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第788回 ハナ争いがカギを握る! 高松宮記念を分析

2014/3/27(木)

 中京競馬場で春のスプリント王決定戦・高松宮記念が行われる。ロードカナロアがターフを去った今年はどの馬がチャンピオンに輝くのか、注目の一戦だ。今回のデータde出〜たでは、新コースで行われた過去2年の結果や今開催のタイム、中京芝1200mの傾向から高松宮記念を分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 高松宮記念の過去2年の結果

年度 着順 馬名 性齢 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 600m通過 レース上がり
2013 1 ロードカナロア 牡5 1分8秒1 1 7 33秒2 34秒3 33秒8
2 ドリームバレンチノ 牡6 1馬身1/4 2 11 33秒3
3 ハクサンムーン 牡4 ハナ 10 1 34秒0
2012 1 カレンチャン 牝5 1分10秒3 2 2 35秒5 34秒5 35秒8
2 サンカルロ 牡6 クビ 3 12 34秒7
3 ロードカナロア 牡4 1/2馬身 1 4 35秒4

 まず表1は中京競馬場の新コースで行われた近2年の高松宮記念の結果。12年は非常に時計が掛かり、勝ちタイムは1分10秒3。2番手につけたカレンチャンが勝利したが、後方からサンカルロが2着に突っ込んでいる。

そして昨年は一昨年よりも2秒2も速い1分8秒1。それもハクサンムーンが前半34秒3のスローで逃げてのものだけに、速い流れなら1分7秒台は十分にあっただろう。ハクサンムーンは3着に残ったものの、中団にいたロードカナロア・ドリームバレンチノには差されてしまった。上がりタイムも33秒台前半が出ており、一昨年と昨年では時計の出方がかなり違う。

 ハクサンムーンがスローで逃げても、11番手にいたドリームバレンチノに交わされるということは瞬発力がある差し馬向きのコースと言えるのではないか。では、今開催の中京コースのタイムは昨年と比較してどうなのか。

■表2 近2年のトリトンSと先日のファルコンS

施行日 レース名 勝ち馬 勝ちタイム 前半3ハロン 後半3ハロン 上位馬の4角通過順
2014/3/16 トリトンS フレデフォート 1分9秒0 33秒8 35秒2 5→11→8
2013/3/10 バーバラ 1分8秒8 33秒3 35秒5 13→9→6
2014/3/22 ファルコンS タガノグランパ 1分21秒2 33秒0 36秒3 15→10→17
(1200m通過) (1分8秒9) 35秒9

 表2は昨年と今年のトリトンSと先日行われたファルコンSの結果。近2年のトリトンSを比較すると、今年の方が0秒2だけ勝ちタイムが遅い。しかし、昨年の前半3ハロンが0秒5速く、ほぼ同じ馬場状態と考えてよいのではないだろうか。

また、近2年ともに昨年の高松宮記念よりも前半3ハロンが速く、中団にいた馬が上位を占めた。今年のトリトンSではシゲルアセロラが単騎で逃げ、残り200mを切っても4〜5馬身ほどリード。そのまま逃げ切るかに見えたが、ゴール前で後続に捕まって5着に敗れている。

 ちなみに、先日行われたファルコンSは前半3ハロン通過33秒0のハイペース。1200m通過は1分8秒9でトリトンSよりも速かったが、逃げ・先行馬は総崩れ。後方からの差し・追い込み馬が上位を占める結果となった。

 表1・表2を通して、逃げ馬にとって34秒台に落とせても逃げ切りが難しく、33秒台に入るとゴール前苦しくなるということがわかる。では、今年はどういったペースになるのか、前哨戦の流れから推測してみたい。

■表3 前哨戦3レースの勝ちタイムと前後半のラップ

レース名 勝ちタイム 逃げた馬 前半600m通過 着順 レース上がり 勝ち馬
シルクロードS 1分7秒4 レディオブオペラ 34秒1 2 33秒3 ストレイトガール
阪急杯 1分20秒7 コパノリチャード 33秒8 1 35秒8 コパノリチャード
(1200m通過) (1分7秒9)
オーシャンS 1分8秒9 ハクサンムーン 33秒9 13 35秒0 スマートオリオン

 表3は高松宮記念の前哨戦であるシルクロードS・阪急杯・オーシャンSで逃げた馬と前後半のラップを示したもの。馬場の違いで勝ちタイムは大きく異なるが、前半600m通過では阪急杯のコパノリチャードが33秒8で一番速かった。次いでオーシャンS、シルクロードSの順となっている。

 コパノリチャードは道中も緩めずに後続に4馬身差の快勝。対するレディオブオペラ、ハクサンムーンは敗れている。特にハクサンムーンは13着と大敗。昨年のオーシャンSでは前半33秒1で逃げて9着と敗れたが、今年は前半33秒9で直線早々に止まった。昨年は高松宮記念3着と巻き返したが、今年はどうだろうか。

■表4 前哨戦で逃げた馬の過去の前半3ハロン最速と逃げた時・逃げなかった時の成績

馬名 前半3ハロン最速 レース名 逃げた時 逃げなかった時
レディオブオペラ 33秒5 500万下 1着時 6戦3勝 2戦2勝
コパノリチャード 33秒8 前走阪急杯 1着時 8戦4勝 3戦1勝
ハクサンムーン 32秒9 13スプリンターズS 2着時 16戦7勝 3戦0勝

 表4は前哨戦で逃げた馬3頭の過去レースの前半3ハロン最速と逃げた時・逃げなかった時の成績をまとめたもの。これを見るとハクサンムーンの32秒9が断然速い。昨秋のスプリンターズSで、ロードカナロアに敗れはしたが2着を確保している。

 レディオブオペラは京都芝1200mの500万下で33秒5をマーク。ただし、この馬の場合は逃げずに2番手でレースを進めた時が2戦2勝。どうしても逃げたい馬ではない。

 対して、コパノリチャード・ハクサンムーンはハナに立った時の成績が良い。コパノリチャードは昨年のアーリントンCで2番手から勝利しているが、2走前の阪神カップでは控えて10着と大敗。前走のようなハナに立つ競馬が合っているタイプだ。ただし、芝1200m戦は今回が初めて。ハクサンムーンは3歳時に3戦逃げない競馬をしているが、いずれも惨敗。その後は芝1000〜1200mで13戦連続ハナに立っている。

 両者の比較では芝1200m戦に慣れたハクサンムーンの方がテンのダッシュ力で一枚上。ただし、コパノリチャードが控える競馬をするとは考えにくい。2番手につけても早めにハクサンムーンに迫るようなレースになることが予想される。

 昨年のような前半34秒台のスローになることは考えづらく、少なくとも33秒台。ファルコンSのような33秒台前半の激しい流れになることも想定される。過去2年の高松宮記念の結果・今開催の中京コースの馬場傾向、そして今回逃げたい馬のタイプから推測すると、前に行く馬よりは速い流れに対応できる差し馬を積極的に狙っていきたい。

■表5 中京芝1200m戦の枠番別成績(12年以降)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 4-  4-  5- 78/ 91 4.4% 8.8% 14.3% 36% 45%
2枠 2-  3-  3- 83/ 91 2.2% 5.5% 8.8% 24% 29%
3枠 4-  5-  7- 79/ 95 4.2% 9.5% 16.8% 110% 60%
4枠 8-  3-  6- 78/ 95 8.4% 11.6% 17.9% 82% 73%
5枠 4-  6-  8- 79/ 97 4.1% 10.3% 18.6% 28% 60%
6枠 7-  4-  4- 82/ 97 7.2% 11.3% 15.5% 87% 58%
7枠 11- 10-  7-106/134 8.2% 15.7% 20.9% 134% 90%
8枠 11- 14- 10-102/137 8.0% 18.2% 25.5% 76% 101%

 表5は中京芝1200m戦の枠番別成績。7枠・8枠の外枠に入った馬の成績が良い。どちらも連対率15%以上、複勝率20%をマーク。なかでも8枠の馬の連対率・複勝率はトップ。
対して、内枠の1〜3枠は勝率5%以下、連対率10%以下だった。

 高松宮記念でも内枠不利・外枠有利の傾向が出ており、近2年の5着以内馬で馬番1〜9番だった馬は一昨年3着のロードカナロアしかいない。他の9頭はすべて馬番10番から外の馬だった。

■表6 中京芝1200m戦の種牡馬別成績(12年以降)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
キングカメハメハ 6- 2- 7-19/34 17.6% 23.5% 44.1% 91% 84%
サクラバクシンオー 5- 4- 5-44/58 8.6% 15.5% 24.1% 45% 82%
アドマイヤコジーン 4- 0- 0-12/16 25.0% 25.0% 25.0% 798% 123%
タイキシャトル 3- 2- 2-24/31 9.7% 16.1% 22.6% 114% 86%
アグネスタキオン 3- 2- 1-19/25 12.0% 20.0% 24.0% 52% 44%
ディープインパクト 3- 2- 0- 8/13 23.1% 38.5% 38.5% 224% 130%
フジキセキ 3- 1- 1-13/18 16.7% 22.2% 27.8% 67% 53%
クロフネ 2- 3- 1-30/36 5.6% 13.9% 16.7% 16% 42%
アドマイヤムーン 2- 1- 2-10/15 13.3% 20.0% 33.3% 195% 164%
ネオユニヴァース 2- 0- 0-11/13 15.4% 15.4% 15.4% 627% 161%
ダイワメジャー 1- 2- 0-28/31 3.2% 9.7% 9.7% 7% 48%
サクラプレジデント 1- 2- 0- 7/10 10.0% 30.0% 30.0% 47% 104%
シンボリクリスエス 1- 2- 0- 7/10 10.0% 30.0% 30.0% 184% 117%
グラスワンダー 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

 表6は中京芝1200m戦の種牡馬別成績。ロードカナロアを出したキングカメハメハ産駒が6勝でトップ。複勝率も44.1%と高いが、今年の出走予定馬には同産駒がいない。サクラバクシンオー産駒は出走数が多く、連対率・複勝率はそれほど高くない。

 複勝率で25%を超えているのはアドマイヤコジーン、ディープインパクト、フジキセキ、アドマイヤムーン、サクラプレジデント、シンボリクリスエスの各産駒だ。アドマイヤコジーン産駒はマジンプロスパーが2勝しているが、他は人気薄の馬で2勝している。ディープインパクト産駒は連対率トップだ。

逆に出走数が多いクロフネ、ダイワメジャー産駒の複勝率は低い。なお、グラスワンダー産駒は7頭走っており、すべて5着以下だった。

■表7 高松宮記念上位馬の近2走成績(12年・13年)

年度 着順 馬名 前走成績 2走前成績
2013 1 ロードカナロア 阪急杯 1着 香港スプリント 1着
2 ドリームバレンチノ シルクロードS 1着 スプリンターズS 3着
3 ハクサンムーン オーシャンS 9着 京阪杯 1着
4 サクラゴスペル オーシャンS 1着 ラピスラズリS 1着
5 ダッシャーゴーゴー オーシャンS 2着 シルクロードS 2着
2012 1 カレンチャン オーシャンS 4着 香港スプリント 5着
2 サンカルロ 阪急杯 3着 阪神C 1着
3 ロードカナロア シルクロードS 1着 京阪杯 1着
4 ダッシャーゴーゴー オーシャンS 9着 JBCスプリント 3着
5 マジンプロスパー 阪急杯 1着 シルクロードS 8着

 最後に近2年の高松宮記念5着以内馬の過去2走の成績を見ておこう。過去2走中どちらも3着以内に入らなかったのは12年優勝のカレンチャンのみ。同馬にしても香港遠征での5着で、国内戦に限れば3走前にスプリンターズSを優勝していた。

 近2戦で結果が出ていない馬の一変は難しく、3着以内に好走している馬が狙いといえるだろう。

<結論>
■表8 高松宮記念の出走予定馬(3/26時点)

馬名 性齢 前走成績 2走前成績
ハクサンムーン 牡5 オーシャンS 13着 スプリンターズS 2着
マヤノリュウジン 牡7 阪急杯 8着 京阪杯 9着
サクラゴスペル 牡6 東京新聞杯 7着 マイルCS 17着
ストレイトガール 牝5 シルクロードS 1着 尾張S 1着
マジンプロスパー 牡7 シルクロードS 4着 阪神C 12着
コパノリチャード 牡4 阪急杯 1着 阪神C 10着
スマートオリオン 牡4 オーシャンS 1着 1600万下 1着
サンカルロ 牡8 阪急杯 2着 阪神C 4着
リアルインパクト 牡6 オーシャンS 8着 阪神C 1着
エーシントップ 牡4 フェブラリーS 16着 根岸S 14着
レッドスパーダ 牡8 オーシャンS 3着 東京新聞杯 13着
ガルボ 牡7 阪急杯 4着 京都金杯 3着
シルクフォーチュン 牡8 フェブラリーS 15着 根岸S 3着
スノードラゴン 牡6 オーシャンS 2着 根岸S 11着
レディオブオペラ 牝4 シルクロードS 2着 淀短距離S 1着
インプレスウィナー 牡7 オーシャンS 4着 ラピスラズリS 5着
アースソニック 牡5 オーシャンS 10着 ラピスラズリS 8着
レッドオーヴァル 牝4 阪急杯 3着 マイルCS 8着
ハノハノ 牡6 オーシャンS 14着 ラピスラズリS 11着
エピセアローム 牝5 阪急杯 5着 淀短距離S 2着
アンバルブライベン 牝5 オーシャンS 16着 山城S 1着
スギノエンデバー 牡6 オーシャンS 6着 シルクロードS 10着
アフォード 牡6 オーシャンS 5着 シルクロードS 8着
ワキノブレイブ 牡4 東風S 9着 シルクロードS 5着
※フルゲート18頭。ハノハノ以下は除外対象。

2014/2/2 京都11R シルクロードS(G3)1着 2番 ストレイトガール

2013/1/14 京都10R 紅梅ステークス1着 12番 レッドオーヴァル

 今年の高松宮記念の出走予定馬は表8のとおり。

 人気になりそうなのは前走のシルクロードSを快勝したストレイトガール。内枠から好位につけて上がり最速の33秒0で抜け出した。近7戦で6勝と充実しており、2走前の尾張Sで中京芝1200mは経験済み。速い流れも5走前の函館日刊スポーツ杯(前半32秒9)で勝利している。内枠に入って、揉まれる展開にならない限りは力を発揮できると見る。

 表1〜表4で示したように今年は流れが速くなることを想定して、ハクサンムーン・コパノリチャード・レディオブオペラはまとめて軽視したい。また、先行するガルボ・レッドスパーダあたりも厳しいと見る。

 前哨戦のオーシャンSを勝ったスマートオリオンは近走の勢いに乗る一頭。ただし、前走にしても34秒7で、33秒台の上がりを使える馬ではない。コース実績がないグラスワンダー産駒で苦戦が予想される。

 表6で示したコース相性が良いディープインパクト産駒のリアルインパクトレッドオーヴァルは狙ってみたい。リアルインパクトは前走オーシャンSで出遅れて8着と敗れたものの、左回りは【2.3.1.3】。1200m2戦目で変わり身があってもおかしくない。レッドオーヴァルは前走阪急杯で速い流れを追走して3着。中京コースは一昨年の未勝利戦で1分21秒5のレコード勝ちをおさめている。短距離の流れに適応しつつあり、今回は絶好の狙い目と見たい。

 他では時計が掛かった場合にサンカルロスノードラゴン。サンカルロは器用さこそないものの、前走の阪急杯2着を見ても年齢的な衰えを感じさせない。昨年はスローに泣いたが、前が止まる展開になれば上位進出は可能だ。スノードラゴンは前走オーシャンSで2着に好走。一発があるアドマイヤコジーン産駒ではマジンプロスパーよりもスノードラゴンの方が近況は良い。今回も人気はないだろうが、ハマる可能性は少なからずありそうだ。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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