第976回 新馬戦を逃げ切った馬の次走は?|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第976回 新馬戦を逃げ切った馬の次走は?

2016/1/18(月)

先日のシンザン記念で注目を集めた馬の1頭にディープインパクト産駒の牝馬、ラルクがいた。昨年11月の新馬戦を快勝したあと、約2カ月ぶりの2戦目。4番人気と高く評価されたのだが、結果は残念ながら13着に終わった。逃げ切った新馬戦とは一変して後方からのレースとなったため、展開の違いに戸惑った部分も大きかったのかもしれない。そこで今回は、「新馬戦を逃げ切った馬の次走」について考えてみたい。集計期間は2011年1月5日から2016年1月17日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 新馬戦を逃げ切った馬の次走・脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 13-  6-  7- 45/ 71 18.3% 26.8% 36.6% 172% 99%
先行 13- 13-  7- 73/106 12.3% 24.5% 31.1% 60% 70%
中団 3-  3-  3- 71/ 80 3.8% 7.5% 11.3% 9% 40%
後方 2-  3-  0- 40/ 45 4.4% 11.1% 11.1% 10% 52%
マクリ 0-  0-  0-  0/  0          
※脚質は TARGET frontier JV による分類

表1は、新馬戦を逃げ切った馬の次走における脚質別成績。やはりというべきか、新馬戦と同様に逃げた場合の成績がもっともよく、先行した場合の好走率も小差で続いている。しかし、中団や後方からの競馬になった場合の成績は冴えない。やはり、新馬勝ち直後の2戦目というキャリアの浅い段階で、逃げ切った前走とはまったく異なるレースになると戸惑ってしまうことが多いことがデータにも表れている。新馬戦を逃げ切った馬に対して、競馬新聞などで「今度は控える競馬をしてみたい」といった趣旨のコメントを見かけた場合は、いつも以上に慎重な取捨が必要になるかもしれない。

■表2 新馬戦を逃げ切った馬の次走・前走タイム差別成績

前走タイム差 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
勝2.0秒以上 0-  0-  2-  0/  2 0.0% 0.0% 100.0% 0% 110%
勝1.0〜1.9秒 6-  1-  3- 16/ 26 23.1% 26.9% 38.5% 88% 75%
勝0.6〜0.9秒 5-  6-  2- 32/ 45 11.1% 24.4% 28.9% 48% 46%
勝0.3〜0.5秒 7-  9-  3- 64/ 83 8.4% 19.3% 22.9% 24% 33%
勝0.1〜0.2秒 7-  6-  4- 79/ 96 7.3% 13.5% 17.7% 47% 59%
勝0.0秒 6-  3-  3- 38/ 50 12.0% 18.0% 24.0% 176% 148%

表2は、前走のタイム差別成績。大まかにいって、逃げ切った新馬戦で2着につけたタイム差が大きいほど次走での好走率も高く、これは妥当な結果といえるだろう。ただし、例外となっているのが、2着との差が0秒0、タイム差なしで逃げ切っていた馬だ。意外なほど優秀な成績を残しており、特に単複の回収率が高い。新馬戦を辛くも逃げ切って、相手が強くなる昇級戦では捕まるだろうと思われて人気を落とした馬が、世間の評価以上に好走するケースが多いようだ。このシチュエーションに該当する馬を軽視しないようにしたい。

■表3 新馬戦を逃げ切った馬の次走・前走上がり3F順位別成績

前走上がり3F 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1位 11-  8-  6- 56/ 81 13.6% 23.5% 30.9% 46% 46%
2位 8-  4-  5- 38/ 55 14.5% 21.8% 30.9% 66% 73%
3位 4-  9-  4- 50/ 67 6.0% 19.4% 25.4% 111% 97%
4〜5位 8-  1-  2- 47/ 58 13.8% 15.5% 19.0% 87% 53%
6位以下 0-  3-  0- 38/ 41 0.0% 7.3% 7.3% 0% 65%

表3は、前走の上がり3F順位別成績。要するに、逃げ切った新馬戦でどのぐらいの上がりの脚を見せていれば次走でも通用するのか、を示すデータである。この表で明白なのは、上がり6位以下だと次走でほとんど好走できないこと。つまり、上がり1〜5位を記録するぐらいの余力を持った逃げ切りでなければ、昇級戦となる次走ではなかなか通用しないのだろう。ただし、前走上がり1位に関しては、単複の回収率がいずれも46にとどまっている点には注意したい。逃げた馬が上がり1位を記録するのは容易なことではなく、それだけに過剰に人気を集めてしまうものと思われる。

■表4 新馬戦を逃げ切った馬の次走・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 13-  8-  5- 20/ 46 28.3% 45.7% 56.5% 60% 70%
2番人気 8-  7-  2- 10/ 27 29.6% 55.6% 63.0% 120% 102%
3番人気 4-  2-  3- 26/ 35 11.4% 17.1% 25.7% 77% 52%
4番人気 2-  1-  3- 22/ 28 7.1% 10.7% 21.4% 60% 51%
5番人気 3-  3-  0- 21/ 27 11.1% 22.2% 22.2% 120% 82%
6番人気 0-  0-  0- 26/ 26 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 0-  0-  2- 15/ 17 0.0% 0.0% 11.8% 0% 40%
8番人気 0-  1-  0- 19/ 20 0.0% 5.0% 5.0% 0% 91%
9番人気 0-  2-  2- 21/ 25 0.0% 8.0% 16.0% 0% 140%
10番人気以下 1-  1-  0- 49/ 51 2.0% 3.9% 3.9% 121% 49%

表4は、新馬戦を逃げ切った馬の次走における人気別成績。ここでは、6番人気以下になると好走率がガクンと下がることに注目したい。つまり、新馬戦がいかにも展開に恵まれたような逃げ切り勝ちで、次走の評価が6番人気以下にとどまるようだと苦戦は必至。逆に、新馬戦の逃げ切りをしっかりと評価されて1〜5番人気に推されるようなら、好走のチャンスは十分にあるとみたい。

■表5 新馬戦を逃げ切った馬の次走・馬場別成績

馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
芝→芝 23- 19- 11-143/196 11.7% 21.4% 27.0% 83% 84%
芝→ダート 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ダート→芝 2-  0-  1- 24/ 27 7.4% 7.4% 11.1% 23% 21%
ダート→ダート 6-  6-  5- 61/ 78 7.7% 15.4% 21.8% 37% 38%

表5は馬場別成績。これを見ると、新馬戦を逃げ切った馬に関してはダートより芝のほうが次走でも好走しやすいことがわかる。表1の項で確認した通り、新馬戦を逃げ切った馬は次走でも逃げ、先行したほうが結果を出しやすい。その点、一般にダートのほうが先行争いは激しく、また、先手を奪えなかった場合には砂を被るレースも初体験となる。そう考えると、ダートの成績が落ちるのは理解しやすいのではないか。なお、ダート→芝と馬場を替えてきた場合の成績はさらに低調。芝→ダートのケースは集計期間に1頭しか該当馬がいなかった。

■表6 新馬戦を逃げ切った馬の次走・出走間隔別成績

出走間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
連闘 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 141% 71%
中1週 2- 2- 6-32/42 4.8% 9.5% 23.8% 52% 48%
中2週 6- 6- 4-47/63 9.5% 19.0% 25.4% 48% 79%
中3週 3- 6- 3-38/50 6.0% 18.0% 24.0% 9% 49%
中4〜8週 13- 6- 3-70/92 14.1% 20.7% 23.9% 122% 74%
中9週以上 6- 4- 1-38/49 12.2% 20.4% 22.4% 40% 69%

2015/9/5 札幌11R 札幌2歳ステークス(G3)1着 11番 アドマイヤエイカン

2015/11/28 京都11R ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)1着 11番 ドレッドノータス

表6は、新馬戦を逃げ切った馬の次走における出走間隔別成績。

複勝率ベースでは明確な差が見られないが、勝率ベースでは結構な差がついている点に注目したい。新馬戦を逃げ切ったあと、中4〜8週および中9週以上のゆったりとした間隔で出てきたときに高い勝率を記録している。特に中4〜8週の場合は単勝回収値122と高く、特筆に値する。

一方、中9週以上まで間隔が開くと、勝率は高いものの単勝回収値40と低調。人気馬のみに絞って狙ったほうがいいだろう。現3歳世代でいえば、札幌2歳Sのアドマイヤエイカンと京都2歳Sのドレッドノータスの2頭が、新馬戦を逃げ切ったあと中4〜8週のローテーションで重賞制覇を飾っている。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN