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第864回 今年から阪神開催となる朝日杯FSを考えてみる

2014/12/18(木)

今年から阪神開催となった朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS)。当然ながら、コースレイアウトに大きな影響を受ける「波乱度」や「競走馬の適性」に関するデータは、中山時代とは切り離して考えなければならない。一方、「この時期の牡馬2歳G1を勝つために必要な資質や能力」に関連したデータであれば、ある程度の目安になるのではないか。今回はそのあたりに注目して、過去10年の朝日杯FSのデータを読み解いてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 7-  5-  8- 62/ 82 8.5% 14.6% 24.4% 87% 64%
前走2着 0-  3-  2- 19/ 24 0.0% 12.5% 20.8% 0% 45%
前走3着 1-  1-  0-  6/  8 12.5% 25.0% 25.0% 83% 112%
前走4着 1-  0-  0- 14/ 15 6.7% 6.7% 6.7% 41% 17%
前走5着 1-  0-  0-  5/  6 16.7% 16.7% 16.7% 88% 26%
前走6〜9着 0-  1-  0- 14/ 15 0.0% 6.7% 6.7% 0% 18%
前走10着以下 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は前走着順別成績。過去10年で前走1着馬が7勝を挙げ、前走1〜3着馬がすべて複勝率20%以上を記録する一方、前走4着以下になると好走率が大きく下がっていることがわかるだろう。特に、前走で6着以下に敗れていた馬が巻き返した例は、11年2着のマイネルロブストしかない。前走でも好走していた馬を中心に狙うのが無難だ。

■表2 重賞以外のレースに限った前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 3- 2- 5-51/61 4.9% 8.2% 16.4% 75% 51%
前走2着以下 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は、「前走で重賞以外のレースに出走していた馬に限定した」前走着順別成績。ご覧の通り、過去10年の朝日杯FSでは、前走で重賞以外のレースに出走して2着以下に敗れていた馬の好走例は皆無となっている。つまり、先ほど確認した表1には前走2着以下の好走例もあったが、それは前走が重賞だった馬に限られるということだ。また、前走が重賞だったとしても、6着以下だと好走率が非常に低くなってしまうのも表1で見た通り。前走が重賞の場合は5着以内を目安としたい。

■表3 勝利数別成績(中央のみ)

勝利数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2勝以上 9-  8-  9- 87/113 8.0% 15.0% 23.0% 74% 61%
1勝以下 1- 2- 1-39/43 2.3% 7.0% 9.3% 14% 24%

表3は、朝日杯FS出走時点で2勝以上していた馬と、1勝以下だった馬の成績を比較したもの(※地方競馬の勝利は除く)。当然ではあるが、2勝以上を挙げていた馬のほうが、好走例、好走率ともに優秀な数字を残している。素直に2勝以上馬を重視したほうがいいだろう。

■表4 4着以下経験の回数別成績(中央のみ)

4着以下 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
なし 5- 6- 6-36/53 9.4% 20.8% 32.1% 49% 73%
1回 4- 3- 3-53/63 6.3% 11.1% 15.9% 46% 50%
2回以上 1- 1- 1-37/40 2.5% 5.0% 7.5% 86% 22%

表4は、表3とは逆に、朝日杯FS出走時点で馬券圏外の4着以下に落ちた回数別の成績を調べたものである。これも素直な傾向が出ており、4着以下に1回も落ちたことのなかった馬の好走率がもっとも高く、次に高いのは4着以下が1回だけの馬。そして、4着以下に落ちたことが2回以上ある馬の好走率がもっとも悪くなっている。未完成の2歳馬ではあっても、朝日杯FS出走時点で4着以下に何度も落ちたことがあるようだと、資質という点で疑問符が付くようだ。

■表5 重賞経験のある馬限定・重賞6着以下の回数別成績

重賞6着以下 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
なし 7- 8- 6-44/65 10.8% 23.1% 32.3% 97% 80%
あり 1- 1- 0-35/37 2.7% 5.4% 5.4% 39% 18%

表5と表6は、表4をより細かく見たデータとなる。表5は、朝日杯FSまでに重賞経験のある馬に限ったもので、重賞で6着以下に落ちたことがある馬とない馬の成績を比較したデータとなっている。その成績はクッキリと分かれており、好走馬の大半は重賞で6着以下に落ちたことがなく、朝日杯FSまでに出走したすべての重賞で掲示板(5着以内)を確保していたことになる。例外は、10年1着のグランプリボスと、11年2着のマイネルロブストの2頭だけ。朝日杯FSで好走するような馬は、重賞で負けたとしても大敗することはなく、5着以内を死守するだけの能力を示していたということだ。このデータから、重賞6着以下の戦績を持つ馬は割引が必要と考えたい。

■表6 重賞経験のない馬限定・4着以下の回数別成績

4着以下 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
なし 2- 1- 4-19/26 7.7% 11.5% 26.9% 45% 79%
あり 0- 0- 0-28/28 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

前項で重賞経験のある馬についてのデータを見たが、朝日杯FSはキャリアの浅い2歳馬によるレースなので、重賞経験を持たない馬も少なからず出走してくる。実際、昨年は1着アジアエクスプレス、2着ショウナンアチーヴ、3着ウインフルブルームと、重賞出走歴ない馬が馬券圏内を占めたほどだった。

表6は、朝日杯FSまでに重賞経験のない馬に限ったもので、それまでに4着以下に落ちたことがある馬とない馬の成績を比較したデータとなっている。すると、この条件で4着以下に落ちたことのある馬は好走例が皆無ということがわかった。言い換えると、重賞経験がない朝日杯FS出走馬は、それまでのレースですべて3着以内を確保している必要があるということである。

■表7 阪神芝1600m・種牡馬別成績(着別度数順)

  種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
全体 ディープインパクト 29- 23- 18- 98/168 17.3% 31.0% 41.7% 104% 86%
マンハッタンカフェ 10-  2-  2- 29/ 43 23.3% 27.9% 32.6% 399% 135%
ダイワメジャー 9-  9-  9- 67/ 94 9.6% 19.1% 28.7% 130% 124%
ハーツクライ 9-  7-  4- 53/ 73 12.3% 21.9% 27.4% 69% 122%
ネオユニヴァース 5- 10-  6- 64/ 85 5.9% 17.6% 24.7% 67% 74%
ステイゴールド 5-  9-  4- 44/ 62 8.1% 22.6% 29.0% 182% 106%
ゼンノロブロイ 5-  5-  5- 39/ 54 9.3% 18.5% 27.8% 49% 66%
アドマイヤムーン 4-  1-  1- 36/ 42 9.5% 11.9% 14.3% 95% 43%
クロフネ 3-  3-  0- 37/ 43 7.0% 14.0% 14.0% 49% 102%
キングカメハメハ 2-  8-  8- 75/ 93 2.2% 10.8% 19.4% 8% 58%
スペシャルウィーク 2-  1-  1- 21/ 25 8.0% 12.0% 16.0% 32% 186%
ブラックタイド 2-  1-  1- 20/ 24 8.3% 12.5% 16.7% 150% 47%
ルールオブロー 1-  3-  0-  8/ 12 8.3% 33.3% 33.3% 200% 91%
チチカステナンゴ 1-  2-  4-  9/ 16 6.3% 18.8% 43.8% 25% 110%
ストーミングホーム 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 27% 179%
オンファイア 0-  0-  2- 12/ 14 0.0% 0.0% 14.3% 0% 74%
バゴ 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 18%
マツリダゴッホ 0-  0-  1- 10/ 11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 27%
スタチューオブリバティ 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
サウスヴィグラス 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ハイアーゲーム 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ケイムホーム 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
トワイニング 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2歳戦 ディープインパクト 9- 5- 6-19/39 23.1% 35.9% 51.3% 127% 88%
ネオユニヴァース 5- 4- 3-26/38 13.2% 23.7% 31.6% 150% 73%
ハーツクライ 4- 4- 3-16/27 14.8% 29.6% 40.7% 43% 255%
マンハッタンカフェ 4- 0- 1- 8/13 30.8% 30.8% 38.5% 187% 83%
ステイゴールド 3- 7- 2-19/31 9.7% 32.3% 38.7% 69% 120%
ゼンノロブロイ 3- 3- 0-17/23 13.0% 26.1% 26.1% 50% 53%
ダイワメジャー 2- 3- 2-19/26 7.7% 19.2% 26.9% 259% 161%
ブラックタイド 2- 1- 1-10/14 14.3% 21.4% 28.6% 258% 81%
スペシャルウィーク 2- 0- 1- 8/11 18.2% 18.2% 27.3% 72% 89%
キングカメハメハ 1- 3- 1-19/24 4.2% 16.7% 20.8% 10% 55%
チチカステナンゴ 1- 1- 3- 3/ 8 12.5% 25.0% 62.5% 51% 107%
ストーミングホーム 1- 0- 1- 3/ 5 20.0% 20.0% 40.0% 54% 104%
クロフネ 0- 3- 0-11/14 0.0% 21.4% 21.4% 0% 262%
バゴ 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 45%
アドマイヤムーン 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
マツリダゴッホ 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
オンファイア 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ハイアーゲーム 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ケイムホーム 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ルールオブロー 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
スタチューオブリバティ 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
トワイニング 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

ここまでは朝日杯FSまでの戦歴に注目したデータを見てきたが、最後に阪神芝1600mに着目したデータも確認しておこう。コース適性に関してのデータといえば、オーソドックスなのは種牡馬だ。表7は、今年の朝日杯FSに登録がある29頭の父となる種牡馬の阪神芝1600mの成績を、全体成績と2歳戦のみの成績をそれぞれ示したものである。集計期間は12年2月25日〜14年12月14日とした。

やはりと言うべきか、全体、2歳戦ともにトップとなったのはディープインパクト。同条件で行なわれた先週の阪神ジュベナイルフィリーズでも、唯一のディープインパクト産駒だったショウナンアデラが制したことが証明するように、好走率、回収率ともに優秀で、コース適性の高さは明らかだ。そのディープインパクトを、全体、2歳戦ともに勝率で上回るマンハッタンカフェも注目だが、登録馬で該当するサトノフラムは本稿執筆時点で除外対象となっている。他には、ダイワメジャー、ハーツクライネオユニヴァースステイゴールドといったサンデーサイレンスの後継種牡馬たちも2歳戦で30%以上の複勝率を記録。穴では、2歳戦で複勝率62.5%のチチカステナンゴも面白そうだ。

【結論】

■表8 2014年朝日杯FS登録馬

馬名 前走着順 勝利数 過去着順
アクティブミノル 重賞 6 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
アッシュゴールド 重賞 2 1 重賞出走あり 重賞6着以下なし
アドマイヤゴッド 重賞以外 4 1 重賞出走なし 4着以下あり
アルマワイオリ 重賞 4 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
アンビシャス 重賞以外 1 1 重賞出走なし 4着以下なし
カプリチオーソ 重賞以外 9 1 重賞出走なし 4着以下あり
クラリティスカイ 重賞 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下なし
ケツァルテナンゴ 重賞 6 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
コスモナインボール 重賞以外 1 3 重賞出走なし 4着以下あり
サトノフラム 重賞 10 1 重賞出走あり 重賞6着以下あり
シンキングロージス 重賞以外 4 2 重賞出走なし 4着以下あり
ジャストドゥイング 重賞 10 1 重賞出走あり 重賞6着以下あり
セカンドテーブル 重賞 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
タガノアザガル 重賞以外 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
タガノエスプレッソ 重賞 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下なし
ダッシングブレイズ 重賞以外 2 1 重賞出走なし 4着以下なし
ダノンプラチナ 重賞以外 1 2 重賞出走なし 4着以下なし
ナヴィオン 重賞 3 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
ネオルミエール 重賞 2 1 重賞出走あり 重賞6着以下なし
フミノムーン 重賞以外 4 1 重賞出走なし 4着以下あり
ブライトエンブレム 重賞 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下なし
ペイシャオブロー 重賞以外 1 3 重賞出走なし 4着以下あり
ペプチドウォヘッド 重賞以外 1 2 重賞出走なし 4着以下なし
マリオーロ 重賞以外 1 1 重賞出走なし 4着以下なし
メイショウマサカゼ 重賞以外 1 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり
ヤマニンマンドール 重賞以外 1 1 重賞出走なし 4着以下なし
ラブミークン 重賞以外 5 1 重賞出走なし 4着以下あり
レンイングランド 重賞以外 1 2 重賞出走なし 4着以下あり
ワキノヒビキ 重賞 7 2 重賞出走あり 重賞6着以下あり

2014/11/30 東京7R ベゴニア賞 1着 11番 ダノンプラチナ

2014/9/6 札幌11R 札幌2歳ステークス(G3)1着 2番 ブライトエンブレム

ここまで述べてきたファクターをまとめると、「前走が重賞で6着以下」「前走が重賞以外で2着以下」「1勝以下」「重賞で6着以下の経験がある」「重賞に出走したことがなく4着以下の経験がある」馬については割引としたい。それをまとめたのが表8である。

そして、今回のデータで減点材料がない馬はクラリティスカイタガノエスプレッソダノンプラチナブライトエンブレム、ペプチドウォヘッドの5頭となった。ただし、ペプチドウォヘッドの2戦2勝はいずれもダート。昨年、ダート2戦2勝のアジアエクスプレスが勝ったことを思えば無視はできないが、さすがに芝のレースで実績を積み上げてきた他の4頭と同列に扱うわけにもいかないだろう。

クラリティスカイ、タガノエスプレッソ、ダノンプラチナ、ブライトエンブレムの4頭は、いずれも好走の資格は十分の戦績を備えており、甲乙つけがたい。そこで参考にしたいのが表7の阪神芝1600m種牡馬成績だ。ここから序列をつけるとすれば、ディープインパクト産駒のダノンプラチナ、ネオユニヴァース産駒のブライトエンブレム、ブラックタイド産駒のタガノエスプレッソ、最後にクロフネ産駒のクラリティスカイ。この順番としてみたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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