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第804回 1強ムード漂うオークスを分析する

2014/5/22(木)

 NHKマイルカップ、ヴィクトリアマイルとマイルG1・2連戦が終わり、今週からは舞台を芝2400mに移してG1が行われる。日曜は牝馬クラシック2冠目のオークス。今年の出走予定馬には芝2400m経験馬はおらず、全馬にとって未知の距離となる。桜花賞を最後方から鮮やかに差し切ったハープスターの1強ムードが漂っているが、果たしてそのとおりとなるだろうか。過去のオークスにおけるレース傾向から検証していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 オークスの人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 3-  1-  1-  5/ 10 30.0% 40.0% 50.0% 50% 70%
2番人気 0-  3-  1-  6/ 10 0.0% 30.0% 40.0% 0% 61%
3番人気 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 123% 68%
4番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 97% 107%
5番人気 2-  2-  1-  5/ 10 20.0% 40.0% 50.0% 155% 176%
6番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 214% 55%
7番人気 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 372% 187%
8番人気 0-  1-  2-  7/ 10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 173%
9番人気 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 285% 127%
10番人気以下 0-  1-  0- 88/ 89 0.0% 1.1% 1.1% 0% 10%
※2010年はアパパネ、サンテミリオンが1着同着。

 まず表1は人気別成績。1番人気馬は09年ブエナビスタら最多の3勝をあげているが、複勝率は50%とやや低い。昨年のデニムアンドルビー(3着)など近3年は未勝利だ。2番人気馬も勝ち星がなく、2・3着どまり。以下、3・5番人気馬が各2勝、4・6・7・9番人気馬が1勝ずつ。なかでも5番人気馬は07年ローブデコルテら2勝をあげ、昨年もエバーブロッサムが2着に好走した。連対率・複勝率は1番人気馬とならんでトップタイだ。昨年優勝のメイショウマンボは9番人気。2ケタ人気馬の激走は08年2着のエフティマイア(13番人気)のみだ。

 配当面では9番人気→5番人気で決まった昨年は馬連13880円の万馬券。昨年を含め、馬連での万馬券は4回と多い。09年は1番人気ブエナビスタ→2番人気レッドディザイアで決まって馬連320円と堅い決着の時もあるが、比較的波乱傾向が強いレースといえる。

■表2 過去10年の桜花賞馬のオークスでの成績

年度 馬名 桜花賞での勝ち方 オークス人気 オークス着順
2013 アユサン 差し 3 4
2012 ジェンティルドンナ 差し 3 1
2011 マルセリーナ 追い込み 1 4
2010 アパパネ 差し 1 1
2009 ブエナビスタ 追い込み 1 1
2008 レジネッタ 差し 5 3
2007 ダイワスカーレット 先行 不出走 不出走
2006 キストゥヘヴン 追い込み 2 6
2005 ラインクラフト 先行 不出走 不出走
2004 ダンスインザムード 先行 1 4

 続いて表2は桜花賞馬のオークスでの成績。見事に2冠を制したのはブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナの3頭。逆に1番人気に推されたものの、敗れたのはダンスインザムード・マルセリーナの2頭。ダンスインザムードは桜花賞まで無敗の4連勝で、オークスでは単勝1.4倍と断然の1番人気に推されたものの4着と敗れた。マルセリーナも桜花賞まで4戦3勝の好成績をあげていたものの、オークスでは追い込み届かずに4着に敗れている。

 「オークスでは桜花賞馬が絶対的に強い」というわけではなく、やってみなくてはわからないというのが実際のところだろう。

■表3 オークスの脚質別成績(過去10年)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 1-  1-  0-  9/ 11 9.1% 18.2% 18.2% 194% 120%
先行 0-  0-  2- 32/ 34 0.0% 0.0% 5.9% 0% 29%
差し 8-  8-  7- 65/ 88 9.1% 18.2% 26.1% 115% 91%
追い込み 2-  0-  1- 43/ 46 4.3% 4.3% 6.5% 15% 17%

 表3はオークスの脚質別成績。出走数が一番多い差し馬が昨年のメイショウマンボらダントツの8勝をあげ、3着以内馬の数も断然多い。05年以降は差し馬が毎年2頭以上は3着以内に入っていた。レース傾向として、差し馬有利の傾向が出ている。

 差し馬が好走しやすいならば、追い込み馬も台頭しやすいかというとそうではない。追い込んで勝利したのは、09年ブエナビスタ・12年ジェンティルドンナの2頭だけ。11年のマルセリーナは敗れている。勝利した2頭は後に同じ舞台でジャパンCを勝利。瞬発力に加えて、芝2400mを走り切るだけのスタミナを当時から備えていたわけだ。

今年に目を向けると、ハープスターは近4戦の4コーナーでの位置が新潟2歳S18番手、阪神JF14番手、チューリップ賞12番手、桜花賞18番手。いずれも後方から上がり最速の脚を使っていた。桜花賞も上がり3ハロン32秒9と一頭だけ突出した末脚を見せていた。今回もおそらくかなり後方からの追走となるだろう。前走のようなパフォーマンスをオークスで見せられるか。2000m近くを追走して、そこから弾けるかどうかはやってみなければわからない。ただ今回勝てば、ブエナビスタやジェンティルドンナと肩を並べるだけの逸材だというのがハッキリする

 逃げた馬で好走したのは04年優勝のダイワエルシエーロと11年2着のピュアブリーゼ。先行馬からは連対馬が出ておらず、3着が2回あるのみと苦戦傾向だ。

■表4 ディープインパクト産駒のオークス成績一覧

年度 馬名 人気 着順 前走成績
2013 エバーブロッサム 5 2 フローラS 2着
デニムアンドルビー 1 3 フローラS 1着
アユサン 3 4 桜花賞 1着
レッドオーヴァル 2 17 桜花賞 2着
2012 ジェンティルドンナ 3 1 桜花賞 1着
ヴィルシーナ 2 2 桜花賞 2着
キャトルフィーユ 7 14 忘れな草賞 1着
2011 マルセリーナ 1 4 桜花賞 1着
ハッピーグラス 17 8 フローラS 4着
ハブルバブル 4 9 フラワーC 2着
メデタシ 9 11 桜花賞 4着
グルヴェイグ 3 14 矢車賞 1着
サイレントソニック 15 15 500万下 1着

 表4はディープインパクト産駒のオークスでの成績一覧。同産駒は桜花賞では過去3年連続で勝利していたが、オークスではジェンティルドンナの1勝のみ。一昨年・昨年は2頭ずつ3着以内に入っているものの、上位人気に推された馬が好走したものだった。
能力が高い産駒は多いものの、桜花賞が行われるマイル戦ほどの適性はないといえるだろう。実際に昨年は2・3・4着を占めていながら、スズカマンボ産駒のメイショウマンボに敗れている。

■表5 オークスの前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
桜花賞 8- 6- 5-59/78 10.3% 17.9% 24.4% 105% 87%
フローラS 1- 3- 4-30/38 2.6% 10.5% 21.1% 10% 74%
スイートピーS 1- 0- 1-28/30 3.3% 3.3% 6.7% 22% 26%
忘れな草賞 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 338% 72%
その他のレース 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

 表5は前走レース別成績。過去10年の3着以内馬は上記4レースに絞られている。このうちスイートピーS組は06年カワカミプリンセス、忘れな草賞組は11年エリンコートがそれぞれ優勝。前者はデビュー以来3連勝、後者も2連勝で大一番へ向けての勢いがあった。今年はこの2つの組で連勝を重ねてきた馬は見当たらない。

 注目すべきはやはり桜花賞組とフローラS組。勝ち星では桜花賞組が昨年のメイショウマンボら8勝と圧倒。対して、フローラS組は10年に同着優勝を果たしたサンテミリオンのみ。ただ複勝率ではわずかに桜花賞組が上回る程度で、両者が接近している。

■表6 桜花賞組の前走着順別成績(07年以降)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 3- 0- 1- 2/ 6 50.0% 50.0% 66.7% 151% 151%
前走2着 0- 3- 1- 2/ 6 0.0% 50.0% 66.7% 0% 233%
前走3着 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 48%
前走4着 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 234% 62%
前走5着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 88% 34%
前走10着以下 1- 0- 0-18/19 5.3% 5.3% 5.3% 150% 37%

 表6は桜花賞組の前走着順別成績。桜花賞が外回りコースで行われるようになった07年以降の過去7年を対象としている。桜花賞で4着以内だった馬の成績は【4.3.3.13】。対して、5着以下だった馬の成績は【2.0.0.32】。桜花賞で4着以内、とりわけ連対を果たした馬はともにオークスでの複勝率66.7%と非常に高い。3・4着はそれほど複勝率が高いわけではない。

 前走5着以下から巻き返したのは2頭のみ。08年優勝のトールポピー(前走桜花賞8着)と昨年優勝のメイショウマンボ(前走桜花賞10着)。この2頭に共通しているのは@過去に芝の重賞での勝利経験があった、A桜花賞で4番人気以内、B芝2400m以上のG1で勝利した父を持つ、の3点が挙げられる。桜花賞から距離が伸びて、適性の高さが出た結果といえるだろう。

■表7 フローラS組の前走着順別成績(07年以降)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 54% 81%
前走2着 0- 1- 2- 3/ 6 0.0% 16.7% 50.0% 0% 211%
前走3着 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 156%
前走4着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着以下 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

 表7はフローラS組の前走着順別成績。過去7年では桜花賞組の複勝率21.1%に対して、フローラS組は25.9%と上回っている。近4年はこの組から毎年3着以内馬が出ている

フローラS3着馬まで出走できるものの、オークスで3着以内に入っているのはほとんどが前走連対馬だ。桜花賞連対馬の方が複勝率は高いものの、フローラS連対馬も健闘していることがわかる。ちなみに前走フローラSの脚質別成績は、逃げ【0.0.1.1】、先行【1.1.1.4】、差し【0.2.1.9】、追い込み【0.0.0.6】だった。フローラSで先行して連対した馬が好成績をあげている

<結論>

■表8 オークスの出走予定馬(5/21現在)

2014/4/13 阪神11R 桜花賞(G1)1着 18番 ハープスター

2014/2/18 東京11R デイリー杯クイーンC(G3)1着 6番 フォーエバーモア

馬名 前走成績
ハープスター 桜花賞 1着
ヌーヴォレコルト 桜花賞 3着
サングレアル フローラS 1着
ブランネージュ フローラS 2着
マイネオーラム フローラS 3着
シャイニーガール スイートピーS 1着
ベッラレジーナ スイートピーS 2着
マーブルカテドラル 桜花賞 7着
フォーエバーモア 桜花賞 8着
ペイシャフェリス 桜花賞 11着
バウンスシャッセ 皐月賞 11着
クリスマス フラワーC 7着
マイネグレヴィル フローラS 8着
パシフィックギャル フラワーC 2着
マジックタイム フローラS 6着
ディルガ 忘れな草賞 1着
ニシノアカツキ フローラS 5着
アドマイヤシーマ 矢車賞 1着
アムールブリエ 500万下 1着
エリーザベスト 500万下 1着
ハピネスダンサー フローラS 10着
レーヴデトワール 桜花賞 5着
※アドマイヤシーマ以下は5頭中1頭が抽選で出走可能。

 オークスの出走予定馬は表8のとおり。

 桜花賞を勝利し、断然の人気に推されそうなハープスター。しかし、過去の好走馬のデータやオークスのレース傾向からしても絶対に勝てるとは言い切れない。実際に直線で追い込みきれないシーンがあってもおかしくはないと見る。前走で見せた末脚の鋭さから能力の高さは疑いようもないが、それでも芝2400mのオークスの舞台では他馬にも勝つチャンスはあるのではないだろうか。

 桜花賞組からは複勝率がそれほど高くない前走3着のヌーヴォレコルトよりも8着と大敗したフォーエバーモアの巻き返しに期待したい。表6で示したトールポピー、メイショウマンボの3つの条件に合致している。クイーンCを勝利しており、前走桜花賞は3番人気。父のネオユニヴァースは日本ダービーを勝利している。東京コースは2戦2勝と相性も良い。ハープスターを逆転する可能性も十分にあると見たい。

 フローラS組からは連対を果たしたサングレアルブランネージュが有力。前走で瞬発力を生かして差し切ったサングレアルよりも先行してゴール寸前まで粘ったブランネージュを上に取りたい。しかし、勝率で桜花賞組にかなり劣るのは確かで、あくまで2・3着候補として挙げておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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