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第783回 皐月賞、桜花賞トライアルを1倍台で勝った馬の本番は?

2014/3/10(月)

2014/3/8 阪神11R チューリップ賞(G3)1着 3番 ハープスター

2014/3/9 中山11R 報知杯弥生賞(G2)1着 10番 トゥザワールド

先週は牡牝のクラシック第一弾につながるトライアル競走が行なわれ、チューリップ賞ではハープスターが、弥生賞ではトゥザワールドが単勝1倍台の圧倒的な支持を集め、両馬ともに期待に応えて勝利を収めた。チューリップ賞は桜花賞と同条件、弥生賞は皐月賞と同条件ということもあり、2頭とも大きな注目を集めることは必至だろう。そこで、「皐月賞や桜花賞のトライアルレースを単勝1倍台で勝った馬が、本番でどのような成績を収めているのか」について調べてみたい。さすがに、この条件に合致する馬はそれほどいないので、集計期間は長めにとって1990年以降とする。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 弥生賞・単勝1倍台1着馬の皐月賞成績

馬名 皐月賞
人気 着順
95年 フジキセキ 不出走
01年 アグネスタキオン 1 1
05年 ディープインパクト 1 1
06年 アドマイヤムーン 1 4
07年 アドマイヤオーラ 1 4
09年 ロジユニヴァース 1 14
10年 ヴィクトワールピサ 1 1

まずは牡馬路線から見ていこう。1990年以降、弥生賞を単勝1倍台で勝った馬は7頭いた。このうち、弥生賞後に故障が判明して引退した95年のフジキセキを除く6頭は皐月賞でも1番人気に推され、半数の3頭は期待に応えて勝利を収めたものの、残りの3頭は4着以下という対照的な結果が残っている。現在、弥生賞は皐月賞と同条件で行なわれる唯一のトライアルとなっており、単勝1倍台で勝てば最有力候補と言えるが、トライアル競走にしてはやや開いた中5週のローテーションとなるため調整の難しさも伴うのかもしれない。そのことが、1着か4着以下かという極端な結果につながっているのではないだろうか。

■表2 スプリングS・単勝1倍台1着馬の皐月賞成績

馬名 皐月賞
人気 着順
94年 ナリタブライアン 1 1
95年 ナリタキングオー 不出走
96年 バブルガムフェロー 不出走
00年 ダイタクリーヴァ 1 2
01年 アグネスゴールド 不出走
02年 タニノギムレット 1 3

1990年以降、スプリングSを単勝1倍台で勝利した馬は6頭いるのだが、95年のナリタキングオー、96年のバブルガムフェロー、01年のアグネスゴールドと半数は皐月賞に出走できなかった。出走が叶った3頭はいずれも1番人気に推されており、94年のナリタブライアンが1着、00年のダイタクリーヴァが2着、02年のタニノギムレットが3着という成績。スプリングSを単勝1倍台で勝った馬は、軸馬として堅実な成績を収めている反面、やや勝ち切れない部分もあるようだ。なお、現在のスプリングSは皐月賞まで中3週の日程で行なわれているが、96年以前は皐月賞まで中2週の日程で行なわれていた。

■表3 若葉S・単勝1倍台1着馬の皐月賞成績

馬名 皐月賞
人気 着順
91年 トウカイテイオー 1 1
93年 ビワハヤヒデ 2 2
03年 アドマイヤグルーヴ 不出走
05年 アドマイヤフジ 8 5
06年 フサイチジャンク 2 3
12年 ワールドエース 2 2

皐月賞のもうひとつのトライアル競走に指定されているのが若葉S。オープン特別ではあるが、皐月賞と同距離の2000mで行なわれ、本番まで中3週という理想的なローテーションを組めることもあり(※97〜99年は中2週の日程)、侮れないレースとなっている。1990年以降、若葉Sを単勝1倍台で勝った馬は6頭おり、牝馬のアドマイヤグルーヴ以外を除く5頭は無事に皐月賞へと駒を進めている。オープン特別ということもあるためか、皐月賞でも1番人気に推されたのは90年のトウカイテイオーのみで、この馬は期待に応えて1着。2番人気に推された93年のビワハヤヒデ、06年のフサイチジャンク、12年のワールドエースはそれぞれ2、3、2着と馬券圏内を確保している。残る1頭の05年のアドマイヤフジは8番人気の評価にとどまったが、5着と人気を上回る走りを見せた。総合的に判断すると、若葉Sを単勝1倍台で勝った馬は皐月賞でも確実な結果を残していると言えるだろう。なお、現在の若葉Sは阪神芝2000mで行なわれているが、99年までは中山芝2000mで行なわれていた。

■表4 毎日杯・単勝1倍台1着馬の皐月賞成績

馬名 皐月賞
人気 着順
91年 イイデサターン 7 10
92年 ヒシマサル 不出走
95年 ダイタクテイオー 1 8
01年 クロフネ 不出走
02年 チアズシュタルク 5 12
13年 キズナ 不出走

優先出走権が与えられるトライアル競走ではないものの、実質的にステップレースの機能を果たしている毎日杯についても見ておきたい。1990年以降、毎日杯を単勝1倍台で勝った馬は6頭おり、半数の3頭が皐月賞に出走。しかし、95年に1番人気に推されたダイタクテイオーは8着に敗れ、91年のイイデサターンが7番人気10着、02年のチアズシュタルクも5番人気12着と、3頭とも人気を下回る着順に敗れている。興味深いのが、皐月賞には出走しなかった92年のヒシマサル、01年のクロフネ、13年のキズナはいずれも次走で重賞を勝っている点だ(※ヒシマサルは外国産馬で、当時はクラシック出走不可)。毎日杯から皐月賞だと中2週の詰まった出走間隔となるのに対し、皐月賞に出走しなかったヒシマサル、クロフネ、キズナの3頭はいずれも中4週で次走に出走しており、この差が明暗を分けているのかもしれない。なお、現在の毎日杯は阪神芝1800mで行なわれているが、06年までは阪神芝2000mで行なわれていた。

■表5 チューリップ賞・単勝1倍台1着馬の桜花賞成績

馬名 桜花賞
人気 着順
90年 アグネスフローラ 1 1
01年 テイエムオーシャン 1 1
04年 スイープトウショウ 2 5
07年 ウオッカ 1 2
09年 ブエナビスタ 1 1
11年 レーヴディソール 不出走

ここからは牝馬路線を見ていこう。1990年以降、チューリップ賞を単勝1倍台で勝った馬は6頭おり、故障のため出走できなかったレーヴディソールを除く5頭が桜花賞に駒を進めている。その5頭のうち、本番で1番人気にならなかった04年のスイープトウショウは5着に敗れているが、1番人気に推された4頭はすべて連対を果たし、そのうち3頭は1着という好成績を収めている。桜花賞でも1番人気ながら唯一2着に敗れたのは07年のウオッカで、この世代にはダイワスカーレットという稀代の名牝がもう1頭存在していたことが敗因だろう。桜花賞と同じコースで行なわれる唯一のトライアル競走だけにさすがに直結しており、チューリップ賞を単勝1倍台で勝てば本番でも非常に有望と考えてよさそうだ。なお、93年以前のチューリップ賞はオープン特別として行なわれていた。

■表6 フィリーズレビュー・単勝1倍台1着馬の桜花賞成績

馬名 桜花賞
人気 着順
99年 フサイチエアデール 2 2
00年 サイコーキララ 1 4
05年 ラインクラフト 2 1
07年 アストンマーチャン 2 7

1990年以降、フィリーズレビュー(00年までの名称は4歳牝馬特別)を単勝1倍台で勝った馬は4頭。そのすべてが桜花賞に出走し、1頭が1番人気、3頭が2番人気の支持を集め、05年のラインクラフトが1着、99年のフサイチエアデールが2着に好走し、00年のサイコーキララは4着、07年のアストンマーチャンは7着に敗れている。半数の2頭が連対を果たしているのだから決して悪い成績ではないが、チューリップ賞を単勝1倍台で勝った馬たちと比べると見劣りする印象は否めない。本番と同距離のチューリップ賞、200m短いフィリーズレビューの違いはこんなところにも反映されているようだ。

■表7 アネモネS・単勝1倍台1着馬の桜花賞成績

馬名 桜花賞
人気 着順
01年 ダイワルージュ 2 3

もうひとつの桜花賞トライアルがアネモネSで、オープン特別となった91年からトライアル競走に指定された。当初は阪神芝1400mの設定で、00年から現行の中山芝1600mとなった。91年以降、アネモネSを単勝1倍台で勝ったのは01年のダイワルージュのみで、この馬は桜花賞でも3着に好走している。この1例だけで断言まではできないが、1600mと最後の直線に坂がある点は桜花賞と共通しており、アネモネSを単勝1倍台の勝ち馬が現れた場合には軽視しないほうがいいかもしれない。

■表8 フラワーC・単勝1倍台1着馬の桜花賞成績

馬名 桜花賞
人気 着順
97年 シーキングザパール 不出走
04年 ダンスインザムード 1 1
05年 シーザリオ 1 2

最後に、トライアル競走ではないものの、桜花賞の最終便としての意味もあるフラワーCについても確認しておこう。1990年以降、単勝1倍台で勝った馬は3頭おり、97年のシーキングザパールは外国産馬のため当時の規定では桜花賞に出走できなかったものの、04年のダンスインザムードと05年のシーザリオは桜花賞でも1番人気に支持され、それぞれ1着、2着と好走を果たしている。この2頭は桜花賞のあとも活躍し、ダンスインザムードは5歳時にヴィクトリアマイルを勝ったほか、牡馬混合のG1でも好勝負を演じているし、シーザリオもオークスを勝ったあとに海外遠征を敢行し、アメリカンオークスにも勝っている。また、シーキングザパールも2走後にNHKマイルCを勝ち、98年のモーリス・ド・ゲスト賞では日本調教馬初となる欧州G1制覇を飾るなど、3頭とも素晴らしい競走生活を送っている。フラワーCを単勝1倍台で勝つ馬が現れた場合は、桜花賞のみならず、その後も長く注目してみる価値があるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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