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第825回 夏競馬・条件戦の前走着外馬は巻き返せない!?

2014/8/4(月)

全国的に梅雨が明け、夏競馬でも特に暑い8月がやってきた。人間同様に、馬にも夏が得意な馬、苦手な馬がおり、暑さでいったん体調を崩すとなかなか持ち直せない印象も強いもの。そこで今回は、夏競馬の「前走着外馬」に注目していくつかデータを調べてみたい。調査対象は、8月の午後のレースで多くを占める500万条件戦を中心とし、データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。また、前走で中央の平地競走に出走していた馬を対象としている。

■表1 8月・500万条件の前走同クラス出走馬着順別成績(09〜13年)

前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1着 8-3-7-28/46 17.4% 23.9% 39.1% 81% 78%
前走2着 97-68-58-223/446 21.7% 37.0% 50.0% 80% 86%
前走3着 74-61-50-252/437 16.9% 30.9% 42.3% 83% 78%
前走4着 45-42-46-316/449 10.0% 19.4% 29.6% 68% 70%
前走5着 36-41-55-313/445 8.1% 17.3% 29.7% 64% 84%
前走6〜9着 78-101-102-1338/1619 4.8% 11.1% 17.4% 69% 72%
前走10着〜 48-56-63-1647/1814 2.6% 5.7% 9.2% 76% 72%

新潟の夏競馬イメージ写真

表1は、8月の500万条件戦において、前走も500万条件に出走した馬の前走着順別成績を調べたものである。連対率が高いのは前走2着、3着、1着の順。前走1着馬の成績が見劣るのは、その多くがクラス編成替え前、春競馬以前から間隔が開いていたためと思われる。今回注目する「前走着外馬」は、この表では「前走6〜9着」と「前走10着〜」の部分になる。前走6〜9着馬は連対率11.1%で、おおむね10頭に1頭程度が連対する確率だ。前走10着以下になると連対率はその半分ほどになり、複勝圏内で10頭に1頭程度。いずれにしても、前走で好走していた馬に比べ好走確率は低く、単複の回収率を見ても前走1〜3着馬には及ばない。

■表2 500万条件の月別、前走同クラス出走馬着順別成績(8月:09〜13年、2・5月:10〜14年)

前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走6〜9着 2月 63-78-88-887/1116 5.6% 12.6% 20.5% 67% 90%
5月 71-80-84-1019/1254 5.7% 12.0% 18.7% 66% 71%
8月 78-101-102-1338/1619 4.8% 11.1% 17.4% 69% 72%
前走10着〜 2月 37-44-53-1336/1470 2.5% 5.5% 9.1% 57% 63%
5月 32-41-45-1265/1383 2.3% 5.3% 8.5% 52% 56%
8月 48-56-63-1647/1814 2.6% 5.7% 9.2% 76% 72%

表1だけを見ていても夏競馬の特徴はわからないため、今度は前走着外馬に絞って、2月、5月の成績と8月の成績を比較したい(2、5月は3歳馬限定戦を除く)。表の上に記した「前走6〜9着」馬を見ると、勝率から複勝率まで8月は2、5月より低いことがわかる。少なくともこの条件では、8月の前走着外馬は2、5月に比べ巻き返しづらいと言えるだろう。ただ、8月と2月で複勝率3ポイントほどの差では、馬券を購入していて実感できるほどではなさそうだ。また、前走10着以下の馬に関しては好走確率に大差はなく、単複の回収率はむしろ8月のほうがやや高いという結果が出た。

■表3 8月・500万条件の競馬場別、前走同クラス出走馬着順別成績(09〜13年)

前確定着順 場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走6〜9着 函館+札幌 33-39-39-441/552 6.0% 13.0% 20.1% 82% 81%
新潟 20-27-31-429/507 3.9% 9.3% 15.4% 50% 71%
小倉 25-35-32-468/560 4.5% 10.7% 16.4% 73% 65%
新潟+小倉 45-62-63-897/1067 4.2% 10.0% 15.9% 62% 68%
前走10着〜 函館+札幌 17-18-24-447/506 3.4% 6.9% 11.7% 100% 119%
新潟 15-15-18-584/632 2.4% 4.7% 7.6% 48% 48%
小倉 16-23-21-616/676 2.4% 5.8% 8.9% 85% 58%
新潟+小倉 31-38-39-1200/1308 2.4% 5.3% 8.3% 67% 53%

表2ではそれらしき傾向こそ出たものの、少々決め手に欠く印象も強かったので、表3では比較的涼しい北海道(函館+札幌)と、新潟、小倉の成績を分けて比較した。すると、前走6〜9着、10着以下ともに北海道2場が他場より良く、好走確率、回収率ともに新潟や小倉とは差がついている。北海道・前走6〜9着の好走確率は表2の2月並み。そして前走10着以下は全体的に2月より良いほどだ。この主因を気温の違いとは決めつけられないものの、とりあえず予想に役立てるための覚え方として「暑い新潟・小倉の500万条件戦では、他の条件より前走着外馬が巻き返しづらい」としてもいいだろう。

■表4 8月・500万条件のコース別、前走同クラス出走馬着順別成績(09〜13年、新潟・小倉)

コース 前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
芝→芝 前走1着 2-0-1-7/10 20.0% 20.0% 30.0% 90% 58%
前走2着 31-23-19-84/157 19.7% 34.4% 46.5% 69% 78%
前走3着 29-16-21-86/152 19.1% 29.6% 43.4% 72% 81%
前走4着 13-16-16-96/141 9.2% 20.6% 31.9% 57% 75%
前走5着 8-17-16-118/159 5.0% 15.7% 25.8% 38% 81%
前走6〜9着 22-30-38-459/549 4.0% 9.5% 16.4% 52% 60%
前走10着〜 15-21-14-506/556 2.7% 6.5% 9.0% 78% 52%
ダ→ダ 前走1着 6-3-6-11/26 23.1% 34.6% 57.7% 109% 116%
前走2着 27-20-14-47/108 25.0% 43.5% 56.5% 86% 83%
前走3着 24-15-14-64/117 20.5% 33.3% 45.3% 101% 76%
前走4着 14-9-10-87/120 11.7% 19.2% 27.5% 85% 58%
前走5着 12-10-21-79/122 9.8% 18.0% 35.2% 71% 97%
前走6〜9着 18-27-19-335/399 4.5% 11.3% 16.0% 62% 71%
前走10着〜 9-13-18-394/434 2.1% 5.1% 9.2% 52% 64%

ここからは表3で前走着外馬の成績の悪かった新潟、小倉にかぎって見てみたい。表4は芝ダート別の成績を調べたもので、その上半分は前走、今回とも芝に出走した馬、下は連続でダート戦に出走した馬である。前走6〜9着馬の勝率、連対率ではダート、10着以下なら芝のほうが良いという結果だが、ともに複勝率は逆転しており掴みづらい。また、複勝率の差も芝とダートで0.4ポイント以内に収まっており、特に芝だから、ダートだからと分けて考える必要性は薄そうだ。なお、今回の主題からは外れるものの、この集計対象では芝よりもダートのほうが連続好走しやすいという結果が出ている(前走2着馬の連対率で芝は34.4%、ダートは43.5%など)。

■表5 8月・500万条件の前走同クラス出走馬、前走人気別成績(09〜13年、新潟・小倉)

前走人気 前走6〜9着 全馬
着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 勝率 連対率 複勝率
前走1人気 7-11-4-18/40 17.5% 45.0% 55.0% 72% 107% 25.1% 42.4% 53.9%
前走2人気 7-2-4-34/47 14.9% 19.1% 27.7% 86% 46% 16.5% 29.4% 40.8%
前走3人気 4-1-5-48/58 6.9% 8.6% 17.2% 166% 54% 15.5% 23.0% 37.6%
前走4人気 6-4-6-60/76 7.9% 13.2% 21.1% 69% 84% 9.6% 19.3% 29.4%
前走5人気 5-9-5-65/84 6.0% 16.7% 22.6% 34% 73% 8.3% 18.6% 27.7%
前走6〜9人 11-28-24-326/389 2.8% 10.0% 16.2% 61% 78% 6.3% 12.8% 19.6%
前走10人〜 5-7-15-346/373 1.3% 3.2% 7.2% 49% 53% 1.4% 4.2% 7.7%

2014/8/3 新潟9R 浦佐特別 1着 4番 エスオンマイチェス 前走1番人気8着

表5は、着外の中でも比較的好走確率の高い前走6〜9着馬について、前走人気別の成績を調べたものである。表の右に記した同条件の全馬平均と比べてしまうと、前走6〜9着馬はほとんどの項目で見劣るが、前走1番人気馬の連対率・複勝率だけは全馬平均を上回っている。同時に複勝回収率が100%を超えているのも注目点だ。前走1番人気で6〜9着に敗れた馬を見かけたら、馬連や3連複の候補としては前走好走馬にも見劣らないことを思い出したい。なお、前走3着馬の単勝回収率が高いが、58頭中4勝での結果で、信頼できる数字とまでは言い難い。

■表6 8月・500万条件の前走同クラス6〜9着馬、間隔別成績(09〜13年、新潟・小倉)

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
連闘 0-2-1-17/20 0.0% 10.0% 15.0% 0% 49%
中1週 2-7-13-121/143 1.4% 6.3% 15.4% 17% 67%
中2週 12-13-11-160/196 6.1% 12.8% 18.4% 75% 76%
中3週 10-10-13-136/169 5.9% 11.8% 19.5% 36% 55%
中4〜8週 13-20-14-227/274 4.7% 12.0% 17.2% 29% 79%
中9〜24週 6-10-11-184/211 2.8% 7.6% 12.8% 110% 66%
半年以上 2-0-0-52/54 3.7% 3.7% 3.7% 220% 37%
休み明け2戦 12-13-14-182/221 5.4% 11.3% 17.6% 31% 45%
3戦 9-10-10-103/132 6.8% 14.4% 22.0% 71% 103%
4戦 11-4-7-83/105 10.5% 14.3% 21.0% 73% 65%
5戦 3-6-4-55/68 4.4% 13.2% 19.1% 78% 73%
6戦〜 1-15-11-190/217 0.5% 7.4% 12.4% 2% 68%

表6は同じく前走6〜9着馬について、前走からの間隔と、休養明けの消化レース数別の成績を調べたものである。表5と違って「買い」という成績は出てこないが、逆に手を出したくないのは、連闘や中1週と休養明け。そして休み明け6戦目以降で、この6〜9着に甘んじていた馬である。特に、連闘、中1週、休み明け6戦目以降の馬は勝率、単勝回収率が極めて低い。まれに「前走の結果に納得がいかないので連闘(あるいは中1週)」といった厩舎コメントを見かけるものだが、表6の条件に当てはまる馬は少なくとも1着候補では買いづらい。また、休み明け6戦以上を消化して上積みの薄そうな馬が、巻き返して勝利を手にするケースもほとんどない。ただ、休養明けは単勝回収率が高いため、的中確率が低いのを覚悟の上で一発大穴狙いなら買う手もあるだろう。

■表7 8月・1000万条件の前走同クラス出走馬着順別成績(09〜13年、新潟・小倉)

前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1着 2-1-1-5/9 22.2% 33.3% 44.4% 84% 75%
前走2着 13-12-12-48/85 15.3% 29.4% 43.5% 65% 77%
前走3着 15-7-10-54/86 17.4% 25.6% 37.2% 107% 116%
前走4着 2-5-7-74/88 2.3% 8.0% 15.9% 4% 38%
前走5着 4-7-10-60/81 4.9% 13.6% 25.9% 24% 80%
前走6〜9着 6-17-20-253/296 2.0% 7.8% 14.5% 27% 54%
前走10着〜 6-7-14-314/341 1.8% 3.8% 7.9% 68% 71%

ここまで8月の500万条件を対象に見てきたが、特別レースしか買わない方にとっては、対象レースがさほど多くないデータだった。そこで最後に、8月の新潟・小倉1000万条件についても少し触れておきたい。表3に記した500万・新潟+小倉に比べると、1000万では前走6〜9着、前走10着以下ともに好走確率が低い。また、前走4〜5着と「掲示板内の馬券圏外」だった馬の、勝率の低さも目につくところで、1000万の連戦馬は前走で馬券に絡んだ馬以外は全体的に買いづらい結果になっている。

■表8 8月・前走クラス別成績(09〜13年、新潟・小倉)

クラス 前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500万 降級戦 14-25-14-99/152 9.2% 25.7% 34.9% 51% 94%
同クラス 245-232-244-2804/3525 7.0% 13.5% 20.5% 66% 66%
昇級戦 22-21-17-241/301 7.3% 14.3% 19.9% 76% 61%
1000万 降級戦 11-7-3-48/69 15.9% 26.1% 30.4% 73% 72%
同クラス 48-56-74-809/987 4.9% 10.5% 18.0% 49% 68%
昇級戦 34-29-16-152/231 14.7% 27.3% 34.2% 101% 100%

そもそも、この時期の1000万条件は同級連戦馬の成績が全体的に今ひとつで、500万を勝ち上がってきた馬のほうが好走確率は高い、というデータが表8だ。表の上に記したように、500万条件では新馬・未勝利を勝ち上がってきた馬と、500万条件連戦馬全体の成績はほぼ同じ。しかし1000万条件への昇級馬は、同級連戦馬を上回るのみならず、降級戦の馬とも互角以上に渡り合っている。いずれにしても、1000万条件では500万条件にも増して、同級の前走着外馬の巻き返しを考えるよりは、好走馬や昇級・降級馬を狙っていくのが的中に近い

以上、8月の500万条件を中心に「前走着外馬」を考えてみた。比較的涼しい北海道を除き、この時期は冬や春に比べ巻き返しが効きづらく(表3)、特に間隔の詰まった馬や、休養明けからレースを多く重ねた馬が着外から一変するのは難しい(表7)ことがわかった。また、今回は最後に1000万条件にも少し触れたが、1600万やオープン・重賞ならレースごとに過去の傾向を調べやすいので、JRA-VAN Data Lab.対応ソフトや、JRA-VANのスマートフォンアプリなどを活用していただきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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