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第991回 重いハンデ馬が妙味? 中山牝馬Sを占う

2016/3/10(木)

今週日曜日は東西で牝馬限定の重賞が組まれている。今回は古馬のハンデ戦・中山牝馬Sを占ってみることにする。いつものように過去10年(ただし、阪神で行われた11年を除く)の同レースの結果を分析。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年の中山牝馬S優勝馬及び配当(11年除く)

馬名 人気 単勝 馬連 馬単 3連複 3連単
15年 バウンスシャッセ 3 520 1410 2650 4410 20190
14年 フーラブライド 1 450 2970 4650 12480 33610
13年 マイネイサベル 6 1270 4030 8690 6500 47930
12年 レディアルバローザ 8 1770 12780 29130 89530 626350
10年 ニシノブルームーン 4 730 5390 8320 22320 125120
09年 キストゥヘヴン 4 810 21930 39190 230760 1394370
08年 ヤマニンメルベイユ 6 1470 17730 31360 40640 266180
07年 マイネサマンサ 8 3110 7390 19220 88240 608080
06年 ヤマニンシュクル 1 410 1350 2470 7260 26380

表1は過去10年の中山牝馬S優勝馬及び、主な配当を記した。1番人気の優勝はフーラブライドとヤマニンシュクルの2回。どちらも単勝オッズは400円以上であり、1番人気とはいえ断然という評価ではなかった。その他では8番人気の優勝が2回。それに伴い、馬連は3回万馬券が飛び出している。元々ハンデ戦で混戦となるケースが多く、一筋縄ではいかない結果となることが多いようだ。

■表2 過去10年の中山牝馬Sの斤量別成績(11年除く)

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
〜49kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
49.5〜51kg 0-  1-  0- 14/ 15 0.0% 6.7% 6.7% 0 55
51.5〜53kg 3-  3-  4- 46/ 56 5.4% 10.7% 17.9% 47 93
53.5〜55kg 2-  6-  1- 39/ 48 4.2% 16.7% 18.8% 47 81
55.5〜57kg 4-  0-  3- 15/ 22 18.2% 18.2% 31.8% 254 121
49kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
50kg 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
51kg 0-  1-  0-  8/  9 0.0% 11.1% 11.1% 0 92
52kg 0-  1-  0- 14/ 15 0.0% 6.7% 6.7% 0 16
53kg 3-  2-  4- 32/ 41 7.3% 12.2% 22.0% 64 121
54kg 2-  4-  1- 19/ 26 7.7% 23.1% 26.9% 88 133
55kg 0-  2-  0- 20/ 22 0.0% 9.1% 9.1% 0 20
55.5kg 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
56kg 3-  0-  2-  9/ 14 21.4% 21.4% 35.7% 342 146
56.5kg 1-  0-  1-  3/  5 20.0% 20.0% 40.0% 162 126
57kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

続いてハンデの傾向を探ってみることにする(表2参照)。注目すべき点は重いハンデを課せられた馬たちの成績が比較的良いことだ。ハンデ57キロは1頭しか例がないが、同56〜56.5キロは単勝・複勝回収率が100%を超えている。複勝率も35.0%以上をマークしており、それより軽い馬たちよりも好走率が高い。重いハンデ=実績馬であり、普通は実力上位と考えられる。同時に人気にもなりやすいはずだが、このレースではそうはなっていないのである。

ハンデ53.5〜55キロ(実際は53〜55キロ)の馬たちの成績は【2.6.1.39】。そして、ハンデ51.5〜53キロ(実際は51〜53キロ)の馬たちの成績は【3.3.4.46】。複勝率はほぼ互角で、単・複回収率もほとんど差がない。好走馬の数では多いものの、狙い方としては難しい。重いハンデの馬を狙った方が効率は良く、配当妙味も見込めると言っていいだろう。

■表3 ハンデ55.5〜57キロで好走した馬

人気 着順 馬名 ハンデ 前走レース名 着順 主な重賞実績
13年 6 1 マイネイサベル 56 エリザベG1 7 府中牝馬S1着
13年 1 3 オールザットジャズ 56 日経新春HG2 12 中山牝馬S2着
09年 4 1 キストゥヘヴン 56.5 東京新聞G3 10 桜花賞1着
08年 3 3 キストゥヘヴン 56.5 京都牝馬G3 3 桜花賞1着
07年 8 1 マイネサマンサ 56 京都牝馬G3 14 府中牝馬S2着
06年 1 1 ヤマニンシュクル 56 京都牝馬G3 4 秋華賞2着
06年 8 3 ヤマニンアラバスタ 56 ターコイH 13 府中牝馬S1着

では重いハンデを背負い、好走した馬たちを具体的に見ていこう(表3参照)。13年優勝のマイネイサベルら7頭が該当。前走成績を調べると、大敗からの巻き返しが多い。牡馬混合の重賞やG1組が多いこともあり、前走成績に関してはほとんど気にする必要がない。問題は過去に積み上げてきた実績だ。

ハンデ56.5キロを背負って2回好走したキストゥヘヴンは桜花賞馬。あとは、府中牝馬Sや中山牝馬Sといった中央場所の牝馬限定重賞、しかも同一距離のレースの連対実績馬が多い。ヤマニンシュクルは秋華賞2着馬であった。格の高い牝馬限定重賞で、好走実績がある馬ばかりであることがわかる。

■表4 ハンデ54〜55キロで好走した馬

人気 着順 馬名 ハンデ 前走レース名 着順 主な重賞実績
15年 3 1 バウンスシャッセ 54 愛知杯HG3 8 オークス3着
15年 4 2 アイスフォーリス 54 中山金杯HG3 5 オークス3着
13年 2 2 スマートシルエット 54 東京新聞G3 6 府中牝馬S2着
12年 8 1 レディアルバローザ 54 京都牝馬G3 6 ※中山牝馬S1着
10年 8 2 ウェディングフジコ 54 エンプG2 5  
10年 9 3 チェレブリタ 54 京都牝馬G3 5 京都牝馬S1着
09年 15 2 ピンクカメオ 54 阪急杯G3 15 NHKマイルC1着
07年 3 2 ウイングレット 55 京都牝馬G3 2 中山牝馬S1着
06年 2 2 ディアデラノビア 55 京都牝馬G3 5 オークス3着
※11年は阪神で行われた。

続いてハンデ54〜55キロで好走した馬たちを見ていくことにする(表4参照)。前走レースに関しては表3の該当馬とさほど変わりがない。同時に着順が良くなかった馬の方が多く、巻き返してくることを常に想定して考える必要があるだろう。過去の実績に関して言えば、表3と同等の実績を持つ馬もチラホラといる。13年2着のスマートシルエットは前年の府中牝馬Sが2着。レディアルバローザやウイングレットはすでに中山牝馬Sを勝っていた。あとは、奇しくもオークス3着馬が3頭も該当している。15番人気で2着に激走したピンクカメオも、NHKマイルC優勝馬であり、格的には十分。人気が落ちた実績馬が穴を演出していることがわかる。

■表5 ハンデ51〜53キロで好走した馬

人気 着順 馬名 ハンデ 前走レース名 着順 備考
15年 5 3 パワースポット 53 京都牝馬G3 3 紅葉S(東京芝1600m)
14年 1 1 フーラブライド 53 日経新春HG2 3 愛知杯1着
14年 10 2 ケイアイエレガント 53 節分SH1600 1 →東京芝1600m
14年 4 2 キャトルフィーユ 52 愛知杯HG3 2 愛知杯2着
12年 7 2 オールザットジャズ 53 飛鳥S1600 1 →京都芝1800m
12年 11 3 エオリアンハープ 53 白富士S 6 天の川S(新潟芝2000m)
10年 4 1 ニシノブルームーン 53 愛知杯HG3 5 府中S(東京芝1600m)
09年 11 3 ダンスオールナイト 53 初音S1600 1 →東京芝1600m
08年 6 1 ヤマニンメルベイユ 53 白富士S 3 中山牝馬S3着
08年 13 2 マイネカンナ 51 初音S1600 4  
07年 12 3 ヤマニンメルベイユ 53 エリザベG1 天の川S(新潟芝2000m)

最後にハンデ51〜53キロで好走した馬たちを見ていく(表5参照)。こちらは主に上がり馬となるため、前走着順が良い馬が多くなっている。前走1600m万クラス組ならば勝利がほぼ条件となる。前走重賞組ならば好走していることが望ましい。加えて注目したいのは、1600万クラスを勝利した時の競馬場と距離だ。東京芝1600mのレースを中心に、左回りの条件を勝っている馬が非常に多い。新潟芝2000mはローカルだが、直線の長さという意味では東京競馬場以上の対応が求められる。今回の中山牝馬Sは小回り芝1800mであるが、小回りの実績や適性にとらわれる必要はないと言える。こうした考え方のギャップが、波乱を生む要因となっているのかもしれない。

【結論】
それでは今年の中山牝馬Sを占ってみることにしよう。出走予定馬は表6の通り。

■表6 今年の中山牝馬S出走予定馬

馬名 ハンデ 前走レース名 着順 備考
バウンスシャッセ 56.5 愛知杯HG3 1 中山牝馬S1着
ノボリディアーナ 56 ターコイH 7 府中牝馬S1着
ルージュバック 56 有馬記念G1 10 オークス2着
シングウィズジョイ 55 ターコイH 1 フローラS1着
メイショウスザンナ 55 愛知杯HG3 12 クイーンS1着
アースライズ 54 愛知杯HG3 3  
アルマディヴァン 54 愛知杯HG3 9 中京記念2着
キャットコイン 54 ターコイH 13 クイーンC1着
シュンドルボン 54 愛知杯HG3 8  
ウインリバティ 53 エリザベG1 16 ムーンRHC(阪神芝2000m)
クインズミラーグロ 53 愛知杯HG3 11 紫苑S(中山芝2000m)
ハピネスダンサー 53 小倉大賞HG3 5 修学院S(京都芝2000m)
フレイムコード 53 京都牝馬G3 14 五稜郭S(函館芝2000m)
リメインサイレント 53 京都牝馬G3 16 西宮S(阪神芝1800m)
リラヴァティ 53 初音S1600 2 福島牝馬S2着
レイヌドネージュ 53 愛知杯HG3 5 美浦S(中山芝1800m)
マイネグレヴィル 51 調布特別1000 1  
リーサルウェポン 51 京都牝馬G3 10 愛知杯2着
レッドオリヴィア 51 初音S1600 9  
ヴィルジニア 50 愛知杯HG3 6  
※フルゲート16頭。ハンデ51キロ以下の馬たちが除外対象(登録馬発表時点)。

フルゲートが16頭のところ、20頭の登録があった。登録馬発表の時点ではハンデ51キロ以下となった4頭が除外対象となっている。したがって、基本的にはハンデ53キロ以上の馬たちの中から中心馬を探っていくことになる。

2015/10/17 東京11R 府中牝馬ステークス(G2)1着 15番 ノボリディアーナ

まずはハンデ56キロ以上となった馬は3頭。トップハンデは56.5キロのバウンスシャッセ。前年の中山牝馬Sの覇者で、前走は愛知杯を優勝。実績的には申し分はない。ただ、過去10年、同一斤量で好走したキストゥヘヴンは桜花賞馬で、09年の時点では京成杯AH優勝という実績もあった。それと比較すると、56.5キロはやや背負わされたと考えることもできる。
追記(3/10):※バウンスシャッセは中日新聞杯に出走する可能性が濃厚。

ノボリディアーナは昨年の府中牝馬S優勝馬。近2走は度外視すれば、十分狙えるタイプと言える。配当妙味も期待できるかもしれない。

ルージュバックはオークス2着の実績。過去の好走馬と実績を比較すると、厳密には異なるが地力上位は間違いない。昨年のエリザベス女王杯が4着で、同レース上位馬はその後、軒並み活躍を果たしている。同世代がライバルのクラシックにとどまらず、古馬混合戦でも結果は十分に残せそうだ。

続いてハンデ54〜55キロの馬を見ていく。奇しくも前走レースは愛知杯かターコイズSに限られている。過去の実績としても重賞好走馬はかなりいるが、G1や中山牝馬S、府中牝馬Sといった重賞で好走している馬がいない。

ただ、前年のエリザベス女王杯で、ルージュバックと差がない7着に入線していたジュンドルボンは気になる馬。1600万クラスの勝利も、東京芝1800mの甲斐路Sであり、感触はかなり良い。しかし、この手の実績ではハンデは53キロで収まってほしかった。仮に同斤量であれば、狙い目十分と言えた。1キロ余分に背負わされた感があり、果たしてどうなるか。

最後にハンデ53キロの馬を見ていく。厳しく見て、前走重賞で3着以内の馬はいない。前走1600万クラス勝ち馬はおらず、リラヴァティは2着。全馬の1600万クラス以上勝利時の競馬場と距離を調べたところ、右回りのレースが多かった。それぞれコーナーが4回の小回り実績は十分だが、直線が長いコースの実績ではやや欠く。あえて押さえるとすれば、前走東京芝1800mの初音Sが2着で、過去に福島記念2着、ローズS3着の実績があるリラヴァティとなる。総合的な見解としては、ハンデ56キロ以上の2頭から中心馬を選びたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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