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第776回 斤量が重くても実績馬が断然有利な共同通信杯

2014/2/13(木)

今週は土曜にクイーンC、日曜に東京で共同通信杯、京都で京都記念、さらに代替開催が行なわれる月曜には東京新聞杯と4つの重賞が行なわれる予定となっている。例によって日曜の重賞を分析していくが、昨年の当欄では京都記念を取り上げたので、今回は共同通信杯のレース傾向を過去10年の結果から調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝人気別成績

単勝人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 3-  3-  1-  3/ 10 30.0% 60.0% 70.0% 64% 79%
2番人気 2-  3-  0-  5/ 10 20.0% 50.0% 50.0% 69% 68%
3番人気 2-  0-  2-  6/ 10 20.0% 20.0% 40.0% 123% 65%
4番人気 2-  0-  2-  6/ 10 20.0% 20.0% 40.0% 118% 69%
5番人気 0-  3-  2-  5/ 10 0.0% 30.0% 50.0% 0% 155%
6番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 214% 99%
7番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  2-  8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 140%
10番人気 0-  0-  0-  8/  8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11番人気 0-  0-  1-  5/  6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 203%
12番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は単勝人気の成績で、どうやら共同通信杯は堅い決着に落ち着く傾向があるようだ。08年に6番人気(単勝21.4倍)のショウナンアルバが勝った例はあるものの、残る9頭の1着馬は1〜4番人気が占めており、2着馬についても似たような傾向が出ている。3着には9番人気が2頭、11番人気が1頭の好走例があるが、それでも残りの7頭は1〜5番人気となっており、人気薄の激走を期待するのはあまり分のいい勝負とは言えない。基本的には本命サイドから確実な的中を狙うのが得策だ。

■表2 斤量別成績(牡馬のみ)

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
56kg 6-  8- 10- 76/100 6.0% 14.0% 24.0% 48% 73%
57kg 3-  2-  0- 10/ 15 20.0% 33.3% 33.3% 55% 36%
58kg 1-  0-  0-  0/  1 100.0% 100.0% 100.0% 220% 120%

表2は斤量別の成績。過去10年に牝馬は1頭しか参戦がなく、好走にも至らなかったので今回は牡馬のみに限定した。また、集計期間のあいだに斤量設定の変更があり、現在は58キロを背負うことはないが、ここで述べるデータの主旨には影響がないためそのまま使用する。現在の共同通信杯は馬齢戦で、牡馬は56キロ。そして、収得賞金1800万円以上の馬は1キロ重い57キロの設定となっている。この1キロの差がどのような影響を及ぼすかというと、表2の通り、むしろ57キロを背負った馬のほうが高い好走率を記録しており、その影響はまったくと言っていいほど見られない。05年には、この時期の3歳馬としては酷量と言える58キロを背負ったストーミーカフェが1番人気1着としっかり期待に応えたほどだ。これらのことから、共同通信杯では実績上位馬が斤量面での不利を被ることはほとんどないと考えていいだろう。

■表3 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
未勝利 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 2- 1- 3-26/32 6.3% 9.4% 18.8% 86% 87%
オープン特別 3- 2- 2-18/25 12.0% 20.0% 28.0% 71% 56%
G3 3- 4- 4-18/29 10.3% 24.1% 37.9% 28% 103%
G2 0- 0- 0- 0/ 0          
G1 2- 3- 1- 4/10 20.0% 50.0% 60.0% 50% 78%

実績馬が有利という傾向は、表3の前走クラス別成績にも明確に表れている。なかでも連対率と複勝率に関しては、前走で上のクラスを使っていた馬ほど数字も優秀という綺麗な相関関係が出ており、勝率についても大まかには同様の傾向が出ている。そういうレースなので、前走で新馬戦や未勝利戦に出走していた馬が合計して【0.0.0.14】という厳しい結果に終わっているのも必然で、実績上位の馬を素直に信用すべきである。なお、前走でダート戦に出走していた馬は、そのクラスを問わず【0.0.0.18】。仮にダートでかなりの実績を積んできた馬の出走があったとしても、過剰に警戒する必要はないだろう。

■表4 上がり順位別成績

上がり順位 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3F・1位 3-  2-  4-  2/ 11 27.3% 45.5% 81.8% 107% 226%
3F・2位 3-  1-  3-  3/ 10 30.0% 40.0% 70.0% 104% 173%
3F・3位 2-  2-  0- 13/ 17 11.8% 23.5% 23.5% 76% 54%
3F・4〜5位 1-  4-  1-  9/ 15 6.7% 33.3% 40.0% 142% 102%
3F・6位〜 1-  1-  2- 59/ 63 1.6% 3.2% 6.3% 3% 20%

表4は上がり3Fタイムの順位別成績で、共同通信杯では上がり1位か2位の脚を使うことができれば好走する確率が極めて高い。反面、上がり6位以下になってしまうと好走確率が著しく下がってしまい、好走例が皆無というわけではないものの、単勝回収率3%、複勝回収率20%という数字を見てしまうとさすがに手を出しづらい。過去のレースで記録した上がり3Fタイムを確認して、あまり速い上がりを使えないタイプの馬であれば評価を下げたほうがよさそうだ。

■表5 芝レース・勝利数別成績

勝利数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2勝以上 8- 5- 6-25/44 18.2% 29.5% 43.2% 114% 82%
1勝 2- 5- 4-56/67 3.0% 10.4% 16.4% 12% 64%

表1〜3の項目で「共同通信杯では実績上位馬が有利」ということを述べてきた。ここからは、その「実績」に関連するデータをより詳細に見ていこう。

表5は、「共同通信杯までに芝のレースで2勝以上を挙げていた馬」と「1勝のみだった馬」の成績を比較したものである。これを見ると、芝で2勝以上を挙げていた馬のほうが、1勝のみだった馬より明らかに高い確率で好走を果たしていることがわかる。回収率も段違いなので、奇をてらわずに2勝以上している馬を上位にとりたい。

なお、1勝馬ながら好走した11頭のうち10頭までが「重賞5着以内」か「オープン特別3着以内」という実績を持っていた。1勝馬を狙うのであれば、オープンクラスでもある程度のメドを立てていた馬に限るべきだろう。

■表6 芝1800m以上・連対数別成績

連対数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2回以上 6- 4- 5-17/32 18.8% 31.3% 46.9% 131% 110%
1回 3- 2- 2-24/31 9.7% 16.1% 22.6% 36% 67%
0回 1- 4- 3-40/48 2.1% 10.4% 16.7% 11% 49%

今度は「距離実績」について調べてみたい。表6は「共同通信杯までに芝1800m以上のレースで何回連対したことがあったか」について調べたもので、「2回以上」と「1回のみ」と「0回」の3つに分けた。これを見ると、1800m以上で連対した経験が2回以上あった馬が好走率、回収率ともに圧倒的に優秀ということが一目瞭然だ。また、連対歴が1回でもあった馬のほうが、0回の馬より好成績となっている点からも、芝1800m以上の距離実績が重要であることが見て取れる。共同通信杯では芝1800m以上ですでに2回以上の連対を果たした実績を持つ、距離に不安のない馬を重視するのがセオリーだ。

■表7 最後の直線400m以上の芝コース・勝利数別成績

勝利数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1勝以上 7- 8- 4-35/54 13.0% 27.8% 35.2% 92% 74%
0勝 3- 2- 6-46/57 5.3% 8.8% 19.3% 15% 69%

共同通信杯は最後の直線が525.9mと長い東京芝コースで行なわれる。そこで、最後の直線が長いコース、具体的には「最後の直線400m以上の芝コースで勝った実績」について調べてみたい。ここでは東京と中京(改修後の12年以降)の芝コース、および京都、阪神、新潟の芝外回りコースにおける1着歴をカウントした。その集計結果が表7で、最後の直線400m以上の芝コースで勝ったことのある馬のほうが、勝ったことのない馬より明らかに好成績を残していることがわかる。最後の直線が長いコースにおける実績もまた、共同通信杯の結果に直結するのである。

なお、最後の直線400m以上の芝コースで1着になった経験を持たずに共同通信杯で連対した馬が過去10年に5頭いるが、05年1着のストーミーカフェ、06年1着のアドマイヤムーン、09年2着のトーセンジョーダン、11年2着のユニバーサルバンク、12年1着のゴールドシップと、5頭とも共同通信杯までに直線が400m以上の芝コースに出走したことがなかった。当然ながら、1着になることも不可能なので、こうした馬は除外して考えてもいいだろう。さらに言えば、最後の直線400m以上の芝コースで行なわれたレースに出走歴がありながら一度も勝てなかった馬が共同通信杯で連対するのは至難の業ということでもある。

■表8 芝で上がり2位以上を記録したレース・連対数別成績

連対数 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2回以上 7- 8- 7-25/47 14.9% 31.9% 46.8% 92% 107%
1回 2- 2- 2-39/45 4.4% 8.9% 13.3% 28% 34%
0回 1- 0- 1-17/19 5.3% 5.3% 10.5% 11% 70%

最後に、表4の項目で見た「速い上がりを出した馬の好走確率が高い」という傾向に関するデータを確認してみたい。表8は「共同通信杯までに芝レースで上がり2位以内を記録し、なおかつ連対した回数」による成績の差を示したもので、「2回以上」と「1回」と「0回」に分けてある。このデータを調べてみた理由は、「共同通信杯は上がり2位以内の馬の好走確率が抜群」なのだから、それまでのレースでも「上がり2位以内を記録したうえできっちりと連対していた馬」に向くはずで、「上がり2位以内の脚を使ったのに連対できなかった馬」や「連対はしたけれども上がり2位以内の脚を使えなかった馬」には向かないのではないか、と考えたからだ。

結果としては、この推測は間違いではなかったようだ。表8の通り、共同通信杯までに上がり2位以内を記録し、なおかつ連対した回数が「2回以上」の馬の好走率や回収率は「1回」や「0回」の馬より明らかに高いことがわかったからである。

【結論】

■表9 2014年共同通信杯登録馬

馬名 性別
アポロスターズ × ×
イスラボニータ
ガリバルディ ×
(クラリティシチー)
サトノアラジン ×
ショウナンワダチ ×
シングンジョーカー × × ×
(タイセイティグレス) × × ×
(タブレットピーシー) × × ×
(デルフィーノ)
(トップアート) × ×
ピオネロ
(ブルーフラッシュ) ×
マイネルフロスト
(ミッキーデータ) ×
ラインカグラ × ×
(ラインハーディー) × ×
レッドオラシオン × ×
(レッドルシファー) × ×
ローハイド × ×
※()の馬は回避の見込み

では、ここまで述べてきた好走条件に、今年の出走予定馬がどのぐらい合致しているかを見ていこう。表9では、Aの項目が「芝レースの勝利数」で「2勝以上の馬を○、1勝馬のうち重賞5着以内かオープン特別3着以内の実績を持つ馬を△、どちらにも該当しない馬を×」、Bの項目が「芝1800m以上の連対回数」で「2回以上の馬を○、1回の馬を△、0回の馬を×」、Cの項目が「最後の直線400m以上の芝コースでの勝利数」で「1勝以上の馬を○、出走したことがない馬を△、出走したことがあって0勝の馬を×」、Dの項目が「芝レースで上がり2位以内を記録し、なおかつ連対した回数」で「2回以上の馬を○、1回の馬を△、0回の馬を×」であることを、それぞれ意味している。

2013/11/16 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G3)1着 1番 イスラボニータ

2013/8/10 函館10R コスモス賞1着 11番 マイネルフロスト

その結果、4項目すべてで○が付いた唯一の馬となったのが、昨年の東京スポーツ杯2歳Sを勝ち馬であるイスラボニータ。今年、他馬より1キロ重い57キロを背負う唯一の馬だが、実績上位馬が強い共同通信杯ではマイナス材料にならないことは表2の項目で述べた通り。3カ月ぶりの休養明けとなる点こそ不安だが、データ面からはやはり1番手としたい。

イスラボニータに次いで浮上するのは、3項目で○が付き、もう1項目も△だったピオネロマイネルフロスト。いずれも上がり2位以内かつ連対したレースが1回のみで、切れ味負けする可能性はあるが、ディープインパクト産駒の話題馬たちの影に隠れて人気の盲点になりそうな感じもあるだけに、狙ってみる価値はあるだろう。

過去3戦がすべて芝1600mだったショウナンワダチは、当然ながら芝1800m以上での連対歴がなく、1項目のみ×となったが、残りの3項目は○でクリア。父が名スプリンターだったショウナンカンプという点を考慮しても距離延長が歓迎というタイプではないだろうが、ノーマークにはできない。

今年に入って芝の重賞で圧倒的な力を見せているディープインパクト産駒だが、このレースでは初年度産駒が出走した11年以降、昨年まで3年連続で産駒が1番人気に推されながらすべて2着以下に敗れており、あまり相性は良くない。実は、その父のサンデーサイレンスも02年のチアズシュタルクで1勝したのみにとどまっている。歴史的種牡馬サンデーサイレンスとその最良後継と言われるディープインパクトにとって、東京芝1800mという条件はいかにも瞬発力を発揮しやすそうな舞台なのに、実際には不得手なレースとなっているのは実に興味深い。

今年はディープインパクト産駒で出走見込みとなっているのは4頭おり、このなかでは○が2項目で、△が1項目というガリバルディが最上位となった。それでも全体では5番手どまりという点からも、ディープインパクト産駒の相性の悪さを感じさせる。また、かねてより大物と評判のサトノアラジンに関しては、○が付いたのは1項目のみ。今回のデータ分析からは、同じディープインパクト産駒のなかでは○が2項目のローハイドよりのほうをより高く評価したい。

そのほか、出走すればという条件付きで、×の項目がなかったクラリティシチーとデルフィーノの2頭を挙げておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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