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第775回 進境著しい「ダーレー」軍団を分析する

2014/2/10(月)

世界に股をかけて競馬事業を展開する「ダーレー・グループ」。日本国外居住者の馬主登録が認められた2009年にH.H.シェイク・モハメド氏など3名義が馬主として登録されて以降、着実に存在感を増しており、昨年12月の朝日杯チャレンジCではアルキメデスが4連勝で重賞制覇を飾り、先日のシルクロードSでもレディオプオペラが圧倒的1番人気に推されるなど(結果は2着)、今年の重賞戦線を賑わせそうな有力馬も揃ってきた。そこで、いま注目のダーレー・グループについてのデータを調べてみたい。2014年2月現在、所有馬はH.H.シェイク・モハメド氏名義に一元化されつつあるが、今回は従来使用されていたH.H.シェイク・ハムダン氏名義とH.R.H.プリンセス・ハヤ氏名義の所有馬も合算して集計対象とする。集計期間は、H.H.シェイク・モハメド氏の所有馬が初出走した10年2月20日から14年2月2日まで。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

2013/12/7 阪神11R 朝日チャレンジカップ(G3)1着 8番 アルキメデス
2014/1/13 京都11R 淀短距離ステークス 1着 3番 レディオブオペラ

■表1 年度別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2010年 8-  4-  7- 51/ 70 11.4% 17.1% 27.1% 79% 70%
2011年 33- 36- 28-166/263 12.5% 26.2% 36.9% 130% 107%
2012年 64- 45- 39-272/420 15.2% 26.0% 35.2% 95% 85%
2013年 75- 45- 47-404/571 13.1% 21.0% 29.2% 125% 89%
2014年 8- 14-  4- 47/ 73 11.0% 30.1% 35.6% 45% 136%
通算 188-144-125-940/1397 13.5% 23.8% 32.7% 111% 93%
※2014年は2月2日までの成績

表1はダーレー・グループ所有馬の年度別成績。2年目の2011年以降は常に安定した好走率を残し、どの年度も総じて単勝回収率が高いのが特徴で、通算でも単勝回収率111という優秀な数字が残っている。今年はやや勝ち切れないレースが多く、注目度が増したことの影響もあってか単勝回収率が45%にとどまっているが、複勝回収率は136%と高い。これからレース数を消化していけば、従来の単勝回収率の水準に近づいても不思議はないだろう。

■表2 単勝人気別成績

単勝人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 82-  51-  26-  69/ 228 36.0% 58.3% 69.7% 85% 93%
2番人気 41-  32-  28-  84/ 185 22.2% 39.5% 54.6% 87% 90%
3番人気 22-   5-  13-  66/ 106 20.8% 25.5% 37.7% 128% 78%
4番人気 6-  11-  13-  96/ 126 4.8% 13.5% 23.8% 44% 57%
5番人気 7-  15-  15-  72/ 109 6.4% 20.2% 33.9% 64% 104%
6番人気 8-  11-   7-  79/ 105 7.6% 18.1% 24.8% 105% 87%
7番人気 5-   4-   7-  71/  87 5.7% 10.3% 18.4% 120% 90%
8番人気 8-   6-   6-  79/  99 8.1% 14.1% 20.2% 313% 164%
9番人気 3-   3-   1-  61/  68 4.4% 8.8% 10.3% 141% 90%
10番人気 3-   1-   4-  74/  82 3.7% 4.9% 9.8% 130% 82%
11番人気 0-   3-   2-  57/  62 0.0% 4.8% 8.1% 0% 74%
12番人気 2-   1-   0-  35/  38 5.3% 7.9% 7.9% 324% 119%
13番人気 0-   0-   3-  35/  38 0.0% 0.0% 7.9% 0% 146%
14番人気 1-   1-   0-  30/  32 3.1% 6.3% 6.3% 241% 132%
15番人気 0-   0-   0-  17/  17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-   0-   0-  12/  12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
17番人気 0-   0-   0-   1/   1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-   0-   0-   2/   2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は単勝人気別成績で、まず気がつくのが1〜3番人気の勝率がいずれも水準を上回っていること。上位人気に推された場合にきっちりと勝ち切ってくるのが特徴となっており、なかでも3番人気の勝率20.8%、単勝回収率128%は非常に優秀だ。また、6〜10番人気の単勝回収率がすべて100%を超えている点も特筆もので、穴馬であっても1着まで突き抜ける傾向を持っている点にも気をつけたい。

■表3 種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
アドマイヤムーン 35- 13- 13-178/239 14.6% 20.1% 25.5% 164% 72%
アグネスタキオン 17- 13- 16- 90/136 12.5% 22.1% 33.8% 71% 102%
Singspiel 11-  8-  7- 24/ 50 22.0% 38.0% 52.0% 113% 109%
Street Sense 10-  4-  2- 11/ 27 37.0% 51.9% 59.3% 128% 118%
アルカセット 9-  7-  5- 52/ 73 12.3% 21.9% 28.8% 122% 115%
タニノギムレット 9-  5-  8- 46/ 68 13.2% 20.6% 32.4% 125% 88%
ディープインパクト 8-  7-  7- 13/ 35 22.9% 42.9% 62.9% 71% 112%
Shamardal 7- 10- 11- 30/ 58 12.1% 29.3% 48.3% 124% 109%
ストーミングホーム 7-  7-  7- 40/ 61 11.5% 23.0% 34.4% 30% 69%
コマンズ 6-  5-  2- 45/ 58 10.3% 19.0% 22.4% 88% 89%

ダーレー・グループは生産も行なう、いわゆる「オーナー・ブリーダー」。世界各地に種牡馬を繋養している関係もあって、日本での所有馬の種牡馬もバラエティーに富んでいる。そこで種牡馬別成績を確認してみたい。最多の35勝を挙げたのはアルキメデスの父でもあるアドマイヤムーン。ダーレー・ジャパン・スタリオンコンプレックスで繋養される種牡馬のなかでもトップクラスの人気を誇るだけに当然とも言える成績ではあるが、単勝回収率が164%と抜群なのも見逃せない。2、3着の数に比べて1着の数が非常に多いのが特徴となっており、好走時には勝ち切る傾向があるので馬券では馬単や3連単の1着固定で狙ってみたい。そのほかの注目種牡馬は、勝率22.0%のSingspiel、勝率37.0%のStreet Senseといったあたり。前者はレディオブオペラ、後者はフリートストリートが代表的な所有産駒だ。なお、Street Senseは2013年に日本で供用されており、2016年にはその産駒がデビューする予定となっている。しばらく先の話になるが、「ストリートセンス」として内国産の産駒がH.H.シェイク・モハメド氏名義の勝負服で走るようになった際には、注目してみる価値があるだろう。

■表4 騎手別成績

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
川田将雅 13- 3- 8-22/46 28.3% 34.8% 52.2% 134% 137%
武豊 11-14-12-49/86 12.8% 29.1% 43.0% 65% 109%
蛯名正義 11-12- 7-39/69 15.9% 33.3% 43.5% 79% 103%
浜中俊 11-12- 6-32/61 18.0% 37.7% 47.5% 127% 101%
四位洋文 10- 3- 1-30/44 22.7% 29.5% 31.8% 80% 54%
藤岡康太 9- 3- 0-17/29 31.0% 41.4% 41.4% 537% 143%
岩田康誠 8- 3- 1-22/34 23.5% 32.4% 35.3% 59% 50%
藤田伸二 7- 3- 2- 8/20 35.0% 50.0% 60.0% 85% 88%
北村友一 7- 2- 2-26/37 18.9% 24.3% 29.7% 574% 195%
勝浦正樹 6- 4- 2-22/34 17.6% 29.4% 35.3% 85% 93%

表4は騎手別成績で、ダーレー・グループ所有馬に騎乗して最多の13勝を挙げているのは川田将雅騎手。2回に1回は馬券圏内を確保し、4回に1回は勝ち切る計算で、回収率も単複ともに130%台と優秀なので積極的に狙いたい。また、穴ジョッキーとして見逃せないのが藤岡康太騎手。勝率31.0%、単勝回収率537%といずれも抜群なので思い切って1着固定で狙ってみたいところだ。

■表5 厩舎別成績

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
小島太 16- 23- 17-108/164 9.8% 23.8% 34.1% 62% 88%
白井寿昭 16-  9-  4- 48/ 77 20.8% 32.5% 37.7% 135% 77%
西浦勝一 14- 17- 18- 68/117 12.0% 26.5% 41.9% 98% 98%
池江泰寿 14-  8-  7- 65/ 94 14.9% 23.4% 30.9% 78% 80%
野中賢二 13- 12-  8- 72/105 12.4% 23.8% 31.4% 117% 89%
藤岡健一 13-  4-  8- 54/ 79 16.5% 21.5% 31.6% 174% 94%
安田隆行 12-  7-  8- 50/ 77 15.6% 24.7% 35.1% 278% 107%
千田輝彦 11-  4-  3- 35/ 53 20.8% 28.3% 34.0% 192% 126%
藤原英昭 10-  7-  4- 10/ 31 32.3% 54.8% 67.7% 118% 112%
荒川義之 10-  6-  2- 45/ 63 15.9% 25.4% 28.6% 122% 92%

表5は厩舎別成績。最多の16勝を挙げているのは小島太厩舎白井寿昭厩舎で、馬券で狙いやすいのは勝率20.8%、単勝回収率135%を記録している白井厩舎のほうだろう。オープン馬のレディオブオペラ、キズマ、ウエストエンドが所属しており、上級クラスで好成績を収めているのが特徴だ。その白井厩舎を含めて、表5に入った10厩舎のうち7厩舎が単勝回収率100%以上を記録しており、これらの厩舎に所属するダーレー・グループの所有馬は馬券的にも狙い目となる。

■表6 競馬場別成績

競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 3-   1-   4-  31/  39 7.7% 10.3% 20.5% 34% 37%
函館 10-   5-   5-  35/  55 18.2% 27.3% 36.4% 219% 99%
福島 5-   3-   5-  34/  47 10.6% 17.0% 27.7% 168% 74%
新潟 19-  11-  10-  71/ 111 17.1% 27.0% 36.0% 96% 77%
東京 17-  24-   8- 120/ 169 10.1% 24.3% 29.0% 58% 75%
中山 15-  16-  19- 125/ 175 8.6% 17.7% 28.6% 77% 83%
中京 11-  13-  11-  84/ 119 9.2% 20.2% 29.4% 79% 100%
京都 49-  43-  35- 180/ 307 16.0% 30.0% 41.4% 141% 128%
阪神 40-  20-  18- 168/ 246 16.3% 24.4% 31.7% 105% 81%
小倉 19-   8-  10-  92/ 129 14.7% 20.9% 28.7% 161% 93%
東開催 56-  54-  42- 350/ 502 11.2% 21.9% 30.3% 83% 78%
西開催 119-  84-  74- 524/ 801 14.9% 25.3% 34.6% 124% 104%
中央開催 121- 103-  80- 593/ 897 13.5% 25.0% 33.9% 103% 96%
ローカル 67-  41-  45- 347/ 500 13.4% 21.6% 30.6% 124% 86%

表6は競馬場別成績。これを見ると、関西圏の京都、阪神、中京、小倉の4競馬場ではいずれも単勝か複勝のどちらかで回収率100%以上を記録し、なかでも京都では単勝回収率141%、複勝回収率128%と抜群の成績を残していることがわかる。一方、関東圏も悪い成績ではないものの、関西圏に比べるとトーンダウンする印象は否定できない。また、一般的に出走馬のレベルが下がるとされるローカルより中央開催で高い好走率を残している点も見逃せないところで、それだけ質の高い馬が揃っていることの証明と言えるだろう。

■表7 距離別成績

馬場 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 32- 15- 17- 91/155 20.6% 30.3% 41.3% 127% 98%
1400m〜1600m 23- 27- 14-185/249 9.2% 20.1% 25.7% 80% 78%
1700m〜2000m 39- 22- 27-187/275 14.2% 22.2% 32.0% 183% 102%
2100m〜2400m 3-  6-  6- 35/ 50 6.0% 18.0% 30.0% 31% 85%
2500m〜 3-  0-  0- 17/ 20 15.0% 15.0% 15.0% 416% 87%
全距離 100-  70-  64- 515/ 749 13.4% 22.7% 31.2% 134% 92%
ダート 1000m〜1300m 32- 29- 28-141/230 13.9% 26.5% 38.7% 77% 94%
1400m〜1600m 21- 21- 11-107/160 13.1% 26.3% 33.1% 72% 91%
1700m〜2000m 34- 20- 20-163/237 14.3% 22.8% 31.2% 105% 95%
2100m〜2400m 1-  4-  2- 14/ 21 4.8% 23.8% 33.3% 16% 100%
2500m〜 0-  0-  0-  0/  0          
全距離 88-  74-  61- 425/ 648 13.6% 25.0% 34.4% 84% 94%

芝とダートの距離別成績を示したものが表7で、それぞれ全距離の成績も一番下に付記している。まず、芝に関して明らかに優秀なのが1000〜1300mの短距離戦で、好走率を示す3つの指標である勝率、連対率、複勝率ですべて最高の数字を残し、回収率も単勝が127%、複勝が98%と高い。また、好走率はすこし下がるものの、単複の回収率で1000〜1300mを上回る1700〜2000mには馬券的な妙味がある。一方、1400〜1600mと2000mを超える距離の芝レースではやや信頼性が落ちるようだ。ダートに関しては、出走例のなかった2500m以上は別として、2100〜2400mの勝率、単勝回収率が低い点を除き、いずれの距離区分で複勝率30%以上、複勝回収率90%以上を記録するなど大きな差は見られない。勝率がもっとも高く、単勝回収率105%の1700〜2000mの距離で若干妙味がある、といったところだろうか。なお、集計期間内に障害戦の出走例は1回もなかった。

■表8 クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 16-  17-  13- 118/ 164 9.8% 20.1% 28.0% 40% 65%
未勝利 63-  57-  48- 370/ 538 11.7% 22.3% 31.2% 109% 99%
500万下 63-  38-  28- 222/ 351 17.9% 28.8% 36.8% 146% 93%
1000万下 23-  17-  12-  98/ 150 15.3% 26.7% 34.7% 68% 94%
1600万下 14-   7-   8-  32/  61 23.0% 34.4% 47.5% 152% 108%
オープン特別 6-   3-   8-  33/  50 12.0% 18.0% 34.0% 338% 136%
G3 2-   4-   6-  37/  49 4.1% 12.2% 24.5% 24% 76%
G2 1-   1-   1-  16/  19 5.3% 10.5% 15.8% 12% 73%
G1 0-   0-   1-  14/  15 0.0% 0.0% 6.7% 0% 24%

最後にクラス別の成績を確認しておこう。ここでの注意点は、新馬戦と未勝利戦の成績、特に回収率に大きな差があることだろう。勝ち上がり前のダーレー・グループ所有馬については、新馬戦では慎重に取捨し、未勝利戦で積極的に狙うのがポイントだ。また、500万下からオープン特別までは総じて優秀な数字が並ぶのに、重賞になると厳しい数字になってしまう。冒頭に述べたアルキメデスやレディオブオペラといった馬も現れつつあるが、特にG1では3着が最高と苦戦しているようだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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