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第805回 ダートのオープン特別について考える

2014/5/26(月)

現在は春のG1シーズンの真っただ中。今週は日本ダービーが行われる。同レースの展望は週半ばに行うことにして、今回は全く別のテーマを扱ってみたい。唐突ながら「ダートのオープン特別」と言われて、どんな印象をお持ちだろうか。クラス編成的にはオープンクラスが最も上とされている。しかし、スポットがあたるのはどうしても重賞でありG1。本当に力がある馬はそこを勝つことを狙う。同じクラスでありながら、オープン特別を目標とされるケースは少ない。

そして芝とダートでは事情が違う。日本の場合、ダート競馬は地方との兼ね合いを無視できない。中央のダートG1はわずかに2つしか組まれていない。地方のダートグレードの比重が大きくなっている。だが、地方のダートグレードは、あくまでも各地方が主催のレース。JRA所属馬には出走枠が設けられており、頭数が限られている。賞金が足りなくて、出走したくても出走できないという問題がある。したがって、芝よりもダートのオープン特別の方が、目標となりやすいし、重要な役割を担っていると考えることができる。

だが、ダートのオープン特別で重要なレースとは何か。G1のトライアルとなっているわけではないので、「これぞ」と言った代表的なレースがあるわけでもない。そもそもダートのオープン特別は、どの競馬場・どの距離でどれぐらい行われているのだろうか。今回はその点に切り込んで調査していきたい。データの対象期間は04年以降のレースで、約10年間。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 古馬混合ダートのオープン特別勝ち馬(04年以降)

順位 馬名 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1 トウショウギア 5- 3- 0- 5/13 38.5% 61.5% 61.5%
2 エーシンモアオバー 5- 2- 0- 7/14 35.7% 50.0% 50.0%
3 ナムラタイタン 4- 2- 4- 5/15 26.7% 40.0% 66.7%
4 ダノンカモン 4- 2- 2- 1/ 9 44.4% 66.7% 88.9%
5 エンシェントヒル 4- 1- 0- 6/11 36.4% 45.5% 45.5%
6 バンブーエール 4- 1- 0- 0/ 5 80.0% 100.0% 100.0%
7 ティアップワイルド 4- 0- 1- 3/ 8 50.0% 50.0% 62.5%
8 アドマイヤスバル 4- 0- 1- 0/ 5 80.0% 80.0% 100.0%
9 ダイショウジェット 4- 0- 0- 4/ 8 50.0% 50.0% 50.0%
10 ニシノコンサフォス 3- 5- 1- 8/17 17.6% 47.1% 52.9%
11 ヒシアトラス 3- 4- 0- 1/ 8 37.5% 87.5% 87.5%
12 マルカフリート 3- 4- 0- 3/10 30.0% 70.0% 70.0%
13 サンライズキング 3- 3- 3- 6/15 20.0% 40.0% 60.0%
14 $インバルコ 3- 3- 3-14/23 13.0% 26.1% 39.1%
15 セレスハント 3- 3- 1-10/17 17.6% 35.3% 41.2%
16 $カフェオリンポス 3- 3- 0- 6/12 25.0% 50.0% 50.0%
17 ケイアイテンジン 3- 2- 3-11/19 15.8% 26.3% 42.1%
18 トーセンブライト 3- 2- 2- 7/14 21.4% 35.7% 50.0%
19 ケイアイガーベラ 3- 1- 1- 0/ 5 60.0% 80.0% 100.0%
20 フィールドルージュ 3- 1- 0- 1/ 5 60.0% 80.0% 80.0%
21 スリーボストン 3- 1- 0- 2/ 6 50.0% 66.7% 66.7%
22 セイクリムズン 3- 0- 4- 1/ 8 37.5% 37.5% 87.5%
23 ナムラビクター 3- 0- 1- 2/ 6 50.0% 50.0% 66.7%
24 ウインデュエル 3- 0- 0- 1/ 4 75.0% 75.0% 75.0%
25 サイレンスボーイ 3- 0- 0- 5/ 8 37.5% 37.5% 37.5%

2007/5/26 東京11R 欅ステークス 1着 12番 トウショウギア

まず表1は古馬混合ダートのオープン特別の勝ち馬について調べた(表1)。04年以降のレースで、同条件のレースを3勝以上している馬を記載した。1位は5勝をマークしたトウショウギア、そして同勝利数ながら2着の差で2位となっているエーシンモアオバーだった。トウショウギアは生涯で重賞にも何度か挑戦を果たしたが、結局勝利することができなかった。エーシンモアオバーはまだ現役であり、12年の名古屋大賞典など重賞制覇を果たしている。ただ、G1に挑戦するには至っておらず、両馬ともにダート戦線のトップクラスの馬だったわけではない。

オープン特別の勝ち鞍数は強さの証明にはなっていないが、連対率や複勝率には注目できる点がある。例えば、6位のバンブーエール。08年に園田で行われたJBCスプリントを制した馬で、その後もクラスターCや東京盃などを制した。中央のオープン特別では連対率100%という成績を残していた。8位のアドマイヤスバルも連対率は80%、複勝率が100%と好成績。同馬もJBCスプリントやかしわ記念、そして中央ではJCダートでも3着以内に入った実績があった。その他ではヒシアトラス、フィールドルージュといった連対率が高い馬は、G1級の実績を残していた。オープン特別では安定度こそが、強さを証明するものと言えそうだ。

■表2 古馬混合ダートのオープン特別のコース数(04年以降)

コース 着別度数
阪神・ダ1400 35- 35- 35-414/519
東京・ダ1400 28- 28- 28-356/440
中山・ダ1200 26- 26- 26-305/383
京都・ダ1400 22- 22- 22-278/344
京都・ダ1200 20- 20- 22-243/305
小倉・ダ1700 18- 18- 18-180/234
新潟・ダ1200 18- 18- 18-163/217
函館・ダ1700 18- 18- 18-155/209
東京・ダ2100 17- 17- 17-200/251
阪神・ダ2000 15- 15- 15-165/210
中山・ダ1800 15- 15- 15-158/203
東京・ダ1600 13- 13- 13-164/203
京都・ダ1800 13- 13- 13-144/183
新潟・ダ1800 10- 10- 10- 98/128
阪神・ダ1800 8-  8-  8- 82/106
札幌・ダ1700 8-  8-  8- 74/ 98
京都・ダ1900 5-  5-  5- 65/ 80
阪神・ダ1200 2-  2-  2- 24/ 30
中京・ダ2300 2-  2-  2- 19/ 25
中京・ダ1800 2-  2-  2- 19/ 25
中京・ダ1700 1-  1-  1- 13/ 16

続いて表2では古馬混合ダートのオープン特別のコースについて調べた。冒頭で疑問を投げかけた、どの条件で最もレースが行われているかを明らかにするためだ。結果は阪神ダート1400mがトップ。同条件でのレースが最も多く行われていた。続くのが東京ダート1400m、そして中山ダート1200m、京都ダート1400mが続く。驚くべきことかもしれないが、1400m以下の短距離のレースが非常に多いことがわかる。

現在、中央のダートG1はフェブラリーSとチャンピオンズカップ(旧JCダート)の二つ。フェブラリーSはマイル戦なので1400mと距離は近いものの、短距離のダートG1というものはない。つまり中央のレースではありながら、G1レースとは直接関係ない距離がひたすら組まれているのだ。

そこにはいろいろ事情があるのだろうとは思う。G1以外の重賞レースとの兼ね合いも関係しているのかもしれない。中央のダート重賞は、先週行われた平安Sを含み、1600m以上が多く組まれている。それに対し、ダートの短距離重賞はひどく少ない。その受け皿として、ダートのオープン特別は短距離戦が多く組まれているのかもしれない。

■表3 阪神ダート1400mの勝ち馬と走破タイム(04年以降)

日付 レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 走破タイム 着差
130615 天保山S スリーボストン 6 5 1215 -0.2
120331 コーラル インオラリオ 7 9 1215 -0.6
100920 エニフS ケイアイガーベラ 4 1 1220 -0.9
110321 ポラリスH ダイショウジェット 8 8 1221 0
71209 ギャラク マイネルスケルツィ 4 3 1224 -0.1
130330 コーラル アドマイヤサガス 5 2 1225 0
121223 ギャラク ガンジス 3 1 1225 0
101219 ギャラク ケイアイガーベラ 4 1 1225 -0.4
140315 ポラリスH キョウワダッフィー 6 1 1226 -0.3
80405 コーラル ゼンノパルテノン 6 1 1226 -0.3
120310 ポラリスH ヒラボクワイルド 6 2 1227 -0.1
131222 ギャラク ウォータールルド 5 5 1228 -0.1
120915 エニフS マルカフリート 6 5 1228 -0.3
100403 コーラル ナムラタイタン 4 1 1228 -0.6
90314 ポラリスH ダイショウジェット 6 7 1228 0
110402 コーラル セイクリムズン 5 3 1229 -0.2
100313 ポラリスH ケイアイガーベラ 4 2 1229 -0.8
41211 ギャラク ブルーコンコルド 4 5 1229 0
130309 ポラリスH エアウルフ 6 3 1231 0
111218 ギャラク ヒラボクワイルド 5 8 1231 -0.4
91219 ギャラク ケイアイテンジン 3 3 1232 -0.4
90404 コーラル セントラルコースト 4 1 1232 -0.2
50402 コーラル サイレンスボーイ 6 3 1233 -0.4
40403 コーラル サイレンスボーイ 5 5 1233 -0.3
140405 コーラル エアハリファ 5 1 1234 -0.2
130914 エニフS アドマイヤサガス 5 2 1234 -0.2
60401 コーラル カフェオリンポス 5 4 1234 -0.2
80927 エニフS アイスドール 5 8 1235 -0.1
70917 エニフS サンライズキング 8 3 1235 0
61210 ギャラク シーキングザベスト 5 1 1235 0
110919 エニフS ダノンカモン 5 2 1237 -0.2
81228 ギャラク オフィサー 6 4 1237 -0.4
90921 エニフS グロリアスノア 3 3 1239 -0.3
51210 ギャラク マイティスプリング 3 2 1240 -0.2
70331 コーラル ワイルドワンダー 5 1 1244 -0.2

2004/12/11 阪神11R ギャラクシーS 1着 7番 ブルーコンコルド

では古馬混合ダートの短距離戦は具体的にどんなレースがあるのか。まずは表2で1位となった阪神ダート1400mにスポットを当てた。04年以降に行われたレース名や勝ち馬など、そして走破タイムの速い順番に表3に記してみた。

馬場状態や馬場差を考慮せずに一括してまとめたものだが、「走破タイムの速さ=強さ」ではないことがわかる。スリーボストンやインオラリオは、まだ残念ながらトップクラスの馬ではない。生涯でG1(Jpn1)級のレースで好走したワイルドワンダーやグロリアスノアなどは、むしろ遅い部類のタイムで勝っていた。また、同様の実績を持っていたブルーコンコルドやカフェオリンポス、ナムラタイタンなどは、結果的に中距離のG1(Jpn1)で好走した。短距離路線の受け皿であるはずの1400mのレースだが、強い中距離馬を生み出す役割を担っている。

■表4 東京ダート1400mの勝ち馬と走破タイム(04年以降)

日付 レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 走破タイム 着差
80531 欅S フェラーリピサ 4 1 1219 0
90530 欅S ダイショウジェット 6 5 1221 -0.5
70526 欅S トウショウギア 7 2 1223 -0.7
131005 ペルセウ ゴールスキー 6 3 1224 -0.3
71008 ペルセウH トーセンブライト 6 7 1224 -0.2
121118 霜月SH エーシンウェズン 5 2 1226 -0.4
111120 霜月SH ケイアイテンジン 5 6 1227 0
81011 ペルセウH バンブーエール 5 2 1227 -0.4
40529 欅S エコルプレイス 4 10 1227 -0.2
71118 霜月S アドマイヤスバル 4 2 1228 0
61119 霜月SH ボードスウィーパー 5 11 1229 -0.5
60527 欅S トウショウギア 6 2 1229 0
120526 欅S ブライトアイザック 6 12 1230 0
101121 霜月SH セイクリムズン 4 3 1231 -0.8
51120 霜月SH トウショウギア 5 1 1232 -0.4
111008 ペルセウ セレスハント 6 8 1233 0
101009 ペルセウ ダノンカモン 4 1 1234 -0.2
50528 欅S テイエムアクション 4 2 1234 -0.2
121008 ペルセウ ガンジス 3 2 1235 -0.4
100529 欅S ナムラタイタン 4 1 1235 -0.2
91122 霜月SH ワンダーポデリオ 5 2 1235 -0.3
91010 ペルセウ セレスハント 4 1 1236 0
41121 霜月S タイギャラント 7 6 1236 -0.1
131117 霜月SH エーシントップ 3 2 1237 -0.1
130525 欅S アドマイヤロイヤル 6 2 1237 -0.1
110529 つばさ賞 トーホウオルビス 6 8 1237 0
110501 アハルテ ブライトアイザック 5 4 1239 -0.4
81123 霜月S ボードスウィーパー 7 5 1241 -0.1

同じように東京ダート1400mについても調べてみた。こちらも走破タイムが、直接的にG1(Jpn1)につながるとはいえない。だが、同じコースで行われる重賞・根岸Sとは深い関係がある。前述したトウショウギアは、特に東京ダート1400mを得意としていた。重賞になるとモロさが出たが、根岸Sでは3着と好走したことがある。その他、フェラーリピサ、ゴールスキー、アドマイヤスバル、セイクリムズン、ダノンカモンなど、根岸Sで好走実績がある馬は多数いるのだ。東京ダート1400mのオープン特別は、根岸Sに直結するものであることが読み取れる。

■表5 中山ダート1200mの勝ち馬と走破タイム(04年以降)

日付 レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 走破タイム 着差
90228 千葉S ガブリン 7 4 1087 -0.2
80420 京葉SH スリープレスナイト 4 2 1091 0
60415 京葉S ニシノコンサフォス 6 1 1093 -0.4
120415 京葉SH デュアルスウォード 4 11 1094 0
80315 千葉S ゼンノコーラル 7 6 1095 -0.2
120225 千葉S タイセイレジェンド 5 1 1098 -0.1
110226 千葉S ティアップワイルド 5 1 1098 -0.3
110109 ジャニュH ティアップワイルド 5 1 1098 -0.5
100227 千葉S ビクトリーテツニー 6 3 1098 0
90117 ジャニュH ヒシカツリーダー 5 5 1099 -0.5
120108 ジャニュH ティアップワイルド 6 1 1100 -0.1
100418 京葉SH アイルラヴァゲイン 8 3 1100 -0.2
70414 京葉SH サチノスイーティー 4 6 1101 -0.3
50416 京葉S ハリーズコメット 4 4 1102 -0.1
140420 オルフェH サウンドガガ 5 3 1104 -0.4
90419 京葉SH イブロン 7 10 1104 0
130106 ジャニュH キョウエイカルラ 6 13 1105 0
100110 ジャニュH ニシノコンサフォス 10 4 1105 -0.2
140106 ジャニュH スノードラゴン 6 2 1106 -0.2
130223 千葉S マルカバッケン 6 1 1107 -0.4
70310 千葉S トウショウギア 7 7 1108 -0.3
140301 千葉S タイセイファントム 6 3 1109 -0.1
130414 京葉SH スノードラゴン 5 2 1109 0
60923 ペルセウ ミリオンベル 5 3 1109 -0.2
60311 千葉SH ニシノコンサフォス 6 2 1109 -0.1
40417 京葉S セピアメモリー 5 2 1112 -0.6

最後に中山ダート1200mについて考えてみた。これまで同様。走破タイムの速い順番に、表5に記した。ここで注目したいのはスリープレスナイト、アイルラヴァゲイン、サチノスイーティー、そしてスノードラゴンの4頭だ。それぞれタイプは異なり、走破タイムも関係はないのだが、すべて芝の重賞でも好走を果たした実績を持つ。特にスリープレスナイトはその後、スプリンターズSを制し、芝のトップスプリンターにまで駆け上がった。スノードラゴンは、今年の高松宮記念で8番人気ながら2着と好走して穴をあけた。また、4頭すべてが京葉Sを勝っていたことも見逃せない。4月のレースで、しかもハンデ戦。何か特別な事情があるレースとは考えにくく、単なる偶然かもしれない。それにしても興味深い共通項だ。ニシノコンサフォスやミリオンベルといったバリバリの快速馬はもちろんいる。だが、芝でも通用する馬が出る可能性を秘めるのが、この中山ダート1200mとなっている。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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