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第998回 阪神芝1600mに戻る阪神牝馬Sの考え方

2016/4/4(月)

今週日曜日には桜花賞が控えているが、土曜日にも2つの重賞が組まれている。その内、今回は阪神牝馬Sを取り上げてみたい。ヴィクトリアマイルを目指す古馬牝馬による前哨戦だが、今年から舞台は阪神芝1400mから芝1600mへと変わることになった。厳密に言うと、2005年までは芝1600mのG2(ただし、施行時期は異なる)で行われており、距離が戻ったという方が正しい。よりG1本番に向けてつながりそうなレースとなる予感がする。

阪神牝馬Sレースそのものの傾向や考え方については大きく変える必要があるだろう。1ハロン延長が及ぼす影響は少なくないはず。かつて芝1600mだった時の阪神牝馬Sは、旧コース時代のものであり、直接比較することはできない。そこで、今回は2007年以降に行われた3歳以上・オープンクラスの阪神芝1600mを対象に分析。その結果から参考になるようなデータを探し、阪神牝馬Sのレースイメージを膨らませてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 3歳以上OPクラスの阪神芝1600m結果(07年以降)

日付 レース名 馬名 性別 年齢 人気 タイム 4角 RPCI
160327 六甲S ダノンリバティ 4 2 1331 5 52.2
151219 リゲルS ダッシングブレイズ 3 1 1341 8 57.5
151004 ポートア フルーキー 5 1 1337 4 52.3
150621 米子S スマートレイアー 5 1 1340 3 51.6
150329 六甲S テイエムタイホー 6 3 1347 2 50.5
141220 リゲルS アーデント 5 5 1368 1 44.4
141005 ポートア オリービン 5 3 1339 3 60.3
140622 米子S サンライズメジャー 5 3 1348 7 47
140330 六甲S フィエロ 5 2 1359 11 42
131214 リゲルS トリップ 4 6 1336 2 47.4
130929 ポートア ドリームバスケット 6 13 1329 11 37.3
130616 米子S エーシンミズーリ 5 1 1331 4 46
130324 六甲S シャイニーホーク 5 10 1340 5 56.4
121215 リゲルS ハナズゴール 3 2 1338 7 44.2
121001 ポートア オリービン 3 4 1334 7 49.9
120623 米子SH フラガラッハ 5 11 1341 17 60
120325 六甲S マイネルクラリティ 6 6 1362 2 47.2
111225 ファイナH コスモセンサー 4 3 1342 3 43.8
111002 ポートア ショウリュウムーン 4 2 1344 7 45.1
110417 マイラーG2 シルポート 6 7 1323 1 49.1
110403 ダービーHG3 ブリッツェン 5 8 1333 1 55.2
110326 六甲S ロードバリオス 6 6 1340 6 50.9
101226 ファイナH シルポート 5 2 1341 1 54.3
101003 ポートア ダノンヨーヨー 4 1 1348 7 50.1
100704 米子SH タマモナイスプレイ 5 7 1338 2 32.1
100417 マイラーG2 リーチザクラウン 4 3 1329 2 50.8
100321 六甲S スマイルジャック 5 2 1342 8 44.6
91227 ファイナH エーシンフォワード 4 3 1333 4 48.8
91004 ポートア クラウンプリンセス 5 4 1334 3 49.1
90705 米子SH クラウンプリンセス 5 7 1326 5 46.1
90418 マイラーG2 スーパーホーネット 6 1 1339 6 58.6
90321 六甲SH ライブコンサート 5 3 1345 8 48.4
81228 ファイナH フィールドベアー 5 5 1347 5 46.7
81005 ポートア マイネルレーニア 4 7 1347 1 57.7
80706 米子SH フサイチアウステル 6 6 1330 1 48
80419 マイラーG2 カンパニー 7 1 1336 6 48.9
71223 ファイナH アンブロワーズ 5 2 1346 15 42
70930 ポートア スーパーホーネット 4 2 1333 6 51.2
70701 米子SH トウショウカレッジ 5 4 1327 11 51
70414 マイラーG2 コンゴウリキシオー 5 9 1322 1 51.1

表1は07年以降の3歳以上OPクラスの阪神芝1600mの結果。牝馬限定戦という意味ではチューリップ賞や桜花賞が該当するが、古馬混合戦が対象なので含まれていない。また、重賞という意味ではマイラーズCがあったが、12年以降は京都芝1600mで行われている。現状ではオープン特別が中心に組まれている。

そんな中、牝馬が勝利したケースは6鞍あった。07年ファイナルS優勝のアンブロワーズを皮切りに、最近では15年米子S優勝のスマートレイアーだ。それらの優勝馬を個別に見ていくと、アンブロワーズは2歳時に阪神JFで2着の実績があった馬。ショウリュウムーンは3歳時にチューリップ賞を優勝。ハナズゴールもやはり同レースで重賞勝ちの実績があった。つまり、過去に阪神芝1600mの重賞で連対したことがある馬であったことになる。

2015/6/21 阪神11R 米子ステークス 1着 1番 スマートレイアー

残るスマートレイアーは今年の東京新聞杯優勝馬。過去には芝1400mでの阪神牝馬Sを優勝していた。2回優勝の実績があるクラウンプリンセスは、重賞の連対実績はなかった。ただし、1600万クラスを勝ち上がった場所が阪神芝1600mのゴールデンホイップT。さらに全弟はリーチザクラウンで、10年に阪神芝1600mのマイラーズCを優勝。阪神芝1600mと縁がある血統であった。

まとめると、過去に阪神芝1600mで十分な実績がある馬が、今回有力視できると言える。考え方としては単純で、理になかった傾向となる。

ただし、そう簡単に人気サイドで決まりやすいレースとも思えない。表1の対象レースの中で、二けた人気馬の優勝は3回ある。1番人気の優勝が多い印象もなく、5〜9番人気くらいの伏兵馬の優勝も多々ある。阪神芝1600mはコーナーが2回で、直線部分が多い。基本的には各馬、力を発揮しやすい舞台だと言える。ただ、展開の紛れは意外に多いともいえる。

その理由としては二けた人気馬が優勝したレースから推測できる。表1に示したRPCIからレースのペースを判定すると、緑色で示したレースがスロー、赤色で示したレースがハイペース。背景色なしのレースは平均ペースと概ね考えてよい。すると、13年六甲Sと12年米子Sはスローペースだったことがわかる。そして13年ポートアイランドSはハイペース。つまり、大穴馬が優勝したときは極端なペースだった。

他のスローだったレースを見てみると、08年ポートアイランドSは7番人気のマイネルレーニアが優勝。RPCIが32.1というかなりのハイペースとなった10年米子Sも、7番人気のタマモナイスプレイが優勝という結果になっている。昨年の桜花賞を思い出すと、異例のスローペースとなり、レッツゴードンキが逃げ切った。阪神芝1600mは、展開の紛れによる波乱は常に警戒しなければならないと言える。

■表2 表1対象レースの脚質及び上がり別成績(07年以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
平地・逃げ 7-  5-  1- 27/ 40 17.5% 30.0% 32.5% 249 172
平地・先行 12- 12- 16-100/140 8.6% 17.1% 28.6% 64 141
平地・差し 17- 19- 15-210/261 6.5% 13.8% 19.5% 77 62
平地・追い込み 4-  4-  8-162/178 2.2% 4.5% 9.0% 19 38
3F  1位 10-  7-  9- 19/ 45 22.2% 37.8% 57.8% 133 198
3F  2位 9-  7-  6- 33/ 55 16.4% 29.1% 40.0% 127 124
3F  3位 4-  8-  5- 20/ 37 10.8% 32.4% 45.9% 262 170
3F 〜5位 6-  6-  9- 75/ 96 6.3% 12.5% 21.9% 57 67
3F 6位〜 11- 12- 11-352/386 2.8% 6.0% 8.8% 36 55

2016/3/27 阪神11R 六甲ステークス 1着 12番 ダノンリバティ

では、脚質の傾向はどのようになっているか見ていこう。表2では表1の対象レースの脚質及び上がり別成績を示した。逃げ馬の成績が【7.5.1.27】で、勝率17.5%、連対率30.0%、複勝率32.5%はいずれもトップの数値。なおかつ単勝回収率249%、複勝率172%となっており、配当面の妙味もかなり含んでいる。以下、先行→差し→追い込みの順に、きれいに成績は下がる。勝ち鞍数自体は差しが最も多いものの、前々で競馬ができる馬が有利という傾向が出た。

表1の優勝馬に目を戻すと、コンゴウリキシオーやシルポートといった、強力な先行力を武器に重賞で活躍した馬がいる。また、ダートの重賞で好走実績があったダノンリバティやトリップがいる。そして、テイエムタイホーやマイネルクラリティ、ブリッツェンといった瞬発力を武器にしていない芝馬でも勝利を飾っている。つまり、先行して速いスピードを長く持続できるタイプの馬が、一つの狙い目となりそうだ。

表2にまた戻り、上がり別の成績を見てみよう。上がり3ハロン1位をマークした馬の成績は【10.7.9.19】。一応、勝率などすべての部門で最も優秀な成績であり、単・複の回収率も100%を超えている。逃げ馬が強い一方で、最も鋭い瞬発力を使った馬も、またよく好走しているのだ。実際にはダッシングブレイズやフィエロ、フラガラッハといった馬が勝利している。そのうち1〜5番人気に支持されていた馬の成績が【9.5.5.8】。11番人気で優勝したフラガラッハ以外は、上位人気馬の該当がかなり多くなっている。

終いの鋭い脚で馬券に絡むようなタイプは、あらかじめ上位人気になるケースが多いということになる。それでもここの部分はしっかりと押さえておく必要があるだろう。阪神の外回りコースで決め手を発揮できそうな馬は有力だ。なおかつ、逃げ馬を中心とし、前々で押し切る・粘り込みそうな伏兵馬を警戒する。この2つの着眼点を意識しながら、予想を組み立ててみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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