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第824回 やはり洋芝適性を軽視できないクイーンS

2014/7/31(木)

12年、13年とアイムユアーズが連覇を達成したクイーンS。昨年は札幌競馬場スタンド改修のため函館開催となったが、今年は本来の札幌に戻る。そして、札幌で行われた直近5回では、そのうち4回で10番人気以下のダークホースが3着以下に食い込んでおり、ひと筋縄ではいかないレースとなっているようだ。今年はどのような決着となるか、過去10年のうち函館で行なわれた13年を除く9年分からレース傾向を分析してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2-  2-  0-  5/  9 22.2% 44.4% 44.4% 62% 64%
2番人気 3-  1-  0-  5/  9 33.3% 44.4% 44.4% 148% 76%
3番人気 1-  1-  3-  4/  9 11.1% 22.2% 55.6% 56% 112%
4番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 28%
5番人気 2-  0-  1-  6/  9 22.2% 22.2% 33.3% 242% 96%
6番人気 0-  2-  2-  5/  9 0.0% 22.2% 44.4% 0% 134%
7番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 44%
8番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気 0-  3-  0-  6/  9 0.0% 33.3% 33.3% 0% 265%
11番人気 1-  0-  0-  8/  9 11.1% 11.1% 11.1% 652% 110%
12番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 78%
13番人気 0-  0-  0-  8/  8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は人気別の成績。これを見ると1〜3番人気の成績はさほど差がなく、5、6番人気あたりも遜色ない複勝率を残していることがわかる。上位陣に関しては、人気順にとわらわず馬本位で予想をしたほうが好結果につながりそうだ。また、10番人気以下で馬券に絡んだ5頭は、札幌で行なわれた直近の5年(08〜12年)に集中している。今年も、印の薄い馬であってもまったくのノーマークの扱いにはしないほうがいいだろう。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 1- 0- 6/ 8 12.5% 25.0% 25.0% 70% 63%
2枠 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0% 47%
3枠 3- 1- 3- 9/16 18.8% 25.0% 43.8% 471% 155%
4枠 0- 2- 1-14/17 0.0% 11.8% 17.6% 0% 122%
5枠 2- 1- 2-13/18 11.1% 16.7% 27.8% 65% 66%
6枠 2- 0- 2-14/18 11.1% 11.1% 22.2% 43% 46%
7枠 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 22% 9%
8枠 0- 2- 1-15/18 0.0% 11.1% 16.7% 0% 77%

表2は枠順別の成績で、外の7、8枠の成績が悪いことがわかる。7、8枠が合わせて【1.2.1.32】、勝率2.8%、複勝率11.1%、単勝回収率11%、複勝回収率43%なのに対して、1〜6枠の成績は【8.7.8.63】、勝率9.3%、複勝率26.7%、単勝回収率116%、複勝回収率87%だから、その差は歴然だ。狙っていた馬が7、8枠に入ってしまった場合は、過信しないように注意したいところだ。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 3- 2- 2-17/24 12.5% 20.8% 29.2% 40% 57%
4歳 4- 1- 2-30/37 10.8% 13.5% 18.9% 87% 59%
5歳 1- 6- 4-32/43 2.3% 16.3% 25.6% 136% 119%
6歳 1- 0- 1-14/16 6.3% 6.3% 12.5% 23% 23%
7歳以上 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は年齢別の成績で、集計対象とした9年のうち7年で3歳か4歳が勝っていることに注目したい。5歳は好走例こそ多いものの勝ち切れない傾向にあり、6歳になると好走例自体が大きく減少する。クイーンSで狙いやすいのは5歳馬までで、1着に限れば3歳か4歳を重視するのがセオリーと言えるだろう。

■表4 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
500万下 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1000万下 0-  1-  0-  8/  9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 34%
1600万下 2-  1-  3- 14/ 20 10.0% 15.0% 30.0% 307% 152%
オープン特別 1-  0-  0- 15/ 16 6.3% 6.3% 6.3% 55% 17%
G3 2-  4-  4- 29/ 39 5.1% 15.4% 25.6% 46% 87%
G2 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 4-  3-  2- 23/ 32 12.5% 21.9% 28.1% 50% 64%

表4は前走クラス別成績。夏場の重賞ということもあり、前走で条件戦を走っていた馬も少なからず出走しているが、1000万下からの臨戦だと2着に好走した例が1頭いるものの、全体としては苦戦の傾向が否めない。一方、条件戦組でも1600万下からの臨戦は、複勝率ベースで前走G1組や前走G3組を上回るほどの数字を残し、回収率も抜群なので要注意の存在となる。不思議と苦戦しているのが前走オープン特別組で、04年1着のオースミハルカを除く延べ15頭はすべて4着以下に敗れている。なお、該当例が多い前走G3組と前走G1組については、項を改めて解説したい。

■表5 前走G3組・前走比斤量別成績

斤量増減 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回減 0- 2- 0- 5/ 7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 62%
増減なし 2- 2- 2- 8/14 14.3% 28.6% 42.9% 129% 178%
今回増 0- 0- 2-16/18 0.0% 0.0% 11.1% 0% 25%

前走G3組で注目すべきファクターとなるのが前走と比べて斤量がどうなっているかで、表5の通り、「増減なし」の馬が抜群の数字を残す一方、「今回増」の馬の好走率が非常に悪くなっている。この「今回増」の馬のデータをより詳しく見ると、前走が2着位内なら【0.0.2.3】と好走例があるものの、前走3着以下だと【0.0.0.13】とすべて凡走に終わっていることがわかった。まとめると、前走G3組は斤量が「増減なし」の馬を重視すべきで、「今回減」は可もなく不可もなし。しかし、「今回増」となると前走で連対していた馬以外は大幅な割引が必要になりそうだ。

■表6 前走G1組・前走タイム差別成績

前走タイム差 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
負0.0 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
負0.1〜0.2 1- 2- 0- 1/ 4 25.0% 75.0% 75.0% 140% 122%
負0.3〜0.5 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
負0.6〜0.9 3- 0- 1- 3/ 7 42.9% 42.9% 57.1% 152% 102%
負1.0〜1.9 0- 1- 0-12/13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 46%
負2.0〜2.9 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 86%
負3.0〜3.9 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

前走G1組の取捨を考える際に参考にしやすいのが、前走のタイム差(該当例に前走のG1を勝った馬はいないので、ここではすべて1着馬からのタイム差を指す)だ。表6の通り、タイム差が0秒9までだった馬の成績が明らかによく、1秒以上負けているとなかなか巻き返せない。前走のタイム差が0秒9差までだった馬の成績を合算すると【4.2.1.7】、勝率28.6%、複勝率50.0%、単勝回収率116%、複勝回収率86%なのに対し、1秒以上負けていると【0.1.1.16】。タイム差1秒以上でも好走例が皆無というわけではないが、勝ち馬は出しておらず、複勝率11.1%も大きく見劣りがする。前走G1組に関しては、基本的にはタイム差が0秒9までだった馬を重視すべきと言えるだろう。

■表7 洋芝コース(札幌・函館の芝)での連対実績

該当実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 6- 6- 6-37/55 10.9% 21.8% 32.7% 163% 123%
なし 3- 3- 3-58/67 4.5% 9.0% 13.4% 21% 34%

北海道開催(札幌、函館)の特徴となるのがパワーを要する洋芝コースで、適性のあるなしが着順にも如実に反映されることが多い。そこで、クイーンSについても「洋芝コースの連対実績の有無」を調べてみたところ、表7の通り、やはり洋芝コースの連対実績を持つ馬のほうが、明らかに優秀な数字を残していることがわかった。洋芝コース初出走の馬はともかく、出走歴がありながら連対経験を持たない馬に関してはマイナス材料と考えるべきだろう。

■表8 芝重賞の連対実績

該当実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 8- 7- 6-52/73 11.0% 20.5% 28.8% 62% 80%
なし 1- 2- 3-43/49 2.0% 6.1% 12.2% 119% 65%

出走時点で芝重賞の連対経験を持っていた馬と、持っていなかった馬の成績をそれぞれ比べてみた。その結果が表8で、少なくとも好走率に関しては芝重賞の連対実績を持っている馬のほうが明らかに優秀なことがわかるだろう。素直に、芝重賞の連対歴を持つ実績上位馬を重視したい。

■表9 前3走での連対実績

該当実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 6- 7- 5-49/67 9.0% 19.4% 26.9% 41% 67%
なし 3- 2- 4-46/55 5.5% 9.1% 16.4% 139% 83%

表9は、クイーンS前の3走のうち最低1走は連対していた馬と、1走も連対できなかった馬の成績を比べたものである。やはりと言うべきか、前3走で1走でも連対したことのあった馬のほうが優秀な成績を残しているようだ。クイーンS前の前3走で1走も連対できなかった馬に関しては、調子落ちを懸念すべきかもしれない。

■表10 芝重賞、前3走とも連対経験がなかったのに好走した2頭

人気 着順 馬名 洋芝コース実績
08年 12 3 フミノサチヒメ 4- 1- 2- 1/ 8
09年 11 1 ピエナビーナス 4- 1- 0- 2/ 7

表8と表9ですこし気になるのが、いずれも好走率に関しては該当実績ありの馬のほうが優秀なのに、回収率(特に単勝)に関しては該当実績なしのほうが高い、という点である。これは、08年に12番人気3着のフミノサチヒメ、09年に11番人気1着のピエナビーナスと、芝重賞、前3走ともに連対経験がなかったのに好走を果たした2頭が存在するからである。言い換えると、この2頭は重賞実績で明らかに見劣り、近3走も好調とは言えなかったのに、突如としてクイーンSで一変した、ということになる。

その理由をこの2頭の戦績からあたってみたところ、表10の通り、いずれも洋芝コースで非常に優秀な実績を残していたことがわかった。つまり、実績不足や近走不振を、抜群の洋芝適性で補ったというわけだ。洋芝適性が高い馬に関しては、芝重賞実績や近走の成績だけで判断せず、一変の可能性を頭に入れておいたほうが無難と言えるだろう。

【結論】

■表11 クイーンS登録馬

馬名 年齢 前走クラス 前走条件(G1、G3のみ) 洋芝コース実績 芝重賞連対歴 前3走の連対歴
アイスフォーリス 5 G3 斤量・今回増 0- 1- 0- 0/ 1 あり あり
アロマティコ 5 オープン特別 - 1- 0- 0- 0/ 1 なし あり
アンアヴェンジド 5 1600万下 - 初出走 なし あり
オツウ 4 1000万下 - 1- 0- 0- 0/ 1 なし あり
キャトルフィーユ 5 G1 タイム差・0.1 1- 0- 0- 1/ 2 あり あり
ケイアイエレガント 5 G1 タイム差・0.3 初出走 あり あり
ケイティバローズ 4 1000万下 - 初出走 なし あり
コスモバルバラ 5 G3 斤量・今回増 1- 0- 0- 1/ 2 あり あり
サンシャイン 5 G3 斤量・今回増 初出走 あり なし
スマートレイアー 4 G1 タイム差・0.4 初出走 あり あり
ディアデラマドレ 4 G3 斤量・今回増だが前走1着 初出走 あり あり
トーセンベニザクラ 5 G3 斤量・今回増 初出走 あり あり
フィロパトール 5 1600万下 - 初出走 なし あり
プロクリス 3 1000万下 - 1- 1- 0- 0/ 2 なし あり
マーブルカテドラル 3 G1 タイム差・0.9 初出走 あり なし
マコトブリジャール 4 1600万下 - 初出走 なし あり

2013/7/7 函館12R かもめ島特別 1着 5番 キャトルフィーユ

2014/6/12 阪神11R サンスポ杯阪神牝馬S(G2)1着 4番 スマートレイアー

表11が、ここまでに述べた好走条件を今年のクイーンS登録馬に当てはめたものである。なお、洋芝コースが初出走となる馬は未知数としてマイナスにはしなかった。

その結果、減点材料がひとつもなかったのは、キャトルフィーユケイアイエレガントスマートレイアーの3頭。そして、前走G3組で斤量が今回増ではあるものの、前走1着だったディアデラマドレも一応はクリアと考えていいだろう。このうち、ケイアイエレガント、スマートレイアー、ディアデラマドレの3頭は洋芝コース初出走となる。この4頭の中で唯一、洋芝コース連対経験を持つキャトルフィーユを最上位としてみたい。ただし、同馬はクイーンSで勝ち切れない傾向のある5歳馬。そこで逆転の期待を賭けるのであれば、4歳馬のスマートレイアーかディアデラマドレが初出走の洋芝コースに抜群の適性を示した場合ではないだろうか。

芝重賞の連対実績や、前3走の連対実績を持たなくても好走できるのは、洋芝コースで豊富な実績を持つ馬のみだった。ただし今年は、フミノサチヒメやピエナビーナスほどの洋芝実績馬が見当たらない。その中で洋芝巧者の素質を秘めた馬を挙げるとすれば、洋芝で1戦1勝のアロマティコオツウ、同じく2戦1勝2着1回のプロクリス、この3頭だろう。アロマティコは前走オープン特別、オツウとプロクリスは前走1000万下と、前走クラスはクイーンSとの相性がイマイチではあるものの、これまでに垣間見せている洋芝適性を一気に開花させればノーチャンスではなさそうだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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