第903回 POG対策として2、3歳G1勝ち馬の共通項を探る|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第903回 POG対策として2、3歳G1勝ち馬の共通項を探る

2015/5/4(月)

ペーパーオーナーゲーム(以下POG)の新シーズン開幕が近づき、各メディアで2歳馬情報が盛んに取り上げられ、書店の競馬コーナーにも関連書籍が目立つようになってきた。そこで今回は、2010年以降のPOG期間内G1勝ち馬を振り返り、来シーズンに向けての対策を考えてみたい。POGに関心のない方には恐縮ではあるのだが、「これから行なわれるNHKマイルC、オークス、ダービーではこんなプロフィールを持つ馬が有利」という読み方もできるので、予想の一助としていただけると幸いである。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神JF勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 レーヴディソール 栗東 松田博資 サンデーレーシング ノーザンF アグネスタキオン Highest Honor 450 9月
11 ジョワドヴィーヴル 栗東 松田博資 サンデーレーシング ノーザンF ディープインパクト Caerleon 418 11月
12 ローブティサージュ 栗東 須貝尚介 シルクレーシング ノーザンF ウォーエンブレム Singspiel 442 7月
13 レッドリヴェール 栗東 須貝尚介 東京ホースレーシング 社台F ステイゴールド Dixieland Band 418 6月
14 ショウナンアデラ 美浦 二ノ宮敬宇 国本哲秀 下河辺牧場 ディープインパクト Elusive Quality 468 8月

表1は、2010年以降の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬の一覧。この5頭すべてに共通するのが、母父が横文字=輸入繁殖牝馬の産駒ということ。また、ショウナンアデラ以外の4頭は社台グループの生産馬かつ馬主は一口クラブということ、ローブティサージュ以外の4頭はサンデーサイレンス系の種牡馬を父に持っていることで共通している。阪神JFを意識した指名馬選びでは、こうしたプロフィールを持つ馬を探していくと確率が高くなるはずだ。加えて、過去5年で各2勝を挙げている松田博資厩舎か須貝尚介厩舎の所属馬なら鬼に金棒といったところか。デビュー時期は、11月の新馬勝ち直後に勝利したジョワドヴィーヴルの例もあるが、基本的には9月までにデビューを済ませたほうがよさそう。馬体重に関しては、400キロを切るほどの小型馬でなければ大丈夫そうだ。

■表2 朝日杯FS勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 グランプリボス 栗東 矢作芳人 グランプリ ノーザンF サクラバクシンオー サンデーサイレンス 504 8月
11 アルフレード 美浦 手塚貴久 キャロットファーム ノーザンF シンボリクリスエス サンデーサイレンス 524 9月
12 ロゴタイプ 美浦 田中剛 吉田照哉 社台F ローエングリン サンデーサイレンス 482 6月
13 アジアエクスプレス 美浦 手塚貴久 馬場幸夫 Ocala Stud Henny Hughes Running Stag 528 11月
14 ダノンプラチナ 美浦 国枝栄 ダノックス 千代田牧場 ディープインパクト Unbridled's Song 472 9月
※13年までは中山開催

表2は、2010年以降の朝日杯フューチュリティS勝ち馬の一覧。ただし、2013年までは中山芝1600mで行われていた朝日杯FSは、2014年から阪神芝1600mに条件が変更されており、区切って考えるべきだろう。実際、10〜13年は非サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が勝っていたが、14年はサンデーサイレンス系のディープインパクトを父に持つダノンプラチナが勝利。これだけをとっても直線の短い中山から直線の長い阪神外回りに移った影響は大きいとみるのが自然で、今後も傾向の変化をしっかりと見守りたい。

■表3 桜花賞勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 アパパネ 美浦 国枝栄 金子真人HD ノーザンF キングカメハメハ Salt Lake 480 7月
11 マルセリーナ 栗東 松田博資 社台レースホース 社台F ディープインパクト Marju 452 12月
12 ジェンティルドンナ 栗東 石坂正 サンデーレーシング ノーザンF ディープインパクト Bertolini 456 11月
13 アユサン 美浦 手塚貴久 星野壽市 下河辺牧場 ディープインパクト Storm Cat 484 10月
14 ハープスター 栗東 松田博資 キャロットファーム ノーザンF ディープインパクト ファルブラヴ 478 7月
15 レッツゴードンキ 栗東 梅田智之 廣崎利洋 清水牧場 キングカメハメハ マーベラスサンデー 464 8月

2010/4/11 阪神10R 桜花賞(G1)1着 9番 アパパネ

表3は、2010年以降の桜花賞勝ち馬の一覧。注目ファクターはふたつ。ひとつは種牡馬で、6頭のうち父ディープインパクトが4頭、父キングカメハメハが2頭と、10〜15年の勝ち馬はどちらかの産駒に限られている。もうひとつの注目ファクターは馬体重。6頭すべてが450キロ以上と、この時期の3歳牝馬としては十分な馬体重をすべての馬が持っていた。桜花賞を狙う牝馬では、この2点は欠かさずチェックしておきたい。

なお、この6頭のうち、桜花賞と同条件で行なわれる阪神JFでも好走を果たしたのがアパパネ、ハープスター、レッツゴードンキの3頭で、8月までにデビュー済みという共通項を持っている。一方、10月デビューのアユサンは阪神JFでは7着に終わり、11月以降にデビューしたジェンティルドンナとマルセリーナは阪神JFへの出走は叶わなかった。もちろん、阪神JF、桜花賞ともに同じ馬で好走を狙いたいところ。そう考えると、8月までにデビューできそうで、馬体重も450キロ以上になりそうなディープインパクトかキングカメハメハの牝馬を狙っていくと効率がいいはずだ。

■表4 皐月賞勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 ヴィクトワールピサ 栗東 角居勝彦 市川義美 社台F ネオユニヴァース Machiavellian 506 10月
11 オルフェーヴル 栗東 池江泰寿 サンデーレーシング 社台CP白老F ステイゴールド メジロマックイーン 440 8月
12 ゴールドシップ 栗東 須貝尚介 合同会社小林英一HD 出口牧場 ステイゴールド メジロマックイーン 498 7月
13 ロゴタイプ 美浦 田中剛 吉田照哉 社台F ローエングリン サンデーサイレンス 486 6月
14 イスラボニータ 美浦 栗田博憲 社台レースホース 社台CP白老F フジキセキ Cozzene 462 6月
15 ドゥラメンテ 美浦 堀宣行 サンデーレーシング ノーザンF キングカメハメハ サンデーサイレンス 486 10月
※11年は東京開催

2014/4/20 中山11R 皐月賞(G1)1着 2番 イスラボニータ

表4は、2010年以降の皐月賞勝ち馬の一覧である。まず、6頭中5頭は社台グループの生産馬となっており、まずはここから探していきたい。デビュー月に関しては、8月までにデビューした馬が4頭を占め、残り2頭も10月。皐月賞を狙いにいくならデビュー予定のチェックは必須と言えるだろう。もうひとつ、13〜15年は関東馬が3連勝中という点も見逃せないところ。ロゴタイプやイスラボニータのように、社台グループの生産馬で早期デビューが予定されている関東馬を見落とさないようにしたいところだ。

■表5 NHKマイルC勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 ダノンシャンティ 栗東 松田国英 ダノックス ダーレー・ジャパン・F フジキセキ Mark of Esteem 468 11月
11 グランプリボス 栗東 矢作芳人 グランプリ ノーザンF サクラバクシンオー サンデーサイレンス 500 8月
12 カレンブラックヒル 栗東 平田修 鈴木隆司 ノーザンF ダイワメジャー Grindstone 460 3歳1月
13 マイネルホウオウ 美浦 畠山吉宏 サラブレッドC・ラフィアン ヒカル牧場 スズカフェニックス フレンチデピュティ 482 6月
14 ミッキーアイル 栗東 音無秀孝 野田みづき ノーザンF ディープインパクト Rock of Gibraltar 478 9月

表5は、2010年以降のNHKマイルC勝ち馬の一覧である。牡馬の場合、POGでは皐月賞やダービーを目指す中距離以上に適性がありそうな馬を優先的に狙うことになる。最初からNHKマイルCを狙って指名馬を探すケースはあまりないので、穴場となる可能性はあるだろう。ここで注目したいのは、グランプリボス、カレンブラックヒル、ミッキーアイルの3頭。というのも、この3頭はすべてノーザンファーム生産馬で、(表には掲載していないが)セレクトセールで取引され、個人馬主が所有する関西馬という点で共通しているからだ。

■表6 オークス勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 アパパネ 美浦 国枝栄 金子真人HD ノーザンF キングカメハメハ Salt Lake 470 7月
サンテミリオン 美浦 古賀慎明 吉田照哉 社台F ゼンノロブロイ Last Tycoon 460 3歳1月
11 エリンコート 栗東 笹田和秀 吉田照哉 社台F デュランダル Bluebird 456 7月
12 ジェンティルドンナ 栗東 石坂正 サンデーレーシング ノーザンF ディープインパクト Bertolini 460 11月
13 メイショウマンボ 栗東 飯田明弘 松本好雄 高昭牧場 スズカマンボ グラスワンダー 478 11月
14 ヌーヴォレコルト 美浦 斎藤誠 原礼子 社台F ハーツクライ スピニングワールド 444 10月

表6は、2010年以降のオークス勝ち馬の一覧である。10年は1着同着となったため、5年で6頭の勝ち馬が存在している。オークスを狙う際に避けて通れないのが、社台グループの生産馬であること。13年のメイショウマンボ以外が該当し、内訳は社台ファームが3勝、ノーザンファームが2勝となっている。興味深いのがデビュー時期。最近、デビュー時期は早ければ早いほど望ましいような風潮もあるが、オークス馬に関してはそうとも言えないようなのだ。10〜14年のオークス馬計6頭で夏デビューを果たしたのはアパパネとエリンコートだけで、ヌーヴォレコルトは10月、ジェンティルドンナとメイショウマンボは11月、サンテミリオンは3歳1月に初戦を迎えている。また、新馬勝ちを果たしたのも6頭中2頭しかおらず、のちに牝馬三冠を達成するアパパネやジェンティルドンナほどの馬でも新馬勝ちを逃している。オークスは3歳牝馬には過酷な2400m戦。早期の新馬勝ちにこだわることなく、じっくりと鍛えられた馬のほうが意外と有利なのかもしれない。

■表7 ダービー勝ち馬一覧

年度 馬名 所属 厩舎 馬主 生産者 種牡馬 母父馬 馬体重 デビュー
10 エイシンフラッシュ 栗東 藤原英昭 平井克彦 社台F King's Best Platini 486 7月
11 オルフェーヴル 栗東 池江泰寿 サンデーレーシング 社台CP白老F ステイゴールド メジロマックイーン 444 8月
12 ディープブリランテ 栗東 矢作芳人 サンデーレーシング パカパカF ディープインパクト Loup Sauvage 496 10月
13 キズナ 栗東 佐々木晶三 前田晋二 ノースヒルズ ディープインパクト Storm Cat 478 10月
14 ワンアンドオンリー 栗東 橋口弘次郎 前田幸治 ノースヒルズ ハーツクライ タイキシャトル 482 8月

表7は、2010年以降のダービー勝ち馬の一覧である。10〜14年の5年で、社台グループの生産馬が2頭、それ以外の生産馬が3頭。今回取り上げた7つのG1で唯一、社台グループ生産馬が負け越している点は注目に値する。ディープブリランテの馬主が社台グループ系列のサンデーレーシングということを考慮しても、互角といったところか。そして、この5頭すべてに共通するのがすべて関西馬ということ。表4の項で見た皐月賞は13〜15年と関東馬が3連勝中だったが、ことダービー馬を狙うのであれば関西馬に目をつけるべきだろう。また、デビュー時期にも注目すべきで、すべての馬が10月までにデビューを済ませ、そのうち3頭は夏のあいだにデビューしていた。これは皐月賞とほぼ同じ傾向で、牡馬のクラシック級を狙うのであれば、遅くとも10月までにデビューできそうな馬を狙うことが必須と言える。むしろ、一般的には仕上がりが早いとされる牝馬のほうが、11月以降のデビューでも桜花賞やオークスを勝った馬が出ており、これは新しい傾向として頭に入れておいても損はないだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN