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第927回 「夏の新潟における関西馬」を考察する

2015/7/27(月)

中央競馬は、今週末から新潟、小倉、札幌の開催がスタートする。そのなかでも、今回は新潟に注目してみたい。近年、夏の新潟でデビューする関西所属の良血2歳馬が増加するなど、「夏の新潟における関西馬」の活躍がこれまで以上に目立つようになってきた印象がある。印象にとどめておくのではなく、実際に狙えるだけのデータは出ているのか、狙えるとしたらどんな条件なのかを調べてみるのが重要だ。集計期間は、夏の新潟が現行の6週12日の開催となった2013年と2014年の2年分。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 「夏の新潟」関東馬と関西馬の成績比較

所属 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
関東馬 229- 243- 249-3273/3994 5.7% 11.8% 18.1% 64% 70%
関西馬 59-  44-  39- 337/ 479 12.3% 21.5% 29.6% 100% 70%

表1は、夏の新潟における関東馬と関西馬の成績を比較したものである。この表を見れば、夏の新潟で関西馬が優秀な成績を収めていることは一目瞭然だ。なかでも勝率と単勝回収率という1着に関する数値で、関東馬に大きな差をつけているのが目を引く。関東馬と関西馬でどちらを上位にとるかを迷ったケースなどでは、関西馬の先着を予想したほうがいい結果を生むことが多いだろう。

■表2 「夏の新潟の関西馬」騎手所属別成績

騎手所属 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
関東 33- 27- 21-217/298 11.1% 20.1% 27.2% 103% 71%
関西 24- 17- 18-113/172 14.0% 23.8% 34.3% 89% 69%
地方 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
外国 2-  0-  0-  6/  8 25.0% 25.0% 25.0% 215% 62%

表2は、夏の新潟に出走した関西馬に、関東、関西、地方、外国所属の騎手がそれぞれ騎乗したときの成績を比較したものである。地方所属と外国所属の騎手はいずれも出走例が非常に少ないので、関東騎手と関西騎手に絞ってデータを見ていきたい。まず、好走率に関する3項目(勝率、連対率、複勝率)については、すべて関西騎手のほうが高い数値を残していることがわかる。騎手ともども関西からの遠征となるだけあって、しっかりと好走したいという意気込みがうかがえるようなデータと言えるだろう。その一方で、単複の回収率はどちらも関東騎手が騎乗したほうが高く、馬券的な妙味ではこちらのほうが上。確実に的中を狙いたい場合と、高配当を狙いたい場合で使い分けるとよさそうだ。

■表3 「夏の新潟の関西馬」騎手別成績(着別度数順)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
福永祐一 6- 3- 3- 9/21 28.6% 42.9% 57.1% 80% 85%
岩田康誠 5- 3- 5-18/31 16.1% 25.8% 41.9% 49% 64%
戸崎圭太 4- 3- 2-23/32 12.5% 21.9% 28.1% 23% 50%
田辺裕信 4- 0- 2- 7/13 30.8% 30.8% 46.2% 231% 129%
内田博幸 3- 4- 0-22/29 10.3% 24.1% 24.1% 27% 34%
北村宏司 3- 1- 2-10/16 18.8% 25.0% 37.5% 210% 101%
大野拓弥 3- 1- 0-12/16 18.8% 25.0% 25.0% 109% 45%
柴田大知 3- 0- 2-13/18 16.7% 16.7% 27.8% 121% 95%
難波剛健 3- 0- 1- 5/ 9 33.3% 33.3% 44.4% 264% 115%
横山典弘 2- 5- 1-12/20 10.0% 35.0% 40.0% 28% 62%
蛯名正義 2- 3- 2-13/20 10.0% 25.0% 35.0% 35% 68%
田中勝春 2- 2- 3- 8/15 13.3% 26.7% 46.7% 109% 134%
北沢伸也 2- 0- 0- 3/ 5 40.0% 40.0% 40.0% 178% 60%
石橋脩 1- 2- 3-20/26 3.8% 11.5% 23.1% 203% 107%
柴田善臣 1- 2- 2- 8/13 7.7% 23.1% 38.5% 39% 122%

2014/8/17 新潟11R 関屋記念(G3)1着 13番 クラレント

では、具体的にどの騎手が、夏の新潟に出走した関西馬で好成績を収めているのだろうか。それを示したのが表3である。最多の6勝をマークしているのが福永祐一騎手で、2回に1回以上の確率で3着以内に入る安定感は抜群だ。単複の回収率は水準級で、かなり人気になっている様子も見受けられるが、これだけ馬券圏内に絡むとなるとやはり無視はできない。福永騎手以上に過剰人気の傾向が見られるのが、勝利数2位の岩田康誠騎手や3位タイの戸崎圭太騎手で、いささか注意が必要だ。その点、戸崎騎手と並ぶ4勝を挙げた田辺裕信騎手は好走率、回収率ともに申し分なく、絶好の狙い目となりそうだ。1番人気に一度も騎乗していないのに勝率30.8%と非常に優秀で、14年関屋記念でも4番人気のクラレントで勝利している。

■表4 「夏の新潟の関西馬」厩舎別成績(着別度数順)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
森秀行 7- 2- 1- 7/17 41.2% 52.9% 58.8% 215% 118%
中竹和也 3- 1- 1- 7/12 25.0% 33.3% 41.7% 167% 83%
安田隆行 3- 1- 0- 8/12 25.0% 33.3% 33.3% 75% 50%
矢作芳人 2- 4- 1- 6/13 15.4% 46.2% 53.8% 110% 105%
音無秀孝 2- 2- 1- 6/11 18.2% 36.4% 45.5% 60% 118%
池江泰寿 2- 1- 1- 9/13 15.4% 23.1% 30.8% 25% 36%
谷潔 2- 1- 0- 0/ 3 66.7% 100.0% 100.0% 466% 193%
橋口弘次郎 2- 0- 3- 7/12 16.7% 16.7% 41.7% 165% 130%
村山明 2- 0- 1- 6/ 9 22.2% 22.2% 33.3% 581% 87%
川村禎彦 2- 0- 0- 9/11 18.2% 18.2% 18.2% 521% 157%
西園正都 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 138% 48%
松元茂樹 2- 0- 0- 4/ 6 33.3% 33.3% 33.3% 290% 73%
羽月友彦 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 305% 130%
石坂正 1- 3- 0- 7/11 9.1% 36.4% 36.4% 51% 95%
松田博資 1- 2- 1- 5/ 9 11.1% 33.3% 44.4% 28% 101%

表4は、夏の新潟に出走した関西馬の厩舎別成績を示したもので、もちろん関西所属の厩舎が並んでいる。注目は、ダントツの7勝をマークした森秀行厩舎。芝ダートを問わず1400m以下で【5.0.1.2】と抜群なので、短距離戦に出てきたら是非とも狙ってみたい。

■表5 「夏の新潟の関西馬」人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 29- 14-  6- 17/ 66 43.9% 65.2% 74.2% 106% 100%
2番人気 8-  8-  3- 26/ 45 17.8% 35.6% 42.2% 81% 70%
3番人気 6-  8-  9- 19/ 42 14.3% 33.3% 54.8% 98% 115%
4番人気 4-  5-  5- 29/ 43 9.3% 20.9% 32.6% 76% 76%
5番人気 4-  3-  4- 27/ 38 10.5% 18.4% 28.9% 110% 84%
6番人気 3-  2-  5- 25/ 35 8.6% 14.3% 28.6% 116% 96%
7番人気 2-  0-  3- 28/ 33 6.1% 6.1% 15.2% 145% 70%
8番人気 0-  1-  2- 25/ 28 0.0% 3.6% 10.7% 0% 44%
9番人気 1-  2-  1- 21/ 25 4.0% 12.0% 16.0% 184% 76%
10番人気 0-  1-  0- 25/ 26 0.0% 3.8% 3.8% 0% 30%
11番人気 0-  0-  0- 20/ 20 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
12番人気 2-  0-  1- 17/ 20 10.0% 10.0% 15.0% 613% 146%
13番人気 0-  0-  0- 17/ 17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0- 15/ 15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0- 15/ 15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
17番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は、夏の新潟に出走した関西馬の人気別成績。これを見ると、ひとケタ人気(1〜9番人気)に収まっていれば総じて優秀な数値を残していることがわかる。なかでも1番人気の成績は抜群で、無理に逆らうと裏目に出てしまうケースが多くなりそうだ。ところが、ふたケタ人気(10番人気以下)になると好走例が激減してしまう。12番人気のみ好成績を残しているが、ここに必然性を見出すのは難しく、たまたま好走が偏っただけと考えるのが自然だろう。夏の新潟に遠征しながらふたケタ人気に甘んじた関西馬には、それ相応の理由があると考えるべきなのかもしれない。

■表6 「夏の新潟の関西馬」クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 12-  9-  9- 46/ 76 15.8% 27.6% 39.5% 55% 82%
未勝利 6-  5-  0- 19/ 30 20.0% 36.7% 36.7% 191% 72%
500万下 5-  6-  2- 16/ 29 17.2% 37.9% 44.8% 282% 95%
1000万下 16-  8-  9- 84/117 13.7% 20.5% 28.2% 131% 85%
1600万下 7-  5-  5- 49/ 66 10.6% 18.2% 25.8% 43% 49%
オープン特別 7-  4-  6- 46/ 63 11.1% 17.5% 27.0% 142% 61%
重賞 6-  7-  8- 77/ 98 6.1% 13.3% 21.4% 26% 53%

表6は、夏の新潟に出走した関西馬のクラス別成績。未勝利戦と500万下は好走率、回収率ともに優秀で、1000万下も上々の回収率を記録している。これらの条件に出てきた関西馬は狙ってみる価値が高い。一方、重賞はイマイチで、5項目中4項目で最低の数値を記録している。また、新馬戦は好走率こそ高いが、特に単勝回収率は振るわない。夏の新潟では、重賞や新馬戦といった注目を集めるクラスに出走した関西馬が過剰に売れる傾向があるようだ。

■表7 「夏の新潟の関西馬」前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同クラス 29- 23- 21-228/301 9.6% 17.3% 24.3% 100% 56%
昇級戦 14- 11-  6- 49/ 80 17.5% 31.3% 38.8% 122% 101%
降級戦 4-  1-  1- 11/ 17 23.5% 29.4% 35.3% 222% 88%

夏競馬はクラス再編が行なわれる時期でもある。そこで、前走でも同クラスに出走する馬、昇級戦となる馬、降級戦となる馬の成績についても確認しておきたい。それが表7。これを見る限り、前走と同クラスに出走する馬ではなく、昇級戦でも降級戦でもいいので前走とは異なるクラスに出走する馬が狙い目と言える。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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