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第937回 夏の2歳S出走馬、その後の活躍は?

2015/8/31(月)

12年より北海道開催の閉幕が約1ヵ月早まり、札幌2歳Sも現在の時期に移動。これにより、先週の新潟2歳S、そして今週の小倉、札幌2歳Sと、距離の異なる3つの2歳重賞がほぼ同時期に行われるようになった。そこで今回は、その12年以降の「夏の2歳S」について、出走馬のその後の活躍ぶりを見てみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 各2歳S出走馬の同年次走〜翌年成績(12〜14年2歳S出走馬)

クラス 函館2歳S 新潟2歳S 札幌2歳S 小倉2歳S
着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率
OP・G外 7-5-6-56 24.3% 7-6-2-35 30.0% 3-4-4-28 28.2% 3-3-1-40 14.9%
G3 1-1-2-23 14.8% 4-3-2-25 26.5% 4-3-1-32 20.0% 4-0-0-27 12.9%
G2 1-0-0-17 5.6% 2-1-3-13 31.6% 1-1-3-21 19.2% 3-1-3-10 41.2%
G1 2-0-0-21 8.7% 2-3-2-26 21.2% 5-4-3-23 34.3% 0-1-0-26 3.7%

表1は、この時期に行われる3重賞のほか、12年より7月の中〜下旬に移動した函館2歳S(11年までは8月)も含めた4競走について、12〜14年の出走馬が同年〜翌年のオープン・重賞で残した成績を調べたものである。たとえば12年の函館2歳S出走馬であれば、その次走以降、13年末までの成績を集計している。また「G外」は、格付けのない重賞である。
まず目につくのは、札幌2歳S組のG1成績【5.4.3.23】複勝率34.3。札幌2歳S出走馬が同年や翌年のG1に出走すれば、3回に1回は馬券に絡んでいることになる。また、新潟2歳S組もG1で複勝率21.2%とまずまずの成績を残している。対して小倉2歳Sは、12年9着のクロフネサプライズが阪神JFで2着になったのみ。函館2歳S組のG1〜G2の3勝は、後に札幌2歳Sにも駒を進めたロゴタイプ(函館2歳S4着)1頭によるものである。そして「オープン・G外」に目を移すと、こちらは函館2歳Sや新潟2歳S出走馬が数多く優勝しているという結果だ。

■表2 2〜3歳時にG1で好走した札幌2歳S出走馬(13年は函館代替)

馬名 札幌2歳S 好走G1 人気 着順
12 ロゴタイプ 8番人気4着 朝日杯FS 7 1
皐月賞G1 1 1
コディーノ 3番人気1着 朝日杯FS 1 2
皐月賞G1 3 3
マイネルホウオウ 4番人気9着 NHKマイルC 10 1
13 レッドリヴェール 2番人気1着 阪神JF 5 1
桜花賞 2 2
バウンスシャッセ 5番人気14着 オークス 3 3
マイネルフロスト 1番人気5着 日本ダービー 12 3
14 レッツゴードンキ 7番人気3着 阪神JF 2 2
桜花賞 5 1
アルマワイオリ 10番人気6着 朝日杯FS 14 2

2013/8/31 函館11R 札幌2歳ステークス(G3)1着 1番 レッドリヴェール

表2は、2〜3歳時のG1で3着以内に入った札幌2歳S出走馬である。札幌2歳Sは現在の時期になる以前から、後のダービー馬・ジャングルポケット(00年)やロジユニヴァース(08年)などが出走し、高いレベルで争われていた印象の強いレースだったが、施行時期が繰り上がっても毎年G1馬を輩出している。また、馬券圏外に敗れた馬も5頭が含まれており、たとえ札幌2歳Sで大敗を喫しても、まだまだ後のG1で期待が持てるというデータだ。逆に言えば、ここで好走すればG1での活躍が約束されるほどでもないため、POGの指名馬やクラブの出資馬が今週の札幌2歳Sに出走する方は、その結果に一喜一憂することなく走りを見守りたい。少々気になるのは、連対はNHKマイルCまでで、オークス・ダービーは3着止まりという点だろうか。ただ、わずか3年のデータであり、先にも触れたように以前の出走馬からはダービー馬も輩出している。

■表3 各2歳S出走馬の同年次走以降成績(12〜14年2歳S出走馬)

クラス 函館2歳S 新潟2歳S 札幌2歳S 小倉2歳S
着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率
OP・G外 4-4-2-31 24.4% 5-3-2-17 37.0% 1-2-2-13 27.8% 2-1-0-14 17.6%
G3 1-0-1-9 18.2% 2-2-0-4 50.0% 1-1-0-8 20.0% 2-0-0-6 25.0%
G2 0-0-0-5 0.0% 0-1-3-6 40.0% 0-0-0-5 0.0% 2-1-2-2 71.4%
G1 1-0-0-10 9.1% 0-1-0-11 8.3% 2-3-0-3 62.5% 0-1-0-10 9.1%

表3は、表1のデータを2歳戦に絞ったもの。やはりG1成績が良いのは札幌2歳S出走馬だが、2歳G1にかぎると【2.3.0.3】で連対率62.5%と、より高確率で連対を果たしていることがわかる。また、この表でもうひとつ注目したいのは、小倉2歳S出走馬の2歳G2での安定感で、【2.1.2.2】複勝率71.4%を記録している(表1の2〜3歳G2では複勝率41.2%)。

■表4 2〜3歳時にG2で好走した小倉2歳S出走馬

馬名 小倉2歳S 次走 好走G2 人気 着順
12 クラウンレガーロ 6番人気2着 デイリー杯2歳S 3 2
マイネルエテルネル 2番人気1着 デイリー杯2歳S 2 3
13 ホウライアキコ 2番人気1着 デイリー杯2歳S 2 1
ラブリープラネット 3番人気3着 京王杯2歳S 2 3
ベルカント 1番人気2着 ファンタジーS1着 フィリーズR 2 1
ベルルミエール 9番人気10着 500万2着 ニュージーランドT 8 3
14 セカンドテーブル 6番人気7着 京王杯2歳S 11 1

その小倉2歳S出走馬のG2好走例が表4である(3歳時も含む)。表3にあった2歳G2の好走馬5頭は、すべて次走のデイリー杯2歳S、または京王杯2歳Sで馬券に絡んでいる。残る2頭、ベルカントとベルルミエールは翌年3歳G2の好走馬で、ともに牝馬。そして、小倉2歳Sの次走で馬券に絡んでいたことも共通点だ。また、表1本文で触れた12年のクロフネサプライズも、小倉2歳S9着→りんどう賞1着→阪神JF2着と、小倉2歳Sの次走で勝利を収めており、小倉2歳S出走馬が同年〜翌年のG2以上で好走するには次走がカギになると言えるだろう。なお、ベルルミエール以外は次走が距離延長の1400m以上である。

■表5 各2歳S出走馬の翌年成績(12〜14年2歳S出走馬)

クラス 函館2歳S 新潟2歳S 札幌2歳S 小倉2歳S
着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率 着別度数 複勝率
OP 3-1-4-25 24.2% 2-3-0-18 21.7% 2-2-2-15 28.6% 1-2-1-26 13.3%
G3 0-1-1-14 12.5% 2-1-2-21 19.2% 3-2-1-24 20.0% 2-0-0-21 8.7%
G2 1-0-0-12 7.7% 2-0-0-7 22.2% 1-1-3-16 23.8% 1-0-1-8 20.0%
G1 1-0-0-11 8.3% 2-2-2-15 28.6% 3-1-3-20 25.9% 0-0-0-16 0.0%

2013/8/25 阪神11R 新潟2歳ステークス(G3)1着 17番 ハープスター

続いて表5は、各2歳S出走馬の翌年(3歳時)の成績だ。こちらはG1からG3まで、新潟2歳Sと札幌2歳Sでほぼ互角の複勝率を記録している。ここで注意したいのは新潟2歳S組で、G1好走6回のうち5回は13年の1、2着馬・ハープスターとイスラボニータが記録したもの。G2の2勝も両馬によるものである。

■表6 新潟2歳S出走馬のうち、同年・翌年のG1で好走した馬(過去10年)

馬名 新潟2歳S 同年、翌年G1成績 主なG1成績
07 エフティマイア 4番人気1着 0-2-0-3 桜花賞2着、オークス2着
タケミカヅチ 1番人気6着 0-1-0-1 皐月賞2着
08 セイウンワンダー 1番人気1着 1-0-2-2 朝日杯FS1着、皐月賞3着
13 ハープスター 1番人気1着 1-2-0-1 桜花賞1着、オークス2着
イスラボニータ 4番人気2着 1-1-1-1 皐月賞1着、ダービー2着
14 ミュゼスルタン 3番人気1着 0-0-1-1 NHKマイルC3着

その新潟2歳S出走馬は、G1で1度馬券に絡むと、2度以上好走する傾向が強い。表6は新潟2歳S出走馬の、過去3年ではなく過去10のG1好走馬を見たものだが、上記ハープスター、イスラボニータのほか、クラシックで波乱の立役者となったエフティマイア、そして2歳王者のセイウンワンダーもこれに該当。現時点ではNHKマイルC3着のみのミュゼスルタンは、秋のG1を残している。新潟2歳S出走馬が、2歳G1や3歳最初の桜花賞・皐月賞あたりで好走すると、後のG1でも楽しみが広がりそうだ。

以上、ここ3年の夏の2歳S出走馬を中心に、その後の成績についていくつかデータを調べてみた。やはり後のG1に繋がりやすいのは、1800mの札幌2歳S、1600mの新潟2歳Sと、この時期としては距離が長めのレースという結果である。一方、同時期の1200m戦・小倉2歳Sからは、00年代中盤までタムロチェリー(01年阪神JF)やコスモサンビーム(03年朝日杯FS)など後のG1馬、G1好走馬も少なからず出ていたが、近年の重賞好走はG2までが中心となっている。

また、9月末〜10月に札幌2歳(3歳)Sや函館3歳Sが行われていた時代は、前記のジャングルポケットなどのほか、ナリタブライアン(93年9月末の函館3歳S6着)などダービー馬も出現していたのに対し、9月上旬までの2歳S出走馬となると、なかなかダービーを勝つには至っていない。そしてオークス馬も、メジロドーベル(96年新潟3歳S5着)や、ウメノファイバー(98年函館3歳S4着)あたりから途絶えている。当時より2歳戦の開始が早まっている中、今年は夏の2歳S出走馬から、後のダービー馬、オークス馬が誕生するかどうかにも注目したい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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