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第1021回 藤田菜七子騎手だけじゃない! 今年の新人騎手をチェック

2016/6/20(月)

中央競馬で16年ぶりの女性騎手としてデビューした藤田菜七子騎手。テレビや一般紙などでも取り上げられて大きな話題となっているが、今年デビューの新人ジョッキーは彼女だけでない。藤田騎手を含めて6名の騎手がデビューし、全員3勝以上(6/12終了時点)をあげている粒ぞろいの世代なのだ。今回のデータde出〜たでは、3月デビューの若手騎手6名のこれまでの戦績から個々の特徴を分析し、夏競馬の馬券に生かしていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 今年3月デビューの新人騎手とその成績一覧(6/12終了時点)

騎手 所属 所属厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
木幡巧也 美浦 牧光二 11-12-11-150/184 6.0% 12.5% 18.5% 39% 59%
坂井瑠星 栗東 矢作芳人 8- 7- 5- 94/114 7.0% 13.2% 17.5% 250% 85%
荻野極 栗東 清水久詞 7- 8- 5- 99/119 5.9% 12.6% 16.8% 413% 213%
藤田菜七子 美浦 根本康広 4- 5- 3-114/126 3.2% 7.1% 9.5% 32% 32%
菊沢一樹 美浦 菊沢隆徳 3- 5- 5-150/163 1.8% 4.9% 8.0% 39% 32%
森裕太朗 栗東 鈴木孝志 3- 5- 1- 55/ 64 4.7% 12.5% 14.1% 59% 76%

まず表1は今年3月にデビューした新人騎手のラインナップ。6月12日終了時点での勝ち星順に紹介していくと、木幡巧也(たくや)騎手・坂井瑠星(りゅうせい)騎手・荻野極(きわむ)騎手・藤田菜七子騎手・菊沢一樹騎手・森裕太朗騎手の6名だ。

デビューから3か月ほどにもかかわらず、6名がいずれも3勝以上をあげている。毎週だれかが勝ち星をあげている状態で、粒ぞろいの世代といえるだろう。トップの木幡騎手ははやくも2ケタの11勝。上位3名の騎手は複勝率でも16%以上と優秀だ。騎乗数が100鞍に満たない森騎手にしても連対率・複勝率は上位3名とそれほど遜色がない。

それでは個別にこれまでの戦績から騎手の特徴を探っていこう。

■表2 木幡巧也騎手のダート戦距離別成績(6/12終了時点)

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1150m 1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 47% 72%
1200m 3- 2- 1-24/30 10.0% 16.7% 20.0% 59% 49%
1400m 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 84%
1600m 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 94%
1700m 2- 0- 0-12/14 14.3% 14.3% 14.3% 47% 16%
1800m 2- 5- 3-30/40 5.0% 17.5% 25.0% 56% 102%
2100m 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 320%

表2は勝利数トップの木幡巧也騎手のダート戦距離別成績。全11勝のうち、芝では3勝、ダートでは8勝をあげており、ダートの方が勝率・連対率・複勝率ともに高い。特にダートの複勝率は21.7%と優秀だ。

ダートでは1200mで最多の3勝をあげているが、連対率・複勝率ではダート1800m戦の方が高い。5月7日の新潟ダート1800mの未勝利戦では6番人気のタイセイブラストに騎乗して、見事に逃げ切り勝ち。翌日のダート1800m戦でも13番人気タイセイエナジーで3着と好走しており、複勝回収率は100%を超えている。

これからも減量3キロ減を生かして、どんどん勝ち星を積み上げてほしい。芝のレースは経験によるところが多いので、慣れていけば芝でも勝ち星を量産できるだろう。

■表3 坂井瑠星騎手の芝・ダート別成績(6/12終了時点)

馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
5- 3- 1-33/42 11.9% 19.0% 21.4% 545% 136%
ダート 3- 4- 4-61/72 4.2% 9.7% 15.3% 77% 55%

2016/6/12 阪神8R  3歳上500万下 1着 17番 マイアベーア

表3は坂井瑠星騎手の芝・ダート別成績。表2の木幡騎手と違い、坂井騎手は芝の成績の方が良い。勝率・連対率・複勝率いずれも優秀で、複勝回収率でも100%を大きく超えている。単勝回収率が高いのは5月22日の京都芝1800mの未勝利戦で16番人気ゼーリムニルに騎乗して勝利し、単勝2万1110円の穴をあけたことが大きい。

先日の6月12日の阪神芝1400mの500万下でも自厩舎である矢作厩舎の3番人気マイアベーアに騎乗して、見事に差し切り勝ちを決めている。芝のレースはペース判断や追い出しのタイミングなど難しい面が多いと思うのだが、現時点で好成績をあげているのは騎乗センスが高い証しだろう。ダートでも勝ち星が増えてくれば、夏競馬で一気にブレイクしておかしくない。

■表4 荻野極騎手の調教師別成績(6/12終了時点)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
本田優 2- 1- 0- 2/ 5 40.0% 60.0% 60.0% 154% 124%
松下武士 2- 1- 0- 1/ 4 50.0% 75.0% 75.0% 405% 347%
加用正 1- 1- 1-13/16 6.3% 12.5% 18.8% 74% 58%
川村禎彦 1- 1- 0- 0/ 2 50.0% 100.0% 100.0% 1095% 305%
五十嵐忠男 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 8678% 2000%
清水久詞 0- 2- 1-15/18 0.0% 11.1% 16.7% 0% 46%
宮徹 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 143%
笹田和秀 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 955%
※連対数1回以上

表4は荻野極騎手の調教師別成績。荻野騎手は4月10日の阪神ダート1800mでタガノインペーロに騎乗して、逃げ切り勝ち。初勝利が15番人気馬で、単勝4万3390円の穴をあけた。そこから騎乗数も増えて、6月12日時点で7勝をあげている。

表を見ると、本田優厩舎・松下武士厩舎・川村禎彦厩舎の成績が良い。本田厩舎のマイティティーでは2勝をあげており、信頼度が高い。松下厩舎のトウケイアローでも500万下を勝利。続く1000万下でも11番人気で2着と穴をあけている。川村厩舎の馬でも未勝利戦7番人気1着、1000万下5番人気2着と好相性。これら3厩舎は勝負度合いが高く、夏競馬でも覚えておきたいラインだ。

自厩舎の清水久詞厩舎の馬ではまだ勝ち星をあげていないが、時間の問題だろう。夏のローカル開催で関東の厩舎から騎乗依頼が来るようになれば、一気に勝ち星が量産されていくはずだ。

■表5 藤田菜七子騎手の距離別成績(6/12終了時点)

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000m 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 586% 233%
1150m 1- 0- 1- 2/ 4 25.0% 25.0% 50.0% 75% 77%
1200m 0- 2- 0-31/33 0.0% 6.1% 6.1% 0% 16%
1300m 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 343% 66%
1400m 1- 0- 1-13/15 6.7% 6.7% 13.3% 64% 63%
1600m 0- 1- 0-13/14 0.0% 7.1% 7.1% 0% 19%
1700m 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 45%
1800m 0- 1- 1-30/32 0.0% 3.1% 6.3% 0% 26%
2000m以上 0- 0- 0-15/15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2016/5/15 新潟12R 飛竜特別 1着 15番 ピュアリーソリッド

表5は藤田菜七子騎手の距離別成績。藤田騎手の中央初勝利は4月10日の福島ダート1150m戦。2番人気のサニーデイズに騎乗して、2番手から見事に押し切った。同馬では先日東京の1000万下・小金井特別でも9番人気で見せ場十分の3着に好走している。

表を見ると、勝ち星はすべて1400m以下であげている。新潟の直線1000m戦も5月15日の500万下・飛竜特別で9番人気ピュアリーソリッドに騎乗して、勝利に導いている。福島ダート1150mでも好成績でスタートが上手い印象があるが、夏競馬でダート1700m・1800mのレースで流れに慣れてくると、もっと勝ち星が増えてくるだろう。

■表6 菊沢一樹騎手のダート距離別成績(6/12終了時点)

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1200m 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1300m 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 11.1% 22.2% 0% 167%
1400m 2- 1- 0-20/23 8.7% 13.0% 13.0% 251% 70%
1600m 0- 1- 1-23/25 0.0% 4.0% 8.0% 0% 15%
1800m 0- 0- 0-24/24 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2100m 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 64% 62%
2400m 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 170%

表6は菊沢一樹騎手のダート距離別成績。菊沢騎手は表1で示したように木幡騎手に次ぐ騎乗数の多さながら、まだ3勝とややもの足りない。ダート1400mで2勝をあげているものの、レース数が多いダート1200m・1600m・1800mでは未勝利。ダート戦、特に1200m戦では3キロ減を生かした強引な逃げが功を奏することもある。騎乗数の多さは期待の表れで、ぜひとも積極的な騎乗で夏にブレイクしてもらいたい。

■表7 森裕太朗騎手の距離別成績(6/12終了時点)

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000m 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1150m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1200m 3- 3- 0- 9/15 20.0% 40.0% 40.0% 252% 118%
1400m 0- 1- 0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 15%
1700m 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1800m 0- 1- 0-19/20 0.0% 5.0% 5.0% 0% 123%
1900m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2000m 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 81%
2200m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表7は森裕太朗騎手の距離別成績。森騎手は表1で示したように新人騎手の中では最も騎乗数が少ないものの、連対率・複勝率は勝利数トップ3に遜色ない数字を残している。表の黄色で強調したように1200m戦で全3勝をあげており、連対率40%と非常に高い。初勝利は4月16日の福島芝1200mの未勝利戦で、10番人気のコーディネーターに騎乗して見事に逃げ切っている。その後はダート1200mで2勝。夏競馬でも1200m戦で狙ってみたいジョッキーだ。今後はローカルでいかに存在感を示せるか。夏競馬では騎乗がどんどん増えてくるにちがいない。

こうして見ると6名それぞれに特長があり、伸びしろが大いにあるジョッキーばかりだ。夏のローカル開催では、ぜひとも大いに暴れまくっていただきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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