第822回 リピーターの舞台!? エルムSを分析する|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第822回 リピーターの舞台!? エルムSを分析する

2014/7/24(木)

札幌競馬場の新装後、初となる重賞は日曜日のエルムSだ。秋のG1戦線にもつながる注目のダート重賞となっている。施行条件は同じだが、施行時期が今回大きく変更された。例年は8月末から9月上旬にかけて行われていたが、1か月以上繰り上がっての開催となる。この点がデータ分析にどれぐらい影響するかはわからないが、ひとまずオーソドックスに過去10年の結果を分析し、レースの傾向を探っていきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年のエルムSの結果

着順 人気 馬名 斤量 4角 前走成績 2走前成績
13年 1 3 フリートストリート 56 2 安達太良S1着 青梅特別1着
2 5 エーシンモアオバー 58 1 マーキュリ4着 名古屋大2着
3 1 ブライトライン 56 3 マリーンS1着 麦秋S1着
12年 1 1 ローマンレジェンド 56 2 ジュライS1着 灘S1着
2 2 エスポワールシチー 59 2 帝王賞2着 かしわ記念1着
3 6 グランドシチー 56 11 マーキュリ2着 大沼S2着
11年 1 1 ランフォルセ 56 4 マリーンS1着 東海S2着
2 8 オーロマイスター 59 2 大沼S6着 オアシス7着
3 3 エーシンモアオバー 56 1 しらかばS2着 ブリーダー3着
10年 1 2 クリールパッション 56 2 しらかばS1着 マリーンS3着
2 4 オーロマイスター 56 4 ブリーダー4着 マリーンS8着
3 1 エーシンモアオバー 56 1 しらかばS2着 マリーンS1着
09年 1 2 マチカネニホンバレ 56 1 しらかばS10着 マリーンS1着
2 10 ネイキッド 56 6 しらかばS3着 ブリリアン10着
3 5 クリールパッション 56 6 大雪ハンデ1着 大通り特別1着
08年 1 3 フェラーリピサ 57 3 クラスターC2着 マリーンS2着
2 7 トーセンブライト 56 4 クラスターC3着 マリーンS1着
3 8 エアアドニス 56 2 しらかばS2着 北陸S8着
07年 1 2 メイショウトウコン 58 3 ブリーダー除外 東海S1着
2 3 マコトスパルビエロ 53 1 関越S1着 猪苗代特別1着
3 1 ロングプライド 54 5 JDD3着 ユニコーン1着
06年 1 5 ヒシアトラス 57 2 東海S5着 アンタレス2着
2 7 ジンクライシス 56 3 ブリーダー3着 星雲賞1着
3 10 オーガストバイオ 56 6 しらかばS6着 関越S1着
05年 1 2 パーソナルラッシュ 59 4 ダイオライ1着 フェブラリー12着
2 4 ジンクライシス 56 1 ダービー卿13着 仁川S5着
3 6 カイトヒルウインド 56 2 マリーン6着 浦和記念2着
04年 1 6 パーソナルラッシュ 53 6 ユニコーン3着 昇竜1着
2 1 ウインデュエル 56 1 マリーンS1着 大沼S1着
3 2 タイムパラドックス 58 2 ブリーダー1着 帝王賞4着

表1は過去10年のエルムSの上位3着以内に入線した馬たちの一覧。冒頭に述べたように、今回施行時期は繰り上がっている。そして、09年は新潟、13年は函館での開催となっている点に注意したい。まず、勝ち馬の特徴としては、09年以降と、08年以前とでは明らかに違う。09年以降はこのエルムSで重賞初制覇を果たしている馬が多い。一方、08年以前はすでにダートグレードの実績が豊富で、G1でも勝ち負けを演じた実力馬が多い。特に前者に関しては、上がり馬らしい勢いある成績の持ち主。前走でダートのレースを勝ち上がって、ここも一気に駆け抜けた。後者は経験豊富な馬たちで、近走ダートグレードで好走を果たしていた馬が多い。秋のG1にもつながるレースだけに、出走馬のレベルは高い。勝つためには勢いか実績かというわかりやすい成績が必要となってくる。

そして、このレースの大きな特徴となるが、リピーター色が強いということ。10年優勝のクリールパッションは上がり馬的な成績だが、実は前年の同レースで3着と好走していた。昨年2着のエーシンモアオバーは、11年3着、10年3着とすでに2回このレースで好走。あとはオーロマイスター、ジンクライシス、パーソナルラッシュといったところが、複数回好走を果たしているのだ。

斤量に関しては53〜59キロまで幅広いところが連対。短距離重賞だと58キロ以上は厳しくなるイメージだが、エルムSではそこまで不利とは感じない。05年は59キロのパーソナルラッシュが優勝。12年と11年も59キロの馬が2着と好走している。

次に注目したいのが、4コーナー(角)の位置取り。実際、エルムSで4コーナー何番手にいたかを表1に記載した。結論から言うと、4コーナーで4番手以内にいた馬の好走が圧倒的に多い。小回りで平坦のコースだけに、最後の直線で二転三転するような展開にはなかなかならないようだ。スピードと先行力が重要。本来は追い込み馬であったメイショウトコンなども、07年のレースではまくりに出て4コーナー3番手以内に上がっていた。一方で、差し脚が自慢だったロングプライドやタイムパラドックスは3着に終わっている。逃げ・先行脚質の馬を狙うのがセオリーと言えるだろう。

近走の成績も大事。近年の勝ち馬がすべて前走1着となっている。一方、前走大負けしている馬の巻き返しはひどく少ない。少なくとも近2走以内で、1回はダートで好走を果たしていることが望ましい。基本的には人気サイドの馬となるが、仕方がない。札幌ダートの1700mの場合は、フルゲートが13頭。比較的少頭数のため、二けた人気馬の激走は少ない。06年に10番人気で3着と好走したオーガストバイオにしても、2走前の関越Sでは1着だった。

今回、施行時期が変更となったため、臨戦過程にも注意しなければならないが、レースの格・距離や場所を問わず近走好着順の馬には一目置くべきだろう。

【結論】
それでは今年のエルムSを展望していくことにする。出走予定馬は表2の通りだ。

■表2 今年のエルムS出走予定馬

順位 馬名 斤量 前走成績 2走前成績
1 グレープブランデー 58 東海S8着 JCD11着
2 ローマンレジェンド 58 東京大6着 JCD13着
3 エーシンモアオバー 57 マリーンS5着 名古屋大3着
4 アスカクリチャン 58 函館記念11着 目黒記念10着
5 ソロル 57 平安S2着 アンドロ12着
6 ブライトライン 57 ゴドルフ5着 フェブラ5着
7 クリールパッション 56 マリーンS6着 平安S11着
8 フリートストリート 57 マリーンS7着 大沼S7着
9 クリノスターオー 57 平安S1着 アンドロ16着
10 アンコイルド 56 函館記念13着 巴賞6着
11 インカンテーション 57 JCD14着 みやこS2着
12 ジェベルムーサ 56 平安S4着 マーチS2着
13 グランプリブラッド 56 マリーンS8着 大沼S8着
13 シンボリエンパイア 56 夏至S1着 丹沢S12着
15 サトノプライマシー 56 マリーンS13着 アハル5着
15 タイセイスティング 56 大沼S2着 フェア12着
※フルゲート13頭。(17)ケイアイレオーネほか5頭が登録。

2012/8/25 札幌11R エルムステークス(G3)1着 5番 ローマンレジェンド

2013/12/23 中山11R フェアウェルS1着 5番 ジェベルムーサ

まず、過去にエルムSで好走したことがある馬はローマンレジェンド、エーシンモアオバー、ブライトライン、クリールパッション、フリートストリートの5頭。この段階で多くの頭数がいるため、今年もリピーターが誕生する可能性は非常に高い。だが、いずれの馬も近2走で勝利を果たしている馬はいない。勝利はおろか連対を果たしている馬もいない。ハッキリと中心馬を選びにくい印象だ。

変わり身を期待するならば順調に使われている馬よりも、むしろ休み明けの馬か。そうなるとローマンレジェンドブライトライン。常識的に考えると、この2頭が有力と思える。あとはエーシンモアオバーが侮れない。
2走前に名古屋大賞典で3着。実績ではローマンレジェンドらに劣るが、このエルムSの実績は豊富。すでに3回も好走を果たしており、今回4回目の激走となるか。

その他の馬では、格的にはグレープブランデがローマンレジェンドと並ぶ。だが、やはり同馬も近2走で好走がない。しかも、差し脚を生かすタイプで、4コーナー4番手以内の積極的なレースができるかも微妙なところ。

前走平安Sで連対を果たしたのはクリノスターオーとソロル。だが、ともに成績が安定しないタイプで、2走前のアンドロメダSでは二けた着順に大敗している。今年のマーチSの内容、そしてハンデ差を考えるとジェベルムーサも力の差がないはずで、ジェベルムーサの方が成績は安定している。また、近年のトレンドは、ここで重賞初制覇。その資格があるのも同馬の方。まくり差しタイプで、4コーナーの位置取りがカギだが、近走は4コーナー4番手以内まで押し上げる競馬が目立つ。ジェベルムーサに注目してみたい。2走前にみやこS2着があるインカンテーションも実績十分ながら、3歳時にレパードSですでに重賞勝ちを果たしている。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
小田原智大の完全なる買い方ブログ

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN