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第1012回 前々走の成績にも注目! オークスを分析する

2016/5/19(木)

今週は、牝馬クラシックの第二弾・オークスが行われる。桜花賞馬・ジュエラーは残念ながら戦線を離脱し、桜花賞1番人気のメジャーエンブレムはNHKマイルCに出走(優勝)と、1冠目の主役級2頭が不在の一戦となった。桜花賞2着のシンハライトがすんなり栄冠を手にするのか、それとも他馬にもチャンスがあるのか、過去の傾向を見てみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。なお、10年が1着同着のため、過去10年では1着11頭、2着9頭となる。

■表1 桜花賞馬不在のオークス(86年以降)

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 桜花賞馬
02 スマイルトゥモロー 4 1 桜花賞 4 6 アローキャリー
チャペルコンサート 12 2 桜花賞 5 7
ユウキャラット 2 3 忘れな草賞 2 1
単勝:1050円 馬連:13590円
05 シーザリオ 1 1 桜花賞 1 2 ラインクラフト
エアメサイア 2 2 桜花賞 3 4
ディアデラノビア 3 3 フローラS 2 1
単勝:150円 馬連:630円 馬単:820円 3連複:1280円 3連単:3330円
07 ローブデコルテ 5 1 桜花賞 9 4 ダイワスカーレット
ベッラレイア 1 2 フローラS 1 1
ラブカーナ 8 3 スイートピーS 7 2
単勝:1170円 馬連:1640円 馬単:4590円 3連複:10450円 3連単:57000円

まず表1は、JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている86年以降、桜花賞馬不在で行われたオークスの成績である。30年間でわずか3回、過去10年では07年の1回のみとサンプルは少ないが、いずれも桜花賞出走馬が勝利を手にしている一方で、桜花賞組の上位独占はない。また、桜花賞最先着馬は05年にシーザリオが1番人気で優勝したものの、02年のブルーリッジリバー(桜花賞2着)は6番人気7着、07年のカタマチボタン(同3着)は4番人気で13着に敗退。桜花賞馬不在で最先着馬が1番人気にならない年なら、他馬にも可能性はあるようだ。

■表2 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 2-3-1-4/10 20.0% 50.0% 60.0% 35% 86%
2 1-2-1-6/10 10.0% 30.0% 40.0% 98% 58%
3 3-0-1-6/10 30.0% 30.0% 40.0% 191% 96%
4 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 97% 67%
5 2-2-1-5/10 20.0% 40.0% 50.0% 155% 176%
6 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
7 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 372% 136%
8 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 173%
9 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 285% 127%
10〜 0-1-0-87/88 0.0% 1.1% 1.1% 0% 11%

ここからは、過去10年の成績をみていきたい。人気別の成績では、1番人気が【2.3.1.4】で複勝率60.0%とまずまずの成績。その他で目立つのは【2.2.1.5】で複勝率50.0%を記録した5番人気で、単複の回収率も155%、176%と高い。また、7〜9番人気も多く馬券に絡んでおり、穴党ならこのあたりに注目したい。ただし、2桁人気になると、好走馬は08年2着のエフティマイアのみ。同馬は桜花賞2着(15番人気)ながら、オークスでは13番人気と、桜花賞の好走がフロック視されていた形だ。

■表3 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜3番人気 4番人気以下
1枠 1-1-1-17/20 5.0% 10.0% 15.0% 58% 63% 0-0-0-2 1-1-1-15
2枠 2-1-1-15/19 10.5% 15.8% 21.1% 345% 116% 0-1-0-3 2-0-1-12
3枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 69% 0-0-2-2 0-1-0-15
4枠 1-1-0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 7% 13% 1-1-0-2 0-0-0-16
5枠 3-2-2-13/20 15.0% 25.0% 35.0% 116% 94% 3-2-0-1 0-0-2-12
6枠 0-0-2-18/20 0.0% 0.0% 10.0% 0% 32% 0-0-1-1 0-0-1-17
7枠 2-2-1-25/30 6.7% 13.3% 16.7% 51% 43% 1-1-0-1 1-1-1-24
8枠 2-1-1-25/29 6.9% 10.3% 13.8% 20% 52% 1-0-0-4 1-1-1-21

2014/5/25 東京11R 優駿牝馬(G1) 1着 9番 ヌーヴォレコルト

枠番別では、5枠が連対率25.0%など、頭ひとつ抜けた好成績をマーク。一昨年はヌーヴォレコルト、ハープスターの1、2着で枠連5−5、そして昨年はミッキークイーンが優勝と、ここ2年も好結果を出している。特に5枠で3番人気以内に推された馬は【3.2.0.1】と、非常に安定した成績だ。また、4番人気以下の馬が3〜6枠を引くと【0.1.3.60】。特に近5年は【0.0.0.31】と、まったく馬券に絡めていない。上位人気以外から馬券候補を探るなら、1〜2枠か7〜8枠から選びたい。

■表4 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜5番人気 6番人気以下
逃げ 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 78% 0-0-0-1 0-1-0-8
先行 0-1-2-33/36 0.0% 2.8% 8.3% 0% 32% 0-1-0-7 0-0-2-26
中団 9-6-8-62/85 10.6% 17.6% 27.1% 136% 95% 7-5-5-17 2-1-3-45
後方 2-1-0-44/47 4.3% 6.4% 6.4% 14% 8% 2-1-0-4 0-0-0-40
※脚質はTarget frontier JVによる分類

Target frontier JVによる脚質分類では、3着以内の好走馬30頭中23頭が「中団」と、圧倒的に差し馬の好走が多い。5番人気以内に推された馬でも、「逃げ」「先行」好走したのは昨年[6-5-5-4]の通過順で2着になったルージュバック(1番人気)1頭のみである。ただし、6番人気以下の好走馬は9頭中3頭(33.3%)が「逃げ」「先行」で、5番人気以内の21頭中1頭に比べれば、まだ先行型にもチャンスはある。

■表5 前走レース・着順別成績(好走馬輩出レース)

前走/着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜5番人気 同複勝率
桜花賞 7-6-5-64/82 8.5% 15.9% 22.0% 83% 70% 6-5-3-19 42.4%
忘れな草賞 2-0-0-9/11 18.2% 18.2% 18.2% 400% 91% 1-0-0-2 33.3%
フローラS 1-3-3-33/40 2.5% 10.0% 17.5% 9% 65% 1-2-1-6 40.0%
スイートピーS 1-0-1-23/25 4.0% 4.0% 8.0% 26% 31% 1-0-0-0 100.0%
皐月賞 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 270% 0-0-1-0 100.0%
前走1着 7-2-2-40/51 13.7% 17.6% 21.6% 124% 56% 6-2-2-12 45.5%
前走2着 0-4-5-19/28 0.0% 14.3% 32.1% 0% 123% 0-3-1-4 50.0%
前走3着 1-1-1-15/18 5.6% 11.1% 16.7% 54% 67% 1-0-1-4 33.3%
前走4着 1-0-1-9/11 9.1% 9.1% 18.2% 106% 79% 1-0-0-3 25.0%
前走5着 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2 0.0%
前走6〜9着 1-1-0-24/26 3.8% 7.7% 7.7% 37% 20% 1-1-0-3 40.0%
前走10着〜 1-1-1-31/34 2.9% 5.9% 8.8% 83% 43% 0-1-1-1 66.7%

前走レース別では、好走馬30頭中18頭を桜花賞組が占める。しかし出走数が多いため、好走確率はさほど抜けた成績ではなく、むしろ勝率や連対率は忘れな草賞組のほうが高い。また、5番人気以内の複勝率なら桜花賞とフローラSはほぼ互角だ。

その他のレースからは好走馬が出ておらず、フラワーCからの直行は過去10年【0.0.0.3】で、13年には同レース優勝馬のサクラプレジールが6番人気で14着に敗退。そして前走500万・未勝利戦組は【0.0.0.13】。11年の3番人気・グルヴェイグはエルフィンS3着→500万1着で出走し、14着に敗退。また、06年には忘れな草賞2着のブルーメンブラットが、500万1着を挟んで出走して9着と、オープン好走実績馬でも苦戦を強いられている。 前走着順については表6〜7でも触れるが、前走1着馬が優勝馬11頭中7頭。そして前走2着馬からは勝ち馬こそ出ていないものの、2〜3着が多く、複勝率では前走1着馬を上回る。前走6着以下からの好走馬5頭は、桜花賞4頭、皐月賞1頭と、すべてG1だ。

■表6 前走桜花賞からの好走馬

馬名 オークス 桜花賞 2走前
人気 着順 人気 着順
06 フサイチパンドラ 5 2 2 14 フラワーC2着
アサヒライジング 7 3 9 4 アネモネS1着
07 ローブデコルテ 5 1 9 4 チューリップ賞5着
08 トールポピー 4 1 1 8 チューリップ賞2着
エフティマイア 13 2 15 2 クイーンC6着
レジネッタ 5 3 12 1 フィリーズR3着
09
ブエナビスタ 1 1 1 1 チューリップ賞1着
レッドディザイア 2 2 2 2 エルフィンS1着
ジェルミナル 4 3 5 3 チューリップ賞5着
10 アパパネ 1 1 1 1 チューリップ賞2着
11 ホエールキャプチャ 2 3 1 2 クイーンC1着
12 ジェンティルドンナ 3 1 2 1 チューリップ賞4着
ヴィルシーナ 2 2 4 2 クイーンC1着
13 メイショウマンボ 9 1 4 10 フィリーズR1着
14 ヌーヴォレコルト 2 1 5 3 チューリップ賞2着
ハープスター 1 2 1 1 チューリップ賞1着
15 ルージュバック 1 2 1 9 きさらぎ賞1着
クルミナル 6 3 7 2 チューリップ賞11着

桜花賞組の好走馬は表6の18頭。過去10年を通しての好走条件は、前走、前々走のいずれかでは3着以内に入っていること(07年ローブデコルテ以外の17頭)。そして桜花賞では4着以内か、1〜2番人気に推されていたことである(13年メイショウマンボ以外の17頭)。

ただ、08年以前と09年以降では傾向に違いが見られ、08年までの6頭はすべて4番人気以下で、桜花賞下位人気馬や馬券圏外の馬も多かった。しかし09年以降は12頭中9頭が3番人気以内で、同11頭が桜花賞5番人気以内、そして同10頭が3着以内。09年以降のデータを重視すれば、桜花賞上位人気の好走馬、かつ今回も人気になっている馬が狙い。桜花賞で馬券圏外の馬なら、2走前では重賞を勝っていることが条件になる。

■表7 前走桜花賞以外からの好走馬

馬名 オークス 前走 2走前
人気 着順 レース 人気 着順
06 カワカミプリンセス 3 1 スイートピーS 1 1 君子蘭賞1着
07 ベッラレイア 1 2 フローラS 1 1 あざみ賞1着
ラブカーナ 8 3 スイートピーS 7 2 忘れな草賞2着
10 サンテミリオン 5 1 フローラS 1 1 フラワーC3着
アグネスワルツ 8 3 フローラS 4 2 白菊賞1着
11 エリンコート 7 1 忘れな草賞 2 1 500万平場1着
ピュアブリーゼ 8 2 フローラS 3 3 500万平場2着
12 アイスフォーリス 9 3 フローラS 2 2 ミモザ賞2着
13 エバーブロッサム 5 2 フローラS 2 2 フラワーC2着
デニムアンドルビー 1 3 フローラS 1 1 未勝利1着
14 バウンスシャッセ 3 3 皐月賞G1 12 11 フラワーC1着
15 ミッキークイーン 3 1 忘れな草賞 1 1 クイーンC2着

最後に、桜花賞以外からの好走馬も見ておきたい。14年に牡馬相手の皐月賞へ出走したバウンスシャッセを除外して考えると、その他の11頭中10頭は前走連対馬(残る1頭も3着)。また、同じく11頭中10頭は前走5番人気以内(8頭は1〜2番人気)、そしてやはり10頭は前走連対馬が占めている。少し緩く見ても、バウンスシャッセ以外はすべて2戦連続3着以内馬が占めているため、別路線組なら最低限クリアしておきたいところだ。

【結論】

前走桜花賞組が好走馬の半数を超えるオークス。その桜花賞組は08年以前と09年以降で傾向がやや異なり、近年は桜花賞を5番人気以内で好走した馬が中心だ。別路線組なら、前走連対が理想。また、2戦連続4着以下の好走馬は1頭だけで、特に別路線組なら2戦連続3着以内が最低条件になる。脚質は差し優勢、枠番別では5枠に注目したい。

2016/3/5 阪神11R チューリップ賞(G3) 1着 11番 シンハライト

今年の登録馬で筆頭に挙げられるのは、桜花賞で大接戦の末に2着に惜敗したシンハライトだ。その桜花賞は2番人気、そして今回は1番人気が予想され、表6のデータは問題なくクリア。また、好走馬の中心となる差し脚質である点も好材料だ(表4)。あえて不安材料を挙げれば、前走2着馬からは過去10年優勝馬が出ていないことだろうか(表5)。しかし、桜花賞馬不在で行われた11年前のオークス(06年)は、シンハライトと同じく4戦3勝、そして桜花賞2着のシーザリオが1番人気で優勝している。この2頭にはほかに、生産者や馬主、配合(Sadler's Wells系牝馬×サンデーサイレンス系)と共通点は数多い。また、今年は他馬に減点材料を抱える馬が多いため、これを不安視する必要はなさそうだ。

シンハライトに続く候補はトライアルを制した2頭、ジェラシーチェッキーノ。ジェラシーはスイートピーSを1番人気で制し、前々走も2着で表7の好走条件をクリア。チェッキーノはアネモネS、フローラSと連勝してきた。ジェラシーはスイートピーS組の好走馬が少ない点(表5)、チェッキーノは前走が3番人気であること(表7)が減点だが、数頭の好走馬は出ていることに加え、今年のメンバーではマイナス材料が少ない2頭である。

その他、比較的減点が少ないのはアットザシーサイドやロッテンマイヤー、エンジェルフェイスあたり。枠番(表3)や人気(表2)なども考慮して取捨を考えたいが、いずれも前走好走馬で、今回も一定の支持を集めそうな馬ばかりになってしまった。そこで穴候補を1頭挙げればレッドアヴァンセ。2戦連続での4着以下敗退が大きな減点材料にはなるが(表6など)、過去10年、そのパターンで唯一好走したローブデコルテ(チューリップ賞5着、桜花賞4着)は、今年と同じく桜花賞馬不在の07年の優勝馬だ。そのローブデコルテは3走前にオープン特別・紅梅Sを制覇。今年、3走前のオープン勝ちから2連敗中の馬は、このレッドアヴァンセのみである。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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