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第904回 傑出馬不在のNHKマイルCをデータで斬る!

2015/5/7(木)

今週末から東京でG1レースが5週連続開催される。その第一弾がNHKマイルC。今年の3歳マイルチャンピオンの座に輝くのはどの馬か。過去10年の結果から、今年の有力馬を探っていこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 5-  1-  0-  4/ 10 50.0% 60.0% 60.0% 171% 100%
2番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 39% 36%
3番人気 1-  2-  1-  6/ 10 10.0% 30.0% 40.0% 87% 109%
4番人気 0-  0-  2-  8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 46%
5番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 72%
6番人気 0-  1-  1-  8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 110%
7番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 77%
9番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 63%
10番人気以下 3-  2-  5- 80/ 90 3.3% 5.6% 11.1% 166% 189%

表1は人気別成績。1番人気は5勝2着1回で、4着以下が4回。好走時には勝ち切ることが多いものの、4着以下の凡走も少なくない。また、2、3番人気も特筆すべき成績とまでは言えない。むしろ注目したいのは10番人気以下の穴馬で、3勝を含む10頭もの馬が3着以内に入っている。昨年も17番人気のタガノブルグが2着、12番人気のキングズオブザサンが3着と、2頭が激走を果たした。見落としている人気馬がいないかどうか、しっかりと注意を払いたいところだ。

■表2 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 2-  0-  0-  8/ 10 20.0% 20.0% 20.0% 56% 31%
先行 2-  5-  2- 30/ 39 5.1% 17.9% 23.1% 112% 180%
中団 3-  4-  6- 71/ 84 3.6% 8.3% 15.5% 20% 97%
後方 3-  1-  2- 41/ 47 6.4% 8.5% 12.8% 240% 162%
※TARGET frontier JV による分類

表2は脚質別成績。「逃げ」で勝った2頭は、無傷の3連勝中だった12年のカレンブラックヒルと、新馬戦2着のあと重賞2勝を含む4連勝中だったミッキーアイルで、どちらも1番人気に推されていた。残り8頭の逃げ馬はすべて6着以下に敗れており、並の逃げ馬では掲示板を確保するのも難しいレースだ。手堅いのは「先行」で、穴をあけるのは「後方」。「中団」も好走例自体は多く、複勝回収率97%なら十分買える。逃げ以外はそれほど極端な有利不利はないと考えていいだろう。

■表3 出走時点の重賞1〜3着およびオープン特別1着の回数

回数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3回以上 4- 1- 1-14/20 20.0% 25.0% 30.0% 99% 62%
2回 4- 3- 2-32/41 9.8% 17.1% 22.0% 195% 90%
1回 2- 6- 6-82/96 2.1% 8.3% 14.6% 83% 149%
0回 0- 0- 1-22/23 0.0% 0.0% 4.3% 0% 169%

表3は、NHKマイルC出走時点の「重賞1〜3着およびオープン特別1着の回数」をカウントし、「3回以上」「2回」「1回」「0回」だった馬の成績をそれぞれ示したものである。この表を見ると、好走率を示す指標である勝率、連対率、複勝率がすべて「3回以上」「2回」「1回」「0回」の順で高いことがわかるはず。実績上位馬ほど好成績を収める確率が高いことが一目瞭然なので、過去の実績を軽視しないように注意したい。

■表4 前走コース別成績(着別度数順)

前走コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
中山・芝1600m 4- 2- 2-58/66 6.1% 9.1% 12.1% 131% 120%
阪神・芝1600m外 3- 0- 1-14/18 16.7% 16.7% 22.2% 458% 133%
阪神・芝1800m外 2- 1- 0- 6/ 9 22.2% 33.3% 33.3% 76% 55%
阪神・芝1600m 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 130% 266%
中山・芝2000m 0- 2- 4-22/28 0.0% 7.1% 21.4% 0% 167%
中山・芝1800m 0- 2- 0- 3/ 5 0.0% 40.0% 40.0% 0% 136%
京都・芝1400m外 0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 215%
中京・芝1400m 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 255%
阪神・芝1400m 0- 0- 2-14/16 0.0% 0.0% 12.5% 0% 53%
京都・芝1200m 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 407%
※好走例のあるコースのみ

表4は、前走コース別成績(好走例のあるコースのみ)。なお、表の4段目にある「阪神芝1600m」は阪神競馬場の改修以前に使われていたコースで、現在は使用されていないため、ここでは考慮しないこととする。

今回は、各コースを共通項に沿って4つに分類した。緑は「前走中山芝1600m組」で、ニュージーランドT組とほぼ同義と考えていい。ニュージーランドTがトライアルに指定されているだけあって出走例、好走例ともに多いが、好走率は低く、しっかりと取捨する必要がある。次いで、赤は「前走阪神芝1600、1800m組」。いずれも阪神芝の外回りを使用しており、具体的には桜花賞、毎日杯、アーリントンCなどが相当する。この組からは勝ち馬が多く出ており、該当する馬がいれば注目に値する。黄色は「前走中山芝1800、2000m組」で、皐月賞、スプリングS、弥生賞などが相当する。この組からは勝ち馬こそ出ていないが、好走率は高く、2、3着候補として有力だ。最後の青は「前走芝1400m以下組」。距離延長となることもあって勝ち馬は見当たらず、好走率も総じてイマイチ。ただし、複勝回収率は高く、この組の穴馬が2、3着に突っ込むケースには注意すべきだ。

■表5 ニュージーランドT組・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 41% 18%
2着 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0% 107%
3着 2- 0- 0- 6/ 8 25.0% 25.0% 25.0% 606% 176%
4着 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6着以下 1- 0- 2-23/26 3.8% 3.8% 11.5% 131% 207%
※阪神開催の11年は除く

前項で「出走例、好走例が多いのに、好走率は低い」と述べたように、ニュージーランドT組の取捨はなかなか難しいのだが、ある程度は「前走着順」と「前走人気」が目安になる。まず、表5の前走着順別成績を見て気づくのが1着馬の不振で、12年のカレンブラックヒルを除く8頭はすべて4着以下に沈んでいる。おそらく、この不振の原因は中山芝1600mと東京芝1600mで求められる適性の違いにあるのだろう。そして、それを乗り越えたのは無敗馬のカレンブラックヒルのみ、構図である。

■表6 ニュージーランドT組・前走人気別成績

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜4番人気 4- 1- 1-24/30 13.3% 16.7% 20.0% 288% 113%
5番人気以下 0- 1- 1-29/31 0.0% 3.2% 6.5% 0% 146%
※阪神開催の11年は除く

表6はニュージーランドT組の前走人気別成績。ご覧の通り、ニュージーランドTで1〜4番人気に推されていた馬と、5番人気以下にとどまった馬では、好走率に大きな差がついている。もちろん、狙うべきは1〜4番人気に推されていた馬だ。

以上、表5と表6のデータからいえるのは、次のようなことだろう。まず、ニュージーランドTで1〜4番人気に推されるだけの実力を持っていることは前提条件。ただし、そこで1着になってしまうようだと中山適性が高すぎて、今度は東京適性に不安が残る。一方、中山適性がちょっと足りずにニュージーランドTで「2、3着」に惜敗した馬は東京に替わって前進する可能性があり、中山適性がまったくなく「6着以下」に大敗した馬の巻き返しもありうる。そんなふうに考えてみたい。

■表7 前走阪神芝1600、1800m組・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1〜3着 4- 1- 0- 9/14 28.6% 35.7% 35.7% 95% 57%
前4着以下 1- 0- 1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 584% 161%

表7は、前走で阪神芝1600、1800m(いずれも外回り)に出走していた馬の、前走着順別成績である。まず、この組で3着以内に入っていた馬はNHKマイルCでも有力だ。4着以下に敗れていた場合はグンと確率が下がってしまうが、巻き返しのチャンスがあるとすれば、その前走が休み明け初戦だった場合。07年のピンクカメオは約2カ月半ぶりだった前走の桜花賞17着から鮮やかな変わり身を見せて大激走を果たし、11年のリアルインパクトも約4ヶ月ぶりの前走ニュージーランドT(この年は阪神開催)11着から3着に巻き返している。

■表8 前走中山芝1800、2000m組・前走4角通過順別成績

前走4角通過順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜9番手 0- 4- 3-15/22 0.0% 18.2% 31.8% 0% 170%
10番手以降 0- 0- 1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 148%

表8は、前走で中山芝1800、2000mに出走していた馬の、前走4角通過順別成績である。東京のマイルG1は、中距離もこなせるぐらいのスタミナが必要といわれる。その点でこの組は有利なのだが、中距離戦に出走したあとのマイルG1で道中の速いペースに戸惑ってしまう可能性もある。そこで確認しておきたいのが前走の4角通過順。つまり、前走でもある程度の位置につける競馬ができていれば、マイルG1の流れにも対応しやすいというわけだ。逆に、前走の中山芝1800、2000mでも4角10番手以降の競馬をしているようだと、NHKマイルCではさらに後方からのレースになる恐れがある。場合によっては、ペースについていけず競馬にならない危険性まであるだろう。

■表9 前走芝1400m以下出走馬・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 0- 2- 2-14/18 0.0% 11.1% 22.2% 0% 309%
前走2着以下 0- 0- 1-15/16 0.0% 0.0% 6.3% 0% 36%

最後は、前走で芝1400m以下に出走した馬の、前走着順別成績。前項で述べた通り、東京のマイルG1では中距離もこなすぐらいのスタミナが必要といわれる。しかし、この組にはスタミナ面に不安を抱えている馬も少なからず含まれているだろう。だとすれば、せめて前走1着の勢いが欲しいところで、それでも勝ち切るには至らないのは表9が示す通りだ。ただし、それだけに人気を著しく落とす傾向も見られ、複勝回収率309%という高い数値が出ているのも事実。前走で芝1400m以下の重賞やオープン特別を勝ってきた馬がノーマークになっているようなら、2、3着候補には含めてもいいだろう。

【結論】

2014/10/19 京都9R もみじステークス 1着 5番 アルマワイオリ

2014/10/11 東京11R いちょうステークス 1着 6番 クラリティスカイ

今年のNHKマイルC登録馬を、「前走中山芝1600m(ニュージーランドT組)」「前走阪神芝1600、1800m組」「前走中山芝1800、2000m組」「前走芝1400m以下組」の4つに分けて、有力そうな馬を探していきたい。

まず、前走中山芝1600m(ニュージーランドT組)では「無敗馬でもない限りは1着馬を嫌い、1〜4番人気から2、3着もしくは6着以下に入った馬」を狙うのがよかった。今年でいえば、1着馬ですでに6敗を喫しているヤマカツエースは評価を下げ、グランシルク(1番人気2着)、アルマワイオリ(2番人気3着)を重視。6着以下からの巻き返しがあるとすればヤングマンパワー(4番人気8着)としたい。この中で序列をつけるとすれば、重賞1〜3着・オープン特別1着の回数が計4回と全登録馬で最多のアルマワイオリだ。

次に、前走阪神芝1600、1800m組は基本的に「1〜3着」を狙うべきで、「前走が休み明け初戦なら4着以下からの巻き返しも」というものだった。今年は、前者にはアンビシャス(毎日杯3着)とダッシングブレイズ(500万下1着)が該当し、後者の該当馬はなし。ただし、前者の2頭はどちらも賞金的に出走が難しそうだ。重賞1〜3着・オープン特別1着の回数がゼロというのが大きな割引材料となるダッシングブレイズはともかく、共同通信杯と毎日杯でいずれも3着の実績があるアンビシャスはチャンスがありそうなのだが、前日のプリンシパルSに向かう公算が大きいようだ。

前走中山芝1800、2000m組では、前走の4角通過順が9番手以内の馬を狙いたい。該当するのはアルビアーノ、クラリティスカイ、ダノンメジャー、グァンチャーレの4頭。この4頭の序列では、重賞1〜3着・オープン特別1着の回数が計2回のクラリティスカイダノンメジャーを上位とする。フラワーC勝ちのアルビアーノは、NHKマイルCで不利な逃げの脚質は気になるが、乗り越える可能性を秘めた無敗馬となると無視はできない。

前走芝1400m以下組では、前走重賞かオープン特別で1着のタガノアザガル、フミノムーン、マテンロウハピネス、ニシノラッシュが人気を落とすようなら2、3着候補に入れて損はないだろう。この4頭では、重賞1〜3着・オープン特別1着の回数が計3回のニシノラッシュと、同じく計2回のマテンロウハピネスに注目してみたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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