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第791回 4月のマイナス馬体重について考える

2014/4/7(月)

「三寒四温」で気温が下がる日はあるものの、4月に入って本格的な春が到来しつつあり、気温の上昇に伴って馬体が絞れた馬の出走も目立つようになってきた。そこで、この時期のマイナス馬体重について考えてみたい。集計期間は、過去5年(09〜13年)の4月に行なわれた全レース。なお、前走で地方競馬などに出走した馬などで馬体重の増減が奇数になることがあるが、今回はわかりやすさを優先し、増減が偶数になった馬のみを集計対象としている。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 4月の馬体重増減別成績

増減 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
全体 1381- 1380- 1381-16459/20601 6.7% 13.4% 20.1% 70% 77%
−2キロ 175- 211- 206-2029/2621 6.7% 14.7% 22.6% 69% 83%
−4キロ 188- 159- 166-1769/2282 8.2% 15.2% 22.5% 66% 72%
−6キロ 135- 114- 114-1293/1656 8.2% 15.0% 21.9% 74% 79%
−8キロ 58-  63-  68- 903/1092 5.3% 11.1% 17.3% 70% 69%
−10キロ 28- 44- 37-602/711 3.9% 10.1% 15.3% 46% 60%
−12キロ 28- 12- 23-356/419 6.7% 9.5% 15.0% 72% 65%
−14キロ 14- 14- 11-223/262 5.3% 10.7% 14.9% 72% 74%
−16キロ 2-  6-  8-121/137 1.5% 5.8% 11.7% 10% 81%
−18キロ 5- 1- 5-82/93 5.4% 6.5% 11.8% 81% 52%
−20キロ以上 8-  5-  0-145/158 5.1% 8.2% 8.2% 97% 43%

表1は、4月の中央競馬にマイナス馬体重で出走した馬について、2キロ刻みで成績を出したものである。なお、基準となるように、マイナス体重だけでなくプラス体重や増減なしの馬も含んだ全体成績を、表の一番上に掲載した。この全体成績と比較して勝率、連対率、複勝率の数字が上回った部分を赤、下回ったところを青でそれぞれ色を付けている。

これを見ると、「マイナス2〜6キロ」のゾーンで全体より高い好走率を記録している一方、馬体重減の幅が「マイナス8キロ」以上になると好走率が全体を下回っていることがわかるだろう。ただし、「マイナス8キロ」以上の幅となった場合は、全体より高い回収率を記録している部分もある。これらのことを踏まえると、狙いやすいのは好走率が高い「マイナス2〜6キロ」のゾーンで、「マイナス8キロ」以上の幅で出走してきた馬は穴で一考とするのがよさそうだ。

■表2 「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」の馬体重別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
399kg以下 0-   2-   2-  36/  40 0.0% 5.0% 10.0% 0% 141%
400〜419kg 6-   6-  11- 227/ 250 2.4% 4.8% 9.2% 31% 50%
420〜439kg 34-  44-  34- 594/ 706 4.8% 11.0% 15.9% 41% 55%
440〜459kg 102-  95-  95-1163/1455 7.0% 13.5% 20.1% 72% 79%
460〜479kg 149- 143- 152-1396/1840 8.1% 15.9% 24.1% 78% 83%
480〜499kg 113- 105- 103-1038/1359 8.3% 16.0% 23.6% 65% 69%
500〜519kg 70-  65-  60- 496/ 691 10.1% 19.5% 28.2% 92% 105%
520〜539kg 22-  24-  23- 163/ 232 9.5% 19.8% 29.7% 106% 92%
540kg以上 6-   5-   7-  40/  58 10.3% 19.0% 31.0% 46% 100%

表1の項で「4月は、マイナス2〜6キロで出走した馬の好走率が高い」ことがわかった。ここからは、この条件に該当する場合に、どんな馬やシチュエーションで狙うべきなのかを見ていこう。表2は、この条件に該当する馬の成績を、馬体重別に見たものである。すると、500キロ以上の大型馬の成績が優秀なことがわかった。元々、大型馬のほうが好成績を収めやすい傾向にあることを差し引く必要はあるが、それを考慮したとしても500キロ以上の馬のほうが好走率、回収率ともに明らかに高い。4月に入って暖かくなり、マイナス2〜6キロと適度に絞れた500キロ以上の大型馬に要注意としっかり覚えておこう。

■表3 「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」の距離別成績

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 121- 142- 127-1305/1695 7.1% 15.5% 23.0% 60% 78%
1400m〜1600m 103- 111-  89-1114/1417 7.3% 15.1% 21.4% 59% 77%
1700m〜2000m 209- 173- 210-2135/2727 7.7% 14.0% 21.7% 75% 75%
2100m〜2400m 38-  35-  36- 327/ 436 8.7% 16.7% 25.0% 87% 100%
2500m〜 14-  10-  11- 103/ 138 10.1% 17.4% 25.4% 181% 83%

次に、距離別成績にも参考になる傾向が出ていたので確認しておきたい。表3の通り、「4月にマイナス2〜6キロで出走してきた馬」は、その出走レースの距離が長いほど好走率、回収率ともに高くなる傾向が見られるのだ。勝率、連対率、複勝率、単勝回収率の4項目でベストの数字を記録したのが「2500m以上」で、残る1項目の複勝回収率は「2100〜2400m」でトップとなっている。なお、この距離が長いほど好成績という傾向は芝・ダートともに共通して見られるものなので、とにかく距離を重視して判断したい。

■表4 「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 262- 255- 260-2732/3509 7.5% 14.7% 22.1% 67% 72%
4歳 110- 105- 106-1013/1334 8.2% 16.1% 24.1% 48% 82%
5歳 92-  83-  82- 730/ 987 9.3% 17.7% 26.0% 107% 88%
6歳 26-  31-  29- 413/ 499 5.2% 11.4% 17.2% 80% 93%
7歳以上 12-  15-  10- 265/ 302 4.0% 8.9% 12.3% 63% 79%

2012/4/29 京都11R 天皇賞(春)(G1)1着 1番 ビートブラック

「4月にマイナス2〜6キロで出走してきた馬」は、年齢別の成績にも興味深い傾向が表れている。表4を見ればわかる通り、複勝回収率を除く4項目で「5歳」がトップの数字を残しているのだ。3歳や4歳でも極端に好走率が落ちるわけではないが、それでも5歳に比べるとダウンしているのは否めない。一般的に、サラブレッドは4歳の秋に完成する、と言われている。この言葉をそのまま受け取ると、この時期の3歳馬はもちろん、4歳馬もまだ成長の余地が残っており、マイナス体重が一概に好材料とは言えない。一方、すでに馬体が完成した5歳馬であれば、マイナス2〜6キロは絞れたものと判断できる。表5は、そんな事情を反映したデータ傾向と判断できるのではないだろうか。

代表的な激走例と言えるのが、12年の天皇賞・春を14番人気で制したビートブラックである。この馬は4月29日に行なわれた芝3200mの長距離戦に当日マイナス2キロの馬体重512キロという状態で出走し、しかも、出走時点で5歳。つまり、表2、表3、表4で見た好走率の高い条件をすべて満たしていたのである。

■表5 「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」の厩舎別成績

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
角居勝彦 11- 5- 3-35/54 20.4% 29.6% 35.2% 87% 96%
平田修 10- 3- 4-24/41 24.4% 31.7% 41.5% 136% 97%
浅見秀一 9- 4- 2-30/45 20.0% 28.9% 33.3% 120% 77%
石坂正 8- 5- 5-26/44 18.2% 29.5% 40.9% 303% 165%
池江泰寿 8- 3- 8-25/44 18.2% 25.0% 43.2% 84% 80%
松山康久 8- 2- 8-33/51 15.7% 19.6% 35.3% 69% 80%
堀宣行 8- 2- 4-20/34 23.5% 29.4% 41.2% 125% 76%
昆貢 8- 1- 1-19/29 27.6% 31.0% 34.5% 106% 68%
加藤征弘 7- 4- 2-24/37 18.9% 29.7% 35.1% 81% 81%
岡田稲男 7- 3- 6-41/57 12.3% 17.5% 28.1% 148% 72%
藤原英昭 6- 8- 3-23/40 15.0% 35.0% 42.5% 46% 103%
宗像義忠 6- 5- 2-29/42 14.3% 26.2% 31.0% 201% 103%
中竹和也 6- 4- 2-38/50 12.0% 20.0% 24.0% 37% 39%
梅田智之 6- 4- 2-19/31 19.4% 32.3% 38.7% 142% 99%
古賀慎明 6- 4- 1-32/43 14.0% 23.3% 25.6% 80% 67%
音無秀孝 6- 3- 3-34/46 13.0% 19.6% 26.1% 80% 54%
勢司和浩 6- 3- 3-13/25 24.0% 36.0% 48.0% 190% 101%
矢作芳人 5-11- 3-41/60 8.3% 26.7% 31.7% 56% 77%
西園正都 5- 6- 4-28/43 11.6% 25.6% 34.9% 81% 139%
鹿戸雄一 5- 5- 3-32/45 11.1% 22.2% 28.9% 68% 51%
※松山康久厩舎は14年2月に解散

2014/4/6 中山11R ダービー卿CT(G3)1着 2番 カレンブラックヒル

馬体重の増減は、厩舎の仕上げにも大きく関わる部分である。そこで最後に、厩舎別の成績を確認しておこう。集計期間において、「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」で最多の11勝を挙げたのは角居勝彦厩舎だった。昨年のリーディングトレーナーで元々がよく勝つ厩舎なので、最多勝というだけでは驚くほどではないが、単複の回収率はいずれも水準の80%を上回っている。過剰人気傾向のある厩舎ということを考慮すると優秀な数字と言え、狙っていく価値は十分にあるだろう。この角居厩舎を、勝率、連対率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率の5項目すべてで上回る数字を記録したのが2位の平田修厩舎である。今年は3月31日時点で未勝利と苦しい成績になっているが、「4月にマイナス2〜6キロで出走した馬」がいたら要注意だろう(※4月7日追記:執筆後、昨日行なわれたダービー卿CTで、平田厩舎所属のカレンブラックヒルがマイナス2キロで勝利)。そのほか勝率と単勝回収率がともに優秀な浅見秀一厩舎石坂正厩舎堀宣行厩舎昆貢厩舎勢司和浩厩舎などもしっかりと勝ち切ってくる厩舎としてマークしておきたいところだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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