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第843回 新設重賞いちょうS! 2歳の東京芝1600m戦の傾向は?

2014/10/6(月)

 スプリンターズSが終わり、今週から東京・京都開催が始まる。3日間開催となる今週は日曜に毎日王冠、祝日の月曜に京都大賞典が行われる。両重賞ともに開幕週の名物重賞だが、土曜にも今年から新設された2歳重賞のいちょうSが組まれている。いちょうSは一昨年、昨年と芝1800mで行われていたが、今年から11年までの芝1600mに距離短縮されて重賞へと昇格した。今回のデータde出〜たでは、東京芝1600mで行われる2歳戦について過去のデータから分析していく。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 10月以降の2歳重賞スケジュール

月日 レース名 グレード/条件 コース距離
10月11日 いちょうS 新設重賞 東京芝1600m
11月1日 アルテミスS G3・牝馬限定 東京芝1600m
8日 京王杯2歳S G2 東京芝1400m
ファンタジーS G3・牝馬限定 京都芝1400m
15日 デイリー杯2歳S G2 京都芝1600m
24日 東京スポーツ杯2歳S G3 東京芝1800m
29日 ラジオNIKKEI杯京都2歳S G3(OPから昇格) 京都芝2000m
12月14日 阪神ジュベナイルF G1・牝馬限定 阪神芝1600m
21日 朝日杯フューチュリティS G1 阪神芝1600m
28日 ホープフルS G2(OPから昇格) 中山芝2000m

 まず表1は10月以降に行われる2歳重賞を日付順にまとめたもの。昨年との主な変更点は以下のとおりだ。

<変更点>

  1. 暮れの中山で行われていた朝日杯FSが阪神芝1600mへと変更。
  2. いちょうS、京都2歳S、ホープフルSの3レースが新たに重賞へと昇格。

まず@に関しては、阪神JF・朝日杯FSの2歳両G1が同じ阪神芝1600mで行われることになった。これにより、牡馬・牝馬のレベルが比較しやすくなると推察される。Aに関しては、芝1400m〜2000mまでさまざまな路線に対応して重賞が整備された。なお、昨年まで暮れにはラジオNIKKEI杯2歳Sが行われていたが、今年はラジオNIKKEI杯京都2歳Sとして11月に変更。暮れにはホープフルSがG2として中山で行われる。

■表2 東京芝1600mで行われる2歳戦のクラス別成績(2010年以降)

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
新馬 34-  34-  35- 417/ 520 6.5% 13.1% 19.8% 109% 84%
未勝利 40-  40-  40- 431/ 551 7.3% 14.5% 21.8% 79% 107%
500万下 6-   6-   6-  77/  95 6.3% 12.6% 18.9% 48% 79%
オープン特別 4-   4-   4-  38/  50 8.0% 16.0% 24.0% 25% 43%
G3 2-   2-   2-  30/  36 5.6% 11.1% 16.7% 17% 40%

2014/6/8 東京5R サラ2歳新馬1着 12番 シゲルケンカヤマ

 東京芝1600mで行われる2歳戦のクラス別成績。新馬戦・未勝利戦が抜けて多いものの、
新馬戦の単勝回収率・未勝利戦の複勝回収率は100%を超えており、波乱となるケースが多いことがわかる。

 新馬戦では34レース中17レースで1・2番人気馬が勝利しているものの、2ケタ人気馬の勝利が7レース。人気薄の勝利が全体の20%以上もある。実際に今年6月8日の2歳新馬戦では18頭中15番人気のシゲルケンカヤマが勝利。レースは不良馬場の中で行われたが、2着にも13番人気馬シーレッドが激走。3連単で300万円を超える波乱となった。

 未勝利戦では2ケタ人気馬の勝利は2レースのみと少ないものの、2・3着に前走から一変した伏兵馬が絡むことが多かった。

 なお、表では500万下、オープン特別、G3とクラスが上がるにしたがって、単勝回収率・複勝回収率が低くなっている。レース数は少ないが、現時点では上位人気馬が好走している。

■表3 東京芝1600mで行われる2歳戦の騎手別成績(2010年以降/4勝以上)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
北村宏司 9- 6-11-33/59 15.3% 25.4% 44.1% 104% 122%
田辺裕信 7- 4- 6-26/43 16.3% 25.6% 39.5% 79% 169%
三浦皇成 5-10- 2-35/52 9.6% 28.8% 32.7% 112% 100%
蛯名正義 5- 7- 4-41/57 8.8% 21.1% 28.1% 58% 101%
後藤浩輝 5- 4- 5-17/31 16.1% 29.0% 45.2% 231% 114%
横山典弘 5- 4- 2-22/33 15.2% 27.3% 33.3% 69% 72%
松岡正海 4- 8- 8-34/54 7.4% 22.2% 37.0% 36% 119%
柴田善臣 4- 4- 1-39/48 8.3% 16.7% 18.8% 39% 83%
福永祐一 4- 3- 1-11/19 21.1% 36.8% 42.1% 61% 87%
石橋脩 4- 0- 2-30/36 11.1% 11.1% 16.7% 138% 46%
戸崎圭太 3- 3- 2-21/29 10.3% 20.7% 27.6% 32% 54%
内田博幸 2- 3- 6-22/33 6.1% 15.2% 33.3% 102% 83%

 表3は騎手別成績。勝利数トップは9勝の北村宏司騎手。騎乗数も多いが、驚くべきはその複勝率の高さだ。44.1%と非常に高く、複勝回収率は100%を上回っている。北村宏司騎手といえば、元所属だった藤沢和雄厩舎とのつながりのイメージがあるが、意外にもこのコンビでは【0.0.1.5】といまひとつ。一方、大竹正博厩舎【3.0.0.0】、古賀慎明厩舎【2.1.2.3】、国枝栄厩舎【2.1.1.4】とこれら3厩舎で非常に好成績をあげている。特に大竹厩舎は昨年ショウナンワダチとのコンビで2勝をあげている。

 7勝をあげた田辺騎手、5勝で連対率が高い三浦騎手の若手に注目。田辺騎手は昨年のアルテミスSで2番人気マーブルカテドラルに騎乗し、見事に勝利へと導いている。

 なお、複勝率が45.2%と一番高かったのが後藤浩輝騎手。アドマイヤコジーン、ショウワモダンと安田記念で2勝しているように、東京マイル戦を得意にしているジョッキーだ。現在ケガで休養中だが、一刻も早い復帰に期待したい。

 勝率・連対率トップの福永騎手は人気馬に騎乗する機会が多く、安定感がある。戸崎騎手はまだ3勝止まりだが、秋の東京開催では目が離せないジョッキーだろう。

■表4 東京芝1600mで行われる2歳戦の種牡馬別成績(2010年以降/3勝以上)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 10- 8- 2-26/46 21.7% 39.1% 43.5% 59% 67%
ネオユニヴァース 5- 4- 7-27/43 11.6% 20.9% 37.2% 82% 143%
シンボリクリスエス 5- 3- 5-30/43 11.6% 18.6% 30.2% 128% 80%
キングカメハメハ 5- 1- 3-26/35 14.3% 17.1% 25.7% 184% 82%
ハーツクライ 4- 5- 1-25/35 11.4% 25.7% 28.6% 28% 76%
フジキセキ 3- 4- 5-14/26 11.5% 26.9% 46.2% 37% 186%
ダイワメジャー 3- 4- 4-26/37 8.1% 18.9% 29.7% 78% 91%
ステイゴールド 3- 3- 7-20/33 9.1% 18.2% 39.4% 66% 219%
ファルブラヴ 3- 2- 0- 4/ 9 33.3% 55.6% 55.6% 133% 101%
ロージズインメイ 3- 1- 1-21/26 11.5% 15.4% 19.2% 99% 82%

 表4は種牡馬別成績。10勝と勝利数が抜けて多いのがディープインパクト産駒。出走数が少ないファルブラヴ産駒を除くと、勝率・連対率トップだ。同産駒の10勝中8勝が新馬戦であげたもので、これらはすべて上位2番人気以内だった。新馬戦での成績が【8.3.0.12】で勝率34.8%なのに対して、未勝利戦になると【1.2.1.10】で勝率7.1%まで下がる。

 ディープインパクト産駒は総じて瞬発力に優れており、デビュー戦から末脚の鋭さで勝利する馬が多いものの、そうではないタイプもいる。デビュー戦で勝ち切れなかったタイプは未勝利でも勝ち切れないケースが多い。同産駒は人気になる馬が非常に多いため、見極めが非常に重要だ。

 上位にはサンデーサイレンスの後継種牡馬、同じヘイルトゥリーズン系のシンボリクリスエス・ロージスインメイなどがズラリと上位を占めている。サンデー系のなかでも複勝率が高いのがネオユニヴァース産駒・フジキセキ産駒・ステイゴールド産駒。特にフジキセキ産駒はディープインパクト産駒よりも複勝率は高い。

 それ以外の系統ではキングカメハメハ産駒ファルブラヴ産駒に注目。キングカメハメハ産駒はヴィクトリアMを制したアパパネに代表されるように瞬発力勝負に対応できるし、ファルブラヴ産駒も10年の赤松賞を制したダンスファンタジアのような速い脚を使えるタイプを輩出している。

■表5 いちょうS(09〜11年)、アルテミスS(12〜13年)の結果

年度 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半800m レース上がり
2013 1 マーブルカテドラル 1分35秒2 2 8 33秒9 47秒7 34秒7
2 パシフィックギャル 1/2馬身 6 5 34秒2
3 ニシノミチシルベ 1/2馬身 5 5 34秒4
2012 1 コレクターアイテム 1分33秒8 1 11 33秒9 46秒6 34秒9
2 アユサン 1/2馬身 4 16 33秒5
3 ウインプリメーラ 3馬身 7 2 35秒4
2011 1 アーデント 1分39秒0 1 2 34秒9 50秒4 35秒2
2 ピタゴラスコンマ ハナ 4 4 34秒3
3 マイネルカーミン 3馬身 5 5 34秒6
2010 1 ロビンフット 1分36秒3 3 2 33秒6 49秒9 33秒8
2 エーシンブラン 1/2馬身 2 1 33秒9
3 ショウナンパルフェ クビ 1 2 33秒6
2009 1 トーセンファントム 1分34秒9 3 10 34秒0 47秒8 34秒7
2 アーバンウィナー 1馬身1/4 1 8 34秒4
3 セイウンジャガーズ ハナ 6 14 33秒9

2013/11/2 東京11R アルテミスステークス1着 5番 マーブルカテドラル

 最後に表5は東京芝マイルで行われたいちょうSと前2年のアルテミスSの結果。いちょうSは09年こそ15頭立てとなったが、10年・11年は7頭立てと少頭数だった。また、11年は不良馬場のために勝ち時計が非常に遅くなっている。

 12年のみ前半800m46秒6と速くなったが、その他の年は平均〜スローペースで流れている。勝ち馬は11年を除いて、33秒6〜34秒0の範囲におさまっているように33秒台の末脚を使えることが勝利への必須条件だ。一昨年のコレクターアイテム、昨年のマーブルカテドラルともに33秒9の脚で差し切っている。

 なお、これら5レースの出走馬のうち、前走札幌だった馬が【1.1.1.3】。10年1着のロビンフット(前走コスモス賞2着)など複勝率50%と好成績。それに対して、前走新潟だった馬は【0.0.1.12で、好走したのは10年に1番人気で3着だったショウナンパルフェのみ。同じ左回りの新潟で勝利した馬が上位人気に推されることがあるが、ハッキリと苦戦傾向だ。今年は秋も新潟開催が行われた。前走新潟組はしっかりと見極めたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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