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第967回 2歳馬の大幅な距離短縮を考察する

2015/12/14(月)

2015/11/22 京都11R サラ2歳新馬1着 15番 リオンディーズ

1戦1勝馬ながら、今年の朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS)で注目されそうなリオンディーズ。血統背景や新馬戦の勝ちっぷりの良さに加えて、前走から400mの距離短縮という異例のローテーションで臨むことも注目される理由となっている。そこで今回は「200mを超える大幅な距離短縮の2歳馬」について調べてみたい。念のため申し上げておくと、「200mを超える」なので、200mちょうどの距離短縮(例:前走2000m→今走1800m)は含まない。集計対象は2011年6月18日から2015年12月6日までの2歳戦で、前走が地方競馬の場合は対象外とする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 200mを超える距離短縮の2歳馬成績

条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
該当馬 86- 119-  88-1427/1720 5.0% 11.9% 17.0% 61% 69%
2歳戦全体 2907- 2904- 2894-30794/39499 7.4% 14.7% 22.0% 71% 76%

表1は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、同じ集計期間の2歳戦全体と比較したものである。これを見ると、200mを超える距離短縮の2歳馬の数値は5項目すべてで全体より低くなっており、苦戦の傾向が見受けられることがわかる。やはり基本的には、キャリアの浅い2歳馬が大幅な距離短縮に対応するのは容易ではないと考えたほうがいいのだろう。

■表2 200mを超える距離短縮の2歳馬・今走距離別成績

馬場 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m 4-  4-  7- 62/ 77 5.2% 10.4% 19.5% 34% 55%
1200m 23- 29- 22-358/432 5.3% 12.0% 17.1% 56% 69%
1400m 9- 18- 16-152/195 4.6% 13.8% 22.1% 29% 117%
1500m 6-  7-  5- 33/ 51 11.8% 25.5% 35.3% 128% 110%
1600m 3-  9-  6- 84/102 2.9% 11.8% 17.6% 13% 57%
ダート 1000m 3-  4-  2- 40/ 49 6.1% 14.3% 18.4% 48% 75%
1150m 3-  7-  6- 69/ 85 3.5% 11.8% 18.8% 127% 95%
1200m 12- 16-  9-289/326 3.7% 8.6% 11.3% 75% 49%
1300m 4-  3-  2- 48/ 57 7.0% 12.3% 15.8% 93% 70%
1400m 14- 19- 11-251/295 4.7% 11.2% 14.9% 62% 54%
1600m 3-  1-  1- 27/ 32 9.4% 12.5% 15.6% 80% 62%
1700m 2-  2-  1- 14/ 19 10.5% 21.1% 26.3% 33% 57%
※該当例のある距離のみ

表2は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、今走の距離別で示したものである。まずは芝の場合から見ていこう。明らかに優秀な数値を残しているが、今走が1500mのケースである。芝1500mのコースは札幌にしか存在しないので、このデータはそのまま札幌芝1500mということになる。200mを超える距離短縮で札幌芝1500mに出走してきた2歳馬がいれば、積極的に狙ってみたい。それ以外の距離では、1400mの複勝回収率117%が目立つぐらいで、総じて数値は振るわないようだ。

次にダートだが、こちらで目立つのは今走1700mの好走率と、今走1150mの回収値といったところか。ート1700mが設置されているのはローカルの福島、小倉、函館、札幌のみ。ダート1150mもローカルの福島にしかない。つまり、200mを超える距離短縮で2歳馬がダートに出走した場合、それがローカルならチャンスがあるが、中央場だと狙いづらいと考えたほうがいいかもしれない。

■表3 200mを超える距離短縮の2歳馬・クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
未勝利 74- 110-  77-1308/1569 4.7% 11.7% 16.6% 58% 70%
500万下 5-   5-   8-  74/  92 5.4% 10.9% 19.6% 41% 50%
オープン特別 5-   2-   2-  32/  41 12.2% 17.1% 22.0% 221% 85%
G3 2-   1-   0-   4/   7 28.6% 42.9% 42.9% 77% 78%
G2 0-   1-   1-   6/   8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 117%
G1 0-   0-   0-   2/   2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、今走のクラス別で示したものである。複勝率ベースで見たときに非常に興味深いのが、おおまかにいって上級クラスになるほど高い数値になっていることだ。このデータから言えるのは、重賞やオープン特別に出走するレベルの2歳馬ほど大幅な距離短縮にも対応できるということだろう。出走例が2例しかないG1については未知数と言わざるをえないが、高い素質を秘めていると見込んだ馬なら、思い切って狙ってみる価値はあるのではないか。

■表4 200mを超える距離短縮の2歳馬・キャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1戦 28-  52-  30- 566/ 676 4.1% 11.8% 16.3% 54% 60%
2戦 32-  37-  27- 417/ 513 6.2% 13.5% 18.7% 70% 87%
3戦 16-  21-  17- 230/ 284 5.6% 13.0% 19.0% 50% 78%
4戦 4-   5-  10- 121/ 140 2.9% 6.4% 13.6% 19% 41%
5戦 6-   2-   3-  44/  55 10.9% 14.5% 20.0% 284% 73%
6戦 0-   2-   1-  27/  30 0.0% 6.7% 10.0% 0% 68%
7戦 0-   0-   0-  11/  11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8戦 0-   0-   0-   5/   5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9戦 0-   0-   0-   4/   4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10戦以上 0-   0-   0-   2/   2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、キャリア別で示したものである。この条件で好走率がもっとも高いのはキャリア5戦の場合。ある程度のレース経験を積み、大幅な距離短縮に対応する力もついてくるのがこのあたり、というわけだろう。ただし、キャリア6戦になると好走率が下がり、キャリア7戦以上になると好走例は皆無となるので、単純に実戦経験を多く積めばいいというわけでもないようだ。2歳馬でキャリア7戦となるとかなりの出走数と言えるので、変わり身を望みづらいのかもしれない。

■表5 200mを超える距離短縮の2歳馬・前走RPCI別成績

前走RPCI 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
〜44 5-  4-  3- 56/ 68 7.4% 13.2% 17.6% 54% 44%
〜52 36- 48- 42-578/704 5.1% 11.9% 17.9% 75% 75%
〜60 38- 48- 34-623/743 5.1% 11.6% 16.2% 56% 67%
〜68 7- 18-  9-165/199 3.5% 12.6% 17.1% 33% 62%
〜76 0-  1-  0-  5/  6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 143%

表5は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、前走のRPCI別で示したものである。「RPCI(レースペースチェンジ指数)」とは、Target frontier JVに搭載されている機能のひとつで、レースのペースを示す指数である。基本的な考えとして、指数の平均となる50の前後ならミドルペース、指数が小さくなるほどハイペース、大きくなるほどスローペースとお考えいただきたい。

このデータを出してみたのは、前走でハイペースを経験していれば200mを超える距離短縮にも対応しやすいのではないか、と考えたからだ。結論からいうと、勝率に関しては、前走のRPCIの指数が小さいほど=ハイペースになるほど高い、という相関関係が見られる。一方、連対率や複勝率に関しては、そこまで明確な傾向は見られないようだ。

まとめると、200mを超える距離短縮の2歳馬を狙う際に、1着まで勝ち切ることを重視するのであれば、前走でハイペースを経験しているに越したことはない。一方、2、3着でも的中するような馬券の買い方をするのであれば、前走のペースはあまり気にしなくていい。そのように考えられるのではないだろうか。

■表6 200mを超える距離短縮の2歳馬・今走人気別成績

今走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 22-  13-   8-  20/  63 34.9% 55.6% 68.3% 91% 91%
2番人気 13-  17-  10-  38/  78 16.7% 38.5% 51.3% 74% 82%
3番人気 15-  23-  11-  53/ 102 14.7% 37.3% 48.0% 86% 96%
4番人気 9-  15-  12-  60/  96 9.4% 25.0% 37.5% 82% 92%
5番人気 5-  11-   9-  90/ 115 4.3% 13.9% 21.7% 60% 69%
6番人気 8-  17-   9-  86/ 120 6.7% 20.8% 28.3% 112% 110%
7番人気 4-  10-   6-  96/ 116 3.4% 12.1% 17.2% 94% 118%
8番人気 4-   3-   4- 127/ 138 2.9% 5.1% 8.0% 85% 57%
9番人気 2-   5-   8- 127/ 142 1.4% 4.9% 10.6% 41% 91%
10番人気以下 4-   5-  11- 730/ 750 0.5% 1.2% 2.7% 37% 44%

表6は、200mを超える距離短縮の2歳馬の成績を、今走の人気別で示したものである。最初に目に入るのが1番人気の成績が優秀なこと。1番人気に限らず、6、7番人気あたりまでのひとケタ人気は総じて良好な数値を残している。大幅な距離短縮という難しい条件を抱えながら、ある程度高い評価をされる2歳馬は、それだけ高い資質を秘めているということだろう。反面、10番人気以下まで落ちてしまうと苦しいようだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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