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第912回 春のマイル王決定戦・安田記念で有利な馬とは?

2015/6/4(木)

不良馬場で行なわれた昨年の安田記念は、圧倒的1番人気に推されたジャスタウェイが世界ナンバーワンホースの意地と言える末脚を爆発させ、ハナ差で1着をもぎとった。そのジャスタウェイが昨年限りで引退したこともあり、今年の安田記念では新たなマイル王者が誕生しそうだ。過去10年のデータ分析からレース傾向を読み解き、すこしでも馬券的中に近づけたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 3-  0-  0-  7/ 10 30.0% 30.0% 30.0% 75% 42%
2番人気 3-  1-  0-  6/ 10 30.0% 40.0% 40.0% 152% 76%
3番人気 1-  2-  1-  6/ 10 10.0% 30.0% 40.0% 64% 112%
4番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5番人気 0-  2-  2-  6/ 10 0.0% 20.0% 40.0% 0% 164%
6〜9番人気 3-  1-  3- 33/ 40 7.5% 10.0% 17.5% 138% 101%
10番人気以下 0-  4-  4- 81/ 89 0.0% 4.5% 9.0% 0% 79%

表1は人気別成績。上位人気から見ていくと、1番人気と2番人気が3勝ずつを挙げているが、どちらも安定感は見られない。3番人気や5番人気も遜色ない複勝率を残しており、過去10年は総じて混戦模様だったことがうかがえる。以下、6〜9番人気の中穴馬や、10番人気以下の大穴馬が3着以内に突っ込んだ例も少なくない。安田記念は人気にとらわれることなく、柔軟に対応したほうが的中につながるG1レースと言えそうだ。

■表2 枠番別成績(良馬場のみ)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 2- 1-14/18 5.6% 16.7% 22.2% 24% 65%
2枠 3- 1- 3-11/18 16.7% 22.2% 38.9% 82% 167%
3枠 1- 2- 0-15/18 5.6% 16.7% 16.7% 22% 35%
4枠 1- 0- 1-16/18 5.6% 5.6% 11.1% 68% 71%
5枠 1- 1- 0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 22% 38%
6枠 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0% 57%
7枠 1- 1- 0-25/27 3.7% 7.4% 7.4% 108% 54%
8枠 1- 1- 3-22/27 3.7% 7.4% 18.5% 51% 106%

表2は枠番別成績。ただし、不良馬場で行なわれた14年は除外し、良馬場で行なわれた05〜13年の9年間を集計の対象とした。複勝率ベースで見たときに顕著なのが、内の1、2枠の好走確率が高いこと。特に、2枠からは勝ち馬3頭を含む7頭が好走を果たし、複勝率38.9%、複勝回収率167%と抜群の数値が残っている。良馬場の場合は内枠、なかでも2枠に入った馬に注目してみたい。なお、不良馬場となった昨年は、5枠に入った1番人気のジャスタウェイが勝ち、16番人気のグランプリボスと10番人気のショウナンマイティという6枠2頭がそれぞれ2、3着に激走を果たしている。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 1-  0-  0-  2/  3 33.3% 33.3% 33.3% 976% 236%
4歳 1-  3-  1- 32/ 37 2.7% 10.8% 13.5% 11% 62%
5歳 3-  3-  3- 52/ 61 4.9% 9.8% 14.8% 12% 53%
6歳 4-  1-  6- 35/ 46 8.7% 10.9% 23.9% 81% 148%
7歳 1-  3-  0- 20/ 24 4.2% 16.7% 16.7% 26% 82%
8歳以上 0-  0-  0-  8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は年齢別成績。出走数が少ない3歳馬を除くと、勝率と複勝率がもっとも高いのは6歳馬、連対率がもっとも高いのは7歳馬となっている。さすがに8歳以上は苦しいが、6、7歳なら十分に圏内と見るべきだろう。一方、走り盛りの4、5歳馬は思った以上に低調。4、5歳馬の単勝回収率はいずれも10%強と非常に低く、相当な人気馬でなければ勝ち切れないようだ。

■表4 前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
京王杯SC・G2 2- 2- 1-41/46 4.3% 8.7% 10.9% 41% 53%
ドバイDF・G1 2- 1- 0- 1/ 4 50.0% 75.0% 75.0% 152% 265%
ヴィクトリアマイル・G1 2- 0- 1-14/17 11.8% 11.8% 17.6% 34% 52%
チャンピオンズマイル・G1(香港) 1- 1- 2-20/24 4.2% 8.3% 16.7% 26% 73%
高松宮記念・G1 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 66% 33%
NHKマイルC・G1 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 976% 236%
メイS 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1390% 470%
マイラーズC・G2 0- 2- 5-30/37 0.0% 5.4% 18.9% 0% 102%
産経大阪杯・G2 0- 2- 1- 2/ 5 0.0% 40.0% 60.0% 0% 188%
都大路S(1600m施行時のみ) 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 128%
マイルCS・G1 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 2200%
※好走例のあるレースのみ

表4は前走レース別成績。出走例が多いのは、前哨戦に位置づけられる京王杯SCとマイラーズCの両G2だ。しかし、前者は好走率、回収率ともに低調で、後者からは1着馬が出ていない。もちろん無視はできないが、有利なローテーションと言えないことも事実だろう。ヴィクトリアマイル組は、2勝したウオッカを除けば3着が1回あるのみ。高松宮記念組とNHKマイルC組も1着馬を1頭ずつ出してはいるものの、それ以外の馬はすべて4着以下に敗れており、これらも相性のいいローテーションとは言いづらい。なお、今年は海外馬のエントリーはなかったが、香港のチャンピオンズマイル組は08年を最後に好走例がなく、近年は不振だ。

では、どの組の好走確率が高いかといえば、前走で安田記念より長い距離のレースを走っていた馬たちである。なかでも4頭が出走して2勝2着1回のドバイDF組は、抜群の成績を残している。そのほか、産経大阪杯(2000m)やメイS(1800m・今年はモンゴル大統領賞として施行)からの臨戦となる馬も、該当馬がいれば注目してみたい。

■表5 京王杯SC組・前走上がり3F順位別成績

前走上がり3F順位 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1位 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 60%
2位 2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 211% 224%
3位以下 0- 0- 0-30/30 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は京王杯SC組の前走上がり3F順位別成績で、非常にわかりやすい傾向が出ている。ご覧の通り、この組の好走は京王杯SCで上がり1位か2位の脚を使った馬に限られており、上がり3位以下だった延べ30頭はすべて4着以下に終わっているのだ。さらに言えば、京王杯SCで上がり2位だった馬の数値が非常に高く、狙ってみる価値は大いにあるだろう。

■表6 マイラーズC組・種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
サンデーサイレンス系 0- 0- 1-17/18 0.0% 0.0% 5.6% 0% 37%
サンデーサイレンス系以外 0- 2- 4-13/19 0.0% 10.5% 31.6% 0% 163%

表6はマイラーズC組の成績を、父がサンデーサイレンス系の馬と、父がサンデーサイレンス系以外の馬で分けたものである。そして、非常に興味深いことに、後者のほうがハッキリと好走確率が高いのだ。もちろん、マイラーズC組では父サンデーサイレンス系以外の馬を重視すべきだろう。

■表7 マイラーズC組・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1、2着 0- 1- 0-10/11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 29%
3〜9着 0- 1- 5-12/18 0.0% 5.6% 33.3% 0% 192%
10着以下 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

マイラーズC組でもうひとつ確認しておきたいのが、表7の前走着順別成績である。ご覧の通り、マイラーズCで1、2着だった馬を、3〜9着だった馬が逆転する傾向が見られるからだ。なお、さすがに10着以下に敗れた馬では苦しい。

表6と表7のデータを合わせて考えると、マイラーズC組の狙いどころは3〜9着だった父サンデーサイレンス系以外の馬ということになる。

■表8 国内G1で1〜3着経験があるかないか(日本馬のみ)

G1で1〜3着経験 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 7- 7- 3-75/92 7.6% 15.2% 18.5% 56% 89%
なし 2- 2- 5-53/62 3.2% 6.5% 14.5% 42% 82%

表8は、出走時までにG1で1〜3着に入った経験を持つ馬と、持たない馬の成績を分けたものである。これを見ると、G1で1〜3着に入った経験は必須とまでは言えないが、安田記念で1、2着に入るためにはなるべく持っていたほうがいいことがわかる。また、G1の1〜3着経験を持たないのに安田記念で連対を果たした4頭は、05年1着のアサクサデンエン(前走京王杯SC1着)、07年2着のコンゴウリキシオー(前走マイラーズC1着)、10年1着のショウワモダン(前走メイS1着)、11年2着のストロングリターン(前走京王杯SC1着)と、すべて前走1着だったことで共通している。

■表9 東京芝1着の経験があるかないか(日本馬のみ)

東京芝1着経験 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 8-  6-  3- 85/102 7.8% 13.7% 16.7% 72% 86%
なし 1- 3- 5-43/52 1.9% 7.7% 17.3% 7% 86%

最後に確認しておきたいのが、東京芝で1着経験を持っているかどうか。表9の通り、これも経験がなければ好走できないというわけではないものの、安田記念で1、2着に入るためには東京芝で1着の経験を持っているに越したことはないのは明らかだ。過去10年、東京芝1着経験を持たずに勝った唯一の日本馬は、13年のロードカナロアのみだった。

【結論】

2013/5/11 東京11R 京王杯スプリングC(G2)1着 15番 ダイワマッジョーレ

2015/2/22 小倉11R 小倉大賞典(G3)1着 6番 カレンブラックヒル

今年の安田記念登録馬18頭のうち、前走マイラーズC出走馬が6頭、前走京王杯SC出走馬が4頭と、両G2組だけで半数以上を占めている。まずは、この両レースからの有力馬を探していこう。

マイラーズC組で有力なのは「3〜9着だった父サンデーサイレンス系以外の馬」だった。これに該当するのは。マイラーズC5着で父がRedoute's Choiceのフルーキーしかいない。しかし、同馬は国内G1で1〜3着の経験も、東京芝で1着の経験も持たないため、3着までと考えるべきか。

次に、京王杯SC組は「上がり1位か2位」をマークしておくことが条件で、なかでも上がり2位の馬が優秀な成績を収めていた。該当するのは、京王杯SCで上がり1位を記録したヴァンセンヌ、同2位タイだったサクラゴスペルダイワマッジョーレである。この3頭では、京王杯SCで上がり2位を記録して、G1の1〜3着実績と東京芝1着実績をともに満たし、安田記念で好走確率の高い6歳でもあるダイワマッジョーレを最上位としたい。

東西の前哨戦G2組以外で注目したいのは、前走で安田記念より長い距離のレースを走っていた馬である。今年はカレンブラックヒルが該当。前走は産経大阪杯に出走していた。東京芝のG1で1着の実績も持っており、連対の可能性は十分だろう。

最後に、人気を集めると思われるモーリスにも触れておきたい。3連勝中で前走のダービー卿CTで見せた末脚は圧巻だったが、過去10年、前走ダービー卿CT組は好走例がない。また、東京芝で1着の経験をどちらも持たないこともマイナス材料で、能力があることは間違いないが、今回のデータからはあまり強くは推せないところである。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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