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第847回 「逃げて連勝中の馬」を狙える条件、狙えない条件を調べる

2014/10/20(月)

2014/10/19 東京11R アイルランドT1着 2番 エイシンヒカリ

アイルランドTのレースぶりによって、エイシンヒカリは実力と個性を兼ね備えた逃げ馬としてますます期待される存在となった。とはいえ、スターへの期待と馬券の話は別。そこで今回は「逃げて連勝中の馬の次走成績」について調べてみたい。ここでいう連勝は2連勝以上を指しており、逃げて3連勝の次走、逃げて4連勝の次走……についても同様に扱うこととする。集計対象は2010年1月5日〜2014年10月19日の平地競走。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、「逃げ」の分類もTARGET frontier JVに準拠している。

■表1 「逃げて連勝した馬」の次走・芝ダート別成績

馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
16-  8-  2- 54/ 80 20.0% 30.0% 32.5% 110% 70%
ダート 9-  9-  5- 36/ 59 15.3% 30.5% 39.0% 74% 97%
全体 25- 17-  7- 90/139 18.0% 30.2% 35.3% 95% 82%

表1は、「逃げて連勝中の馬」の次走における芝ダート別成績で、いちばん下に芝ダートを問わない全体の次走成績を付記した。まず、逃げて連勝中の馬が次走で芝のレースを使ってきた場合は【16.8.2.54】となっており、1着か4着以下かという極端な着順になりやすいことがわかる。回収率も単勝110%に対して複勝70%と、狙うのであれば1着でという傾向が鮮明だ。一方、次走でダート戦を使ってきた場合は、勝率は芝より低いものの複勝率は高い。つまり、逃げて連勝中の馬は次走ダートのほうが安定感では上回ると言える。

■表2 「逃げて連勝した馬」の次走・脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 22-  8-  1- 30/ 61 36.1% 49.2% 50.8% 180% 117%
先行 2-  8-  6- 34/ 50 4.0% 20.0% 32.0% 26% 74%
中団 1-  0-  0- 15/ 16 6.3% 6.3% 6.3% 55% 22%
後方 0-  1-  0- 10/ 11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 16%
※脚質は TARGET frontier JV による分類

表2は、「逃げて連勝中の馬」の次走における脚質別成績。これを見ると、逃げて連勝してきた馬は、次走でも逃げることができれば勝率36.1%、単勝回収率180%と勝ち切れるのに対して、先行、中団、後方からの競馬、つまり逃げられなかった場合を合計すると【3.9.6.59】、勝率3.9%、複勝率23.4%、単勝回収率28%、複勝回収率55%と苦戦傾向がある。つまり、今度も確実に逃げられそうなメンバー構成であれば、逃げて連勝中の馬を狙ってみる価値がある一方、他にも逃げそうな馬が何頭もいて、逃げられる保証がないメンバーになった場合は過信しないほうがいいだろう。また、次走でも逃げられた場合であっても【22.8.1.30】という着度数が示す通り、1着か4着以下かという傾向が出ている点にも注意しておきたい。

■表3 「逃げて連勝した馬」の次走・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 12-  6-  2-  4/ 24 50.0% 75.0% 83.3% 97% 109%
2番人気 5-  5-  1- 15/ 26 19.2% 38.5% 42.3% 83% 76%
3番人気 2-  1-  0- 11/ 14 14.3% 21.4% 21.4% 96% 62%
4番人気 2-  3-  1-  8/ 14 14.3% 35.7% 42.9% 115% 125%
5番人気 1-  1-  2- 10/ 14 7.1% 14.3% 28.6% 46% 92%
6番人気 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 1-  0-  1-  9/ 11 9.1% 9.1% 18.2% 131% 91%
8番人気 1-  1-  0-  4/  6 16.7% 33.3% 33.3% 356% 203%
9番人気 1-  0-  0-  4/  5 20.0% 20.0% 20.0% 300% 132%
10番人気以下 0-  0-  0- 13/ 13 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は、「逃げて連勝中の馬」の次走における人気別成績。まず注目したいのが、1番人気の勝率50.0%という数字である。標準的な1番人気馬の勝率は30%強だから、これを大きく上回りながらも単勝回収率97%と、わずかに100%には届かなかった。つまり、逃げて連勝中の馬が1番人気に推された場合、信頼性は高いものの過剰人気の傾向があることは否定できない。逃げて連勝中の馬を狙ってみたいのは単勝回収率が非常に高い7〜9番人気のゾーンで、このあたりの評価にとどまっているようなら見逃さないようにしたい。ただし、10番人気以下まで評価を落としてしまうと好走例はゼロ。連勝中にも関わらずふたケタ人気とまったく評価されていない場合は、素直に世間の評価に従ったほうがよさそうだ。

■表4 「逃げて連勝した馬」の次走・距離別成績

  距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 4- 3- 1-14/22 18.2% 31.8% 36.4% 151% 91%
1400m〜1600m 5- 1- 0-13/19 26.3% 31.6% 31.6% 98% 62%
1700m〜2000m 5- 2- 1-18/26 19.2% 26.9% 30.8% 98% 56%
2100m〜2400m 1- 1- 0- 6/ 8 12.5% 25.0% 25.0% 83% 80%
2500m〜 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 78% 72%
ダート 1000m〜1300m 0- 3- 1- 6/10 0.0% 30.0% 40.0% 0% 95%
1400m〜1600m 3- 2- 0- 7/12 25.0% 41.7% 41.7% 196% 145%
1700m〜2000m 6- 4- 4-19/33 18.2% 30.3% 42.4% 61% 93%
2100m〜2400m 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2500m〜 0- 0- 0- 0/ 0          

表4は、「逃げて連勝中の馬」の次走における距離別成績を芝ダート別で示したもの。この表でなにより注目すべきなのが、ダート1000〜1300mで【0.3.1.6】と1勝も挙げていないことである。逃げて連勝中の馬は、ダート短距離戦では有利に思えるだけに意外な感もあるが、表2の項目で述べた「逃げて連勝中の馬は、次走で逃げられなかった場合は苦戦」というデータと関係があるのではないか。つまり、ダート短距離戦のカテゴリーにはスピード自慢が数多く存在するため「逃げて連勝中の馬」でも容易には逃げられず、1着には手が届いてないのではないだろうか。そもそもの該当例が多くはないのでたまたま偏っただけの可能性はあるが、気になるデータには違いないはずだ。

■表5 「逃げて連勝した馬」の次走・クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同クラス 6-  4-  3- 13/ 26 23.1% 38.5% 50.0% 70% 83%
昇級戦 19- 13-  4- 76/112 17.0% 28.6% 32.1% 101% 82%
降級戦 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は、「逃げて連勝中の馬」の次走が同クラスの場合、昇級戦の場合、降級戦の場合の成績を比較したものである。現行のルールでは1着の次走では原則的に昇級戦となるが、最上級クラスに在籍するオープン馬や、夏のクラス再編期をまたぐ場合には、1着の次走でも同クラスやまれに降級戦となることもある。ここで注目すべきは、勝率は同クラスのほうが高いのに、単勝回収率では昇級戦のほうが高い点だろう。つまり、逃げて連勝中の馬が前走と同クラスに出走できれば当然ながら有利ではあるが、そのぶん人気にもなってしまう。むしろ、前走より相手関係が厳しくなる昇級戦のほうがマークも薄くなり、特に1着では狙いやすくなるようだ。

■表6 「逃げて連勝した馬」の次走・前走タイム別成績

前走タイム差 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
勝1.0〜1.9秒 1-  1-  0-  4/  6 16.7% 33.3% 33.3% 65% 68%
勝0.6〜0.9秒 5-  2-  1-  7/ 15 33.3% 46.7% 53.3% 57% 66%
勝0.3〜0.5秒 6-  6-  4- 23/ 39 15.4% 30.8% 41.0% 80% 102%
勝0.1〜0.2秒 9-  5-  1- 34/ 49 18.4% 28.6% 30.6% 131% 88%
勝0.0秒 4-  3-  1- 22/ 30 13.3% 23.3% 26.7% 79% 56%

表6は、「逃げて連勝中の馬」を前走時のタイム差によって区切り、次走の成績を示したものである。当然ではあるのだが、全体としては前走のタイム差が大きいほど、次走でも好走率が高い傾向にある。ただし、前走で0.6秒差以上をつけていた「逃げて連勝中の馬」は、単複ともに50〜60%台の回収率にとどまっており、前走の快勝によって過剰人気となっている。そこで、馬券的に面白い存在となりそうなのが、単勝回収率131%という数字を残している前走のタイム差が0.1〜0.2のゾーン。着差でいえば半馬身差から1馬身4分の1差ぐらいの、前走が完勝でも辛勝でもなかった「逃げて連勝中の馬」に妙味がある。

■表7 「逃げて連勝した馬」の次走・年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2歳 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 108% 78%
3歳 13- 6- 1-52/72 18.1% 26.4% 27.8% 100% 69%
4歳 10- 7- 4-22/43 23.3% 39.5% 48.8% 114% 111%
5歳 1- 3- 1- 8/13 7.7% 30.8% 38.5% 26% 67%
6歳 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 58%

表7は、「逃げて連勝中の馬」の次走における年齢別成績。なお、次走時点で7歳以上の馬は、集計期間内には該当例がなかった。この表を見ると、2〜4歳は総じて優秀な数字を残しているのに対して、5歳以上になると特に勝率が大きくダウンしていることが一目瞭然だ。おそらく「逃げて連勝」したあとには相応の消耗を伴い、年齢を重ねた5歳以上になると回復が追いつかなくなってしまうのではないか。一方、4歳までの若い馬なら逃げて連勝したあとでも体調をキープすることが十分可能で、なかでもサラブレッドの充実期と言われる4歳馬なら、逃げて連勝したあとの次走でも好走する確率は高いと言えるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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