第832回 洋芝適性と「夏の有名格言」がものを言うキーンランドC|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第832回 洋芝適性と「夏の有名格言」がものを言うキーンランドC

2014/8/28(木)

今週行なわれる平地重賞のうち、今回は札幌のキーンランドCを取り上げたい。過去にはこのレースを制したワンカラットとパドトロワがサマースプリントシリーズを優勝しており、シリーズの行方を占ううえでも重要な一戦となる。もちろん、スプリンターズSの前哨戦としても見逃せない。重賞に格上げされた06年以降のうち、函館で行なわれた13年を除く7年分のデータから傾向を分析してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 1-  2-  2-  2/  7 14.3% 42.9% 71.4% 27% 84%
2番人気 2-  2-  1-  2/  7 28.6% 57.1% 71.4% 121% 137%
3番人気 1-  0-  1-  5/  7 14.3% 14.3% 28.6% 91% 54%
4番人気 2-  0-  2-  3/  7 28.6% 28.6% 57.1% 280% 132%
5番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気 0-  2-  0-  5/  7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 120%
7番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0-  0-  1-  6/  7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 134%
9番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
12番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-  1-  0-  6/  7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 90%
14番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 1-  0-  0-  4/  5 20.0% 20.0% 20.0% 3228% 452%

表1は単勝人気別成績。08年に最低人気のタニノマティーニが勝って単勝万馬券の大穴をあけた例はあるが、集計対象となった延べ21頭の好走馬のうち16頭を1〜4番人気が占めており、全体的には堅めの傾向にあるようだ。参考までに、函館開催のため今回は集計対象としなかった13年も見ておくと、馬場状態がかなり悪化した状態で行なわれながらも3番人気→1番人気→6番人気と、競馬場は替わってもやはり比較的穏当な決着だった。データ上からは、キーンランドCではあまり無理な穴馬を狙わず、人気サイドの馬を中心視したほうが無難と言えそうだ。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 0- 0- 2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0% 26%
2枠 1- 0- 2-10/13 7.7% 7.7% 23.1% 49% 95%
3枠 1- 1- 0-12/14 7.1% 14.3% 14.3% 1152% 195%
4枠 1- 1- 1-11/14 7.1% 14.3% 21.4% 13% 31%
5枠 1- 1- 0-11/13 7.7% 15.4% 15.4% 28% 42%
6枠 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 34% 91%
7枠 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 50% 50%
8枠 1- 0- 0-13/14 7.1% 7.1% 7.1% 89% 16%

表2は枠番別成績。2〜7枠のすべての枠で勝ち馬を含む複数の好走馬が出ているのに対して、1枠は連対馬が出ていない唯一の枠となっており、8枠も好走馬が1頭しか出ていない。内外の極端な枠に入るとやや不利な傾向が見られるので、狙っている馬が1枠および8枠を引いた場合は注意したほうがいいかもしれない。

■表3 牡牝別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡・セン 3- 5- 4-62/74 4.1% 10.8% 16.2% 233% 70%
4- 2- 3-26/35 11.4% 17.1% 25.7% 72% 66%

表3は牡牝別成績で、集計対象の7年で牡馬が3勝なのに対して、全体の出走頭数では半数以下の牝馬が4勝と上回っている。全体の好走率を見ても牝馬のほうが安定した成績を収めていることがわかる。参考までに、集計対象外の13年も1〜6着を牝馬が占めたことも付け加えておきたい。この13年は牝馬の出走が12頭と多かったとはいえ、そのことを差し引いても、キーンランドCは「夏は牝馬」の格言が当てはまるレースと見ていいだろう。

■表4 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 1- 0- 1- 9/11 9.1% 9.1% 18.2% 64% 30%
4歳 2- 1- 2-11/16 12.5% 18.8% 31.3% 35% 60%
5歳 2- 1- 3-18/24 8.3% 12.5% 25.0% 46% 73%
6歳 1- 4- 1-29/35 2.9% 14.3% 17.1% 35% 52%
7歳以上 1- 1- 0-21/23 4.3% 8.7% 8.7% 701% 113%

表4は年齢別成績。主力となるのは4〜6歳のゾーンだが、6歳になると2着どまりのケースが目立つようになる。そして、斤量面で有利にも思える3歳馬の好走率がそれほどでもないことは、覚えておきたい事柄のひとつだろう。07年1着のクーヴェルチュールのほかには、2位入線馬の降着によって3着に繰り上がった09年のグランプリエンゼルしか好走例が見当たらない。7歳以上の高齢馬は、08年のタニノマティーニの激走によって回収率こそ高いものの好走率は低く、同馬以外に好走したのは11年2着のビービーガルダンのみ。この2頭は札幌や函館を得意とする「洋芝巧者」として知られた存在だったので、狙うならそういう馬に限りたい。

■表5 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 3-  2-  5- 15/ 25 12.0% 20.0% 40.0% 48% 72%
前走2着 0-  2-  0- 10/ 12 0.0% 16.7% 16.7% 0% 49%
前走3着 1-  1-  0-  4/  6 16.7% 33.3% 33.3% 118% 58%
前走4着 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 22%
前走5着 2-  1-  0-  7/ 10 20.0% 30.0% 30.0% 1739% 312%
前走6着以下 1- 1- 1-44/47 2.1% 4.3% 6.4% 10% 31%

表5は前走着順別成績。ここで気づくのが、前走で6着以下だった馬の好走率の悪さだ。3着以内に入った例が皆無というわけではなく、好走した馬も3例あるが、そのうち2例はビービーガルダンが記録したもの。この馬はキーンランドCに通算4回出走して1勝、2着2回、4着1回とほぼ凡走なしという成績を収めており、このレースを非常に得意としていた馬だったから巻き返せた面もあるのではないだろうか。集計対象とした7年で同馬を除いて前走6着以下から連対した例はなく、それ以外では10年にベストロケーションが3着に入ったのが最高となっている。対照的に、前走1着馬が複勝率40.0%と高い好走率を残していることからも、基本的には前走着順が良い馬を狙ったほうがよさそうだ。「夏は格より調子」という有名な格言はこのレースにもしっかりと当てはまっており、表5の通り、最低でも前走で掲示板(5着以内)を確保していることが望ましいだろう。

■表6 前走レース別成績(好走例のあるレースのみ)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
函館スプリントS 2- 2- 4-16/24 8.3% 16.7% 33.3% 23% 52%
アイビスサマーダッシュ 2- 1- 0-12/15 13.3% 20.0% 20.0% 90% 58%
UHB賞 ※ 1- 1- 1-30/33 3.0% 6.1% 9.1% 489% 96%
マイラーズC 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 480% 170%
クイーンS 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1250% 230%
CBC賞 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0% 178%
札幌日刊スポーツ杯 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 76%
安田記念 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 90%
※UHB賞にはUHB杯(11年まで)も含む

表6は前走レース別成績。好走例が多い前走函館スプリントS組は、そこで1、2着に入っていれば【2.2.3.4】、3着以下だと【0.0.1.12】というわかりやすい成績が残っているので、素直に連対馬を信用したい。同様に、前走アイビスサマーダッシュ組の好走例もそこで1、2着に入った馬に限られている。一方、好走率は低いものの、来たときに穴をあけるのが前走UHB賞組だ。08年16番人気1着のタニノマティーニのほか、09年13番人気3着のドラゴンウェルズや、8着に降着となったものの09年に12番人気ながら2位に入線したモルトグランデもいる。そのモルトグランデを含むすべての好走馬はUHB賞で5着以内に入っていたので、ひとまずはこれを基準としたい。ほかでは、前走札幌日刊スポーツ杯組は1着馬に限れば4頭中2頭が3着以内を確保。また、数は少ないが安田記念、マイラーズC、クイーンSと前走でマイル以上の距離の重賞を使われた馬も高い好走率を残しており、このあたりにも注目したい。

■表7 出走時点における洋芝コースの勝利数別成績

洋芝・勝利数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2勝以上 4- 4- 3-25/36 11.1% 22.2% 30.6% 501% 115%
1勝のみ 3- 0- 2-19/24 12.5% 12.5% 20.8% 71% 41%
0勝(出走歴なし) 0- 2- 1-14/17 0.0% 11.8% 17.6% 0% 91%
0勝(出走歴あり) 0- 1- 1-30/32 0.0% 3.1% 6.3% 0% 25%

北海道で行なわれる芝重賞では定番とも言えるが、キーンランドCでもやはり「洋芝適性」の有無を確認しておくべきだ。表7の通り、1着馬は洋芝コース(札幌、函館の芝コース)で最低でも1勝を挙げていた馬に限られており、洋芝0勝の馬からは1着馬が出ていない。今回は集計対象外とした13年の勝ち馬フォーエバーマークも出走時点で洋芝2勝だったことを考えても、やはりこのデータは重視すべきだろう。

もう少し細かく、洋芝2勝以上の馬と洋芝1勝のみの馬を比較したときに見逃せないのが、前者には人気薄の激走が複数含まれているのに対して、後者の好走は1〜4番人気に限られている点だ。穴馬なら洋芝で2勝以上を挙げている「洋芝巧者」を狙ってみたい。そして、洋芝0勝の馬については、すでに出走歴があるのに洋芝0勝の馬と、そもそも洋芝の出走歴がなかった馬とで、好走率に大きな差が出ている点が見逃せない。洋芝0勝の馬を狙うのであれば、実は馬場適性があるかもしれない洋芝コース未出走馬のほうが確率は高いだろう。

【結論】

2014/7/5 函館11R TVh杯 1着 3番 ブランダムール

2014/8/2 札幌11R 札幌日刊スポーツ杯 1着 10番 レッドオーヴァル

今年のキーンランドC登録馬19頭のうち、洋芝で2勝以上を挙げているのはブランダムール、パドトロワ、フォーエバーマーク、クリスマス、スマートオリオンの5頭。洋芝で1勝のみ挙げているのがアーリーデイズ、フクノドリーム、レジェトウショウ、レッドオーヴァル、ローブティサージュの5頭。その他の9頭は洋芝0勝となっている。

そして、洋芝実績と同時に、好走率の高い「4〜6歳馬」と「前走1〜5着」の条件をすべて満たすのはブランダムール、レッドオーヴァルローブティサージュスマートオリオンの4頭となる。この中で序列をつけるとすれば、牝馬が優勢のレースであることも加味して、登録馬の中でトップの洋芝4勝を記録しているブランダムールと、唯一の前走1着馬であるレッドオーヴァルを重視してみたい。

フクノドリームは、キーンランドCで意外と振るわない3歳馬という点を鑑みて、前述した4頭に次ぐ位置とした。それでも、アイビスサマーダッシュ2着からの臨戦過程は相性が良く、無視はできない存在と言える。一方、それぞれ一昨年と昨年の当レース勝ち馬であるパドトロワとフォーエバーマークはいずれも前走着順が6着以下で、特に前者はふたケタ着順が8戦続く。洋芝適性を活かしてどこまで巻き返せるかだろう。

洋芝0勝の中から取り上げるとすれば、洋芝未出走かつ前走2着のスノードラゴン。不良馬場の高松宮記念で2着に好走しており、いかにも洋芝が合いそうなタイプだ。同じアドマイヤコジーン産駒のマジンプロスパーも洋芝は未出走ながら、重馬場のCBC賞を勝つなど時計のかかるレースの好走実績が豊富で、洋芝適性の高そうな馬ではある。ただし、こちらは7歳馬ということに加えて、前走がG1とはいえ18着に大敗しており、そのあたりのデータからは推奨しづらい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN