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第986回 春のG1馬を多く輩出するステップレースは?

2016/2/22(月)

日曜には今年最初の中央G1・フェブラリーSが行われたが、芝のG1競走へ向けたステップレースはここからが本番になる。そこで今回は、どのレースに出走した馬から多くのG1馬が誕生しているのか、G1レースごとに見てみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。集計期間は1996年から2015年の過去20年としている。

■表1 桜花賞馬・オークス馬、同年出走レースベスト5(過去20年)

桜花賞馬 オークス馬
レース 総数 成績 レース 総数 成績
チューリップ賞 12 3-3-2-4 桜花賞 14 4-2-2-6
エルフィンS 6 3-2-1-0 チューリップ賞 9 2-4-1-2
フィリーズR 3 2-0-1-0 紅梅S 4 2-2-0-0
シンザン記念 3 1-1-1-0 忘れな草賞など計4R 3
フラワーCなど計3R 2

2009/3/7 阪神11R チューリップ賞(Jpn3)1着 5番 ブエナビスタ

表1は牝馬クラシック・桜花賞馬とオークス馬が出走していたレースベスト5(同年、前走以外も含む)である。表の左にある「桜花賞馬−チューリップ賞」を例に表の見方を説明すると、過去20の桜花賞馬20頭のうち、チューリップ賞には計12頭が出走していた。その隣にある【3-3-2-4】は、その桜花賞馬12頭のチューリップ賞での着度数(1着−2着−3着−着外)。チューリップ賞優勝馬から3頭の桜花賞馬が誕生している一方、4着以下に敗れても4頭が桜花賞馬となっている(チアズグレイス10着を除く3頭は4着)。
これに続くのはエルフィンSの6頭、フィリーズRとシンザン記念の3頭。この2〜4位の3競走は、チューリップ賞と違い3着以内に好走していることが桜花賞馬への条件だ。ここまでの合計で20頭を超えるが、これはジェンティルドンナ(シンザン記念1着、チューリップ賞4着)のように、複数出走している馬もいるためである。

一方、二冠目となるオークスでは、やはり桜花賞出走馬が多く計14頭。桜花賞4着以下からも、13年のメイショウマンボ(10着)など計6頭のオークス馬が誕生した。これに続くのはやはりチューリップ賞で、ここでは馬券圏外だったオークス馬もローブデコルテ(5着)、ジェンティルドンナ(4着)と2頭を数える。一方、オークスとは距離が1000mも違う紅梅S出走馬にもオークス馬が4頭。スティルインラブ1着、ダイワエルシエーロ2着、ローブデコルテ1着、メイショウマンボ2着と、オークス馬4頭はすべて紅梅Sでは連対していた。

■表2 皐月賞馬・ダービー馬、同年出走レースベスト6(過去20年)

皐月賞馬 ダービー馬
レース 総数 成績 レース 総数 成績
弥生賞 8 3-2-2-1 皐月賞 14 6-0-5-3
スプリングS 6 5-0-1-0 弥生賞 7 3-2-1-1
若葉S 3 1-0-0-2 スプリングS 5 4-1-0-0
共同通信杯 3 2-1-0-0 きさらぎ賞 4 2-1-1-0
ジュニアC 3 3-0-0-0 毎日杯など計3R 3
きさらぎ賞 3 1-1-1-0

2005/3/6 中山11R 報知杯弥生賞(G2)1着 10番 ディープインパクト

同様のデータを牡馬の皐月賞・日本ダービーについても見てみよう。まず皐月賞馬は、弥生賞出走馬が最多だが、それでも8頭。桜花賞に対するチューリップ賞の12頭ほど多くはない。また、弥生賞4着以下から皐月賞を制したのは08年のキャプテントゥーレ(5着)1頭のみで、3着以内が理想だ。それ以上に特徴的なのは、6頭の皐月賞馬を出したスプリングSで、04年のダイワメジャー(3着)を除く5頭はスプリングS優勝馬が占めている。ほかに、共同通信杯出走馬はゴールドシップ1着、イスラボニータ1着、そして昨年のドゥラメンテ2着と連対馬ばかり。逆に若葉S出走馬は、10年以上前にはなるがサニーブライアン4着、ノーリーズン7着、ヴィクトリー1着と、3頭中2頭が着外敗退馬だった。

一方ダービー馬は、桜花賞→オークスとまったく同じ14頭が1冠目の皐月賞出走馬である。ただ、同じ14頭でも、オークスでは桜花賞4着以下から6頭が優勝していたのに対し、皐月賞4着以下からは3頭にとどまる(アドマイヤベガ6着、ロジユニヴァース14着、ワンアンドオンリー4着)。
その他では、弥生賞7頭、スプリングS5頭、そしてきさらぎ賞4頭。注目はスプリングS出走馬で、12年のディープブリランテ(2着)を除く4頭はスプリングS優勝馬である。前述の皐月賞でも6頭中5頭が優勝馬であり、皐月賞・ダービー制覇を目指す馬がスプリングSに出走するなら、前哨戦といえども勝っておきたい一戦になる。また、弥生賞ならキズナ(5着)以外は3着以内馬、きさらぎ賞も4頭すべて3着以内で、これはほぼ皐月賞馬と同様の傾向だ。

■表3 春の天皇賞馬・宝塚記念馬、同年出走レースベスト6(過去20年)

春の天皇賞馬 宝塚記念馬
レース 総数 成績 レース 総数 成績
阪神大賞典 9 7-0-0-2 天皇賞(春) 11 3-1-2-5
日経賞 4 1-1-0-2 阪神大賞典 8 4-2-0-2
大阪杯 4 2-0-0-2 大阪杯 4 2-1-0-1
アメリカJCC 4 2-0-0-2 金鯱賞 4 3-0-1-0
日経新春杯 3 0-1-0-2 京都記念 3 3-0-0-0
京都記念 3 1-1-1-0 安田記念 3 0-3-0-0

続いて古馬G1、天皇賞(春)と宝塚記念について見てみたい。まず春の天皇賞馬は、阪神大賞典出走馬が9頭と最多で、以下4頭で日経賞、大阪杯、アメリカJCCが並んでいる。この上位4競走出走馬のうち、ここで2〜3着だった天皇賞馬は、09年の日経賞2着・マイネルキッツ1頭のみ。14年には日経賞5着のフェノーメノが天皇賞で巻き返して優勝するなど、勝てないなら馬券圏外に敗れるくらいのほうが、天皇賞馬への近道というのはおもしろい。
マイル〜中距離組と、長距離路線組の対決となる宝塚記念馬は、天皇賞(春)、阪神大賞典の長距離路線組が中心。近年は12年のオルフェーヴルからゴールドシップ2回、そしてラブリーデイと、4年連続で阪神大賞典と天皇賞の双方に出走した馬が優勝している。対して、宝塚記念と同じ阪神コースで距離も近い、大阪杯出走馬の宝塚記念制覇は4頭にとどまっている。なお、阪神大賞典や大阪杯で着外に敗れたヒシミラクル(両レース該当)とラブリーデイ(阪神大賞典)は、ともにその後のレースで勝利を飾って、宝塚記念も制したという共通点がある。また、京都記念出走馬なら勝ち馬ばかり、そして安田記念出走馬は、なぜか2着馬ばかりというのも特徴的だ。

■表4 高松宮記念馬・安田記念馬、同年出走レースベスト6(過去20年)

高松宮記念馬 安田記念馬
レース 総数 成績 レース 総数 成績
阪急杯 9 3-1-2-3 京王杯SC 7 3-1-2-1
シルクロードS 7 3-0-3-1 東京新聞杯 3 2-0-0-1
オーシャンS 5 3-1-0-1 阪急杯 3 2-1-0-0
東京新聞杯 4 1-1-0-2 高松宮記念 3 1-2-0-0
京都金杯 2 0-0-0-2 中山記念ほか計5R 2
ガーネットS 2 0-0-0-2

■表5 NHKマイルC馬・ヴィクトリアM馬、同年出走レースベスト6(過去20/10年)

NHKマイルC馬 ヴィクトリアM馬
レース 総数 成績 レース 総数 成績
ニュージーランドT 8 3-0-3-2 阪神牝馬S 2 1-0-0-1
毎日杯 6 5-0-0-1 マイラーズC 2 0-1-0-1
アーリントンC 4 2-1-1-0 中山牝馬Sほか計10R 1
スプリングS 3 0-1-1-1
シンザン記念 3 2-0-1-0
共同通信杯 3 2-1-0-0

最後に残る4レース、高松宮記念、安田記念、NHKマイルC、ヴィクトリアMの4競走分も掲載しておきたい。施行時期の変更や、前哨戦の条件変更など、ここ20年の変化が大きかったり、ヴィクトリアMはレース数が少なかったりと、上記6競走に比べるとやや参考にしづらいレース群である。この中で注意したいのは京王杯スプリングC出走の安田記念馬。過去20年の括りでは最多の7頭を数えるものの、過去10年では12年のストロングリターン(京王杯SC4着)1頭のみ。近年は優勝馬のステップが大きく変化し、分散傾向にあるのが安田記念馬だ。また、皐月賞、ダービーとは違い、NHKマイルCはスプリングSで敗れた馬ばかり3頭(テレグノシス2着、グランプリボス4着、マイネルホウオウ3着)が優勝している。

以上、春のG1馬が同年に出走したレースについて調べてみた。中には、今後のG1で馬券作戦に使えそうなデータもあったが、まずは今週からの前哨戦を見る上で、それぞれのレースでどんな結果を残せばG1馬になり得るのか、予想に加えてレースを楽しむ材料としていただければ幸いだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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