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第823回 「番組選びが上手な厩舎」をデータによって割り出してみる

2014/7/28(月)

「番組選びが上手な厩舎」という言い方がある。相手関係を見極めて、すこしでもチャンスが大きそうなレースを選択するのが上手な厩舎、という意味だ。この「チャンスが大きそうなレース」とは「傑出馬が不在でどの馬にもチャンスがあるレース」と言い換えることができるだろう。つまり、圧倒的な人気を集めた馬がおらず、混戦模様となっているレースのことだ。そこで今回は「傑出馬が不在のレース」を「単勝1番人気のオッズが3.5倍以上のレース」と定義し、そうしたレースにおける厩舎別成績を調べることで、番組選びが上手な厩舎を割り出すことができるのではないかと考えた。果たして、どのような結果になるのだろうか。集計期間は2012年1月5日〜2014年7月20日。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝1番人気が3.5倍以上のレース・厩舎別成績(出走回数順)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
栗・矢作芳人  24- 24- 10-221/279 8.6% 17.2% 20.8% 86% 80%
美・和田正道  14- 16- 15-165/210 6.7% 14.3% 21.4% 42% 83%
栗・西園正都  22- 12- 15-160/209 10.5% 16.3% 23.4% 89% 88%
栗・角居勝彦  19- 25- 17-135/196 9.7% 22.4% 31.1% 70% 87%
栗・鮫島一歩  17-  8- 15-155/195 8.7% 12.8% 20.5% 128% 75%
美・水野貴広  10- 13-  9-159/191 5.2% 12.0% 16.8% 220% 121%
美・宗像義忠  10- 15- 15-150/190 5.3% 13.2% 21.1% 50% 88%
栗・池江泰寿  18- 11- 11-144/184 9.8% 15.8% 21.7% 68% 62%
美・国枝栄  21- 14- 17-130/182 11.5% 19.2% 28.6% 78% 75%
美・武藤善則  10- 20-  8-144/182 5.5% 16.5% 20.9% 31% 86%
栗・音無秀孝   9-  9- 12-150/180 5.0% 10.0% 16.7% 24% 58%
美・田村康仁  11- 19- 11-138/179 6.1% 16.8% 22.9% 139% 84%
美・藤沢和雄  18- 14- 18-127/177 10.2% 18.1% 28.2% 86% 84%
栗・本田優  13- 12- 15-137/177 7.3% 14.1% 22.6% 78% 87%
栗・浅見秀一  10- 15- 15-133/173 5.8% 14.5% 23.1% 103% 98%
栗・松田博資   9- 18- 14-132/173 5.2% 15.6% 23.7% 41% 72%
栗・荒川義之  11- 14- 11-135/171 6.4% 14.6% 21.1% 92% 70%
栗・清水久詞  17-  8- 13-130/168 10.1% 14.9% 22.6% 82% 77%
美・二ノ宮敬宇  13- 13-  8-134/168 7.7% 15.5% 20.2% 48% 95%
栗・橋口弘次郎  13- 15- 12-127/167 7.8% 16.8% 24.0% 73% 82%

表1は「単勝1番人気が3.5倍以上のレース」における厩舎別成績を、出走回数順で表したものである。つまり、表1におけるトップは、傑出馬不在の混戦レースに管理馬をもっとも多く出走させた厩舎ということになる。1位となったのは、出走279回の矢作芳人厩舎。出走210回で2位の和田正道厩舎を大きく引き離しており、断然トップの数字となっている。元々の出走回数が多い厩舎ではあるが、決してやみくもに出走しているわけではなく、相手関係の見極めにも腐心していることが見て取れるデータと言えるだろう。

■表2 単勝1番人気が3.5倍以上・厩舎別成績(着別度数順)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
栗・矢作芳人  24- 24- 10-221/279 8.6% 17.2% 20.8% 86% 80%
栗・須貝尚介  23- 16- 16-107/162 14.2% 24.1% 34.0% 135% 102%
栗・西園正都  22- 12- 15-160/209 10.5% 16.3% 23.4% 89% 88%
美・国枝栄  21- 14- 17-130/182 11.5% 19.2% 28.6% 78% 75%
美・堀宣行  21- 11- 12-120/164 12.8% 19.5% 26.8% 87% 79%
栗・角居勝彦  19- 25- 17-135/196 9.7% 22.4% 31.1% 70% 87%
美・藤沢和雄  18- 14- 18-127/177 10.2% 18.1% 28.2% 86% 84%
栗・池江泰寿  18- 11- 11-144/184 9.8% 15.8% 21.7% 68% 62%
栗・野中賢二  18- 10-  3- 67/ 98 18.4% 28.6% 31.6% 228% 114%
栗・鮫島一歩  17-  8- 15-155/195 8.7% 12.8% 20.5% 128% 75%
栗・清水久詞  17-  8- 13-130/168 10.1% 14.9% 22.6% 82% 77%
栗・松永幹夫  16- 11-  8-104/139 11.5% 19.4% 25.2% 132% 83%
栗・藤岡健一  16-  7- 11-105/139 11.5% 16.5% 24.5% 108% 77%
栗・石坂正  15- 13- 17-118/163 9.2% 17.2% 27.6% 100% 114%
栗・安田隆行  14- 18-  7-126/165 8.5% 19.4% 23.6% 63% 65%
美・和田正道  14- 16- 15-165/210 6.7% 14.3% 21.4% 42% 83%
栗・村山明  14- 13- 15- 99/141 9.9% 19.1% 29.8% 80% 93%
栗・森秀行  14-  9-  7-120/150 9.3% 15.3% 20.0% 132% 81%
栗・橋口弘次郎  13- 15- 12-127/167 7.8% 16.8% 24.0% 73% 82%
栗・橋田満  13- 13- 11- 75/112 11.6% 23.2% 33.0% 103% 95%

2013/11/3東京11R アルゼンチン共和国杯(G2) 1着 12番アスカクリチャン

表2は「単勝1番人気が3.5倍以上のレース」における厩舎別成績を、着別度数順で表したものである。ここでのトップも矢作芳人厩舎で、最多の24勝をマークした。表1で見た通り、出走回数がずば抜けて多いだけでなく、しっかりと結果を出していることがわかる。馬券的な意味でより注目したいのは2位の須貝尚介厩舎で、矢作厩舎に1勝差と迫る23勝を挙げただけでなく、好走率では大きく上回り、単複の回収率も100%を超えている。たとえば、1〜3番人気が最終オッズ4.6倍で3頭並ぶ混戦模様となった昨年のアルゼンチン共和国杯を制したアスカクリチャンは、須貝厩舎の所属馬というだけで要注意の存在だったのである。

また、リーディング争いでは上位に位置しながら、表1や表2のランキングに顔を出していない厩舎も存在する。そうした厩舎の場合、相手関係よりも、管理馬の調子や適性を重視して出走レースを選択し、勝利を挙げることでリーディング上位につけている厩舎と言えるだろう。今年の厩舎リーディング上位につけている厩舎でいえば、藤原英昭厩舎や加藤征弘などにそうした傾向があると言えるのではないだろうか。

■表3 単勝1番人気が3.5倍以上・厩舎別成績(勝率順・出走50回以上)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
栗・野中賢二  18- 10-  3- 67/ 98 18.4% 28.6% 31.6% 228% 114%
栗・須貝尚介  23- 16- 16-107/162 14.2% 24.1% 34.0% 135% 102%
美・堀宣行  21- 11- 12-120/164 12.8% 19.5% 26.8% 87% 79%
栗・庄野靖志  10-  5-  2- 66/ 83 12.0% 18.1% 20.5% 150% 105%
栗・橋田満  13- 13- 11- 75/112 11.6% 23.2% 33.0% 103% 95%
美・国枝栄  21- 14- 17-130/182 11.5% 19.2% 28.6% 78% 75%
栗・梅田康雄   9-  4-  5- 60/ 78 11.5% 16.7% 23.1% 92% 61%
栗・松永幹夫  16- 11-  8-104/139 11.5% 19.4% 25.2% 132% 83%
栗・藤岡健一  16-  7- 11-105/139 11.5% 16.5% 24.5% 108% 77%
栗・昆貢  11-  7-  8- 70/ 96 11.5% 18.8% 27.1% 68% 84%
美・古賀史生  13-  7-  5- 91/116 11.2% 17.2% 21.6% 129% 83%
栗・友道康夫  12- 14-  9- 74/109 11.0% 23.9% 32.1% 132% 115%
美・萩原清  11-  2-  9- 79/101 10.9% 12.9% 21.8% 71% 71%
栗・五十嵐忠男  10-  3-  7- 72/ 92 10.9% 14.1% 21.7% 180% 83%
栗・藤原英昭  13- 11- 12- 85/121 10.7% 19.8% 29.8% 73% 76%
栗・西園正都  22- 12- 15-160/209 10.5% 16.3% 23.4% 89% 88%
栗・笹田和秀  11- 10-  8- 76/105 10.5% 20.0% 27.6% 125% 93%
栗・羽月友彦  11-  9- 11- 76/107 10.3% 18.7% 29.0% 56% 150%
栗・安達昭夫   8-  3-  5- 62/ 78 10.3% 14.1% 20.5% 95% 114%
栗・崎山博樹  10-  4-  7- 77/ 98 10.2% 14.3% 21.4% 126% 73%

2012/12/1中山11R ステイヤーズS(G2) 1着 15番 トウカイトリック

表3は「単勝1番人気が3.5倍以上のレース」における厩舎別成績を、勝率順で表したものである。1位となった野中賢二厩舎の勝率18.4%は圧巻とも言える数字だ。着別度数を見ても勝ち切るケースが多いことが見て取れる。単勝回収率も非常に高く、野中厩舎の所属馬が混戦レースに出走してきた場合は積極的に狙ってみたい。当時10歳のトウカイトリックで重賞制覇を達成した12年ステイヤーズSが代表例と言える。そのほか、このランキングに入っている厩舎は総じて優秀な回収率を記録しているので、傑出馬が見当たらないレースでは軽視しないように心がけたいところだ。

■表4 単勝1番人気が3.5倍以上・厩舎別成績(遠征時・着別度数順・出走20回以上)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
栗・矢作芳人  11-  7-  5- 81/104 10.6% 17.3% 22.1% 113% 83%
栗・西園正都   8-  3-  5- 52/ 68 11.8% 16.2% 23.5% 95% 113%
栗・清水久詞   7-  1- 10- 35/ 53 13.2% 15.1% 34.0% 90% 116%
栗・藤岡健一   7-  1-  1- 32/ 41 17.1% 19.5% 22.0% 127% 58%
栗・須貝尚介   6-  7-  2- 28/ 43 14.0% 30.2% 34.9% 209% 122%
栗・友道康夫   6-  5-  4- 23/ 38 15.8% 28.9% 39.5% 214% 169%
栗・野中賢二   6-  4-  3- 20/ 33 18.2% 30.3% 39.4% 237% 136%
栗・松永幹夫   6-  2-  5- 36/ 49 12.2% 16.3% 26.5% 200% 111%
栗・南井克巳   6-  1-  2- 35/ 44 13.6% 15.9% 20.5% 156% 124%
栗・松田国英   6-  1-  1- 21/ 29 20.7% 24.1% 27.6% 181% 73%
栗・角居勝彦   5- 10-  4- 42/ 61 8.2% 24.6% 31.1% 55% 93%
栗・池江泰寿   5-  7-  3- 56/ 71 7.0% 16.9% 21.1% 56% 68%
栗・森秀行   5-  5-  5- 45/ 60 8.3% 16.7% 25.0% 70% 80%
栗・安田隆行   5-  5-  2- 34/ 46 10.9% 21.7% 26.1% 75% 58%
栗・岡田稲男   5-  4-  4- 14/ 27 18.5% 33.3% 48.1% 130% 167%
栗・浅見秀一   5-  3-  3- 45/ 56 8.9% 14.3% 19.6% 63% 58%
栗・鮫島一歩   5-  1-  7- 52/ 65 7.7% 9.2% 20.0% 75% 67%
栗・平田修   5-  0-  2- 14/ 21 23.8% 23.8% 33.3% 130% 81%
栗・石坂正   4-  5-  3- 27/ 39 10.3% 23.1% 30.8% 61% 115%
栗・牧浦充徳   4-  3-  3- 37/ 47 8.5% 14.9% 21.3% 71% 76%

表4は「単勝1番人気が3.5倍以上のレース」における厩舎別成績を、「遠征時」に限って着別度数順で表したものである。つまり、関東所属の厩舎であれば関西圏のレースに、関西所属の厩舎であれば関東圏のレースに出走したときのみに限ったデータということだ。このランキングに入っている厩舎は、相手関係によっては積極的に遠征を敢行し、結果を出している厩舎と考えていいだろう。そして、ここでも1位となったのは矢作芳人厩舎だった。表2における矢作厩舎の成績と比較すると、好走率は互角ながら回収率はこちらのほうが高く、関東遠征時のほうがより狙いやすそうだ。そのほかでは、勝率が高い藤岡健一厩舎野中賢二厩舎松田国英厩舎岡田稲男厩舎平田修厩舎あたりにも注意したい。実のところ、表4の20厩舎はすべて関西所属となっており、いわゆる「西高東低」の構図や、関西所属厩舎の積極性が垣間見えるデータとも言えるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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