中距離に戻って、実力を発揮しているということだろう。実際にこの組から巻き返した4頭はいずれも過去に芝2000〜2400mのG1で勝利もしくは連対経験がある馬ばかりだった。

■表6 鳴尾記念組の3着以内馬と過去の中距離重賞実績(過去5年)

年度 馬名 人気 着順 過去の芝2000〜2200m重賞勝ち
2015 ラブリーデイ 6 1 京都記念1着
2014 カレンミロティック 9 2 金鯱賞1着
2013 ダノンバラード 5 2 アメリカJCC1着
2012 ショウナンマイティ 6 3 大阪杯1着

表6は好相性の鳴尾記念組の3着以内馬と過去の中距離重賞での勝利実績。近4年で5番人気以下の馬が毎年1頭ずつ好走している。これら4頭のなかで、前走鳴尾記念を勝ったのは昨年優勝のラブリーデイのみ。他の3頭は2着以下に敗れていたものの、近1年以内に芝2000〜2200mの重賞で勝利をおさめていた。

つまり、鳴尾記念組は前走着順に関係なく、1年以内に芝2000〜2200mで重賞勝ちしている馬が狙い目だ。それでは、表6までの狙い目の条件をまとめておくと、

  • ・スローペースの競馬に強いタイプ ・牝馬 ・関東馬よりも関西馬
  • ・天皇賞組は芝2000〜2400mのG1で連対実績がある馬
  • ・鳴尾記念組は近1年以内に芝2000〜2200mの重賞を勝っている馬

となった。

<結論>

■表7 今年の宝塚記念の出走予定馬(6/22時点)

出走予定馬 所属 性齢 前走成績 G1(芝2000〜2400m)連対 or
近1年の重賞(芝2000〜2200m)勝利実績
アンビシャス 栗東 牡4 大阪杯 1着 大阪杯 1着
カレンミロティック 栗東 セン8 天皇賞・春 2着 14宝塚記念 2着
キタサンブラック 栗東 牡4 天皇賞・春 1着 セントライト記念 1着
サトノクラウン 美浦 牡4 クイーンE2世C 12着 京都記念 1着
サトノノブレス 栗東 牡6 鳴尾記念 1着 中日新聞杯 1着
シュヴァルグラン 栗東 牡4 天皇賞・春 3着 なし
ステファノス 栗東 牡5 鳴尾記念 2着 15天皇賞・秋 2着
タッチングスピーチ 栗東 牝4 目黒記念 6着 なし
トーホウジャッカル 栗東 牡5 天皇賞・春 5着 なし
ドゥラメンテ 美浦 牡4 ドバイシーマC 2着 15年日本ダービー 1着
ヒットザターゲット 栗東 牡8 目黒記念 3着 なし
フェイムゲーム 栗東 牡6 天皇賞・春 8着 なし
マジェスティハーツ 栗東 牡6 鳴尾記念 5着 なし
マリアライト 美浦 牝5 目黒記念 2着 15エリザベス女王杯 1着
ヤマカツエース 栗東 牡4 鳴尾記念 6着 中山金杯 1着
ラストインパクト 栗東 牡6 ドバイシーマC 3着 15ジャパンC 2着
ラブリーデイ 栗東 牡6 クイーンE2世C 4着 15宝塚記念 1着
ワンアンドオンリー 栗東 牡5 ドバイシーマC 5着 14日本ダービー 1着

2014/10/25 東京11R 富士ステークス(G3) 1着 16番 ステファノス

今年の出走予定馬は表7のとおり。

人気になりそうなのは昨年の二冠馬ドゥラメンテ、春の天皇賞を制したキタサンブラックあたりだろう。ただし、前者は過去5年で好走していない関東馬、後者は特殊性が高い天皇賞勝ち馬であり、データからは推しにくい。

春の天皇賞組よりも鳴尾記念組を重視するなら、前走2着で昨年秋の天皇賞で2着のステファノスを推奨したい。休み明けの前走は叩き台で、一度使われた今回は上積みが大きいだろう。中距離G1連対組では昨年のジャパンC2着のラストインパクトも面白い一頭だ。前走ドバイシーマクラシックでは、人気のドゥラメンテから1馬身半差の3着。人気はないかもしれないが、激走する力は十分にある。

2014/12/6 中京11R 金鯱賞(G2) 1着 4番 ラストインパクト

ラブリーデイは人気どころで妙味は薄い。大穴なら前走鳴尾記念で6着と敗れたヤマカツエース。中山金杯ではスローペースを押し切って勝利している。実績的には他馬に劣るものの、激走してもおかしくないと見る。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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