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第798回 信頼できる人気馬と危険な人気馬は?

2014/5/1(木)

今週は京都競馬場で天皇賞(春)が行われる。古馬の最強ステイヤーを決める伝統の大一番。過去には幾多の名馬が勝ち馬に名を連ねている。だが、近年はスピード競馬が全盛となり、真のステイヤーと呼べる馬は極めて少なくなっている。3000mの距離がベストという馬では、この時代に頂点に立つことができないからだ。2000〜2500mで強い馬でないとトップにはなれない。そのため、このレースではしばしば波乱が起きる。過去10年、1番人気で優勝を果たしたのはディープインパクトしかいないのだ。そんな難しいレースだが、過去10年の結果を調べ、攻略の糸口を探っていきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 天皇賞(春)1〜3番人気の成績(過去10年)

人気 着順 馬名 前走成績 東京実績
13年 1 5 ゴールドシップ 阪神大賞典1着  
2 1 フェノーメノ 日経賞1着 天皇賞(秋)2着ほか
3 2 トーセンラー 京都記念1着  
12年 1 11 オルフェーヴル 阪神大賞典2着 日本ダービー1着
2 3 ウインバリアシオン 日経賞2着 日本ダービー2着
3 2 トーセンジョーダン 大阪杯3着 天皇賞(秋)1着ほか
11年 1 13 トゥザグローリー 日経賞1着  
2 11 ローズキングダム 日経賞3着 JC1着
3 2 エイシンフラッシュ 大阪杯3着 日本ダービー1着
10年 1 6 フォゲッタブル ダイヤモンドS1着  
2 1 ジャガーメイル 京都記念2着 アル共杯2着
3 7 ジャミール 阪神大賞典2着  
09年 1 9 アサクサキングス 阪神大賞典1着 日本ダービー2着
2 14 スクリーンヒーロー 阪神大賞典4着 JC1着
3 12 モンテクリスエス 日経賞3着  
08年 1 3 アサクサキングス 大阪杯3着 日本ダービー2着
2 2 メイショウサムソン 大阪杯6着 日本ダービー1着
3 1 アドマイヤジュピタ 日経賞1着 アル共杯1着
07年 1 4 アイポッパー 阪神大賞典1着  
2 1 メイショウサムソン 大阪杯1着 日本ダービー1着
3 12 デルタブルース 阪神大賞典4着  
06年 1 1 ディープインパクト 阪神大賞典1着 日本ダービー1着
2 2 リンカーン 日経賞1着  
3 7 マッキーマックス 大阪杯2着  
05年 1 6 リンカーン 阪神大賞典3着  
2 7 マカイビーディーヴァ エイプリルS7着  
3 16 ヒシミラクル 京都記念3着  
04年 1 13 リンカーン 阪神大賞典1着  
2 10 ネオユニヴァース 大阪杯1着 日本ダービー1着
3 16 ザッツプレンティ 阪神大賞典2着 JC2着

天皇賞(春)は過去10年で馬連の万馬券が5回も飛び出している。そんな波乱含みのレースなので、まずは上位1〜3番人気に支持された馬について調べていくことから始めたい(表1参照)。信頼できる人気馬と、危険な人気馬が見分けられるだろうか。

表1には計30頭の馬がいる。まずはそれらの馬の前走成績を見ていく。ステップレースとしてはトライアルの阪神大賞典と日経賞、そして産経大阪杯を使っている馬が圧倒的に多い。そこでの成績はレースを問わず3着以内に入っていることが望ましい。前走4着以下に敗れ、巻き返しと果たしたのは08年メイショウサムソンぐらい。同馬は前年の天皇賞(春)勝ち馬だった。休み明けのトライアルであっても、大きく負けていては人気馬でも危ない。

2013/4/28 京都11R 天皇賞(春)(G1)1着 6番 フェノーメノ

前走3着以内が最低の条件として、その他の実績で注目する点は何か。ズバリ東京芝2000〜2500mのG1・G2での好走実績に注目してみたい。昨年天皇賞(春)を制したフェノーメノは、前年の天皇賞(秋)や日本ダービーで2着の実績があった。だが、同馬は京都芝コースが初めてで、菊花賞にはもちろん不出走。芝3000m以上の実績もなかった点が不安視された。それを跳ね除けての優勝だった。一方、1番人気で5着に敗れたゴールドシップは菊花賞を勝っていたが、ダービーでは凡走。東京のハイレベルな実績がなかった。

その他の年を見ていくと、12年は上位1〜3番人気馬に東京コースの実績があった。オルフェーヴルが凡走してしまったが、ウインバリアシオンとトーセンジョーダンは好走を果たすこととなった。10年ジャガーメイルはアルゼンチン共和国杯2着の実績。この年はG1未勝利馬が上位人気に支持される混戦の年だったが、東京のG2以上で連対実績があったジャガーメイルのみが好走を果たすこととなった。

その他の年にも、毎年1頭ぐらいは該当馬がいて、結果を出している。05年はそうした実績を持つ馬が上位人気にいなかった。結果、馬連は8万を超える大波乱。危険な人気馬が上位人気にいたことで、このような結果を招いたと言えるだろう。

■表2 天皇賞(春)で4番人気以下で好走した馬(過去10年)

着順 人気 馬名 前走成績 備考 備考2
13年 3 6 レッドカドー ドバイWC2着    
12年 1 14 ビートブラック 阪神大賞典10着 京都大賞典2着 菊花賞3着
11年 1 7 ヒルノダムール 大阪杯1着    
3 5 ナムラクレセント 阪神大賞典1着    
10年 2 4 マイネルキッツ 日経賞1着    
3 16 メイショウドンタク 大阪ハンC11着 比叡S1着 万葉S2着
09年 1 12 マイネルキッツ 日経賞2着    
2 4 アルナスライン 日経賞1着    
3 5 ドリームジャーニー 大阪杯1着    
07年 2 11 エリモエクスパイア 日経賞10着 北大路特別1着 ダイヤモンドS2着
3 4 トウカイトリック 阪神大賞典3着    
06年 3 8 ストラタジャム 日経賞2着    
05年 1 13 スズカマンボ 大阪ハンC3着    
2 14 ビッグゴールド 大阪ハンC1着    
3 4 アイポッパー 阪神大賞典2着    
04年 1 10 イングランディーレ ダイオライト2着    
2 4 ゼンノロブロイ 日経賞2着    
3 5 シルクフェイマス 京都記念1着    

荒れるメカニズムは人気馬が飛ぶことと、とんでもない人気薄の馬が激走すること。このいずれかだ。次は4番人気以下で天皇賞(春)を好走した馬について調べていこう(表2)。

先に結論を言うと、表1同様に前走で好着順の馬にまず注目すればいい。例えば、昨年6番人気で3着と好走したレッドカドーは、前走ドバイWCで2着。11年優勝のヒルノダムールは前走大阪杯1着。09年に12番人気で優勝したマイネルキッツも前走日経賞で2着。04年1着のイングランディーレは、前走船橋のダイオライト記念で2着という成績。前走のレースは何でも構わなく、とにかく好走していればいい。トライアル以外の組は軽視される傾向にあるが、十分注意する必要があるのだ。重賞レースの勝ち馬ともなると自然と中位人気となりがちだが、同レース2〜3着の馬も同等に扱う必要がある。

■表3 天皇賞(春)4番人気以下の前走着順別成績(過去10年)

前入線順位 着別度数 勝率 連対率 複勝率
前走1着 1-  3-  3- 24/ 31 3.2% 12.9% 22.6%
前走2着 2-  1-  3- 17/ 23 8.7% 13.0% 26.1%
前走3着 1-  0-  1- 16/ 18 5.6% 5.6% 11.1%
前走4着 0-  0-  0- 17/ 17 0.0% 0.0% 0.0%
前走5着 0-  0-  0- 12/ 12 0.0% 0.0% 0.0%
前走6〜9着 0-  0-  0- 28/ 28 0.0% 0.0% 0.0%
前走10着〜 1-  1-  1- 11/ 14 7.1% 14.3% 21.4%

表3は天皇賞(春)で4番人気以下の前走着順別成績。前走1着馬は【1.3.3.24】、2着馬は【2.1.3.17】、3着馬は【1.0.1.16】という成績。3着馬は少し劣るものの、1、2着馬はともに複勝率が25%前後でほぼ互角となっている。前走4〜9着だったの馬の巻き返しはない。前走10着以下では【1.1.1.11】で、また別に考える必要があるが、ここでも前走着順が重要であることがわかる。

ちなみに前走10着以下に敗れていながら、巻き返した馬は3頭。いずれも本番は二けた着順になっており、大穴を出した立役者となった。この3頭の共通項を挙げるとすれば、京都芝コースでそれなりの実績があったこと。具体的には1000万クラス以上のレースを勝利。G2以上ならば連対でもOK。そして3000mのレースで好走実績があったことだ。ビートブラックはかつて菊花賞で3着。メイショウドンタクは万葉S2着、エリモエクスパイアはダイヤモンドS2着の実績があった。とんでもない穴を狙う場合は、この共通項を参考にして探してみるといいだろう。

【結論】
それでは今年の天皇賞(春)を占っていこう。出走予定馬は以下の表4の通り。

■表4 今年の天皇賞(春)出走予定馬

馬名 前走成績 備考
ウインバリアシオン 日経賞1着 日本ダービー2着
キズナ 大阪杯1着 日本ダービー1着
ゴールドシップ 阪神大賞典1着  
レッドカドー ドバイWC6着  
フェノーメノ 日経賞5着  
オーシャンブルー 日経賞10着  
デスペラード 京都記念1着 万葉S1着ほか
ジャガーメイル 日経賞9着  
サトノノブレス 阪神大賞典4着  
アスカクリチャン 日経賞8着  
ヒットザターゲット 阪神大賞典5着  
アドマイヤラクティ 阪神大賞典2着 アル共杯2着
ラストインパクト 日経賞3着  
フェイムゲーム ダイヤモンドS1着  
ホッコーブレーヴ 日経賞2着  
タニノエポレット 大阪ハンC1着  
サイレントメロディ 日経賞7着  
アドマイヤフライト 日経賞12着  
※フルゲート18頭。バンデほかは除外対象。

今年のメンバーを見渡すと、上位4頭の馬が人気を集めそうな印象。その4頭とはウインバリアシオン、キズナ、ゴールドシップ、フェノーメノだ。ウインバリアシオンは前走日経賞を快勝。キズナも産経大阪杯を鮮やかな末脚で優勝。ゴールドシップは阪神大賞典を圧勝。つまり、実績がある人気馬が前哨戦となる重賞をそれぞれ勝っているからだ。そこに昨年の覇者フェノーメノを加えた4頭が、票を集める可能性が高そうだ。

この4頭をさらにオッズ順で予測するのは難しいが、この順番はあまり気にしなくていい。果たして彼らが信頼できる人気馬であるかという点が問題だ。前走成績は申し分なし。ここでは差をつけることができない。だが、東京の重賞実績には大きな差がある。

例えばゴールドシップは昨年、天皇賞(春)で人気を裏切った。次走宝塚記念で名誉挽回の勝利を果たしたが、秋はいいところがなった。調子そのものが良くなかった可能性があるものの、依然として京都の外回りや東京芝の瞬発力勝負では実績がない。ここは昨年の二の舞になる危険が十分にある。

ウインバリアシオンは勝ちみに遅いのが難点だが、あまりコースは問わないタイプ。古い記録となるが、日本ダービーではオルフェーヴルの2着。ゴールドシップよりはダービーの成績がある分、断然上と見る。

2014/4/6 阪神11R 産経大阪杯(G2)1着 7番 キズナ

キズナは昨年のダービー馬。秋は菊花賞をパスして凱旋門賞に挑戦。前走は中距離の大阪杯ということで、この馬に関しては京都芝3200mへの対応の方が課題と見る人も多いだろう。非常に切れ味があり、道中は脚を溜めたいタイプ。長距離がベストのステイヤーという印象は全くなく、むしろマイナス材料になるかもしれない。だが、近年の傾向は長距離実績よりも東京の実績の方が大事。レコード連発となっている現在の京都芝コースも考慮し、決め手がある本馬を最有力馬として注目してみたい。

フェノーメノは実績十分。前走は休み明けというハッキリとした理由があるものの、5着と着順はよくなかったので押さえ候補。

その他では前走京都記念を勝っているデスペラード。同馬には万葉S1着の実績がある。前走阪神大賞典が2着でアルゼンチン共和国杯2着の実績もあるアドマイヤラクティにも注目。単純に前走着順だけを見ればラストインパクト、ホッコーブレーヴあたりが激走を果たしても何ら不思議はない。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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