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第848回 距離延長への対応力を重視してみたい菊花賞

2014/10/23(木)

今週のG1は牡馬三冠最終戦の菊花賞。ダービー馬のワンアンドオンリーが二冠に輝くか、春に主役級の活躍を見せたトゥザワールドが一冠を奪取するか、それとも新星が現れるか。過去10年のレース傾向を調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 5-  1-  1-  3/ 10 50.0% 60.0% 70.0% 91% 90%
2番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 33%
3番人気 0-  0-  4-  6/ 10 0.0% 0.0% 40.0% 0% 96%
4番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 84% 46%
5番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 65%
6番人気 0-  2-  2-  6/ 10 0.0% 20.0% 40.0% 0% 156%
7番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 232% 141%
8番人気 3-  0-  0-  7/ 10 30.0% 30.0% 30.0% 1085% 237%
9番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 65%
10番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
12番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 115%
14番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 85%
16番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
17番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は、人気別成績。1番人気は過去10年で5勝を挙げており、複勝率も70.0%と十分に信頼できる数字を残している。ただし、残る5年ではすべて4番人気以下の馬が勝っている点には注意すべきだろう。もし、1番人気馬が勝てないという予想をした場合には、2、3番人気の対抗級ではなく、ダークホースが勝ち切るケースを想定しておきたいところだ。また、1番人気を除いて、8番人気あたりまでなら好走率が変わらない点も注目ポイントと言える。しかし、10番人気以下は合計で複勝率2.3%と、大穴馬の好走は難しいようだ。

■表2 厩舎所属別成績

所属 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
美浦 0-  1-  1- 44/ 46 0.0% 2.2% 4.3% 0% 8%
栗東 10-  9-  9-103/131 7.6% 14.5% 21.4% 113% 83%
地方 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は、厩舎の所属別成績。これを見ると関西馬が圧倒していることが一目瞭然で、過去10年で関東馬の1着はなく、2、3着にそれぞれ1回ずつ好走例があるのみ。基本的には地元の関西馬を重視したほうがいいだろう。

■表3 騎手が継続騎乗か乗り替わりか

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
継続騎乗 9-  7-  9- 93/118 7.6% 13.6% 21.2% 88% 70%
乗り替わり 1-  3-  1- 55/ 60 1.7% 6.7% 8.3% 75% 49%

表3は、騎手が前走から継続騎乗するのか、それとも乗り替わりとなるのかで成績を比較したもの。ご覧の通り、明らかに継続騎乗のほうが好成績を収めており、過去10年の菊花賞を乗り替わりで制したのは04年のデルタブルースしかいない。データ通り、前走と同じ騎手が継続騎乗する馬を重視すべきだろう。

■表4 当日馬体重・前走比増減別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回減 2-  1-  5- 52/ 60 3.3% 5.0% 13.3% 7% 50%
同体重 0-  1-  2- 27/ 30 0.0% 3.3% 10.0% 0% 64%
今回増 8-  8-  3- 69/ 88 9.1% 18.2% 21.6% 164% 72%

表4は、当日馬体重の前走比増減別成績。なかなか興味深い傾向が出ており、特に1、2着馬に関しては今回増の馬がハッキリと優勢なのだ。そして、意外なほどの不振と言えるのが同体重の馬。過去10年で勝ち馬が出ておらず、好走率も明らかに見劣る。レース直前に馬体重が発表されるまでどの馬が該当するかわからないデータではあるが、注意を払っておきたい。

■表5 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 6-  2-  3- 43/ 54 11.1% 14.8% 20.4% 129% 73%
前走2着 1-  3-  1- 18/ 23 4.3% 17.4% 21.7% 36% 51%
前走3着 3-  3-  2- 15/ 23 13.0% 26.1% 34.8% 309% 138%
前走4着 0-  0-  1- 14/ 15 0.0% 0.0% 6.7% 0% 26%
前走5着 0-  1-  0- 11/ 12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 33%
前走6〜9着 0-  0-  3- 30/ 33 0.0% 0.0% 9.1% 0% 39%
前走10着〜 0-  1-  0- 17/ 18 0.0% 5.6% 5.6% 0% 47%

表5は前走着順別成績。これを見ると、前走が3着以内だったか、4着以下だったかでクッキリと明暗が分かれていることがひと目でわかる。前走3着以内なら【10.8.6.76】、勝率10.0%、複勝率24.0%なのに対し、前走4着以下では【0.2.4.72】、勝率0.0%、複勝率7.7%とかなり苦戦している。特に、1着馬はすべて前走3着以内から出ており、絶対条件といっても過言ではなさそうだ。

■表6 前走別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
神戸新聞杯 8- 6- 5-44/63 12.7% 22.2% 30.2% 134% 94%
セントライト記念 0- 3- 2-39/44 0.0% 6.8% 11.4% 0% 35%
京都大賞典 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 290%
朝日チャレンジC 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 82%
1000万下戦 2-  0-  2- 41/ 45 4.4% 4.4% 8.9% 142% 68%
※好走例のあるレース、条件のみ

表6は前走別成績。ここでは、前走で1000万下のレースに出走した馬はひとくくりで示している。過去10年、圧倒的に好走例が多いのは神戸新聞杯組。一方、もうひとつのトライアルであるセントライト記念組からは勝ち馬が出ておらず、好走率も大きく落ちてしまう。基本的には神戸新聞杯組を中心視すべきだろう。京都大賞典や、今年から名称が変わって開催時期も12月に移ったものの朝日チャレンジCといった関西の古馬混合重賞をステップに臨む馬も侮れないが、今年は該当馬がいない。そして、ときに激走を見せるのが前走で1000万下を走っていた馬。この組の好走例は前走1着馬に限られており、中央場所の芝2400m以上、もしくは2着馬に0秒6以上の大きな差で勝ってきた馬なら狙ってみる価値があるだろう。

■表7 芝2400m以上の出走経験

出走経験 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 8- 10-  8-103/129 6.2% 14.0% 20.2% 66% 72%
なし 2- 0- 2-45/49 4.1% 4.1% 8.2% 129% 39%

表7は、菊花賞までに芝2400m以上のレースに出走経験があった馬と、なかった馬の成績を比較したものである。これを見ると、2400m以上のレースに出走した経験を持つ馬のほうが、明らかに好走率が高いことがわかる。未知の距離である3000mに挑むにあたって、なるべく長い距離のレースを経験しておくことは損にならないとみて間違いないだろう。ただし、芝2400m以上のレースに出走経験のない馬でも過去10年で2頭が勝っており、単勝回収率129%と穴をあけている点には注意したい。たとえば、09年のスリーロールスは芝2000mまでの距離経験しかなかったものの、8番人気1着と激走を果たした。その血統を見ると、父にダンスインザダーク、母の父にもブライアンズタイムと、菊花賞で高い実績を持つ種牡馬を血統表に抱えていた。芝2400m以上の距離経験を持たない場合は、血統背景から距離をこなせそうな馬のみ狙うように心がけたい。

■表8 芝2400m以上のレースで「距離延長で1〜3着」した実績

実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 6- 8- 4-48/66 9.1% 21.2% 27.3% 59% 82%
なし 2- 2- 4-55/63 3.2% 6.3% 12.7% 73% 61%

前項で、芝2400m以上のレースに出走した経験のある馬のほうが明らかに高い好走率を残していることがわかった。この項では、その芝2400m以上のレースについて、もうすこし突っ込んで調べてみたい。

表8は、芝2400m以上のレースに「距離延長」のかたちで1〜3着にした実績を持つ馬と、持たなかった馬の成績を比較したものである。現行の競馬カレンダーだと、菊花賞では出走全馬が400m以上の距離延長で3000mの長丁場に挑むことになる。つまり、まったく同じシチュエーションではないにせよ、菊花賞以前に芝2400m以上の長距離戦に距離延長のかたちで出走し、1〜3着に好走した実績を持つ馬のほうが対応しやすいのではないか、と考えたのだ。その結果を示すのが表8で、やはり、この実績を持つ馬のほうが、実績を持たない馬より高い好走率を残していることがわかった。出走全馬が距離延長での出走となる菊花賞では、距離延長の実績を持つ馬を狙ってみたい

【結論】

■表9 2014年菊花賞登録馬

馬名 所属 前走着順 芝2400m以上経験 芝2400m以上で距離延長1〜3着
アグリッパーバイオ 関西 1 あり なし
アドマイヤランディ 関西 1 あり なし
ヴォルシェーブ 関西 5 あり あり
オウケンブラック 関東 9 あり あり
ゴールドアクター 関東 1 あり あり
サウンズオブアース 関西 2 あり なし
サトノアラジン 関西 4 あり あり
サングラス 関西 14 あり なし
シャンパーニュ 関西 11 あり あり
ショウナンラグーン 関東 8 あり あり
スズカデヴィアス 関西 14 あり なし
タガノグランパ 関西 3 あり なし
タガノゴールド 関西 1 なし なし
トーセンスターダム 関西 7 あり なし
トーホウジャッカル 関西 3 あり あり
トゥザワールド 関西 2 あり なし
ハギノハイブリッド 関西 6 あり なし
マイネルフロスト 関東 9 あり なし
ミヤビジャスパー 関西 1 あり なし
メイショウスミトモ 関西 1 なし なし
ラングレー 関西 2 あり あり
ワールドインパクト 関西 10 あり あり
ワンアンドオンリー 関西 1 あり あり

2014/9/28 阪神11R 神戸新聞杯(G2)1着 10番 ワンアンドオンリー

中スポ賞ファルコンS(G3)1着 13番 タガノグランパ

今年の菊花賞登録馬と、これまでに述べた好走条件の合致具合を一覧にしたものが表9である。好走率の低い「関東馬」「前走4着以下」「芝2400m以上の出走経験なし」「芝2400m以上への距離延長で1〜3着なし」に合致する馬を減点材料とした。なお、本稿執筆時点では騎手の乗り替わりやレース当日の馬体重についてはわからないので、発表され次第ご確認いただけると幸いである。

この結果、減点材料がひとつもなかったのは、トーホウジャッカル、ワンアンドオンリー、ラングレーとなった。ただし、収得賞金的に出走自体が微妙ではあるが、ラングレーの前走2着は1000万下のもの。1000万下組は前走1着が条件なので、同馬は除外すべきだろう。よって、今回調べたデータから有力なのは、ワンアンドオンリートーホウジャッカルの2頭としたい。両馬ともに菊花賞の最有力ステップである神戸新聞杯組でもあり、これといった死角は見当たらない。

減点がひとつだけの馬のなかで情状酌量の余地があるとすれば、タガノグランパではないだろうか。同馬は芝2400m以上への距離延長で1〜3着の実績を持たないことが減点材料となったが、皐月賞(2000m)からダービー(2400m)への距離延長で4着に入った経験は見逃せない。また、皐月賞以前は1400mや1600mを中心に使われており、それでいてダービーでいきなり僅差の4着に来たことを思えば距離延長への対応力はかなり高いと考えるべきだろう。よって、この馬を3番手としたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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