第865回 今年は希望枠選択制! 有馬記念を枠順から考える|競馬情報ならJRA-VAN

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データde出〜た

ありがとう”データde出〜た”10周年

”データde出〜た”は2014年12月21日で連載開始10周年を迎えることができました。
この度、感謝の意味を込めまして、ライターさん4名からメッセージをいただきました。(12月22日号:小田原智大さん、ケンタロウさん、12月25日号:浅田知広さん、出川塁さん)
今後とも”データde出〜た”及びJRA-VANをよろしくお願いいたします。

今週のデータde出〜たはこちら

ライター:小田原智大

10周年を迎えて一言

御縁があり、10年もの長い間執筆を担当させていただけたことを心から感謝しております。厳密には第31回からの登場となっておりますが、初期からのライター陣の一員として加わらせていただき、感慨深いものがあります。ご好評の声をいただき、後に現在のようなテーマ・形式で週2回の更新となりました。これも興味を持ってご覧いただいた読者の皆様のおかげだと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

過去10年の思い出のレース・馬・出来事

競馬の仕事をするようになってからは、私自身、競馬場に行ける機会が激減いたしました。そんな中、実際に足を運んで観戦し、最も思い出に残っているのが08年のジャパンカップダートです。同年から阪神ダート1800mに舞台を移し、カネヒキリが復活の勝利を飾ったレースです。同馬は3歳時に頂点を極めた実力馬でしたが、屈腱炎を発症。長期休養明けの前走武蔵野Sでは9着と敗れていました。正直、期待しつつも一変できるかは半信半疑。相手も同期の王者・ヴァーミリアンなど、かなり揃っていました。それだけに目の当たりにした力強い勝ちっぷりには、驚き、感動しました。かつてのオグリキャップやトウカイテイオーのような華やかさはないかもしれませんが、賞賛すべき快挙だと思っています。いつの時代も「復活劇」というものには心を揺さぶられます。

ライター:ケンタロウ

10周年を迎えて一言

記念すべきデータde出〜たの10周年に立ち会えまして、うれしい限りです。かくいう私は2012年の秋から執筆させていただいて、まだ2年ほどではありますが。毎週テーマを決めて、それについてデータを調べていくと、毎回1つは「へえ、そうだったのか」と驚かされる項目があります。そういったデータを見つけるのがやりがいですし、実際に読者のみなさんの興味を引いたり、馬券を買う際のお役に立てればと思っております。今後ともよろしくお願いいたします!

過去10年の思い出のレース・馬・出来事

昨年のNHKマイルカップを挙げたいと思います。大混戦のゴール前、抜け出したのは10番人気の伏兵マイネルホウオウ。個人的な馬券は大ハズレでしたが、ゴール後に柴田大知騎手が派手なガッツポーズをしたのがまず印象に残りました。そして、勝利騎手インタビューでの男泣き。テレビでご覧になった方でも感動した方が多かったのではないでしょうか。この勝利が通算200勝の区切りの勝ち星だったこともあり、その後のデータde出〜たで柴田大知騎手のデビュー以降の軌跡をデータ面から書かせていただきました。デビューから数年を経て騎乗数が非常に少なくなる不遇の時期もありましたが、ここ数年は存在感があるジョッキーとして復活。今年からは双子の弟・柴田未崎騎手も復帰し、兄弟対決も見られるようになりました。このように気になる騎手や調教師のこれまでの軌跡も伝えていければ幸いかなと思っています。

データde出〜たバックナンバー

第865回 今年は希望枠選択制! 有馬記念を枠順から考える

2014/12/22(月)

一年を締めくくるグランプリ・有馬記念。JRA60周年の今年は従来とは異なり、出走馬の陣営が希望する枠を選択できる新たな枠順決定方法が採用され、木曜昼にその模様が生中継されることになった。そこで月曜掲載分の今回は、有馬記念の「枠順」に絞っていくつかデータを調べみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、枠順以外の傾向については、木曜掲載分で分析する予定である。

■表1 枠・馬番別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 2-2-0-12/16 12.5% 25.0% 25.0% 65% 51%
2枠 1-1-1-14/17 5.9% 11.8% 17.6% 307% 106%
3枠 2-2-1-13/18 11.1% 22.2% 27.8% 15% 68%
4枠 0-3-3-14/20 0.0% 15.0% 30.0% 0% 108%
5枠 2-1-2-14/19 10.5% 15.8% 26.3% 111% 82%
6枠 1-0-1-18/20 5.0% 5.0% 10.0% 11% 70%
7枠 1-0-2-17/20 5.0% 5.0% 15.0% 13% 31%
8枠 1-1-0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 13% 120%
1番 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 104% 68%
2番 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 14%
3番 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 523% 103%
4番 1-1-1-6/9 11.1% 22.2% 33.3% 13% 97%
5番 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 72%
6番 1-2-3-3/9 11.1% 33.3% 66.7% 17% 233%
7番 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 122%
8番 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番 2-1-1-6/10 20.0% 30.0% 40.0% 62% 70%
10番 1-0-0-8/9 11.1% 11.1% 11.1% 190% 28%
11番 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 126%
12番 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番 2-0-0-8/10 20.0% 20.0% 20.0% 53% 26%
14番 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 278%
15番 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

まず表1は、有馬記念過去10年の枠番・馬番別の成績である。枠番では4枠を除く各枠から優勝馬が出ているが、1〜5枠がすべて連対率11.8%以上、複勝率17.6%以上なのに対し、6〜8枠はいずれも連対率10%以下、複勝率15%以下。コーナー6つのコース形態で外々をまわすと距離損が大きくなるためか、全体として外枠は低調な傾向だ。馬番でも、連対率0%の5分の4が11番枠から外。過去10年すべてで出走馬を出しているのは14番以内になるが、それを差し引いても外枠が苦戦傾向にあることは見てとれる。

■表2 6番枠の成績

馬名 人気 着順 通過順 脚質
04 6 シルクフェイマス 9 3 7-6-6-5 中団
05 6 ディープインパクト 1 2 11-10-8-6 中団
06 6 スイープトウショウ 5 10 13-13-13-12 後方
07 6 ポップロック 2 5 7-7-6-5 中団
08 6 エアシェイディ 10 3 8-8-5-7 中団
09 6 エアシェイディ 11 3 16-16-15-12 後方
10 6 ローズキングダム
11 6 キングトップガン 13 13 9-10-11-12 後方
12 6 オーシャンブルー 10 2 10-7-10-10 中団
13 6 オルフェーヴル 1 1 13-13-12-2 マクリ

2013/12/22 中山10R 有馬記念(G1)1着 6番 オルフェーヴル

この10年の「ラッキーナンバー」と言えるのは6番枠【1.2.3.3】で、複勝率は66.7。優勝したのが昨年のオルフェーヴル・単勝160円だけのため単勝回収率は17%にとどまるものの、2〜3着は5頭中4頭が9番人気以下で、複勝回収率なら233%。穴っぽい馬が6番枠を指名した際には注目したい。なお、これに続く複勝率40.0%の9番枠【2.1.1.6】は、好走した4頭すべてが3番人気以内だった。ただ、着外6頭はすべて4番人気以下で、逆に言えば3番人気以内なら凡走なし。人気馬にとっては9番枠も良さそうだ。

■表3 枠・人気別成績

1番人気 同連対率 2〜5番人気 同連対率 6番人気以下 同連対率
1枠 1-1-0-1 66.7% 1-0-0-2 33.3% 0-1-0-9 10.0%
2枠 該当なし 0-1-0-2 33.3% 1-0-1-12 7.1%
3枠 2-1-0-0 100.0% 0-0-0-3 0.0% 0-1-1-10 8.3%
4枠 0-1-0-0 100.0% 0-1-1-4 16.7% 0-1-2-10 7.7%
5枠 該当なし 2-1-1-8 25.0% 0-0-1-6 0.0%
6枠 1-0-0-0 100.0% 0-0-0-5 0.0% 0-0-1-13 0.0%
7枠 1-0-0-0 100.0% 0-0-1-2 0.0% 0-0-1-15 0.0%
8枠 1-0-0-0 100.0% 0-0-0-5 0.0% 0-1-0-13 7.1%
1枠 3-3-0-1 85.7% 3-3-2-19 22.2% 1-3-4-41 8.2%
2枠
3枠
4枠
5枠 0-1-3-47 2.0%
6枠 3-0-0-0 100.0% 0-0-1-12 0.0%
7枠
8枠

続いて、枠番と人気の関係を見ていきたい。過去10年の1番人気は【6.3.0.1】連対率90.0%と安定しており、特に6〜8枠の1番人気は3戦全勝。1番人気馬にかぎれば、むしろ外のほうが勝ち切れる傾向が出ている。
その一方、同じ6〜8枠でも2〜5番人気は【0.0.1.12】と連対なしで、3着も昨年のゴールドシップ(2番人気)1頭だけ。さらに、もうひとつ内まで入れて5〜8枠の6番人気以下は【0.1.3.47、連対馬は08年のアドマイヤモナーク(14番人気)1頭である。出走馬の大半を占める2番人気以下の外枠が不振で、それが表1の全体の傾向にそのまま出ている形だ。

■表4 人気・偶数/奇数番別成績

人気 馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1〜5番人気 偶数番 3-3-1-22/29 10.3% 20.7% 24.1% 68% 39%
奇数番 6-3-2-10/21 28.6% 42.9% 52.4% 104% 94%
6〜9番人気 偶数番 0-0-3-13/16 0.0% 0.0% 18.8% 0% 76%
奇数番 1-2-1-20/24 4.2% 12.5% 16.7% 217% 109%
10番人気以下 偶数番 0-2-2-24/28 0.0% 7.1% 14.3% 0% 135%
奇数番 0-0-1-31/32 0.0% 0.0% 3.1% 0% 39%
偶数番 3-5-6-59/73 4.1% 11.0% 19.2% 27% 84%
奇数番 7-5-4-61/77 9.1% 15.6% 20.8% 96% 76%

表4は、馬番の偶数番、奇数番別の成績を、さらに人気で分類したものだ。特別な事情がないかぎりはゲートが後入れになる、偶数番を希望する陣営が多いと思われる。しかし、この有馬記念過去10年では奇数番が好成績だ。特に5番人気以内の奇数番は【6.3.2.10】で連対率42.9%、複勝率52.4と、偶数番に大差をつける好結果を残している。6〜9番人気も、連対率では奇数番が上位だ。抽選では内寄りの偶数番が先に埋まり、その後は「内の奇数番」か「外」かの選択を迫られるケースもあるだろうが、ここまでのデータからすれば、内を優先して選択したほうが良さそうだ。なお、10番人気以下では偶数番が上回るが、これは表2で触れた6番枠から好走馬が3頭出ているのが大きい。

■表5 脚質・枠番別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
逃げ・先行 1枠 2-2-0-3/7 28.6% 57.1% 57.1% 148% 117%
2枠 1-0-1-7/9 11.1% 11.1% 22.2% 581% 173%
3枠 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4枠 0-1-1-6/8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 75%
5枠 1-1-0-4/6 16.7% 33.3% 33.3% 285% 88%
6枠 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 180%
7枠 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 47%
8枠 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 43% 21%
中団・後方・マクリ 1枠 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2枠 0-1-0-7/8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 31%
3枠 2-2-1-12/17 11.8% 23.5% 29.4% 16% 72%
4枠 0-2-2-8/12 0.0% 16.7% 33.3% 0% 130%
5枠 1-0-2-10/13 7.7% 7.7% 23.1% 30% 79%
6枠 1-0-0-12/13 7.7% 7.7% 7.7% 16% 10%
7枠 1-0-1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 20% 23%
8枠 0-1-0-13/14 0.0% 7.1% 7.1% 0% 162%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

2010/12/26 中山10R 有馬記念(G1)1着 1番 ヴィクトワールピサ

最後に、脚質と枠番の関係を見ておきたい。まず注目したいのは1枠で、「逃げ・先行」では【2.2.0.3】連対率57.1%、しかし「中団・後方・マクリ」は【0.0.0.9に終わっている。過去10年の1番人気で唯一連対を外した07年のメイショウサムソンは、1枠1番から[11-11-11-11]の「後方」になって8着に敗退した。隣の2枠も「中団・後方・マクリ」での好走は、昨年2着のウインバリアシオン[9-11-12-4](マクリ)1頭のみである。ここまで「外よりは内」というデータばかり続いたが、差し・追い込み型はあまり内すぎても良くない傾向だ。中には09年2着のブエナビスタ(1枠2番)などのように、従来とは違う戦法に出て好走した例もあるものの、末脚勝負のタイプなら基本的には中ほどを希望したい。なお、8枠から「逃げ・先行」で優勝したのは、08年に1番人気で逃げ切ったダイワスカーレットである。

以上、枠順にポイントを絞って過去10年の有馬記念を分析してみた。気性やフットワークの大小、枠内の駐立、脚質、そして馬場状態(過去10年では07年のみ稍重)など考慮する要素はさまざまあるので、そのあたりも踏まえつつ、このデータも参考に新方式の枠順抽選を楽しんでいただければ幸いだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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