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第863回 暮れの名物レース、中山大障害を分析する

2014/12/15(月)

中山の名物レースといえば有馬記念だが、忘れてはならないのが中山大障害。その歴史は有馬記念より古く、第1回は1934年に行なわれている。文字通り、山あり谷ありのマラソンレースを制するのはどの馬か。過去10年のデータを調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 54% 50%
2番人気 3-  3-  2-  2/ 10 30.0% 60.0% 80.0% 170% 146%
3番人気 2-  2-  1-  5/ 10 20.0% 40.0% 50.0% 147% 87%
4番人気 0-  1-  3-  6/ 10 0.0% 10.0% 40.0% 0% 96%
5番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 235% 128%
6番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
8番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 85%
9番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 568% 184%
11番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 368%
12番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-  0-  0-  8/  8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は人気別成績。過去10年で馬券圏内の1〜3着に入った延べ30頭のうち、延べ25頭が1〜5番人気と、全体的には堅めのレースと言えるだろう。ただし、1番人気は【2.1.1.6】と、やや不振の傾向がある点には注意したい。穴馬の激走はそれほど期待できないが、狙うとすれば10番人気までか。11番人気以下の好走例は、08年3着のテイエムトッパズレ(11番人気)のみとなっている。

■表2 出走間隔別成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
連闘 0- 0- 0- 0/ 0          
中1週 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 85% 164%
中2週 2- 4- 7-55/68 2.9% 8.8% 19.1% 23% 51%
中3週 1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 105% 17%
中4〜8週 5- 5- 3-35/48 10.4% 20.8% 27.1% 173% 135%
中9週以上 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 25% 12%

表2は前走からの出走間隔別成績で、このあとに述べる表3、表4の項を含めて、出走例の多い「中2週」と「中4〜8週」を重点的に見ていきたい。両者の成績を比較すると、好走率、回収率ともに明らかに優勢なのは「中4〜8週」となっている。4100mの長丁場で行なわれる中山大障害は、途中に大竹柵や大生垣といった厳しい障害も待ち構えており、完走するだけでも大変なレースである。そう考えたとき、「中2週」と「中4〜8週」を比較して、ローテーションにゆとりのある後者のほうがいい数字を残しているのは納得しやすいのではないだろうか。ただし、「中9週以上」となるとさすがに出走間隔が空きすぎのようで、数字が下がってしまうようだ。

■表3 前走から「中3週以下」の出走馬・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 0- 2- 2-10/14 0.0% 14.3% 28.6% 0% 42%
前走2着 1- 0- 3- 1/ 5 20.0% 20.0% 80.0% 58% 200%
前走3着 1- 3- 0- 5/ 9 11.1% 44.4% 44.4% 105% 243%
前走4着 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 1- 0- 1-22/24 4.2% 4.2% 8.3% 55% 23%
前走10着以下 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
※前走は障害戦のみ

前項で「中4〜8週が有利」と述べたが、実際には中3週以内で好走した例も少なからずある。そこで「出走間隔と前走着順」の関連について調べてみたい。なお、ここでは前走で平地戦に出走していた馬については集計から除いている。

表3は、前走から中3週以内の馬に限った前走着順別成績で、これを見ると前走で1〜3着に入っていた馬の好走例が多く、好走率も高いことがわかる。ただし、中3週以内かつ前走1着に該当すると勝ち馬が出ていない点には注意したい。前走から中3週以内と出走間隔が詰まっていることもあり、前走2、3着馬に比べて、前走1着馬だと余力という点で不利な面があるのかもしれない。

■表4 前走から「中4週以上」の出走馬・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 2- 2- 0- 8/12 16.7% 33.3% 33.3% 91% 69%
前走2着 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 811% 178%
前走3着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4着 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 41% 20%
前走5着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 0- 0- 1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 21%
前走10着以下 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 474%
※前走は障害戦のみ

表4は、表3とは逆に、前走から中4週以上の馬に限った前走着順別成績である。こちらは前走1着馬か前走2着馬の好走例が多いのだが、中3週以内の場合と比べて、前走1着馬からも勝ち馬が出ている点は大きな違いと言える。つまり、前走で勝ち切った馬でも、出走間隔に余裕があるため疲れを取りやすい面があるのではないか。なお、ここでは中4週以上をまとめて集計対象としたが、表2で見た通り、出走間隔が中9週以上まで開いた場合は割引が必要だ。

■表5 前走クラス別成績

前走斤量比 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回減 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
同斤量 0-  0-  1-  6/  7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 15%
今回増 8-  8-  8- 93/117 6.8% 13.7% 20.5% 90% 88%
今回1〜1.5キロ増 3-  2-  0- 11/ 16 18.8% 31.3% 31.3% 93% 42%
今回2〜2.5キロ増 1-  1-  1-  4/  7 14.3% 28.6% 42.9% 144% 111%
今回3キロ以上増 4-  5-  7- 78/ 94 4.3% 9.6% 17.0% 86% 94%
※前走は障害戦のみ

表5は前走と比べて斤量が減った馬、同斤量だった馬、斤量が増えた馬の成績をそれぞれ比較したもの。なお、前走で平地のレースに出走した馬については集計から除外している。

実際のところ、出走馬の大半が該当するのは「今回増」で、過去10年で「同斤量」は7例、「今回減」に至っては1例しかない。実際、今年の登録馬13頭もすべて「今回増」に該当している。そこで、表5の下半分に「今回増」をより細分化したデータを掲載した。これを見ると、好走例が多いのは斤量が「今回3キロ以上増」の馬だが、好走率では「今回1〜1.5キロ増」や「今回2〜2.5キロ増」の馬のほうが明らかに優秀なことがわかる。前走に比べて斤量増の幅が2.5キロまでにとどまった馬を重視にとったほうがよさそうだ。

■表6 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 1-  1-  0-  0/  2 50.0% 100.0% 100.0% 220% 565%
4歳 4-  1-  3- 19/ 27 14.8% 18.5% 29.6% 105% 62%
5歳 3-  3-  5- 25/ 36 8.3% 16.7% 30.6% 209% 186%
6歳 1-  4-  0- 24/ 29 3.4% 17.2% 17.2% 22% 32%
7歳以上 1-  1-  2- 44/ 48 2.1% 4.2% 8.3% 5% 18%

最後に、年齢別成績を確認しておこう。障害戦では高齢馬もよく走っているイメージがあるかもしれないが、表6の通り、中山大障害では若い馬のほうが明らかに有利な傾向が出ている。たとえば、3〜5歳を合わせた勝率が12.3%、複勝率が32.3%なのに対して、6歳以上は同2.6%、11.7%となっており、その差は歴然。中山大障害では迷ったときは若い馬、特に5歳までの馬を狙うのは効果的な作戦となるだろう。

【結論】

■表7 2014年中山大障害登録馬

馬名 年齢 前走斤量比 出走間隔と前走着順
出走間隔 前走着順
アポロマーベリック 5 平地戦
オースミムーン 5 +2キロ 中5週 1
クリノテンペスタ 7 +3キロ 中2週 10
ケイアイドウソジン 8 +2キロ 中9週 8
サンレイデューク 6 +3キロ 中9週 1
シャイニーブラック 7 +3キロ 中3週 4
セイエイ 6 +1キロ 中2週 8
ドリームセーリング 7 +3キロ 中12週 2
バアゼルリバー 8 平地戦
メイショウヨウドウ 6 +3キロ 中9週 競走中止
メジロサンノウ 6 +2キロ 中4週 9
リキアイクロフネ 7 +3キロ 中3週 10
レッドキングダム 5 +3キロ 中1週 1

2014/11/8 京都8R 京都ジャンプS(J・G3)1着 14番 オースミムーン

2014/4/19 中山11R 中山グランドジャンプ(J・G1)1着 5番 アポロマーベリック

もう一度、中山大障害でプラスとなるファクターをまとめておこう。プラスとなるのは、出走間隔と着順が「前走から中3週以内の場合は、前走1〜3着(ただし、前走1着馬は勝ち切れない傾向)」か「前走から中4〜8週の場合は、前走1、2着」、斤量が「前走から斤量増2.5キロまでの馬」、年齢が「3〜5歳馬」だった。なお、出走間隔と着順、および斤量に関しては、前走が平地戦だった馬は除外して考える。

以上を反映させたものが表7で、プラスファクターに該当したところに色を付けた。そして、3つともプラスに該当した唯一の馬が、京都ハイジャンプを勝って臨むオースミムーンだ。前走1着で中5週というローテーション。前走から2キロ増の斤量。5歳という年齢。いずれも申し分ないこの馬を、まずは中心視してみたい。

レッドキングダムは斤量が3キロ増えるものの、出走間隔と前走着順、年齢のふたつがプラスとなった。ただし、出走間隔と前走着順については、好走率はいいが勝ち馬が出ていない中3週以内の前走1着馬に該当しており、2、3着候補と考えるのが妥当だ。

そのほかプラスファクターにひとつだけ該当した馬が4頭おり、なかでも昨年の勝ち馬で最優秀障害馬にも輝いたアポロマーベリックには注目すべきだ。というのも、この馬は前走で平地のレースに出走したため、出走間隔と前走着順、斤量の2ファクターが今回のデータでは参考にならないという事情がある。過去10年、前走が平地戦から好走したのは延べ5例あり、そのうち4例はすでに中山大障害勝ちの実績があったメルシーエイタイムとマルカラスカルによるもの(もう1例は、中山大障害初出走だった06年のマルカラスカル)。過去の例と同様に、昨年の勝ち馬であるアポロマーベリックについても前走の平地戦はあくまで叩き台と考えるのが妥当で、オースミムーンの対抗馬かそれ以上の存在と見なくてはならないだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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