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第1016回 連覇か、新王者誕生か? 安田記念を占う!

2016/6/2(木)

今週日曜日には安田記念が行われる。昨年の覇者で、現在はマイル界の絶対王者として君臨するモーリスが連覇を果たすのか。それに対し、前走ドバイターフで悲願のG1初制覇を果たしたリアルスティールらがどう挑むのかが大きな見どころとなりそうだ。現時点(6/1)では出走頭数が12頭と、例年に比べてさびしい頭数となりそうだ。しかし、国内外のG1馬・6頭がエントリーしておりハイレベルで見ごたえのあるものとなるだろう。過去10年の安田記念を分析し、今年の展望を行ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 今年の安田記念出走予定馬

馬名 年齢 前走レース 前着 前人 東京実績
イスラボニータ 5 産経大阪G2 5 7 15年天皇賞(秋)3着
クラレント 7 マイラーG2 3 11 15年安田記念3着
コンテントメント 6 CマイG1 2 --  
サトノアラジン 5 京王杯スG2 1 3  
ダノンシャーク 8 マイラーG2 2 5 13年安田記念3着
ディサイファ 7 日経賞G2 5 5  
フィエロ 7 マイラーG2 4 1  
モーリス 5 CマイG1 1 -- 15年安田記念1着
リアルスティール 4 DTFG1 1 --  
レッドアリオン 6 マイラーG2 14 7  
ロゴタイプ 6 ダービーHG3 2 4  
ロサギガンティア 5 京王杯スG2 3 2  

2015/6/7 東京11R 安田記念(G1) 1着 6番 モーリス

今回はいつもの手法とは逆に、いきなり出走予定メンバーを見渡して考えてみたい。出走予定馬は表1の通りだ。注目はなんといってもモーリス。昨年の安田記念でG1初制覇を果たし、その後はマイルCSを制し、JRAの春秋マイルG1を制覇。年末には香港マイルで、地元の英雄・エイブルフレンドを3着に下して優勝。前走は再び香港に渡り、チャンピオンズマイルを快勝と、目下G1を4連勝している。国内のみならずアジア最強マイラーとして、不動の地位を確立。今年は絶対的王者として、安田記念連覇に挑む。モーリスが連覇を果たせるかどうかという点が、予想を組み立てる上でも大きなポイントとなるのは間違いない。

■表2 安田記念出走馬の前走着順別成績(過去10年)

前入線順位 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
前走1着 6-  2-  0- 36/ 44 13.6% 18.2% 18.2% 71 47
前走2着 1-  4-  0- 21/ 26 3.8% 19.2% 19.2% 15 47
前走3着 2-  0-  5- 17/ 24 8.3% 8.3% 29.2% 140 185
前走4着 1-  0-  0- 19/ 20 5.0% 5.0% 5.0% 33 12
前走5着 0-  0-  3- 13/ 16 0.0% 0.0% 18.8% 0 97
前走6〜9着 0-  3-  1- 20/ 24 0.0% 12.5% 16.7% 0 156
前走10着〜 0-  1-  1- 22/ 24 0.0% 4.2% 8.3% 0 62

前走着順に注目すると、安田記念における大きな傾向が見えてくる。表2は同レース出走馬の前走着順別成績。前走1着馬が【6.2.0.36】という優秀な成績。特に勝率の高さが際立っている。前走2着馬は勝率こそ目立たないが、連対率や複勝率は1着馬を上回る好成績だ。そして前走3着馬は、複勝率が29.2%とかなり高い。基本的には前走着順がいい馬が強いという傾向だ。

一方、前走6〜9着、前走10着と大きく敗れている馬は勝っていない。2〜3着に巻き返すことは十分考えられるが、勝ちまでこぎつけるのは相当難しいと判断できる。以上の観点から、連勝を続けているモーリスは、今年も勝機十分と言える。

■表3 安田記念出走馬の前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
DDFG1 2- 1- 0- 1/ 4 50.0% 75.0% 75.0% 152 265
ヴィクトG1 2- 0- 1-16/19 10.5% 10.5% 15.8% 31 47
京王杯スG2 1- 3- 1-39/44 2.3% 9.1% 11.4% 15 51
CマイG1 1- 1- 1-18/21 4.8% 9.5% 14.3% 30 65
高松宮記G1 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 57 28
ダービーHG3 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 92 52
NHKマG1 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 976 236
メイS 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1390 470
マイラーG2 0- 2- 6-29/37 0.0% 5.4% 21.6% 0 122
産経大阪G2 0- 2- 1- 3/ 6 0.0% 33.3% 50.0% 0 156
マイルチG1 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 2200

表3は安田記念出走馬の前走レース別成績(過去10年)。モーリスは前走香港のレースだったが、チャンピオンズマイルから結果を出している馬がすでにいる。06年優勝のブリッシュラックや08年2着のアルマダらが該当。いずれも香港からの遠征馬で、ここで好走を果たした。

もう1頭の注目馬であるリアルスティールは前走ドバイターフを優勝。表3で【2.1.0.1】の成績となっている、ドバイデューティーフリー(DDF)にあたるレースであり、こちらもすでに実績あるローテーションとして確立されている。14年優勝のジャスタウェイや07年優勝のダイワメジャーが該当。非常にレベルが高い海外G1であり、リアルスティールにとっても歓迎すべき材料と言えるだろう。

一方、安田記念の正式なトライアルであるマイラーズCや京王杯SCはひと息の成績。特にマイラーズC組からはここ10年で優勝馬が出ていない。京王杯SC組は出走頭数が多い関係もあり、連対率などが低くなるが、実際には京王杯SC→安田記念と連勝している馬がいない。前走1着馬が好調ではあるが、海外のG1を使っている馬には分が悪い。したがって、今年の京王杯SCを制しているサトノアラジンにとっては、難しい一戦になると言えるだろう。

トライアル組よりもヴィクトリアマイルや高松宮記念といったG1組の成績が良く、こちらのタイプを警戒すべきだろう。表1の出走馬を見渡すと、モーリスとリアルスティール以外の前走G1組は、コンテントメントのみ。香港からの遠征馬だ。前走では地元でモーリスには完敗したが、ここでも好勝負になるとみたい。

2014/4/20 中山11R 皐月賞(G1) 1着 2番 イスラボニータ

その他の傾向としては、複数回好走している馬が多いという点が挙げられる。表4で示したように、過去10年ではウオッカをはじめ5頭の馬が該当する。特にグランプリボスは12年が13番人気で2着、14年が16番人気で2着という激走を披露。同馬は3歳時にNHKマイルCを制しており、東京芝1600mのG1実績・適性に長けていた。すでに安田記念で好走経験がある馬や、東京のG1で強調できる実績を持っている馬は要注意だ

そうした観点から考えると、昨年の天皇賞(秋)で3着だったイスラボニータ。過去に安田記念3着の実績があるクラレントやダノンシャークに注目できる。勝ち馬候補としてはあくまでもモーリスとリアルスティールだが、この手のタイプの馬が連下候補として有力と見たい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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