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第849回 東京・京都開催の2歳重賞を考える

2014/10/27(月)

今週は東京競馬場で、2歳牝馬による重賞競走・第3回アルテミスSが行われる。このレースも歴史は浅いが、東京・京都開催の2歳重賞ではほかに、既に行われたいちょうSや、11月末の京都2歳Sの重賞昇格、そしてデイリー杯2歳Sの施行時期繰り下げなど、データが少なかったり使いづらかったりするレースばかりだ。暮れの開催には阪神に移動した朝日杯FSも控えているが、今回はこの東京・京都開催の2歳重賞について、全体に共通する傾向を探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去2回のアルテミスSの結果

馬名 着差 通過順 上がり 人気 オッズ 着順 馬体重 増減 前走 前人 前着
2012 1 1 コレクターアイテム 1.33.8 10-11 33.9 1 2.7 1 472 -8 デ杯2歳S芝1600 7 4
4 8 アユサン 1/2 16-16 33.5 4 8.9 2 494 ±0 東・新馬芝1400 1 1
7 13 ウインプリメーラ 3 2-2 35.4 7 12.2 3 430 -8 京・未勝芝1600 1 1
2013 3 5 マーブルカテドラル 1.35.2 9-8 33.9 2 3.7 1 438 +2 芙蓉S芝1600 2 1
2 4 パシフィックギャル 1/2 7-5 34.2 6 12.6 2 496 +8 芙蓉S芝1600 3 3
2 3 ニシノミチシルベ 1/2 5-5 34.4 5 12.5 3 460 -4 サフラン賞芝1400 5 2

2013/11/2 東京11R アルテミスステークス 1着 5番 マーブルカテドラル

まずは、過去2回のアルテミスSをざっと振り返っておこう。一昨年は1番人気のコレクターアイテム、昨年は2番人気のマーブルカテドラルが優勝し、3着以内馬6頭はすべて単勝12倍台以下好走馬6頭中5頭は4枠以内と、今のところは内枠優勢の傾向も出ている。また、前走はすべて芝1400〜1600で、オープン・重賞が3頭、新馬・未勝利が2頭、そして500万組が3着1頭。表には記していないが、前走で敗れていた3頭はすべて勝ち馬から0.2秒差と、大きく負けた馬の巻き返しはない。

■表2 東京・京都2歳重賞の前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 10-8-3-81/102 9.8% 17.6% 20.6% 91% 51%
未勝利 7-8-14-99/128 5.5% 11.7% 22.7% 74% 152%
500万下 2-5-6-108/121 1.7% 5.8% 10.7% 19% 25%
OPEN特別 12-11-10-100/133 9.0% 17.3% 24.8% 146% 85%
G3 7-7-9-64/87 8.0% 16.1% 26.4% 86% 64%
G2 5-3-1-14/23 21.7% 34.8% 39.1% 210% 131%

ここからは、東京・京都開催における2歳重賞全体を見てみたい。対象レースはデイリー杯2歳S、京王杯2歳S、東京スポーツ杯2歳S、ファンタジーSの過去10年のほか、アルテミスSの過去2回、そして本年のいちょうSまで加えている。
表2は、これらのレースについて、前走クラス別の成績を調べたものだ。前走G2の成績が良いが、該当23頭中22頭は、今年から施行時期が繰り下がったデイリー杯2歳Sのため参考にしづらい。前走G2以外では、前走オープン・重賞組と、前走新馬組はほぼ互角の連対率を記録するが、3着の少ない新馬は複勝率での上積みが薄く、未勝利組が逆転している。いずれにしても、前走500万条件組は今ひとつ。表1で挙げた過去2回のアルテミスSでも、連対馬を出しているのはオープン・重賞3頭と新馬1頭であり、表2と近い結果が出ていると言えるだろう。これは今週も使えそうな傾向だ。

■表3 東京・京都2歳重賞の前走クラス・着順別成績

前走クラス 前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500万 1着 0-5-3-23/31 0.0% 16.1% 25.8% 0% 58%
2着 2-0-2-12/16 12.5% 12.5% 25.0% 147% 71%
3着 0-0-1-20/21 0.0% 0.0% 4.8% 0% 9%
4着〜 0-0-0-53/53 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
OP特別 1着 6-5-5-30/46 13.0% 23.9% 34.8% 47% 68%
2着 3-0-2-13/18 16.7% 16.7% 27.8% 557% 137%
3着 2-2-1-15/20 10.0% 20.0% 25.0% 56% 62%
4着 0-2-0-9/11 0.0% 18.2% 18.2% 0% 38%
5着 0-2-1-6/9 0.0% 22.2% 33.3% 0% 271%
6〜9着 1-0-0-21/22 4.5% 4.5% 4.5% 281% 45%
10着〜 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 91%
重賞 1着 3-2-2-15/22 13.6% 22.7% 31.8% 50% 47%
2着 3-3-0-21/27 11.1% 22.2% 22.2% 118% 59%
3着 1-1-2-7/11 9.1% 18.2% 36.4% 37% 64%
4着 1-0-3-4/8 12.5% 12.5% 50.0% 33% 77%
5着 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 87%
6〜9着 4-3-2-15/24 16.7% 29.2% 37.5% 308% 145%
10着〜 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は、前走500万、オープン特別、重賞組の前走着順別成績。表にない新馬・未勝利組は当然ながら1着が条件だ。まず500万組を見ると、前走1〜2着馬が好走13頭中12。また、前走500万条件1着馬は、この東京・京都の2歳重賞を勝っていないのも特徴だ。2着馬は2頭が勝利しているほか、新馬・未勝利勝ち馬は表2にあったように、計17頭も勝っているのに比べると、その不振が目立っている。

前走オープン特別組は、優勝馬12頭中11頭が前走1〜3着馬。また、前走6着以下から巻き返した馬は、3着以内の好走馬33頭中2頭に過ぎず、オープン特別組なら掲示板は確保していることが条件と考えられる。

そして最後に前走重賞組。こちらは「掲示板を外したひと桁着順」、つまり前走6〜9着馬の巻き返しが多く見られ、【4.3.2.15】で連対率29.2。前走1〜3着馬の合計【7.6.4.43】連対率21.7%を大きく上回っている。また、その成績からさほど人気にはならない馬も多く、単複の回収率も優秀だ。さすがに2桁着順では苦しいものの、6〜9着の該当馬がいればぜひ注目したい。

■表4 東京・京都2歳重賞の前走距離比較成績

レース 前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
今回延長 13-13-15-181/222 5.9% 11.7% 18.5% 132% 84%
(〜+200m) 12-10-14-146/182 6.6% 12.1% 19.8% 159% 97%
(+300m〜) 1-3-1-35/40 2.5% 10.0% 12.5% 11% 23%
同距離 17-14-16-205/252 6.7% 12.3% 18.7% 40% 55%
今回短縮 13-16-12-95/136 9.6% 21.3% 30.1% 99% 115%
アルテミスS 1200m 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1400m 0-1-1-11/13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 45%
1600m 2-1-1-13/17 11.8% 17.6% 23.5% 37% 51%
1800m 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて前走との距離差による成績も見てみたい。こういったデータの場合、距離短縮馬が好成績を残す例が多いものだが、今回の集計対象でも距離短縮馬が好走確率で他を一歩リードしている。ただ、今週のアルテミスSは距離短縮馬が【0.0.0.5で、12年には3番人気のテンシンランマンが12着、昨年は4番人気のマイネグレヴィルが6着に敗退。サンプルが少なくこれだけで決めつけるのは危険だが、他のレースと同一視できない可能性があることは覚えておきたい。一方、距離延長は200m程度なら同距離と変わらず、それを超えると苦戦傾向。アルテミスSでは該当馬1頭だけだが、その1頭は昨年1番人気で7着に敗退したクリスマス(前走函館2歳S・芝1200m1着)である。

■表5 東京・京都2歳重賞の人気別成績

距離 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1400m 1番人気 2-3-2-13/20 10.0% 25.0% 35.0% 31% 50%
2番人気 2-2-3-13/20 10.0% 20.0% 35.0% 36% 62%
3番人気 3-1-3-13/20 15.0% 20.0% 35.0% 76% 69%
4番人気 4-5-3-8/20 20.0% 45.0% 60.0% 145% 166%
5番人気 3-2-2-13/20 15.0% 25.0% 35.0% 188% 117%
6〜 人気 6-7-7-176/196 3.1% 6.6% 10.2% 114% 91%
1600m〜 1番人気 11-4-0-8/23 47.8% 65.2% 65.2% 122% 85%
2番人気 3-3-5-12/23 13.0% 26.1% 47.8% 58% 78%
3番人気 2-7-2-12/23 8.7% 39.1% 47.8% 55% 106%
4番人気 2-3-4-14/23 8.7% 21.7% 39.1% 57% 100%
5番人気 1-3-4-15/23 4.3% 17.4% 34.8% 81% 91%
6〜 人気 4-3-8-184/199 2.0% 3.5% 7.5% 62% 52%

2008/11/15 東京11R 京王杯2歳ステークス(Jpn2)1着 2番 ゲットフルマークス 14番人気

人気別の成績は、当該レースが1400mか1600m以上かで、傾向が大きく異なっている。1400mの京王杯2歳SとファンタジーSは波乱が多く、両レース合計の1、2番人気はともに勝率10.0%止まり。この両レースで単勝1倍台に推された馬は過去10年で3頭いるが、08年のファンタジーS・ワイドサファイアが4着、京王杯2歳Sでは11年のモンストールが4着、昨年のモーリスが6着と、3頭すべて馬券圏外に沈んでいる。

対して1600m以上のレースは1番人気の勝率が47.8%。2〜3番人気も複勝率47.8を記録しており、上位人気の安定感が目立っている。アルテミスSは表1本文で記したように、完全に人気通りの決着こそないものの、好走6頭はすべて単勝12倍台以下。また、今年10月11日に重賞昇格後の「第1回」が行われたいちょうS(芝1600m)は、1番人気馬こそ10着だったが、1〜3着は4→2→3番人気と上位人気で決着している。

■表6 東京・京都2歳重賞の3連単配当

芝1400m 芝1600m〜
ファンタジーS 京王杯2歳S デイリー杯2歳S 東スポ杯2歳S アルテミスS いちょうS
04 6,270円 178,540円 1,016,470円 37,790円
05 37,480円 15,460円 2,830円 11,340円
06 9,120円 198,370円 2,730円 5,410円
07 9,190円 170,230円 67,570円 146,220円
08 294,430円 156,340円 15,680円 81,640円
09 243,520円 128,660円 11,160円 52,820円
10 136,370円 515,710円 6,430円 50,030円
11 106,860円 185,220円 4,730円 525,650円
12 157,080円 246,630円 58,300円 6,330円 18,980円
13 614,810円 97,470円 5,560円 62,980円 18,070円
14 22,600円

最後に、各レースの3連単の配当を調べたのが表6である。芝1400mのファンタジーSは10年で6回、京王杯2歳Sは8回が3連単10万馬券以上と、その荒れようが非常に目立っている。一方、芝1600mのデイリー杯は大波乱だった10年前を除けば6万円台以下で、1万円すら切った年がなんと5回。芝1800mの東京スポーツ杯2歳Sはそこまで堅くはないものの、10万馬券以上は2回だけである。そして今週行われるアルテミスSは、過去2回とも1万8000円台での決着だ。

以上、東京・京都の2歳重賞について主なデータをまとめてみた。表4の前走距離別成績にかぎっては、そのままアルテミスSに当てはめられるか微妙なものの、他のデータはおおむね過去2回のアルテミスSと近い傾向にあり、参考にできそうだ。また、来週以降にも、時期が繰り下がったデイリー杯2歳Sや、重賞に昇格した京都2歳Sが控えている。大きくは動いていない京王杯2歳SやファンタジーSにも、2歳のオープン・重賞路線が組み替えられた影響はありそうで、今回のデータも参考にしつつ予想にあたりたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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