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第936回 5つのチェックポイントで新潟2歳Sを読む

2015/8/27(木)

今週日曜に組まれている重賞はキーンランドCと新潟2歳S。昨年の当週はキーンランドCを取り上げたので、今回は新潟2歳Sを分析したい。2年前にはのちにクラシックホースとなるハープスターとイスラボニータがワンツーを決め、昨年の勝ち馬ミュゼスルタンも今年のNHKマイルCで3着に入るなど、新潟2歳SからG1戦線へと躍進する例が目立つようになってきている。注目の2歳重賞を過去10年のレース傾向から読み解きたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4-  2-  1-  3/ 10 40.0% 60.0% 70.0% 123% 101%
2番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 38% 50%
3番人気 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 104% 56%
4番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 209% 110%
5番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
6番人気 0-  0-  2-  8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 78%
7番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 1-  0-  3-  6/ 10 10.0% 10.0% 40.0% 263% 261%
10番人気以下 0-  6-  0- 80/ 86 0.0% 7.0% 7.0% 0% 80%

表1は人気別成績。過去10年の1着馬のうち9頭は1〜4番人気から出ており、人気薄の1着は9番人気のマイネイサベルが勝った10年のみ。馬単や3連単などの1着欄には人気どころから抜擢したほうがいいだろう。その一方で、2着には10番人気以下が突っ込んだ例が6回もある。3着にも9番人気が3回入っており、2、3着には穴馬を何頭か交えておきたいところだ。

■表2 キャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1戦 6-  6-  6- 71/ 89 6.7% 13.5% 20.2% 60% 85%
2戦 4-  4-  1- 55/ 64 6.3% 12.5% 14.1% 31% 85%
3戦 0-  0-  3- 19/ 22 0.0% 0.0% 13.6% 0% 30%
4戦 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2はキャリア別成績。注目すべきは、過去10年の連対馬20頭はキャリア1戦か2戦の馬に占められており、キャリア3戦以上の馬は好走しても3着までという点である。また、キャリア1戦とキャリア2戦を比較しても、キャリア1戦のほうが好走率は高い。キャリアの浅い2歳馬による重賞ではあるが、レース経験がアドバンテージには直結しないレースとなっている。

■表3 左回りコースの出走経験の有無

左回り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
経験あり 9- 10-  7-115/141 6.4% 13.5% 18.4% 50% 87%
経験なし 1- 0- 3-30/34 2.9% 2.9% 11.8% 7% 41%

前項で経験したレースの数はあまり重要ではないと述べたが、いくつか経験しておきたいことはある。そのひとつが左回りの経験だ。表3の通り、新潟2歳Sと同じ左回りの出走経験を持つ馬のほうが5項目すべてで数値が良く、連対馬にはその傾向が顕著に表れている。過去10年、左回りの出走経験がなかったのに連対を果たしたのは、08年1着のセイウンワンダーしかいない。同馬は、のちに朝日杯FSを勝ち、皐月賞や菊花賞でも3着に入るほどの馬。そのぐらいの実力馬でなければ、この不利を覆して連対するのは難しいと考えるべきだろう。

■表4 上がり1位か2位を記録して1着した実績の有無

上がり1、2位で1着 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
実績あり 9- 10-  9-109/137 6.6% 13.9% 20.4% 34% 93%
実績なし 1- 0- 1-36/38 2.6% 2.6% 5.3% 69% 26%

新潟2歳Sが行なわれる芝1600mには日本最長658.7mの直線が最後に待ち構えており、その長い直線で鋭い末脚を繰り出した馬が好走することが多い。そこでチェックしておきたいのが、それまでのレースで「上がり1位か2位を記録して1着した実績の有無」である。それを示したのが表4で、この経験を持つ馬の好走率が明らかに高い。すでに上がり1位か2位の鋭い末脚を繰り出して1着した実績を持つ馬を重視したい。

■表5 1400m以上の出走経験の有無

1400m以上 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
経験あり 10-  8-  8-116/142 7.0% 12.7% 18.3% 51% 77%
経験なし 0- 2- 2-29/33 0.0% 6.1% 12.1% 0% 84%

表5は、1400m以上の出走経験があった馬となかった馬の成績を比較したものである。この表を見れば、過去10年の1着馬はすべて1400m以上の出走経験を持っていたことがわかるだろう。裏を返すと、1400m未満のレースにのみ出走していた馬は割引が必要と考えたい。

■表6 前走距離別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1200m 0-  1-  2- 25/ 28 0.0% 3.6% 10.7% 0% 69%
1400m 6-  3-  4- 61/ 74 8.1% 12.2% 17.6% 77% 80%
1600m 4-  4-  3- 26/ 37 10.8% 21.6% 29.7% 45% 116%
1800m 0-  1-  1- 26/ 28 0.0% 3.6% 7.1% 0% 25%
※前走の集計対象は芝のみ

表6は前走距離別の成績で、ここでは前走が芝だった馬のみを集計対象とした。この表を見ると、前走が芝1400mか1600mだった馬に好走例が集中していることが一目瞭然となっている。特に新潟2歳Sと同じ1600mを走っていた馬の好走率が高い。一方、前走で芝1800mを走っていた馬は意外なほど不振にあえいでいる。複勝率ベースでは、前走芝1200mから400mの距離延長となる馬にも及ばない数値にとどまっている。新潟2歳Sでは芝1800mからの距離短縮馬は不利なようだ。

■表7 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 6-  6-  6- 71/ 89 6.7% 13.5% 20.2% 60% 85%
未勝利 2-  2-  1- 33/ 38 5.3% 10.5% 13.2% 23% 60%
オープン特別 2-  2-  3- 41/ 48 4.2% 8.3% 14.6% 23% 81%

表2の項で確認したキャリア別成績と似たような意味もあるが、前走クラス別成績も確認しておきたい。勝率もしくは連対率ベースで見ると、数値が高いのは新馬戦、未勝利戦、オープン特別の順となっている。複勝率ベースでも数値がもっとも優秀なのは新馬戦。つまり、新馬戦を勝ち上がったばかりの馬がもっとも好走しやすいことになる。このデータを見ても、新潟2歳Sはキャリア不問のレースと言えるだろう。

■表8 前走オープン特別出走馬の前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着 1- 0- 2- 5/ 8 12.5% 12.5% 37.5% 97% 71%
2着 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 41% 43%
3着以下 0- 2- 0-27/29 0.0% 6.9% 6.9% 0% 101%

表8は、前走でオープン特別に出走した馬の前走着順別成績。わかりやすい傾向が出ており、1着か2着だった馬なら好走のチャンスは十分にあるが、3着以下に終わっていた馬はかなり厳しくなる。前走オープン特別組は、前走の着順を素直に評価したい。

【結論】

■表9 2015年新潟2歳S登録馬

2015/6/7 東京5R サラ2歳新馬1着 14番 ロードクエスト

2015/8/8 新潟5R サラ2歳新馬1着 11番 ウインミレーユ

馬名 項目1 項目2 項目3 項目4 項目5
ウインファビラス  
ウインミレーユ
エポック      
カネノイロ
カミノライデン    
キャプテンペリー      
シトロン  
タニセンビクトリー  
トウショウドラフタ  
トモジャクール  
ノーフォロワー    
ヒプノティスト  
ファド
プリンシパルスター  
ペルソナリテ
マコトルーメン      
ルグランフリソン  
ロードクエスト

ここまで述べてきた内容にしたがって、今年の新潟2歳S登録馬18頭をチェックしていきたい。チェック項目は「1:キャリア2戦以内」「2:左回り経験あり」「3:上がり1位か2位で1着の経験あり」「4:1400m以上の出走経験あり」「5:前走は芝1400mか1600m」の5つ。また、前走でオープン特別に出走した馬に関しては、その前走で2着以内に入っていたかどうかもチェックする。

この5項目を満たしたかどうかを一覧にまとめたのが表9で、5項目すべてをクリアしたのはウインミレーユカネノイロ、ファド、ペルソナリテロードクエストの5頭となった。このうち、前走でオープン特別に出走していたのがファドとペルソナリテで、前者は4着、後者は1着という結果だった。したがって、前述の通り、ファドは1枚割り引くこととする。

ファドを除く4頭の比較では、前走が芝1400mだったカネノイロとペルソナリテより、前走が芝1600mだったウインミレーユとロードクエストを上位にとってみたい。ウインミレーユは新潟、ロードクエストは東京と競馬場は異なるが、2頭とも33秒台で上がり1位の末脚を繰り出して前走の新馬戦を勝ち上がったことで共通している。新潟のほうが速い上がりを出しやすい傾向があるだけに、新潟で上がり33秒6のウインミレーユより東京で上がり33秒2を記録したロードクエストの価値がより高いかもしれない。いずれにしても、2頭とも楽しみな存在であることは間違いないだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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