第895回 中山芝で速い上がりを使って勝った馬の次走は?|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第895回 中山芝で速い上がりを使って勝った馬の次走は?

2015/4/6(月)

先週、中山の芝レースで非常に強い勝ち方をした馬が2頭現れた。ダービー卿CTで3馬身半差の圧勝を飾ったモーリスと、山吹賞で離れた最後方から追い込み勝ちを決めたレッドライジェルだ。この2頭に共通するのが、前者は上がり3F33秒0、後者も同33秒7と抜群の決め手を発揮したこと。最後の直線が短く、急坂も待ち構え、一般的に速い上がりが出ないとされる中山でこれほどの末脚を披露したとなれば、次走はさらに注目を集めるだろう。そこで今回は「中山芝で上がり34秒を切って1着した馬の次走」について調べてみたい。集計期間は2000年1月5日〜2015年4月5日。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

2015/4/5 中山11R ダービー卿CT(G3)1着 10番 モーリス
2015/4/4 中山9R 山吹賞 1着 3番 レッドライジェル

■表1 中山芝で上がり34秒未満1着の頭数

年度 頭数
2000年 1
2001年 6
2002年 6
2003年 2
2004年 5
2005年 13
2006年 8
2007年 6
2008年 2
2009年 4
2010年 10
2011年 16
2012年 14
2013年 13
2014年 7
2015年 11
※2015年は4月5日時点

表1は、中山芝で上がり34秒を切って1着した頭数を年度別に示したものである(2000年以降)。全体的に見て、中山芝で上がり34秒を切って1着した馬は2010年以降に急増していることがわかるだろう。2014年は減少したものの、今年に入って4月5日時点ですでに11頭、過去にないペースの頭数が記録している点も見逃せない。つまり、今年の中山芝はこれまでになく速い上がりを記録しやすい馬場状態になっていると考えていいのかもしれない。

■表2 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4-  5-  1-  7/ 17 23.5% 52.9% 58.8% 70% 83%
2番人気 1-  3-  3-  8/ 15 6.7% 26.7% 46.7% 42% 86%
3番人気 0-  3-  0-  9/ 12 0.0% 25.0% 25.0% 0% 49%
4番人気 1-  2-  0-  5/  8 12.5% 37.5% 37.5% 91% 101%
5番人気 1-  1-  1- 12/ 15 6.7% 13.3% 20.0% 54% 60%
6番人気 1-  0-  0- 10/ 11 9.1% 9.1% 9.1% 133% 40%
7番人気 0-  0-  2-  5/  7 0.0% 0.0% 28.6% 0% 111%
8番人気 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 1-  0-  0-  2/  3 33.3% 33.3% 33.3% 733% 203%
10番人気 0-  1-  0-  3/  4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 242%
11番人気 0-  0-  1-  3/  4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 402%
12番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  0-  0/  0          
17番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  0/  0          

表2は、中山芝で上がり34秒を切って1着した馬の次走における人気別成績である。この表を見ると、本命サイドの1〜3番人気の数字があまり振るわないことがわかる。1〜3番人気の成績を合算すると【5.11.4.24】、勝率11.4%、複勝率45.5%、単勝回収率41%、複勝回収率75%で、2着の多さと回収率の低さが目立つ。中山芝で34秒を切る上がりを使って1着すること自体には価値があると思われるが、次走は多くの場合で昇級戦となる。やはり、昇級戦の壁は低いものではなく、1〜3番人気は過剰評価のケースも少なくないのだろう。逆に、12番人気以下も【0.0.0.9】と好走例がなく、あまりに人気がないようでも苦しい。その中間の4〜11番人気の成績を合算すると【4.4.4.46】、勝率6.9%、複勝率20.7%、単勝回収率89%、複勝回収率105%とまずまずの数字が出てくるので、狙うならこのあたりだろう。

■表3 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走・競馬場別成績

競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 0-  0-  0-  0/  0          
函館 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
福島 0-  0-  0-  3/  3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
新潟 0-  1-  0-  4/  5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 36%
東京 2-  5-  5- 30/ 42 4.8% 16.7% 28.6% 40% 110%
中山 2-  4-  1- 18/ 25 8.0% 24.0% 28.0% 22% 60%
中京 1-  1-  0-  1/  3 33.3% 66.7% 66.7% 243% 143%
京都 4-  2-  2- 15/ 23 17.4% 26.1% 34.8% 175% 104%
阪神 0-  1-  0-  6/  7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 15%
小倉 0-  1-  0-  1/  2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 85%
※阪神と中京はコース改修前の数字も含む

表3は、中山芝で上がり34秒を切って1着した馬の次走における競馬場別成績である。出走例がもっとも多いのは東京。この場合、直線の長い東京に替わればさらに末脚発揮と考えたくなるところだが、実際にはわずかに届かず2、3着に終わることが多い。直線が長いぶん、じっくり構えすぎてしまうような部分があるのかもしれない。次いで出走例が多い中山は過剰人気の傾向が強く、過信は禁物。一方、3番目に出走例が多い京都は好走率、回収率ともに優秀で、該当する馬を見つけたときは積極的に狙ってみたいところだ。

■表4 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走・出走間隔別成績

出走間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
連闘 0-  0-  0-  0/  0          
中1週 1-  1-  0-  2/  4 25.0% 50.0% 50.0% 65% 67%
中2週 2-  4-  4- 12/ 22 9.1% 27.3% 45.5% 133% 112%
中3週 3-  1-  3- 12/ 19 15.8% 21.1% 36.8% 70% 207%
中4〜8週 3-  6-  1- 35/ 45 6.7% 20.0% 22.2% 55% 49%
中9週以上 0- 3- 0-17/20 0.0% 15.0% 15.0% 0% 24%

表4は、中山芝で上がり34秒を切って1着した馬の次走における出走間隔別成績である。この表を見ると、概して次走までの出走間隔が短いほうが結果を残していることがわかる。中1週で次走に出走した例は4頭しかいないが、複勝率50.0%を記録。中2週も単複の回収率が100%以上、中3週も複勝回収率207%と優秀な数字を残している。対して、中4週以上の数字は総じて低調。次走までの間隔をあまり開けずに、勢いを駆って出走したほうが好結果につながるようだ。

■表5 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走・出走間隔別成績

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回短縮 1-  1-  1- 13/ 16 6.3% 12.5% 18.8% 19% 29%
同距離 3-  9-  4- 41/ 57 5.3% 21.1% 28.1% 55% 70%
今回延長 5-  5-  3- 25/ 38 13.2% 26.3% 34.2% 93% 130%

表5は、中山芝で上がり34秒を切って1着した馬の次走が距離短縮、同距離、距離延長だった場合の成績を比較したものである。そして、「今回延長」の数字が明らかに優秀で、次いで「同距離」、「今回短縮」の成績はイマイチということがわかる。一般的に前走より距離が延びればペースも遅くなり、上がりの脚を要求される傾向がある。中山で34秒を切る上がりを使って1着になれるほどの末脚を持つ馬にとっては、次走は距離延長のほうが末脚を活かせる展開になりやすいのだろう。

■表6 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走・前走人気別成績

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1番人気 2- 10-  3- 20/ 35 5.7% 34.3% 42.9% 16% 90%
前走2番人気 1-  2-  2- 14/ 19 5.3% 15.8% 26.3% 21% 84%
前走3番人気 2-  1-  2- 10/ 15 13.3% 20.0% 33.3% 64% 159%
前走4番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 45%
前走5番人気 2-  0-  0-  3/  5 40.0% 40.0% 40.0% 288% 108%
前走6番人気以下 2- 0- 1-24/27 7.4% 7.4% 11.1% 135% 47%

中山芝で上がり34秒を切って1着した馬は、そのレースで上位人気に推されていたほうが次走の成績がいいのかどうかを調べたのが、表6である。そして、データを調べてみると、6番人気以下だった場合は次走の好走率が明らかに下がることがわかった。6番人気以下のダークホースに過ぎなかった馬だと、展開に恵まれた部分が多少なりともあるのだろう。1〜5番人気に推されたうえで34秒を切る上がりを使って1着になった馬のほうが、次走ではやはり信頼できるようだ。

■表7 中山芝で上がり34秒未満1着馬の次走成績と2走後成績

全成績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
次走 9- 15-  8- 79/111 8.1% 21.6% 28.8% 63% 84%
2走後 14- 14-  6- 66/100 14.0% 28.0% 34.0% 86% 86%

ここまで、次走の成績について見てきたが、最後に「2走後の成績」についても確認しておきたい。表7は、次走と2走後の全成績を比較したもので、2走後の成績のほうが明らかに優秀なことがわかるだろう。表2の項で「次走の1〜3番人気は過剰人気」と述べたが、2走後に関しては単複ともに水準を上回る86%の回収率を記録しており、全体として過剰人気の傾向は見られない。1走挟むことで、中山芝で上がり34秒を切って1着というインパクトが薄まり、馬券的には買いやすくなるようだ。仮に次走で凡走したとしても、中山芝で上がり34秒を切って1着を収めるような馬にはやはり力がある。2走後での巻き返しに期待する手は大いにあるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN