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第955回 脚質別傾向に大きな偏り! 秋の京都芝1200m戦の傾向は?

2015/11/2(月)

今週から秋の京都競馬の後半戦、5回京都開催がスタートする。土曜には2歳牝馬のファンタジーS、日曜にはダートのみやこSと2鞍の重賞が組まれている。今回はみやこSの1つ前のオープン特別・京洛Sが行われる京都芝1200m戦に注目。2010年以降の10月・11月に行われた京都芝1200m戦のデータからその傾向を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 昨年の京阪杯の結果

着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前走レース成績 前走脚質
1 アンバルブライベン 1分8秒3 5 1 33秒6 福島民友C 1着 逃げ
2 サドンストーム 1馬身1/4 11 9 33秒2 スワンS 4着 差し
3 サカジロロイヤル クビ 15 2 33秒7 京洛S 3着 逃げ

2014/11/30 京都12R 京阪杯(G3)1着 7番 アンバルブライベン

まず表1は昨年11月末に行われた京浜杯の結果。ご記憶の方も多くおられると思うが、レースはアンバルブライベンが逃げ切り勝ち。道中2番手のサカジロロイヤルが3着に逃げ粘るという典型的な「行った行った」のレースとなった。前半3ハロン34秒7と極端なスローになったことで、前がまったく止まらない展開となった。

ではなぜこのレースを最初に取り上げたかというと、個人的に馬券で非常に悔しい思いをしたからだ。事前に前残りを想定してアンバルブライベンの単勝馬券は持っていたものの、15番人気サカジロロイヤルまで粘れるとは思っていなかった。この馬は前走オープン特別の京洛Sでハナを切って、3着に粘っていた。結果的に3連複33万3950円、3連単202万9240円と大波乱となったが、3連単は難しいとしても3連複なら取れていたのではとしばらく茫然とさせられた。

そこで今回のタイトルでもある秋季の京都芝1200mにおける脚質別成績の大きな偏りである。逃げ・先行馬にとって有利なコースなのではないかと推測から10年以降のデータを分析してみた。

■表2 京阪杯の脚質別成績(2010〜14年の過去5年)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 2- 1- 0- 2/ 5 40.0% 60.0% 60.0% 908% 482%
先行 3- 0- 3-11/17 17.6% 17.6% 35.3% 145% 224%
差し 0- 4- 2-32/38 0.0% 10.5% 15.8% 0% 106%
追い込み 0- 0- 0-26/26 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は過去5年の京阪杯の脚質別成績。黄色で強調したように、逃げ・先行馬が圧倒的に活躍していることがわかる。ハナを切れた逃げ馬は近3年で、12年ハクサンムーン1着(10番人気)、13年アイラブリリ2着(8番人気)、14年アンバルブライベン1着(5番人気)と人気薄で3年連続連対。その前の11年ナイアードも単勝170倍の12番人気で3着と0秒1差で粘っていた。

先行馬も一昨年のアースソニックら3勝で、逃げ・先行馬で5勝すべてを独占している。それも京都開催の最終週にこのような傾向が出ているのが興味深い。最近は広く知られるようになったが、開催の前半は馬場が柔らかくて差しが届く馬場、後半になると踏み固められて直線の内を通れる逃げ・先行馬が有利になるということだろう。少し先の話ではあるが、京阪杯において逃げ・先行馬断然有利という傾向はぜひとも頭に入れておきたい

■表3 京都芝1200m戦の脚質別成績(10年以降で今年10月25日まで/10月・11月のみ)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 21-  12-  14-  35/  82 25.6% 40.2% 57.3% 340% 224%
先行 32-  35-  22- 190/ 279 11.5% 24.0% 31.9% 142% 112%
差し 26-  27-  36- 375/ 464 5.6% 11.4% 19.2% 61% 79%
追い込み 3-   8-  11- 344/ 366 0.8% 3.0% 6.0% 13% 40%

表3は10年以降に行われた京都芝1200m戦における脚質別成績。このデータから京阪杯のみ特別だということではなく、秋季の芝1200m戦において全般的に逃げ・先行が断然有利だということを分かっていただけると思う。

それでは今年はどうなのか。10月24日・25日の2日間では土曜9Rの壬生特別で5番人気ローレルベローチェが逃げ切って勝利。日曜10Rの桂川Sでは8番人気ラインスピリットが逃げて2着に好走。勝ったのは道中2番手につけたエイシンブルズアイで「行った行った」の競馬となった。

なぜこれほどまでに逃げ・先行馬有利となるのか。大きく2つ理由が挙げられるだろう。まずはコース形状で、芝1200m戦はスタートしていきなり上り坂になっており、前半のペースが速くなりにくい。そして3コーナー入り口付近にある坂の頂上から一気に駆け下りることで逃げ・先行馬は勢い良く直線へ。さらに直線は平坦でスピードが落ちることが少ない。実際に前半600m34秒前後、後半は逃げ馬でも33秒台という後傾ラップになることが多い。これは上級条件やオープン・重賞でも変わらず、逃げ馬が33秒台を使うレースとなっては差し・追い込み馬の出番はない。

もうひとつは時期的な要素で、秋の京都開催はその前の5月開催から長めに間隔が空いており、芝の状態が非常に良い。先ほども述べたが、開催の前半は馬場が柔らかく差し・追い込みも決まる馬場に設定されているものの、後半は踏み固められて馬場が堅くなる。
今週から京都は1〜2週目がBコース、3〜4週目がCコースを使用する。今年も開催後半にかけて逃げ・先行馬、特に逃げ馬が多く活躍するだろう。

■表4 京都芝1200m戦の前走脚質別成績(10年以降で今年10月25日まで/10月・11月のみ)

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 14-   9-  15-  88/ 126 11.1% 18.3% 30.2% 155% 129%
前走1着 4-  2-  5- 23/ 34 11.8% 17.6% 32.4% 113% 114%
前走2着 2-  1-  2-  4/  9 22.2% 33.3% 55.6% 56% 65%
前走3着 0-  1-  2- 11/ 14 0.0% 7.1% 21.4% 0% 164%
前走4着 0-  0-  1-  4/  5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 44%
前走5着 0-  0-  2-  6/  8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 70%
前走6〜9着 3-  2-  3- 16/ 24 12.5% 20.8% 33.3% 267% 199%
前走10着以下 5-  3-  0- 24/ 32 15.6% 25.0% 25.0% 273% 125%
先行 27-  26-  22- 238/ 313 8.6% 16.9% 24.0% 72% 80%
差し 26-  24-  24- 298/ 372 7.0% 13.4% 19.9% 86% 108%
追い込み 4-  12-  10- 222/ 248 1.6% 6.5% 10.5% 73% 51%

2012/11/24 京都11R 京阪杯(G3)1着 1番 ハクサンムーン

表4は京都芝1200m戦出走馬の前走脚質別成績。前走で逃げた馬は当時の着順別成績も示している。前走で逃げた馬が今回もハナを切れるとは限らないが、それでも複勝率30%を超えており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。

また表の黄色で強調しているように、前走逃げ切って1着だった馬よりも失速して6着以下だった馬の方が勝率・連対率は高い。単勝回収率・複勝回収率も非常に高く、見た目の着順で人気を落とす分だけ、馬券的な妙味があるということだろう。

12年の京阪杯を勝利したハクサンムーンは前走同じコースの京洛Sで1番人気に推されたが、前半600m33秒1のハイペースとなってしまい15着と惨敗。京阪杯では34.1倍の10番人気まで人気が落としたが、今度は34秒3のスローペースに落としてまんまと逃げ切っている。このように前走でハナを切れた馬、特にハイペースを刻んで惨敗した馬は積極的に狙っていきたい

■表5 京都芝1200m戦の種牡馬別成績(10年以降で今年10月25日まで/10月・11月のみ)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
サクラバクシンオー 7- 7- 6-62/82 8.5% 17.1% 24.4% 45% 69%
ダイワメジャー 5- 2- 1-34/42 11.9% 16.7% 19.0% 43% 27%
キングカメハメハ 4- 8- 4-39/55 7.3% 21.8% 29.1% 24% 72%
スウェプトオーヴァーボード 3- 4- 2-20/29 10.3% 24.1% 31.0% 219% 135%
ファルブラヴ 3- 3- 1-12/19 15.8% 31.6% 36.8% 110% 110%
アドマイヤムーン 3- 2- 4-17/26 11.5% 19.2% 34.6% 171% 112%
フジキセキ 3- 1- 2-27/33 9.1% 12.1% 18.2% 57% 75%
クロフネ 3- 1- 1-22/27 11.1% 14.8% 18.5% 100% 56%
アドマイヤコジーン 3- 0- 1-14/18 16.7% 16.7% 22.2% 317% 218%
Singspiel 3- 0- 0- 0/ 3 100.0% 100.0% 100.0% 176% 116%
タイキシャトル 2- 3- 3-25/33 6.1% 15.2% 24.2% 107% 93%
サムライハート 2- 3- 1- 5/11 18.2% 45.5% 54.5% 118% 136%
ストーミングホーム 2- 2- 0- 9/13 15.4% 30.8% 30.8% 51% 110%
ディープインパクト 2- 1- 2-14/19 10.5% 15.8% 26.3% 30% 95%
シンボリクリスエス 2- 0- 2- 6/10 20.0% 20.0% 40.0% 1382% 311%
アドマイヤジャパン 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 330% 131%
Wildcat Heir 2- 0- 1- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 344% 180%
※2勝以上を掲載。

最後に表5は種牡馬別成績。出走数が最も多いサクラバクシンオー産駒が最多の7勝をあげているものの、連対率・複勝率はいまひとつ。ダイワメジャー産駒は5勝をあげるも、連対率・複勝率は低い。東京や阪神の芝中距離によく見られるサンデーサイレンス後継種牡馬の上位独占ではないところが面白い。

その下のキングカメハメハ・スウェプトオーヴァーボード・アドマイヤムーンといったミスタープロスペクター系が好成績をあげている。特にスウェプトオーヴァーボード・アドマイヤムーン産駒は先行できるスピードがあるタイプが多く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

他ではノーザンダンサー系のファルブラヴ産駒、サンデーサイレンス後継種牡馬でも比較的地味な印象のサムライハート・アドマイヤジャパン産駒、ヘイルトゥリーズン系のシンボリクリスエス産駒あたりが複勝率が高く、注意しておきたい。なお、Singspiel・Wildcat Heir産駒はそれぞれ同一馬が複数回好走したものだった。サクラバクシンオー以上に高い率を残しているスピード型種牡馬の産駒を馬券で狙っていきたいところだ。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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