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第959回 ルージュバックは買いだったのか? 長期休み明けを分析する

2015/11/16(月)

今年のエリザベス女王杯で、多くのファンを悩ませたと思われるのがルージュバックだ。オークス2着の実績が示す通り、実力は確か。しかし、約半年ぶりの出走で実力を発揮できるのかどうか、その判断が難しかった。そこで今回は、同様のシチュエーションに再び直面した際の参考になるよう、ルージュバックと同じ「中24週(以上)の間隔で出走した馬」に関するデータを調べてみたい。集計期間は2014年1月5日〜2015年11月8日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 全体成績および馬場別成績

条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
中24週以上 154- 155- 143-2528/2980 5.2% 10.4% 15.2% 75% 69%
中24週以上・芝のみ 59-  74-  71-1086/1290 4.6% 10.3% 15.8% 90% 77%
中24週以上・ダートのみ 84-  68-  63-1301/1516 5.5% 10.0% 14.2% 63% 62%
中24週以上・障害のみ 11- 13-  9-141/174 6.3% 13.8% 19.0% 62% 72%
集計期間内の出走全馬 6458- 6456- 6461-73844/93219 6.9% 13.9% 20.8% 73% 74%

表1は「中24週以上の間隔で出走した馬」の全体成績、および馬場別成績を示したものである。表1の一番下に掲載した、出走間隔を問わない出走全馬の成績と比較すると、中24週以上の休み明けになると、さすがに水準以下の好走率になるようだ。ただし、回収率では大きな差が見られず、単勝回収率は中24週以上のほうが高い点は見逃せない。なかでも芝のレースに限れば単勝回収値90%に達している。つまり、24週以上の出走となっても、条件を選んでいけば十分に狙えるチャンスがあると考えてもいいのではないだろうか。

■表2 牡牝別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡馬・セン馬 114- 125- 100-1718/2057 5.5% 11.6% 16.5% 63% 76%
牝馬 40- 30- 43-810/923 4.3% 7.6% 12.2% 101% 54%

表2は牡牝別成績で、セン馬は牡馬に含めて集計している。目を引くのは、牝馬が単勝回収率101を記録している点である。牝馬は気持ちで走るという説もあり、中24週以上の休み明けで万全の状態まではもっていけなくても、気持ちで激走してしまう傾向が牡馬に比べて強いのかもしれない。

■表3 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 29-  15-  12-  45/ 101 28.7% 43.6% 55.4% 82% 85%
2番人気 18-  23-  12-  73/ 126 14.3% 32.5% 42.1% 63% 75%
3番人気 32-  19-  24- 109/ 184 17.4% 27.7% 40.8% 110% 91%
4番人気 23-  23-  15- 110/ 171 13.5% 26.9% 35.7% 109% 101%
5番人気 9-  15-  16- 135/ 175 5.1% 13.7% 22.9% 64% 75%
6番人気 9-  10-  13- 173/ 205 4.4% 9.3% 15.6% 50% 62%
7番人気 15-   9-  13- 158/ 195 7.7% 12.3% 19.0% 145% 101%
8番人気 3-  10-  10- 177/ 200 1.5% 6.5% 11.5% 30% 56%
9番人気 5-  13-  10- 181/ 209 2.4% 8.6% 13.4% 60% 101%
10番人気以下 11-  18-  18-1367/1414 0.8% 2.1% 3.3% 70% 53%

表3は人気別成績。1番人気に推された場合の好走率は、水準より若干低め。ただし、それでも回収率は単複とも80%以上になっており、1番人気ながらも過小評価されている様子が見てとれる。思い切って狙ってみる価値はありそうだ。対して、2番人気は振るわない。好走率、回収率ともに一般的な2番人気を下回っており、やや損なところがある。狙ってみたいのは3番人気と4番人気。中24週以上の休み明けにもかかわらず、一般的な3、4番人気を上回るほどの好走率を残し、回収率も非常に優秀だ。

■表4 クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
未勝利 26-  32-  27- 625/ 710 3.7% 8.2% 12.0% 33% 56%
500万下 73-  79-  74-1173/1399 5.2% 10.9% 16.2% 98% 75%
1000万下 32-  21-  25- 335/ 413 7.7% 12.8% 18.9% 76% 79%
1600万下 10-   9-   5- 177/ 201 5.0% 9.5% 11.9% 91% 58%
オープン特別 8-  10-   6- 143/ 167 4.8% 10.8% 14.4% 46% 51%
G3 3-   2-   1-  38/  44 6.8% 11.4% 13.6% 51% 56%
G2 2-   1-   4-  31/  38 5.3% 7.9% 18.4% 38% 53%
G1 0-   1-   0-   6/   7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 314%

表4はクラス別成績。クラスによってそこまで極端な差が出ているわけではないが、複勝率ベースで見ると、500万下や1000万下に比べて、1600万下やオープンの上級クラスになると数値がやや下がる傾向にある。クラスが上がれば強力なライバルも増えるだけに、これは自然な傾向と言えるだろう。そう考えると、未勝利戦の数値が全体的に低いのは意外な印象もある。未勝利戦では長期休養馬が思った以上に不利になると考えたほうがよさそうだ。

■表5 馬体重の増減別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回減 28-  35-  35- 652/ 750 3.7% 8.4% 13.1% 121% 69%
同体重 5-   5-   6- 190/ 206 2.4% 4.9% 7.8% 23% 28%
今回増 117- 115- 100-1673/2005 5.8% 11.6% 16.6% 60% 72%

表5は、前走と比べて馬体重が「今回減」「同体重」「今回増」となった場合について、それぞれの成績を比較したものである。通常、長期の休み明けとなると前走より馬体重が増えていることが多く、全体の3分の2以上は「今回増」での出走となっている。「今回減」や「同体重」に比べて好走率も高く、長期の休み明けでは馬体重が増えているのが自然な状態と考えて間違いなさそうだ。「今回減」の場合は好走率こそ落ちるが、単勝回収率121と高い。全体としては体調が整わずに馬体重を減らした馬が多そうだが、なかにはビッシリと仕上げて「今回減」になった馬も含まれているのだろう。そうした馬の激走に注意したい。一方、「同体重」は5項目すべての数値が最低となっており、不振の傾向が強い。

■表6 馬体重別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
399キロ以下 0-   0-   0-  12/  12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
400〜419キロ 1-   0-   1-  44/  46 2.2% 2.2% 4.3% 13% 7%
420〜439キロ 1-   3-  10- 147/ 161 0.6% 2.5% 8.7% 3% 38%
440〜459キロ 16-  22-  15- 384/ 437 3.7% 8.7% 12.1% 170% 79%
460〜479キロ 34-  39-  39- 652/ 764 4.5% 9.6% 14.7% 46% 61%
480〜499キロ 31-  43-  33- 640/ 747 4.1% 9.9% 14.3% 36% 52%
500キロ以上 71-  48-  45- 649/ 813 8.7% 14.6% 20.2% 104% 97%

2014/7/27 札幌11R エルムステークス(G3)1着 8番 ローマンレジェンド

表6は馬体重別成績。一般に、休み明けでは馬体重の大きい馬ほど仕上がりに時間がかかり、馬体重の小さな馬のほうが仕上げやすいと考えられているが、実際にはどんなデータが出ているのだろうか。これが意外なことに、24週以上の休み明けの場合、馬体重が500キロ以上ある大型馬のほうが好走率も回収率も明らかに優秀だったのだ。たとえば、14年エルムSを中29週で制したローマンレジェンド(出走時510キロ)のように、中24週以上の休み明けでは500キロ以上の大型馬を積極的に狙ってみたい。

■表7 厩舎別成績(着別度数順)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
野中賢二 6- 1- 1-21/29 20.7% 24.1% 27.6% 173% 87%
藤沢和雄 5- 5- 4-26/40 12.5% 25.0% 35.0% 75% 94%
堀宣行 5- 3- 1- 8/17 29.4% 47.1% 52.9% 144% 121%
浜田多実雄 5- 2- 0-12/19 26.3% 36.8% 36.8% 168% 118%
昆貢 4- 3- 1-22/30 13.3% 23.3% 26.7% 81% 52%
安田隆行 4- 2- 2-19/27 14.8% 22.2% 29.6% 297% 133%
国枝栄 3- 3- 0-26/32 9.4% 18.8% 18.8% 126% 54%
河内洋 3- 2- 1-28/34 8.8% 14.7% 17.6% 80% 80%
佐々木晶三 3- 1- 1-11/16 18.8% 25.0% 31.3% 221% 115%
友道康夫 3- 1- 0-14/18 16.7% 22.2% 22.2% 58% 40%

最後に、中24週以上の休み明けで実績を残している厩舎を確認しておこう。集計期間内に最多の6勝を挙げたのは野中賢二厩舎。【6.1.1.21】と勝ち切りが多いのが特徴で、勝率20.7%、単勝回収率173%と単勝系で優秀な数値が出ている。堀宣行厩舎は、該当17走のうち半数以上の9走で好走を果たした。中24週以上の休み明けということを考えれば驚異的で、さすがは二冠馬ドゥラメンテを育てた名門と言える。総じてキャリアのある厩舎が並ぶなか、今年で開業3年目の浜田多実雄厩舎が4番手に食い込んだのも見逃せない。表7にランクインしたその他の厩舎についても、中24週以上の休み明けだからというだけでは軽視しないほうがいいだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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